音の快楽的日常

音、音楽と徒然の日々
Waters - 田園 - Wordsworth

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外の空気が吸いたくなって、ふらっと街歩きに出かけてみた。

道路脇の植栽、以前と比べて随分季節感が増しているような。

変わった花の紫陽花につい見とれて道行く人の邪魔になる。

見上げると真夏のような太陽。

 

Roger Watersの久々の新譜をヘッドホンで聴いていた。

買ったのはレコードだったが、ダウンロードカードが付いてくる。

生温かな空気が頭の中に充満する。

レコード再生なら部屋一杯に。

歌詞は、とりあえず、置いておこう。

新しさではなく、立ち位置の確からしさに安心する。

眼を閉じると、穂がまだ出ていない麦がずっと遠くまで植わっている。

そして、風が運んでくる匂い。あのどこか懐かしい匂いが。

 

 

帰宅してぼんやり眺めたドラマの再放送。

登場人物が「この詩は誰のもの?」と尋ねたら、Wordsworthと。

子供の頃、日々当たり前のように目の前にあったあの田園は、

今はまるで映画か何かの一齣のようだ。

草の音、草の匂い、踏みしめる地面のやわらかさ。

それをひとことで煌めきというのならそうなのだろう。

今夜はもう一度Watersを聴きながら眠ろう。

 

 

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