音の快楽的日常

音、音楽と徒然の日々
無題あるいは日々の雑感
 昨日は同僚の披露宴に招かれた。手作りの案内やプロフィールビデオなど、豪華な会場とセッティングの中にも彼らしい温かみのある素敵なパーティで、一緒に出席した管理職ともども和みのなかにほろりとくる場面もあったひと時だった。

 こういう時に限って、わざわざ「お気遣い」いただくことが多くて困る。私のような歳の人間をつかまえて、「そろそろ貴女も考えた方が・・・」というご忠言はありがたくもあり、またその一方では返す言葉もなくて、上手くかわせない自分に歯痒さを覚える。相手に思わず笑み漏れるような洒落た返答ができれば大人としては合格点なのだろうが、答えようのない質問、それはそれで愚問の域を出ないといったら言い過ぎだろうか。

 「見守る」という言葉がある。私はこれまで何度か、「あなたのことを見守りたい」といわれてきた。そう言われる度に、言わんとするところが見えず、そして当惑した。でも、いまならその真意がわかる。いや、相手のことを「見守りたい」とする気持ちになれるようになったという方が正確か。

 ほとばしる感情の流れに身を任せて生を痛いほど感じるよりも、少し離れたところに身を置いて静かに眼差しを向けることに自分の存在の確からしさを感じる。そして、不安に揺れるときや辛い時にも、いつも微笑みを絶やさずにいられる自分でありたい。

 常々思うことだが、人生の愉しみ方はきっと人の数だけあるはずで、幸せ探しのゴールもまた果てしなく終わりのないものだ。それを文字通り苦痛に感じる必要もなく、長ければ長いだけ楽しめばいいだけのことで、それが生まれて来たことの歓びなのではないかと思う。様々な国の、様々な音楽に触れる度に、そういう想いを強くする。いろいろな意味で「折り返し」の春。
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桜丘音楽夜噺―アイルランド編
 初回の夜噺に参加してからその後がどうしても都合がつかず、久しぶりに聴けたのが第4夜のアイルランド特集。ケルトの音楽という括りでは、私も女性ボーカルを中心に楽しんでいるが、アイルランドというとどんな感じになるのかイメージが掴めずにいた。

 音楽夜噺の素晴らしい点は、何といっても特集されたエリアの音楽が「ここが聴きどころだ!」というところをコンパクトに体験できること。音源もメインストリームからディープで貴重なものまで色とりどりに紹介されるし、何といってもそのジャンルに詳しい専門家の方々の肩の凝らない解説がついているから敷居も低くなるというものだ。いや、かなり濃い選曲内容になっているのだろうが、そのこと自体はその分野に詳しくないとわからないし、そういったことを意識させないで2時間楽しませてもらえるという手軽さと深さの両立が何といっても夜噺の魅力である。

 そもそもフィドルとバイオリンの違いもよくわからず、演奏される音楽で呼称が変わる楽器があるというのを教えてくれたのがアイルランドの音楽だった。わずか2時間という限られた時間であったが、バグパイプやハープが使われたり、透明感に溢れる女性の歌声が印象的という程度の知識でしかない私であっても、音楽は聴く者を選ばず平等に楽しませてくれることを痛感した。

 さて、気になるのは紹介されたアーティストや曲だと思われるが、今夜聴いた20曲を超える中から欲しいCDを数枚早速オーダーしたので、またそのうちに"memorandum"で紹介するとして、曲リストや解説のあらましは後日アップされる公式サイトをぜひご覧いただきたい。

 こういったイベントに参加を重ねて感じるのは、意外に私は選り好みせず広いジャンルの音楽を面白がったり楽しんだりできる人間のようだということ。少し前にそういった意味のことを私におっしゃって下さった方もおられたが、私の音棚を眺めるかぎり、相当限られた偏りのある聴き方をしているように思え、なおかつよく聴くジャンルでもメインストリームを外していたりすることがあったりするので、音楽を聴く態度としてはあまりよろしくないのではと感じていた。
 
