音の快楽的日常

音、音楽と徒然の日々
「国境なし」という名の

Океан Эльзы(オケアン・エリズィ)の久々の新譜、"Без меж"(国境なし)。

いつもならお店でキャンペーンがあったりとそれなりに「騒がしくなる」はずなのに、

今回は気がついたら出ていたという拍子抜けのようなリリース。

少々訝しくも、ファンであるわたしは素直に嬉しがるべきなのだ。

3年待ったのだから。

 

 

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Apple Musicでも彼らのOfficial Siteでも聞けるから、

CDがKievから届くまでの間、取り急ぎはストリーミングで聞いたりしたのだが、

何とも懐かしい音にただじっと耳を傾けた。

何とも懐かしい土と風の薫りよ。

 

 

 

 

いろんな媒体で気軽に聞けるのに、未だにCDかと思われるかもしれないが、

気に入った音源は目に見える形で手元に置いておきたい。

いつまでこうした形で音源を手に入れることができるのかはわからないけれど。

 

 

新聞か何かの記事で若い人たちの間でカセットテープが注目されていることを知った。

うちには壊れたラジカセが1台あるが、

そんなブーム(?)のおかげで再修理できたりするようにならないだろうか。

流石に40年以上前のものだからこのままそっとしておきたい気もするけれど、

もしまたカセットテープが手に入ったりすれば、ちょっと聞いてみたい気もする。

オリジナルのテープを作るほどの熱は、もうわたしの中のどこにも残ってはいないけれど。

 

彼らの音楽を知った頃、ロシアではまだカセットがたくさん流通していて、

安価で楽しいお土産になったから、掴み取りのようにしてたくさん買ってきたのを思い出す。

先を考えるより思い出すことの方がたくさんになった自分の歳をおもいながら。

 

 

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冬が恋しいのか?
朝から雨が降り続く。
雨に濡れた花は、それはそれでまた美しいということを今更知ったよ。

まだまだ冬ではないけれど、きんと冷えた空気がなぜかうれしい。
寒いのは大嫌いなのに、本当に不思議だ。





ロシアのロックバンド、モラーリヌイ・コーデクスの2014年アルバムから「冬」を。
メロウなラブソングをさらっと歌ってしまったりする。
もっともスローバラードは彼らの得意とするところ。

  "僕らの愛は 冬の雪の下でも凍てつくことはない・・・"





Apple Musicを利用してからというもの、
ロシアのポピュラー、ロックの主だった新譜を気軽にチェックしている。
音源のダウンロードが一般的になればなるほど、盤の入手が大変になり、
聞き逃すよりはと思って始めたApple Musicだけど、これはこれでなかなか。
ちなみにGoogleの方も試してはみたが、こちらはお試しで終わってしまった。

それにしても、相変わらず彼らの歌はいいねえと思いながら、
ベランダから外を眺めてみると、いつもは見える遠くのタワーが見えないのが残念だ。
冬は、空気がきりっとして夜景も一段と綺麗だから、
いつもと違って今年は冬がちょっと楽しみだったりするから現金なものだ。

目を閉じれば空気まで凍りそうなモスクワ郊外のクリスマスを思い出す。
彼らの叙情的な音楽があれば、一人でも寂しくはないはず。
 Моральный кодексのЗима、ぜひ一聴を。
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fields of gold
黄金の秋、ということばがあるけれど、
黄金色の、というと、わたしは稲穂が重く頭を垂れて金色に輝く季節を思い出す。

まだ小学校に通っていた頃のこと、
近所に越してきた男の子と仲良くなった。
病弱でどうしようもなかったわたしを、
いつも窓から顔を覗かせて、外に出ると気持ちいいよ、
そうやって外に連れ出してくれた。

春は春で蓮華で一杯になった田んぼを駆け回り、
秋は秋で、野原で草まみれになって、
それこそ暗くなるまでいっしょに遊んだのを覚えている。
その子のことを、こうも思っていた。
大きくなったら迎えに来てくれるのかな、と。

ささやかな夢は叶うこともなく、
その彼は一足先に田舎を出て音楽を志した。
わたしは、少しでも元気になりたいと、
つよくならないと大切なひとは去ってしまうのだと、
こどもながらにそんな思いを噛みしめたのを今更ながらに思い出す。


