音の快楽的日常

音、音楽と徒然の日々
晩夏

鱗雲が棚引く青空。

すっと透けて遠くまで見通せるいい季節になった。

この連休、たまった音源を整理した。

限られた空間に少しずつ溜まっていくCDなりレコードなりが、

順位がつくわけではないけれど、手元に残しておくものとそうでないものとの振り分けが自然とできる。

今の住まいに引っ越した際につくったルールのようなもので、

次の聞き手のところにもらわれていくのならなおいいと思うようになった。

 

整理がついたところで。

休日の朝一番ではないが、ロシアの若手ヴァイオリニスト、Mikhail Pochekinの演奏を。

1990年生まれとまだ30にもならない演奏家の瑞々しい録音だ。

 

 

ヴァイオリン演奏の細かな技巧についてはわたしにはわからないが、

この楽器の素朴な音色が匂い立つような響きを奏でる彼の演奏は、

魅惑的と言わずしてどうしようか。

 

この楽曲、数多ある録音の中で手元にも複数のCDやレコードがあるが、

弾き手の年齢を考えれば、きっと遠い将来、再録もありうるだろう。

わたしは未来のその演奏なりを聴く機会に恵まれるかは別として、

マエストロと呼ばれる演奏家がそうであるように、

今この演奏にして、その将来の演奏を想像するに思わず溜息が漏れる。

この、今目の前に溢れる躍動感がいったいどのような昇華を見せるのか。

 

窓の外に広がる薄水色の空。吸い込まれそうな透明感にまた溜息が出る。

音楽を楽しむのにほんとうにいい季節になった。

この連休は楽器の音色を十二分に味わえる録音を聴くことにしよう。

にしても、本作はバッハ無伴奏をたくさんお持ちの方にもぜひ聞いていただきたい1枚だ。

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