音の快楽的日常

音、音楽と徒然の日々
アナログレコードブームは本当か

一時期ほどは言われなくなったが、アナログレコードのブームというのは本当だろうか。

レコードだけではなく、カセットテープを楽しむ人も地味に増えているそうで、

そういうわたしも先日ネットフリマで修理が趣味で直したものを出品している方から、

昔懐かしいカセットウォークマン”ビーンズ”を1台購入した。

肝心のカセットは手元にほとんどなく、譲っていただいたりしたものを

何本か聞いてみたが、なんと懐かしい音がすることだろう。

大学受験で上京した折、試験の前日になかなか寝付けず、

当時使っていたAIWAのポータブルプレーヤーに付属のラジオでFENを聞いたりしたのをふと思い出した。

元気でる系のテープも何本か持参しての旅だったが、

それらのテープは実家にまだあったかどうか。

 

脱線したが、よく出かける中古レコード店は平日も休日も結構な人で賑わっていて、

しかも思いっきりマニアな方ばかりではない様子が、ブームというか、

レコードを楽しむ方が少しずつ増えているようでなんだかうれしい。

若い方や女性もいて、どんな装置で楽しまれているのかと想像するのもまた楽しい。

 

そういうわたしは、暇さえあればレコードを、というほどでもないが、

通勤先からそう遠くないところにいくつも中古店があるから、

気分転換に眺めるだけの巡回が習慣になりつつあるが、

ぼんやり眺めているジャケットの中には、

中身を全然知らないのに、どうしても欲しいと思うような盤と出くわす。

例えば。

 

 

 

 

新着の箱の先頭に燦然と輝くジャケット。

わたしは昆虫が好きだし、特にミツバチともなるとそれだけで釘付けになる。

買ってから調べてみたら、イタリアのプログレバンドのアルバムだそう。

聞いてみたら(眺める目的で買った盤だけれども)なかなか楽しめた。

レコードから音が出るのは当たり前なのに、なんだかちょっと得した気分になる。

 

今の住まいに引っ越す際に、もう聞かないかもと思った盤を随分手放して、

手元の在庫を圧縮したから部屋じゅうに盤が溢れてはいないが、

こう気軽に持ち帰るようなことを続けていると元の木阿弥になるだろう。

 

一旦は「反省」し、整理もしたが、レコードの愉しみにはある種の中毒性がある。

こういう人間のために、ブームとは言わないまでも、

たくさんの方がレコードで音楽を聴き、楽しむ時代が長く続きますよう。

多くの方が利用しないと、今あるたくさんのレコード店はやってはいかれないから。

 

 

 

 

最近買った中古CDの中には、ぱっと見では傷が少ないのに読み込みに難のある盤が結構ある。

20年かそこらで、扱いが悪かったのかもしれないが、聞くのに一手間以上かかってしまう。

そこにいくと、レコードはノイズが多少乗っても随分いい音で聞けてしまうのがすごい。

50年とか平気で経っているものですら。

梅雨が明けたら、

安い盤でいいからジャケットの気に入ったものを当てずっぽうでがっつり買い込みたい。

節制して軍資金を貯めるとしよう。

 

 

 

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remembered

そう遠くない場所にレコード専門店がたくさんある。

海外の友人曰く、東京はレコード好きにはこれ以上ない天国だと。

ただ、「なぜこんなレコードが?」みたいな驚きや愉しみは、

海外に一日の長ではないが、まだまだ魅力に溢れているような気がする。

 

だからではないが、ネット上のモールであれこれ検索し、

わざわざ送料を払ってでも盤を買っている。

例えば、先日思い立ってMark-Almond(Mar"c"、ではない)がレコードで聴きたくなり、

近所でなかなか見つからなかったので海外の専門店で購入した。

まあ1枚きりでは送料ももったいないかなと、

同じ店のリストでこれ聴いてみたいかもとジャケットで何枚か漁り、

届いたのが昨日。

 

丁寧に梱包され、緩衝材も十分なのに、なぜか盤の束が新聞で包まれていた。

地元紙だろうか。

 

 

 

 

"Remembered"、訃報一覧のようだ。

地元紙ならではの記事なのか、

アメリカの新聞にはこういう記事が載るものなのかは不知だが、

手元に届いた古いレコードと相まってなんともしみじみとした感覚に襲われた。

 

海外から盤を取り寄せる日本人が珍しいわけではないと思うが、

お店の方の思い思いのメッセージが納品書の余白に書かれていたり、

カードが付いていたりする。

盤が海を越えて新しいオーナーのところに行くことを、

「大切にしてもらえよ!」みたいな思いがあったりするんだろうか。

 

