音の快楽的日常

音、音楽と徒然の日々
モリコーネ

ネットニュースのトップ欄に訃報が出ない日がないと思うほど、

自分にとって親しみ深い音楽家や俳優の残念なお知らせが続く。

先日のエンニオ・モリコーネもその一人で、

ご年配なのは承知でも、やっぱり報せを聞くと残念に堪えない。

 

1枚だけ彼の作品を挙げるとしたら何になるだろう。

パッと思い浮かぶのは「夕陽のガンマン」だろうか。

メロディが先かあのシーンが先かというくらい音楽と映像が一つになって記憶に刻まれている。

 

両親が映画好きなおかげで、家族でテレビを囲むというと大抵映画だった。

俳優や監督、作品の背景や話の伏線など、ある種「おたくな」家庭に育ったことは、

今思えば大変に恵まれていたと思う。

 

就職して一時期、アラン・ドロンの主演作をあれこれ見直していた頃がある。

当時はテレビの深夜枠に映画番組があって、VHSに録画して何度も見返していた。

1本をしつこく観るということではあの時期が一番楽しかったかもしれない。

その頃の印象的な作品「シシリアン」の音楽が、そういえばモリコーネだと思い出し、

改めてレコードを買って聴いてみた。

 

 

 

 

モリコーネのニュースに合わせてリリースされたわけではなさそうな盤。

新品でこういうものが手に入るというのも改めて驚くけれど、

録画で見た映画の背景に流れる、どこかくぐもった調子の音楽とは違い、

もわん、と当時の空気が部屋に充満するような新鮮な響き。

 

1969年と古い映画だから、ラジオデイズのような音質で聴いた方が面白いかもだけれど、

(劇中の音楽として聞いていたから、当時のテレビのモノラル音声のイメージしかない)

こうしていい音質で聴けると逆に映画を観直したくなる。

映画のシーンや俳優たちがうんと引き立つようなメロディ、効果音。

俺が俺がと音楽が前に出ているわけではないのに、

この表裏一体感は、今時のスケールアップされた映画音楽とは一線を画しているのでは。

 

できれば、こういう作品を映画館で、

しかも2本立てとか3本立てで一気見できたらどんだけ幸せかと思う。

感染症の蔓延で映画館に足を運びにくい時期が続くだけに尚更そう感じるのかもしれないが。

(ちなみに、換気という点では映画館は基準を十分満たしている施設が多いとのこと)

あるいは、就職したての頃買った14インチのテレビで観たあの鄙びた感じを再現できたら。

今時ブラウン管のテレビでもないんだろうけれど。

 

素晴らしい音楽家がまた一人この世から去ってしまった。

ほんとうに残念なことが続くけれども、

こうして多くの音源や映像作品が良い状態で体験できることを幸せに思うことにしよう。

 

 

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