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Eva Cassidyの"Fields of Gold"を初めて聴いたのはいつだったろう。
Stingのその歌と歌詞が少し違うのにも後になって気がついた。
趣ががらりと違って感じられる二人の歌だけれども、
いまのわたしには、Evaの歌がずっとしっくりくる。



 



あまりに遠い記憶であるがゆえ、その人の姿形を思い出せなくなったとしても、
作物が実る季節の風と土の匂いを決してわすれることはないだろう。
それどころか、こどもの頃の記憶は朽ちることもなく、
あまりに美し過ぎて、苦しく、ある意味残酷でもあったりするかもしれない。



  I never made promises lightly
  There have been some that I've broken
  But I swear in the days still left
  We'll walk in fields of gold...



軽はずみな約束はしないけれど、でも約束を破ったことはあって。
でも、残りの日々を、黄金の草原を共に歩いていくと誓うよ。
そんな歌詞にふと心射抜かれて、毎夜寝る前に聴いている。
誓うということばの意味を思い、軽々しい約束はしないと心の中で呟いてみる、
秋の気配を感じさせる夏の夜だ。
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湿気対策な1枚
ここ1、2年くらいロシアの国内盤CDがなかなかタイムリーに入手できなくて、
まるで周回遅れのように2012年にリリースされたアルバムを丁寧に探している始末。
かつてレコード盤からCDへ切り替わった際、ロシアではCDの普及が早かったそうで、
その意味では彼の地ではmp3などのダウンロードが主でCDなんてあまり売れない、
みたいな状況がひょっとしたらあるのかもしれない。

(ロシアでの)国内リリース時、人気アーティストの盤はボーナスCDがついたり、
豪華な装丁だったりと、本当はこういうのを手に入れたいのだが、
ヨーロッパや米国のコミュニティ内ショップを通じて手に入れられる頃には、
ボーナストラック満載だけど、いわゆる廉価版で装丁はちょっとがっかりなのがほとんど。
ま、盤が手に入るだけまだいいかと思いながら根気よく盤を探している。


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つい先日届いた中ではこれが1番!というДидюляの"Орнаментальный"(装飾の)。
Дидюля(DiDuLa)はロシアのギタリスト。
バルカンブラスを伴奏に軽快に弾いてみたり、
耳懐かしいディスコアレンジを隠し味にしたポップな1曲もあったりと、
音の動きが楽しい2012年リリースの最新作。

湿気が酷くて気持ちがうつうつとする季節には、
聴いていて自然と体が動くようなのがいい。
彼のつま弾く音色はどことなく夏向き。
涼しげというよりは、じめじめをからりとした熱さで吹き飛ばそう、みたいな感じだ。
ラテンが好きでギターやブズーキがが好きならぜひ。


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Земля
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ウクライナのロックバンド、オケアン・エリズィの待望の新譜、"Земля"(大地)。
ジャケット一杯に広がった様々な穀物、そして回帰、の音。
戻ること、始まること、まずは一粒の穀物から・・・。

今回のアルバム、少し前の懐かしいオケアンのサウンドに、
ほんのりフォークロアの薫りがする。
暗闇の中を手探りしていたようなヴァカルチュクのソロアルバムを経て、
辿り着いたのが此処だったのか、それとも今だからこそのメッセージ?
閉じかけた心の隙にそっと差し込む光のようでいて、
時にぐっとメランコリックに。

迷いに迷ったからこそ、元のところにしっかり戻って来れる、
そんなことってあるよね?
虚空にぽつぽつと言葉を投げ上げてみる、水の匂いのする夜。


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貴方の記憶に残る人生を
4月はいつも慌ただしいけれど、こんなに忙しない年もなかったと呆然とした一週間。
いつもなら桜花賞、皐月賞と出かける予定で一杯で、
良い意味で落ち着かない季節だったりするけれども、
そんな余裕は微塵もなく、とにかく毎日、朝が来てあっという間に夜になる。

