音の快楽的日常

音、音楽と徒然の日々
saucerful of secrets

悲しいニュース、驚くようなニュースには耐性ができていたと思ったが、

女優竹内結子さんの訃報には流石に驚いた。

記事の直下に「いのちの電話」の案内が出ていて、

具体の記述はなくても、ああそうなんだと思えてしまうような記事だった。

 

ストロベリーナイトというテレビ番組の主演作がある。

わたしはテレビを見ないので、知っているのは後に作られた映画版。

映画は2013年の作品だから7年前。

彼女はとても若くて美しくて、

暗い過去を持つ尖ったナイフのような刑事という役どころながら、

きらきらと輝いて見ていて気持ちのいいくらいだ。

亡くなってもこうして映像が残っていくのは、ある種残酷でさえあるのかもしれない。

 

映画が終わってこのあと何か聞くのなら、手元にテレビ版サントラもあったのだけれど、

少し切り替えておこうと思った。

Pink Floydのドラマー、ニック・メイソン率いるバンド、

Nick Mason's Saucerful of Secretsのライブ映像で、週末を締めよう。

 

 

 

 

新型肺炎の影響でリリースが少し遅くなった分、やっと届いた感ありありな盤をトレイへ。

映像始まってその雰囲気たるや、澱んだ部屋の空気を一変。

失礼ながら、おじさんパワー恐るべし。

バンド名からも想像つく通り、フロイドの初期アルバムの楽曲を中心に、

緩くてサイケで楽しくて、ああこれでパーフェクトだ(笑)と独り言ちるステージ。

珍しく映像ソフトも最初から予約していたが、

このライブはやはり聴くより観た方が絶対に楽しめる。

 

 

 

 

数ある公演の中から今回リリースされたのは2019年5月、ロンドンはラウンドハウスでの演奏。

ギルモアもウォーターズも、ライブでフロイドの曲をたくさん取り上げるけど、

メンバーによってこうも選曲が変わるんだと思うくらい、

Pink Floydというバンドをどうみているのかが透けて見えるようで興味深い。

 

それにしても。

フロイドを初めて聞いたのは、まだ学校に上がる前だった。

メンバーが亡くなったり、ソロ活動だったりと形は変わっているけれど、

2020年になって、こうしてまた楽しませてくれるなんて、信じられないくらいすごい。

演奏の合間に挟まれている「歴史的!」映像や当時の関係者のコメントも貴重。

古いファンにとって、「おーっ」と思わず声の出る映像集。

音源はSpotifyにもあるし、映像も質を問わなければいろんなのがyoutubeに上がっている。

でもこれを見ると、フロイドのオリジナルアルバムを聴きたくなるんじゃないかな、と。

今回の映像はファンじゃない方にもぜひご覧いただきたい作品だ。

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