 個人のし好というのはどうしてもあるものなので、その辺りは一概には是非を問えないのだろうが、間口を狭くしたり、あるいは行き当たりばったりに聴くことでせっかくいい音楽を聴くチャンスを逸しているかもしれないと思うと、限られた時間の中で何を聴くかということも少しは意識した方がいいのだろう。

 会が終わった後で他の参加者の方たちとお酒を飲みながら話したときのこと。「自分の棚を見ていると、『こんなのがあった!』というような盤が出て来たりする」という。お店で捜すよりは自分の棚を捜した方が面白いと。なんとも羨ましく、また私自身もそういうライブラリにできたらとつくづく思った。

 あるいは、私自身はあまり分析的かつ体系的に音楽を聴くという態度を持てない人間であるのに、頭の中にいつも音楽が鳴っていないと落ち着かないようなところがある。先の歓談のさなかについ、先ほど聴いたフィドル演奏が思い出され無意識のうちに体を揺らしていたようで、「音楽が好きなんですね」と言われた。みなさんとの話に集中していなくて大変失礼なことをしたと恥ずかしい限りだが、良い音楽をたくさん聴いた後はついつい人前でもくつろいでしまう性格ゆえどうかご容赦いただきたい。

 さて、次回の音楽夜噺はバルセロナ特集、4月22日にいつものお店、いつもの時間に開かれる。こうしたイベントは会が進むにつれてメンバーが固定化する傾向にあるが、主催者の方々も、いろんな方に参加してもらい、楽しんでいただきたいとのこと。せっかくの機会、聴いたもの勝ちである。ぜひ、ぜひ!
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女子部!【DJパーティのお知らせ】
 ◆ 突然ですが、来る4月8日(土)、渋谷は「国境の南」にて女性DJ4人によるパーティを開催することになりました。そのお題も『私の定番』。

 ◆ 各々、仕事も年代も好みも異なる4人が一体どんな曲をかけるのか、そのうちの1人である私にも想像つきませんが、もしお暇がありましたらふらっと覗いていただけるとうれしいです。

 ◆ 「女子部」って何よ、と訊かれそうですが(笑)、仕掛人DJ fumomoによる謎のユニットです。男性DJが楽しそうにいろんなパーティを主催して盛り上げているのに対抗!っていう訳でもなさそうなんですが・・・。

 ◆ 会場でお会いできるのを楽しみにしています!
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※更新情報
 最近、たくさんのCDを買い漁っていますが、聴くのに夢中になってしまってなかなかアルバム紹介などをアップできていません。近いうちに整理しようと思っています。ロシアンポップスも面白い新譜が出てきています。

 ふと思い立ち、列車を乗り継いで旅行に出かけることにしました。明日はあいにくの天気の様子、でも気分はうきうきです。休みが取れるというのはほんとうにうれしいものです。

 更新が少し(いつものとおり)滞ります。audioやCDについてメールをいただいていますが、お返事遅くなります。すみません!
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模様替えは大変
 音楽をゆったりと聴いていると、床の響きが音に乗って気になることがあった。音の大きさはともかく、低音はどうしても振動として階下に伝わってしまう。最近、メタルなロックを聴いているから余計感じるのかも知れないが、もう少し部屋の響きをタイトにまとめたいとは、引越以来ずっと思っていたことだ。

 防音を兼ねた「静床ライト」というタイルカーペットが使い勝ってもよいと聞いたので、足元の心地よさをアップする意味でもリビングに敷き込むことにした。これまで長く和室にしか住んだことがなく、硬い床に不慣れなせいか、フローリングは座っていても歩いても疲れやすい。

 注文してから3日で届いたカーペットは50センチ四方のタイル型なのに、1枚1枚が重く、厚みも結構ある。既に置いてある家具(といってもCDラックぐらい)とオーディオを一旦別の場所に移し、端からタイルを置いていくが、サイズが中途半端なのはカットしなければいけない。

 作業は単純そのものだが、カットが思いのほか面倒で、作業が長引くにつれ気持ちもだれてしまった。最初からきっちり計って図面を作り、材料のカットを終えてから作業に入ればもっとスムーズだったかも知れない。