充実しているからですよ、などと宴会ではからかわれるが、
筋肉が引きつるのか、笑う顔がどことなく不自然な気がした。

エキセントリックで、逆に不安を誘うような音楽ばかり聴きたくなり、
これまた久々に出たアルバム、Земфира(ゼムフィーラ)の"Жить в твоей голове"を
iPodに入れて朝も昼も夕方も、繰り返しヘッドフォンで聴く毎日が続いた。


 

一時期、彼女の髪型を真似て、少しワイルドな(或はぼさぼさの)ショートにしてみたが、
今どこにいるのかわからない、みたいな軽みのようなものはなかなか真似し難くていた。

今回のアルバムは、表題曲が1曲目で、しんみりと語りかけるように、
シャボン玉を一つ、一つ丁寧に部屋に浮かべていくようにことばを置いていく。
と思ったら、2曲目以降はザリザリといつものゼムフィーラのサウンドで、
オルタナティヴで心にちくりと痛みを残していくような響きが連なっていく。

彼女の1stを聴いたときの新鮮な驚きを、時折思い出すことがある。
当時は6畳一間のアパートで、とにかく物が多くて、
そんなデッドな場所で無理にミニコンで音を出しているものだから、
それが嫌な音楽だったら拷問になってしまっただろうけれど、
遊びに来てくれた友人も、こんな音楽がロシアにあるんだねえと感心したり驚いたりだった。

時の経つのは思いのほか速くて、
当時の友人の中には一足早く遠い向こうの世界へ旅立ってしまった人もいる。
桜が満開の木の下で、彼らの表情を思い出しては、少し寂しくなったりもするが、
こうして元気でいることが一番の「回答」なんだろうと思わないでもない。

思えばこの春は風の強い日が多くて、
桜の花が、咲き誇ったまま千切れて落ちていたのが目に焼き付いて離れない。
供養ということではないのだけれど、いくつかは部屋に連れてきてしまった。

貴方の人生のあるひとこまは、こうしてわたしの頭に焼きついて離れない。
その逆はどうだろう。
どこか片隅でわたしという名の時間の記憶が残っていたりするだろうか。
それとも、そんなものは体と共に焼かれて灰になってしまっただろうか。


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包みこむような
久々にうれしい新譜が手元に届いた。 
Александр Маршал(アレクサンドル・マルシャル)の"Обернись"(Wrap)だ。




マルシャルはゴーリキィ・パークの元リードヴォーカル。
ソロになってからは、ロックからポピュラー、ロシアンシャンソンと幅を広げ、
バンド時代を遥かに超える活躍で今もライブ会場が一杯に埋まるアーティストだけど、
彼の歌はぶれずにずっと同じ方向を向いてた気がする。

最近のPVやテレビ映像を見ると、髪も透き通るようなほど白くなって、
それはそうだ、自分だって一体何年ファンやってるんだと過ぎた時間の長さに驚くけれど、
でも、声量はさすがに少し落ちたかも知れないと思うくらいで、全然変わらない。

今回のアルバムにはオリジナルとカヴァー曲から編まれた全14曲。
意外な選曲だったのは、
Игорь Саруханов(イーゴリ・サルハノフ)のオリジナル、"Поплакала, и хватит"。
こういうしっとりとした美しい歌詞の歌を彼に歌われてしまうと、
いったいわたしはどうしたらいい(誰もそんなことは気にしていないけれど)!

心の隙をふいにつかれて目眩がしたけれど、
気がついたら柔らかなシーツにでも包まれてるような不思議な感覚。
今朝は新緑目映い街路樹に目を奪われたが、まだまだ春を愉しみたい。
ああ逝ってしまうという惜しい感じが胸を優しく締め付けるのがまたいいのだけれど。

マルシャルという歌手は、本当にぶれない人だけど、でもいつも新しい彼を見せてくれる。
ずっと歌っていて欲しい、わたしにとって宝物のようなアーティストの一人。

(※最初にマルシャルを紹介してギターを弾いているのがイーゴリです)

