音の快楽的日常

音、音楽と徒然の日々
悲しきワルツ

 

 

半年以上前から楽しみにしていたコンサート。

このために風邪をひかないように、体調崩さぬよう、万難を排してやってきた。

この日を心の隅に置いていたから何とかやってこれたようなもの。

 

 

 

 

彼の演奏を聴くようになってからというもの、

新しい音楽の扉が次々と開かれていった。

聞いて知っている曲なのに、全く違った曲にも聞こえるほど、

無意識の思い込みをあっという間に粉砕してもくれる。

何かに囚われているところからあっという間に解放してくれる。

 

以前はピンともこなかった曲が、彼の演奏で聴いたその晩から、

忘れ得ぬ1曲となることも一度や二度ではなくて。

 

 

 

 

公演前の静かな練習の風景もすっかりお馴染みではあるが、

あの陰影に満ちた響きを本番の公演でもぜひと思っていたが、

何とアンコールで選ばれたのがシベリウスの悲しきワルツだった。

 

どうしたらあんなに切なくも美しい響きでホールを満たせるのだろう。

叙情に溺れるのでもなく、瞳の奥に秘めた静けさにもにて、

一音、一音、まるで遺言のようにして彼の指を離れていくのだ。

 

贅沢な時間はあっという間に過ぎる。

もう少しだけ聴いていたかったなというのはもっと贅沢かもしれない。

心の整理を促されるようなひと時、思わず寒空に立ち尽くす。

嗚呼またしても夢に見る晩が一つ増えたことに海より深く感謝。

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