saucerful of secrets | 2020.09.27 Sunday |
悲しいニュース、驚くようなニュースには耐性ができていたと思ったが、
女優竹内結子さんの訃報には流石に驚いた。
記事の直下に「いのちの電話」の案内が出ていて、
具体の記述はなくても、ああそうなんだと思えてしまうような記事だった。
ストロベリーナイトというテレビ番組の主演作がある。
わたしはテレビを見ないので、知っているのは後に作られた映画版。
映画は2013年の作品だから7年前。
彼女はとても若くて美しくて、
暗い過去を持つ尖ったナイフのような刑事という役どころながら、
きらきらと輝いて見ていて気持ちのいいくらいだ。
亡くなってもこうして映像が残っていくのは、ある種残酷でさえあるのかもしれない。
映画が終わってこのあと何か聞くのなら、手元にテレビ版サントラもあったのだけれど、
少し切り替えておこうと思った。
Pink Floydのドラマー、ニック・メイソン率いるバンド、
Nick Mason's Saucerful of Secretsのライブ映像で、週末を締めよう。
新型肺炎の影響でリリースが少し遅くなった分、やっと届いた感ありありな盤をトレイへ。
映像始まってその雰囲気たるや、澱んだ部屋の空気を一変。
失礼ながら、おじさんパワー恐るべし。
バンド名からも想像つく通り、フロイドの初期アルバムの楽曲を中心に、
緩くてサイケで楽しくて、ああこれでパーフェクトだ(笑)と独り言ちるステージ。
珍しく映像ソフトも最初から予約していたが、
このライブはやはり聴くより観た方が絶対に楽しめる。
数ある公演の中から今回リリースされたのは2019年5月、ロンドンはラウンドハウスでの演奏。
ギルモアもウォーターズも、ライブでフロイドの曲をたくさん取り上げるけど、
メンバーによってこうも選曲が変わるんだと思うくらい、
Pink Floydというバンドをどうみているのかが透けて見えるようで興味深い。
それにしても。
フロイドを初めて聞いたのは、まだ学校に上がる前だった。
メンバーが亡くなったり、ソロ活動だったりと形は変わっているけれど、
2020年になって、こうしてまた楽しませてくれるなんて、信じられないくらいすごい。
演奏の合間に挟まれている「歴史的!」映像や当時の関係者のコメントも貴重。
古いファンにとって、「おーっ」と思わず声の出る映像集。
音源はSpotifyにもあるし、映像も質を問わなければいろんなのがyoutubeに上がっている。
でもこれを見ると、フロイドのオリジナルアルバムを聴きたくなるんじゃないかな、と。
今回の映像はファンじゃない方にもぜひご覧いただきたい作品だ。