単なるお金儲けのタネではなく、盤が好きで盤がたくさんあるから、

「次の方」に出会いを提供すべく店をやってる、

そんな感じのお店が欧米各地の、特に郊外には多いような気がしている。

 

ずっと若い頃、30年以上も前の、レコードを買い始めた頃のこと、

新しいレコードを買い、傷つけないように大事に聴いていた当時は、

新品を買える喜びが中古の盤を手に入れるよりずっと上回っていたし、

まさに新譜で出る音楽=今自分が聴いている音楽だった。

 

しかし今は、新しいレコードも魅力だが、一体何人のオーナーが手にして聴いたのか、

それすらわからないけれど、今は縁あってわたしのところにやってきた中古盤に、

表現しがたい愉しみを感じる。

中古盤のみがもつ、独特の香りや手触りに。

 

今はわたしの手元にある盤も、いつかきっと、また別の方のところで聴かれるだろう。

CDにはそういう感傷めいたものを感じない。

同じ工業製品でありながらこの差は一体なんだろう。

レコードを眺めていると、

どれだけ時間があっても足りないほどいろんなことを思い起こさせてくれる。

いつもの言い草だけれども、ましてや音が出るのだ。

何があってもこれだけはやめられないなと独りごちた猛暑日の午後。

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Patricia

GWにBoschというamazonが作っているドラマを一気見した。

この春にシーズン5が公開になり、おさらいも兼ねて。

原作本を読まないで見るのはモグリだと言われたが、

登場人物やそのキャスティング、街の様子から物語の進むテンポまで、

すごく上手く作られていてすっかり入り込めてしまうから、

結局、本を読む前にテレビシリーズにハマってしまった。

 

 

 

 

原作とドラマの筋がどの程度いっしょで或いは離れているかはわからないが、

いずれも音楽がスパイスになっているのはどうも間違いないようだ。

主人公の刑事Boschはモダンジャズがとても好きで、要所要所にここぞという曲が流れる。

数ある挿入曲の中でもこれは!と思ったのがArt Pepperが彼の娘のために書いたと言われる、

"Patricia"だ。

 

 

 

 

主人公の一人娘マディの存在が彼のイメージに深みを与えているから、というわけではないが、

父の存在を娘の立場から眺めることをわたし自身も体験してきているから、

あのなんとも言えない距離感、時にもどかしいほどの空気にも思わず笑みが漏れてしまう。

満天の星のような都会の夜景を眺めながらゆるりとレコードで音楽を聴くBoschが、

たまさかにも自分の父に被ることはないが、

こうしてレコードを聴いていると、

あの時父は何を思ってあんなことを言ってたんだろうなあなどと、

あれやこれやを思い出したりする。

 

わたしの知るArt Pepperとは、淀みなく流れるアドリブと滑らかなラインなのだけれど、

このPatriciaのような演奏は手持ちのアルバムには見当たらなくて、

今回このPatricia聴きたさに買い求めたアルバム"Today"をきっかけに彼のバラードをもう少し集めてみようかと思った。

 

という具合にBoschシリーズはレコードをあれこれ探す口実を与えてくれる。

震災後の引越しに合わせてJazzの盤は随分と手放してしまったが、

これからはまたモダンジャズに回帰しそうな気配(笑)。

次の1枚を物色したいから、さて、もう一度Boschを最初から見てみるとしよう。

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レコード店巡り

本当に久しぶりにレコード店巡りをした。

同じエリア内にジャンル別に複数店舗を抱える大手ショップ巡り。

というのも、店のあったビルが改築解体などで人民大移動のように移転し、

感覚的には初めていく店ばかりのような状態になって久しかった。

 

何がどこにあるか。

雑食性のレコード好きの場合、限られた時間に効率よく「巡回」しようと思えば、

ある程度お店の展示や癖に慣れて、その日の優先順位に沿って上手にハシゴするのが、

やっぱり大事だ。

 

否、久々になぜ実店舗巡りなのか。

ネットでなんでも見つかる楽で便利な世の中になり、

正直買い物の愉しみやありがたみがわたし自身の中で薄れ始めていた。

危機感ではないけれど、ネットでの買い物というのは、なんだろう、

確かに欲しいものは手に入ったりするけれど、なぜか満足感が希薄だ。

実物を手に取り、目で眺め、古いレコードの場合は独特の匂い、そして肝心の音を

しっかりと確認する行為が少しずつ砂時計の落ちるようにして空腹を満たしてくれる。

そして、手に取ったレコードを本当に、本当に買うのか、どうか。

どうしようか、迷う。

時に、少しずつ条件の違う同じタイトルの盤があったりして、

値段の違いだけでなく、何が違って値段が違うのか、等々。

「矯めつ眇めつ」とは、こういうことを言うんだろうかと独り言つ。

 