 敷き込みを終えて全てのものを元に戻し、オーディオのセッティングをやり直すこと1時間余り。ちょうどまる半日がかりになってしまったが、カーペットの樹脂素材の臭いがまだ消えないことを除けば、足元は思っていた以上に快適そのもの。

 おそるおそる音を出してみたが、これまた想像以上に低音のこもりなどは感じられず、以前と比べてややタイトに感じられるほど。前からあるホットカーペットのカバー(インド綿)をのせている影響もあるかも知れない。正直、音の逃げ場所がなくなってもこもこするんではないかと心配していたが杞憂に終わった。

 最近、ヘビメタを聴いているので、周囲の人から苦情でも貰ったのではないかとご心配いただいたりしたが、私は元々爆音派ではないので、音で問題になることはまずない。ただ、夜遅い時間はちょっとした振動でも結構気になるものなので、しっかり対策するに越したことはない。

 7.5㎡で3万円弱とそれなりの値段だったが、床にごろごろしても背中が痛くならなくなったのが何といっても一番。今日の休みは音楽流しっぱなしでうたた寝し放題の幸せな時間を過ごせた。

 このカーペットを敷けば下の階に音漏れが無くなるというわけでもなさそうなので、過信は禁物だと思う。部屋で聴いている限り、下への諸々の影響は小さくなっているだろうとは思われるが。いずれにしても、リスニングには部屋の居心地も大きな要素。筋肉痛が辛いけれど、思い切ってやってよかった。

 参考までに、ラックの足元はフローリングの時と同じスパイクとスパイク受けを使っている。直刺しでも問題ないが、だんだん沈み込んだりして水平がとりずらい。もっとも、スパイク受けを使っても沈み込みは避けられないので、また適当な時期に水平出しが必要だ。あと、樹脂の臭いは頭痛がするような類いのものなので、できれば天気の良い日に朝から作業し、換気の時間が十分取れるようにしたほうがいい。

 さて、またここのところあまり聴いていないディスクを端から聴くことにしよう。掃除するとあるのを忘れていたCDがごろごろ出て来てなんだか儲かった気分(笑)。思わぬ副産物にも満足の1日だった。
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On An Island
 待ちに待ったDavid Gilmourの3rdアルバム、"On An Island"が届いた。タイトル曲は今回、アルバムリリースと同時にシングルカット。シングル盤の方は、表題曲のシングルバージョンとアルバムバージョンの2曲入りで割高ではあるけれど、アルバムVer.を短く編集してあるシングルバージョンも素晴らしいのでこの曲を気に入られた方にはおすすめだ。

 ところで、ようやく出た3枚目も、ギルモア自身のスタジオ録音はフロイドの「対」以来になるのだそう。一体私は何年待ったんだろう(笑)。音作りもフロイドの延長線上にあって、今回のアルバムにはリック・ライトもキーボードとボーカルで参加しているので、余計にフロイドを感じさせるのかも知れない。





 
 それにしてもギルモアの歌とギターの音色の何と優しいこと!曲はぜひアルバムを聴いていただくとして、今回は特に気合が入ってるのがジャケットとブックレット。CDを留めるための小さなスポンジ以外はすべて紙製で、ケースの背は可愛い絵本のように布で包んである。ブックレットのイラストも曲イメージにぴったりの美しいもの。フロイドのアルバムにあったような、ヒプノシスデザインのシュールな感じではなく、あくまでどこか遠くを見るような懐かしさと優しさに満ちている。

 私にとってこの1枚が今年のベストアルバムになりそうな予感。届いてからもう一体何度リピートしただろう。乾いた喉に注がれるおいしい水のように体の隅々まで沁みわたる。

 ちなみに、ギルモアのソロアルバムは廃盤になっていたりしてCDも意外に手に入れにくかったのだが、今度1stと2ndが両方ともリマスターで再発される。5月予定とのことなので少し先だが、改めて過去の作品もよい音で聴き直してみたくなったので、忘れないうちに予約を済ませた。待つことには慣れっこになったのであと数ヶ月くらいはなんでもない。今夜はぐっすり眠れそうである。
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どうぞこのまま
 今年の冬はどうも雨が多くて、つい雨にちなんだ歌をつらつらと聞いてはぼんやりとしてしまう。湿気が嫌いなのと、傘をさすのが面倒の2つが重なって、雨の日は外に出ることもしない。