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年末年始の恒例番組を
とりあえず紅白よりも、ロシアの歌謡番組を見るのが恒例になって久しいけれど、
ネット上で見るのは田舎では辛いので、
結局、いつも録画のDVDを購入することになる。
今年はロシア版紅白のピェースニャ・ゴーダ2013が1枚ものになり、おまけ映像も省かれた。
レコ大に近いんでしょう、ザラトイ・グラモフォン2012が独立して1枚に。
それから、今年始めて買ってみたのが、ガルボイ・アガニョーク2013。


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写真で真ん中にあるのがピェースニャ・ゴーダ。
1枚ものにしては画質も許せる範囲で、有名どころが勢揃いの50曲。
ちょっと懐かしいアーティストが出演するのもこの番組ならでは。
もしも今どきのロシア歌謡をざっと眺めようと思えば、この1枚があればとりあえずOK。
国内の経済状況を反映してか、大型ホールで凝ったセットと演出が楽しい。
一時期はかなり地味になってどうなることかと思ったが、
やっぱり新年の祝いだから、こうこなくちゃね。

向かって左がザラトイ・グラモフォン。
選出にちょっと偏りがあるように思えるけれども、
注目の新人、とか、逆に大ベテランのワレーリィ・スュートキンが出て来たりとか、
ロシアのポピュラーに思い入れのあるファンには見応え十分。

最後に1番右のガルボイ・アガニョーク、これがロシアンフリークには一番受けそうだが、
何しろ最初から最後までハイテンションのパーティムードで、とにかく喧しい(笑)。
アーティスト名などのテロップも何もないし、
普段はやらない組み合わせで誰かの曲をやってたりするので、
初めてロシアの歌番組を見る方には何がなんだかさっぱりの状態(汗)。
ただ、豪華ゲスト多数で、ただ流し見るだけで楽しい、新年を迎えるお祭り騒ぎの1枚。
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初雪
東京に今年最初の雪が降った。
雪が降る、というと、粉雪が舞い散り、しんしんと降り積もる様を思い浮かべるが、
今日のはそんな生易しいものではなく、
どんどん、じゃんじゃん降るといった様相で、 
この部屋に引っ越して来て以来、初めてベランダの雪かきをした。

雪、というと、
例えば"19"(アデルではなくてアルスー)の"Первый снег"が思い出される。
彼女はほんの13とか14の歳で堂々デビューし、
今では女優やモデルもこなすマルチタレントだ。
でも、音楽で言えば、
このアルバムを含めた1stからの初期数枚が、彼女らしくまとまっていると言えるだろう。


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つぼみが開き切るかどうか、という微妙な加減がかえって切なくさせる歌唱。
日本のCD店でも並んだアルバムだから、world好きな方ならどこかでご覧になったかも。
ちょうどt.A.T.uなんかが輸入されてキャンペーン著しい頃で、
ロシアのポピュラーに一瞬、商業的な目が向いた時期と重なったこともあったと思う。

歌の文句は一見、どうということのない恋物語だけれど、
ちょっとしたことばの言い回しというか、ほんの一言の、
胸をそっと押されるような適度な圧迫感が心地良いのだ。


  Ты мой первый снег
  Я тебе так рада
  Ты пришел ко мне
  Навсегда, навсегда. Слышишь...


もっとも、今日のようにどかどかと降る雪にはあまり合わないけれど、
「雪の降る町を〜想いでだけが通り過ぎてゆく〜」では寂しすぎるから。

Алсуの"19"、
リリースから10年以上経ったいま、改めて聴きたいロシアンポップスの道標的1枚。
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すべては君の両の手に
秋らしい涼しさ、湿気に解放されることがこんなに心地いいとは。

今日のような夜には、小音量ながら浴びるように音楽を聴きたくなる。
それも、少しばかり懐かしい歌謡曲を。

Анжелика Варумの"Все в твоих руках"、
人気絶頂の彼女がいつのまにか舞台から消えた後、
鮮やかにカムバックした際の忘れられないPV。
ことばで説明するよりも、何よりもずっと説得力があって・・・。





彼女は歌手だから、
周囲やファンのいろいろな疑問に歌で応えたのはごく自然だったかも知れない。
それでも、この歌には格別の思いがあるようで、それが伝わって来るようで。
そう思いながら、歌詞を一言ひとこと噛みしめてみる。
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