少し話が逸れたかもしれない。

要は、日頃の、特にこの1年の溜まりに溜まったストレスを物欲爆発でもって解消しようという、

随分投げやりな行動なのだけれども、

ちまちまとネットで買い物していても「解消」には程遠いので、

どういう結果になるかは置いといて、とにかく出かけようと重い腰を上げたのだった。

 

***

 

しばらく店頭に行っていなかったけれども、

いつのまにかメンバーズカードがスマホの画面になり、

今日はメンバーズオンリーのバーゲンだったのだが、私のは買取等の際の紙のカードで、

どうもこれではメンバーだと証明できなかったらしい。

「でもバーゲンのお知らせはいただいているのですが・・・」

「すみません、スマホは持っていないんです(忘れたのではなくて)」

と若い店員さんに説明していると、スマホになる前のプラスチックのカードを探してくれ、

「最近はもう作らなくなっています」となんとか最後の1枚のようなのを手渡してくれた。

これで無事に割引を受けられることに気を良くし、

安い盤でよかったタイトルも、少し奮発してUKオリジナル盤を選んだりした(笑)。

 

子どもの頃にはレコードなんて見たことないだろう世代の店員さんたちが、

テキパキと対応してくれて、やっぱり専門店はいいなあと、

ネットではなく、お店に行って(多少高いなどのことがあったとしても)買うべきだ、

と反省もした。

 

今日の収穫は、伏せておこう。

重い荷物を長く持ち歩くと腰に来る。

レコードを探し歩き、気に入ったものを買い集めるには体力も必要だ。

音楽を長く聴くためには、やっぱり健康が大事だとも。

 

東京にはたくさんのレコードがある。

今日も出かけた店に何人も海外の方が来ていて、そのうち数人はバイヤーだった。

箱にどっさりキープした盤をささっと確認して梱包。

このレコードたちはどこだか海を渡って次のオーナーのところへ行く。

こんなにたくさんのレコードがある街にいられて本当にラッキーだ。

焦らなくても見切れないほどの盤がある。

そう思ったら、物欲は収まり、真面目に働く意欲が少し戻った。

明日からまたがんばろう。

 

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去年最後のジャケ買い

ジャケ買いは楽しい。本当に楽しい。

ハズレも当たりもあるし、

買い続けて当たりの率が上がるとも思えないけど、

この図柄のジャケットのレコードに、こんな音楽が入ってる

そのことを知るだけでも十分楽しかったりする。

 

2016年最後のジャケ買いはMax Regerという作曲家の作品集。

どうやらCDは出ていない様子。

 

 

 

 

チェロやピアノの弾き手も全く知らない。

なんだろう、この黄色い丸は。

黄色とグレーと、白い文字の具合や調子が何とも好印象で、

知ってることのほとんどないレコードだったのに、これが欲しいと思った。

だから、ジャケット載せてくれているお店での買い物は、

ちょっと怖いがやっぱり楽しいのだ。

 

 

 

 

 

チェロの演奏者、Rama Juckerはスイス出身の演奏家で手に入る音源はこのレコードのほかに数枚。

芯があって艶やかな弦の響きは新年に相応しい。

キリッとした空気の快晴の早朝ならなおさら。

 

Regerという人の作品は、オルガン曲がすごく有名とのこと。

Youtubeで聞いてみると、部屋の空気がぎょっとするほど重たくなる曲も。

それと比べてこのレコードの作品はどれもとても聞きやすく、

ゲンダイ音楽では、と腰が引けてしまう向きにもお勧めできる室内楽の1枚だ。

 

去年はレコード店に物色偵察に行く機会が極端に少なかった。

やっぱり足でかせがなくてはいいレコード、楽しいレコードとはなかなか出会えない。

それではいかんと反省した正月休み。

今年もおーと思わず声が出るようなレコードとたくさん出会えますように。

 

 

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海外から久しぶりにレコードを買ってみた

月に一度ほどだろうか、「入荷しました」リストを下さるお店が何軒かある。

たった1度しか買わなかったり、或いは問い合わせをしただけのお店も。

メールに付されたURLをクリックすれば、色とりどりのジャケットパラダイス。

最近はそれでも買うまでに至らず、眺めて十二分に満足、音は決して出てこないけれど。

 