 たまたま丸山圭子「どうぞこのまま」の話になったら、何と彼女のLPを持っているという方が身近にいたので驚いた。ヒットしたのは確かこの曲ぐらいかと思うが、私はカラオケでこの歌をよくうたう。暗い唄が好きだね〜などとからかわれても、うたう。

 この歳になって、なぜこの唄が「どうぞこのまま、どうぞ止まないで」なのかが分かるようになった。そういう歳になった、ということなのか。分かったからといって、この唄が上手に歌えるようになるわけではないだろうけれども。

 今夜流しているのは布袋寅泰の「薔薇と雨」。この曲も最近繰り返し聴いている。ここで歌われているような、雨に打たれる様子が切なくも美しい薔薇を想像しては、同じ雨にうなだれるにしても、美しくありたいものだと思う。僅かな光に映し出される影の美しさにどうしようもなく惹かれる自分がいる。
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蟻の列
 春を感じさせるもの。人それぞれあるだろうが、蠢くなどという表現があるように、虫が外にでて活動を始めるのを見ると、私などは春の足音をより強く感じる。

 今日は気温が高かったこともあって、新宿の高層ビルがそびえ立つ一角の街路に、せっせとエサを運ぶ蟻の列を見つけた。昼休憩も残り僅かであるのをすっかり忘れ、私はついしゃがみこんで蟻たちを目で追いつづけた。

 時折反対を向いて歩く蟻が交信でもしているのか、タクトのように触覚を巧みに動かし、行き交う蟻とやりとりしている。蟻たちはみな同じように歩いているようにみえて、実は結構個性があったりする。じっと見ていると一匹一匹が何とも愛らしい。

 人は動くものをぼんやり眺めているだけで癒されるそうだ。「ウォーキービッツ」というカメを模したおもちゃが技術的にも高い評価を得て話題になったが、その愛らしいおもちゃは昨年の6月の発売以来、既に30万個以上も売れたそうで、ウォーキービッツの開発者は動くものに癒される点に着目して製品を企画したのだという。

 私も例外に漏れず、ちょこちょこと小さなものが一生懸命歩く様を眺めるのが好きだ。もう少し暖かくなれば、近所の公園でも蟻の隊列を見ることができるだろう。『蟻の自然誌』や"The Ants"といった素晴らしい写真や描画、ウイットにとんだ解説が盛り込まれた本を眺めて過ごす冬の時間も愉しいが、虫好きにはやはり春から秋が一番の季節だ。

 4月には上京してちょうどまる20年になる。私はこれという意味もなく、区切りを探して生きているようなところがあるのに気がついた。節目があることで安心し、自分の過ごした時間を評価できるかのような―それはおこがましいにもほどがある思い過ごしに他ならない―気になれるからだろう。

 蟻の歩みも一歩から。私の生活も4月よりがらりと改まる。蟻には本当に学ぶことが多い。人生の先生は身近なところにたくさんいるものだと痛感する毎日である。
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ILHAM
 今夜、2週間ぶりにWorld Music Timeの放送があったので、片付けものの手を休めてラジオの前に陣取った。日曜の夜9時というのが私にはありがたく、1時間のうちに多い時で10曲以上もかかる密度の濃さが何とも心地よい。

 今回はアラブのポピュラーの特集だった。特に入門編ということで、アラブポップにはまっている私にとってあまりにもタイムリーだ。番組表を予めチェックすると、最近あちこちで耳にするナンシー・アジュラム以外は全く知らない歌手ばかりで、放送が始まるのがますます楽しみになる。

 Song ListはNHKの番組表か、もしくは後日アップされるナビゲーターの北中さんのサイトをご覧いただくとして、今夜すっかり参ってしまったのは、番組のラストに流れたイルハムという男性ボーカルの"Baghdad"という曲だった。

 イルハムという人がどういう歌手なのかネットで検索してみたが、バグダッドで40年代に生まれ、ギター一本でライブをやったりする歌手、というくらいしか分からなかった。でも幸いなことにCDは最近のものが2枚ほどまだ手に入るようで、早速オーダーする。ワールドワイドに買物できるネットのありがたみを痛感する瞬間である。

