I can see the gates of heaven... (2010.02.07)
表題を『天国の門』と訳されたMarta Sebestyenの最新作。

彼女の声を初めて聴いたのは、映画『イングリッシュ・ペイシェント』の音楽だった。
懐かしさと、地の底から響き渡るようなどこかおどろおどろしさもたたえながら、
映画のストーリーを思い出すと、何よりも先に彼女の声が朗々と胸に響き渡るのであった。

シンプルな伴奏に彼女の歌の組み合わせ。
Stingのアルバムに感じる白樺の森の静けさとは真逆の、
土の香りがぷんと漂うような、天国ではなくて、地を感じさせる歌と演奏。
本作は解説が付された国内盤がリリースされているが、
歌詞の和訳まではついていないので、
英訳を頼りにしつつ各々の曲を聴いている。
ふと思い出すのは、もう随分前に訪れたハンガリーはエステルゴムの丘。
古くて由緒ある教会のオルガンの音色。
そして、その響きはどこまでも高く、空へと通ずるようであった。
本作はそんな空高く、天への導きのための歌なのか、どうか。
日頃悩み抜くことを避けて日々を過ごすわたしにも、
どうにもやるせなく、立ち往生してしまうことがある。
そんなとき、どこかに導きの星はないものかと無意識に遠い天を仰ぎみる。
天国の門、すべての人に開かれているのか疑問に思えど、
在ると信じて進むことは、きっと無駄なことではなかろうと思いつつ、
今日という一日を終えてようよう床に付く。
『天国の門』、
ふと立ち止まり、目を閉じて何かを思いたい、
そんな時に聴きたい1枚だ。
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