偶然、 Gusse Rossiというフィンランドのテナー奏者のアルバムを耳にした。

特別な感じはしないけれど、また聴きたくなるブルージーな音色。

汗を感じるような熱はないけれど、程の良さとでも言えばいいのか、

上等のお酒を口にしたときの感触がふと思い出された。

 

少し考えてから再度、そのお店のサイトを覗いてみたが、すでにSold Out。

わずか1時間かそこらの間だったけれど、気に入ったお客さんが他にもいたんだな、

と思いつつ、やっぱり気になって古レコのモールで探してみた。

Gusse Rossi Quartetの"I'm still here"。

 

 

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フィンランドのRCAから77年にリリースされたワンホーン・カルテットによるアルバム。

わたしがこれと気に入るミュージシャンはその多くがヨーロッパで、そして寡作で。

Gusse Rossiで検索してみても、あと数枚が入手できそうな程度。

残念で、なおかつ少々ほっとしたりもするこの複雑な気持ち(笑)。

 

探し物がないと盛り上がらない盤探しだけど、

こうしてフィンランドのお店から飛行機に乗って届いた1枚をしんみり聞いていると、

知らない盤を端から聴いてみたかったあの時から心持ちも少しばかり変わったようで、

いかに自分の気に入る盤と出会えるかがやっぱり(当たり前だけど)肝だよな、

などと呟いてみる。

 

話が逸れたが、どちらかというと秋の夜長にピッタリの曲集で、

この1曲がどうしても聴きたかった!というB面2曲目の"Blues for Thomas"。

テナー奏者Rossiご本人と数名の合作曲であるのを知ったのは盤が届いてから。

道理で検索してもなかなか出てこないわけだ。

 

試聴曲にこれを選んだお店の方にこっそり拍手を送りつつ、或いは、

机の上からこうして検索して盤が届いてしまう便利さに感謝しつつ夜は更けていく。

寝苦しいと思って窓を開けたら意外にも涼しい風が。

梅雨の中休みとはいわないまでも、救いの涼に癒される。

 

探すのは少し面倒だけれど、出会ったら手に取り、

聴いてみて欲しい1枚。ぜひ。

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気がついたら11月も真ん中に
朝の通勤途上、空を見上げると月の姿がくっきりと見える。
いよいよ冬になってきたな、もうそろそろ沿道の並木も紅葉だ。

晩秋というこの季節だからこそ聴きたい1枚がある。
ボシュニアコーヴィチの82年ライヴ録音の2枚組レコードだ。


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音の消えゆく最後の最後まで何と甘やかで美しい響きのすることか。
何とも言えぬ光を放って音が美しく広がる様に思わず息をのむ。

ショパンを中心に編まれたプログラムだが、
このレコードの前主は同じ曲ばかりを聴いたのだろう。
1枚目のノイズは少々残念ながらも、目を閉じて音の世界に集中すれば、
それもやがて霧散する程度のこと。

このレコード音源がCD化されているかどうか調べてみたがよくわからなかった。
Denonより彼の音源がいくつか発売されていたが、大半は廃盤のようだ。

彼の奏でるショパンの数々。
メランコリックに過ぎるという方もいるかも知れないが、
だからこそ、こんな季節にボシュニアコーヴィチの弾くショパンが聴きたくなる。
プチプチと軽いノイズさえも気持ちを感傷的にさせるスパイスのようで、
陽が落ちてだんだんと暗くなるこの部屋にじっと身を潜めてみる。
夜が長いからこその1枚、もしレコード店で見つけたら迷わず入手を。


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Counterpoint - Kuniko Kato
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加藤訓子さん、スティーヴ・ライヒの楽曲シリーズが続いているけれど、
今回は驚きのLPレコードでのリリース。
先日のTIASでリリースを知ってから、早速、LINN Recordsのサイトで予約、
発売は今月20日ということだが、早めに送ってもらえるということで、
送料分高めになってしまっても、とにかく確実に速く聴きたかった。

9日に届いたスコットランドからの小包。
しっかりと梱包されて届いた1枚のレコード、包みを開けたのは既に深夜。
どうしようか迷ったが、取りあえず1回は聴いてみないと、
ということで真新しい盤をターンテーブルに乗せるときのドキドキ感、
これは何度やってもほんとうにいいもの!