 それにしても、歌声というのは本当に不思議なものだ。同じように歌っていながら、目眩でもするかのように一瞬にして引き込まれることもあれば、まったく興味がわかないこともある。今夜のようにたった数秒の出だしでとてつもなく魅了され、ずっとファンでい続けるかも知れない歌手との出会いもある。

 ところで、土日を使って懸案の模様替え第一弾を実施。リビングの広さを活かした家具配置にしたおかげで、気になる圧迫感のようなものから解放された。新たにソフト置き場も確保したので、当分CDを買い足してもタワーにせずに済む。毎日慌ただしく過ぎて行く中、せめて聴きたい音楽くらい好きに聴こうと思った。準備万端、あとは春が来るのを待つばかりである。
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AKGのヘッドホン
 前から欲しい欲しいと思いながら、なかなか気に入ったものがなくて買い換えできなかったのが、iPod用のヘッドホン。SONYのEGOというモデルを何年もポータブル用に使って来たが、さすがに接触不良が多くなり、直すよりも買った方が安いという状態になったので廃棄。その後しばらく、付属のイヤホンで我慢してきた。

 さすがに小さなイヤホンは疲れるし、難聴気味なのがもっと酷くなりそうな気がしたので、ネットで調べて人気がある手頃なモデルを買ってみた。それがAKGのK26Pという小さなヘッドホンだ。

 AKGのヘッドホンというとK1000が有名だけど、一度でいいからそういうかっこよくて音の良いヘッドホンを使ってみたいと思っていた。でもさすがにスタジオモデルは外で使うには大きくて目立ちすぎるし、仕様自体もポータブルには不向きで諦めていた。

 iPodのブームのおかげか、それなりに音質にもこだわった軽くておしゃれなヘッドホンがいろいろと出ている。ここ1、2年は1万円を超えるようなイヤホンも出ていたりして選択肢も増えているが、外で使うとなると消耗品でもあり、5千円でおつりのくるK26Pは手頃であった。

 届いてみると、思っていたより造りもしっかりしていて気に入ったのだが、最初はかなりエージングを必要とするのか、低音もこもこの凄い音で驚いた。これまでSONYのドンシャリ系イヤホンだったので、それとの違いもあるが、さすがに辛いので、iTunesにつないで強制的にエージングさせることにした。

 聴いているうちにだんだんと良くなっていくんだろうし、それが一番いいのだろうけれど、通勤に使うのにそんな悠長なことは言っていられないので、iTunesから音楽を流しっぱなしにして外出。帰宅した頃には随分と抜けが良くなっていて、これならあとは毎日少しずつでいいやと納得した。

 以前、スピーカーのエージングをするのに、特殊なノイズの出るソフトを借りたり、ウーハーだけつないで音出したりとあれこれ大変な思いをしたが、ヘッドホンは音漏れも小さくて済むから気兼ねがいらないで助かった。

 こういうことをしてしまうのは、audioマニアっぽくてどうかと思うが、通勤途上や休憩時間に聴く1曲が大きな救いになっている今となっては、早くいい感じで聴けるようにしたい。ちょっと強引だったかなと反省しつつ、iPodから流れる音楽に集中していたら、お風呂のお湯を溢れさせそうになった。いやはや。

 K26Pは、密閉型の手頃なヘッドホンをお探しの方にはおすすめだ。傾向としてはロック/ポップス系に合いそうな音バランスだけれど、結構リラックスして楽しめる。難があるとすれば、造りがしっかりしすぎていて、長時間聴いていると圧迫感で耳が疲れること。あるいは、聴いたままヘアバンドの調節をすると髪を挟み込んで痛いので要注意。ネガティヴな点といえばそんな程度だろうか。それも値段からすれば、ほとんど気にならない程度のものだ。

 試聴なしに買ったのでどうかと思ったが、なかなかいい買物だった。それに、安いモデルだがこれで私もAKGオーナー(笑)。当分の間、ポータブルはこのヘッドホンで楽しめそうである。
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