収録曲は以下のとおり。

 A Six Marimbas Counterpoint (1986/2010)
 B New York Counterpoint (1985/2010)
   Vermont Counterpoint (1982/2010)

しっとりと音の芯の感じられる再生に改めて溜息。
全部は無理でも、こうして時々アナログレコードでもリリースしていただけると、
黒い円盤ファンとしては大喜び。
メディアの違いで音楽の善し悪しを云々するつもりはないけれど、
こういう音で聴きたいんだ!という思いはやっぱりあって、
それを叶えてくれる確率が高いのが、わたしにとってはレコードに針を落として聴くこと。

演奏が終わって針が無音の溝に流れていき、
ほんの少し置いてから、わたしは針を上げに席を立つ。
このほんの少しの動作が、ちょっとしたことなんだけれども、
音楽を聴く自分にいい具合に間を与えてくれる。
もちろん、最初に針を落とすときもそうなのだけれど。

LPだけだとちょっとね、という向きにも、
今回のアルバムにはLINN Recordsのフリー・ダウンロードチケットが封入されている。
寝落ちが怖いときには(笑)、DSでかけっぱなしができるからこれはこれで助かる。

訓子さんの演奏のすごさはこれまで何度もご紹介してきた通り。
この小さな部屋に満たされる音の響き、響きから生まれる充足感。
会議詰めで緊張していた体も自然とほぐれている。
気がつけば頭の中も空っぽ、明日のことさえ考えずただじっと目を閉じて音楽を浴びる。


発売を記念して、LINN JAPANのサイトに紹介文が出ているので、こちらもぜひアクセスを。
http://linn.jp/10-20-linn-records-release/

◇ LINN Records http://www.linnrecords.com/recording-reich-lp.aspx
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貸し切り観覧車
仕事の行き掛り上、観覧車に一人乗った。
一人、というのは、
一つのかごの中に1人という意味と、
一周して戻るまでの他のかごに何方も乗ってこなかったという意味と。


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高いところが怖いくせに、
引いた位置からあるエリアの全景を撮りたかったというそんな理由で、
一周して戻ってくるのに17分もかかる観覧車に乗ったことを、
少し後悔したかも知れない。

それでも、怖い気分を紛らわせたかったのか、そうでないのかもしれないが、
宙に浮いたような大円盤からレコードを想起してしまうのは、
もうほとんど病気だと思った(笑)。

てっぺんに上り詰めるまでにミッション終了。
かごが下に降りるまで17分の半分の時間を、
手元のレコードで片面このくらいのがあったなあ(どうでもいいが)、とか、
こびとになってカートリッジの針先に腰掛け、レコードの溝を旅してみれば、
そのスピードたるや、相当のものがあるに違いない、とか(それこそどうでもいい)。
それでもって、先日譲っていただいた1枚のレコードのことを思い出していた。
Leo Brouwerのアルバム、"de BACH a los BEATLES"。


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このレコードのA面3曲目に、
"A day in November"というBrouwerのオリジナルが入っている。
その曲は美しくも少々メランコリックで、いかにも11月の冷えた心地良い空気を醸し出し、
気持ちハイキーに写真を撮ったりして、
心の中を吹き抜ける風から目を逸らしたい「あの」気分に寄り添ってくれるような気がした。


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否、あの観覧車の切符きりのところで、
(他にあなたとわたし以外の誰も見当たらないのに)

 「おひとりさまですか」

とマニュアル通りの質問をされて、「ええ」と応えたときの、
あのすーっと何処かに風が吹くようなあの感じが、
仕事とはいえ、いつものようには上手くやり過ごせなかった。

頭の中には何度も件の曲がリフレインしている。
同じ楽譜をピアノで弾いても違った印象になるであろうギターならではのメロディライン。
Brouwerの、ちょっと眉間にしわ寄せてしまいそうな難しい曲とはかけ離れて、
鼻歌できてしまいそうな、優しいメロディ。

***

観覧車を降りて、ゲートを出る直前にまた呼び止められた。
いつの間に撮ったのか、わたしの写真が撮られていて、
「記念にいかがですか」とプリントを売り込まれたが、
折角だったけれども止めておいた。
係員の方が、円盤を回す装置のところに1人、切符きりにかごに乗せる方が各々1人ずつ。
約20分のことだが、計3人の人件費も出せそうにない貸し切り観覧車だから、
せめてプリントぐらいはいただいて来るんだったなあと帰りの電車で何思うとなく口に出た。
なんとなく、切なくなった営業中の出来事。
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from Sweden
レコードを随分いろんな国の方から譲っていただいているが、
スウェーデンは初めてかも。
切手がきれいだから記念に画像を貼っておこう。

隅にある、fragileのスタンプもまた可愛らしい。
譲っていただけた盤の状態もすごく良かったのだけれど、
レコードを大切にしている方からのパッケージや手紙は、
ちょっとしたことだが、印象に残るものが多いような気がする。


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