音の快楽的日常

音、音楽と徒然の日々
December
 言葉の圧力、とはよくいったもので、
 別に私ではなく、私の立場に向かって言われる言葉なのに、
 感情的に投げつけられた雑言の数々が耳に入るだけでも
 心身へのダメージは想像以上にあるようだ。

 そんなとき仕事を辞めてしまおうとまでは思わないが、
 時になぜこんな思いをしてまで、という疑問に言い訳ができなくなる。
 心が思わず閉じてしまう夜に、静かに流すBGM.
 かつて一世を風靡したウインダムヒルの大ヒット作品。

ジョージ・ウインストンの鋭く強いピアノタッチは好き嫌いがはっきり分かれるだろうが、
このアルバムに収められた曲はどれも体を包むようにして豊かな響きに満ちている。
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Tranquility
 いつも良質のレコードを探していただいている
 YAS U.K.さんの紹介記事にあったTranquility。
 私はこのグループの名前すら聞いたことはなかったけれど、
 amazonの試聴でさわり5秒程聴いただけでノックアウトだった。
 美しいハーモニー、これだけで午後のお茶が2倍美味しくなりそう。
 私はレコードで手に入れたが、CDもまだ入手可能だ。
 アメリカのバンドには感じることのない英国サウンドのもつ独特の湿り気。


トランキリティーのサウンドはまるで、
焼きたてマドレーヌのさっくりとした
でも口溶け柔らか!みたいな一つで二度のおいしさ!。
トランキリティーのような陽性ではないが、
ロシアにもАДО(アド)というバンドがあって、
彼らはBBCを聴いてこういうほっこりとしたハーモニーに
憧れたんじゃなかろうかと思えるような曲が結構ある。
こういうレコードを聴いていると英国式のお茶がしたくなる。
香り豊かな紅茶とタワーになった食器にはたっぷりのお菓子。
サンクトのホテルヨーロッパのアフタヌーンティーセットは
超豪華だった・・・ので時々夢に見る。
サンドイッチの代わりの揚げパンがもの凄くおいしくて
今でも忘れられない味の一つ。
だんだんロシア禁断症状が出ているのかも・・・。 写真はオークラアクトシティホテル浜松のメニューから借用
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ВРЕМЯ РЕКА
今、ロシアのポピュラーシーンで最も輝いているアーティストの一人、
Дима Билан(ジーマ・ビラン)の最新アルバム"ВРЕМЯ РЕКА"(時間は河)を聴いた。

 ジーマのオリジナルアルバムでは3作目にあたる。
 哀しげに絞り出すようにして歌う彼の声音に魅せられて、
 私もデビュー以来ずっと追いかけているけれど、
 これだけ「売れる」ことを徹底されている歌手は
 ロシアではまだそんなにいないから、
 最初は正直言って、どうなのかなあと少し疑問符もなくはなかったけど、
 演出過剰を割り引いても、彼は自分の歌世界を持っている。

今年のユーロビジョンでは惜しくもファイナル次点だった彼。
海外進出をイメージした英語の2曲がわざわざ用意されたが、
私は普段通りの彼の歌の方が好きだ。
右のジャケはユーロビジョンで歌った"Never Let You Go"のマキシアルバム。
これに収められた"Lady Flame"は先の3rdアルバムでは未収録だが、
Never...のロシア語バージョンはアルバムのみ。

 何度聴いてみても、
 普段歌っているロシア語の方がやっぱり自然。
 ロシア語の持つ音や韻が生み出す響きが
 バラードの魅力をより増しているような気さえする。
 お勧めは2曲目"Это была любовь"と3曲目の表題曲、
 そして7曲目の"Стань для меня"。
 いずれも彼らしいヴォーカルが楽しめる。
 泣きのメロディが好きな方にお勧めのアルバムだ。
 
 ◆ Дима Билан Official Site
   http://www.bilandima.ru/
   ※英語版もあります。
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嗜好の変化とモノの整理と
好みというのは歳をとると変わるものなのか、
昔は、少なくとも20代の頃までは全く口にしなかったリンゴのジュースを
ここのところ毎日コップに2、3杯は飲んでいる。
飲めるようになった、どころか、毎日喜んで飲んでいる。
きっかけは夏の休暇に帰省した折、
「お腹の調子を整えるのによい」という母親の言葉につられ、
しぶしぶ中元に送られたリンゴの缶ジュースを飲んだのだった。
思ったより、いや知っているはずの味とは全く別なものに感じられた。

食べ物の味はともかく、音楽も嗜好が変わるものらしい。
前に好きだったのが今全然だめだったり
< 私にとっては北欧やポーランドの音が極端に整理されたようなJazz
前は今ひとつだったのに、今は喜んで聞いているものも少なくない。
聴きたいCDがすぐ出て来なくなったので、休みを利用して少しずつ棚の入れ替えをするが、
そもそも、量を一定にすればいいものを、
「今はだめでも、先々、気に入るかもしれない」などと生来の貧乏性が幅を利かせて
レコードやCDの暫定失敗盤を処分できなくなっている。
以前は、例えばUnionのセールでゲットしたハズレ盤を盛大に買取に出したりしていた。
何の気後れもなく、その代金は新譜を買ったりする資金に回していたのに。
もっとも、今は圧倒的に買い手のなさそうな外盤がほとんどなので出しようもないが。

CDは、聴く頻度によって、買ったままのジュエルケース、ビニールパッケージと使い分けて
量の圧縮を図っているが、なかなか追いついていかない。
本当はお洒落なラックに美しく分類して、
聴きたいものがすぐ出せて、しかも見た目に美しい
というのを実現したいけれど、とてもとても無理な感じだ。

最近、ロシアものもかつての作品のCD化と合わせてボックスセットの発売が続いている。
< ペンキンのボックスが出た時は驚いたが、
  アクアリウムに続いてマシーナ・ヴレーメニもセット発売・・・
ガサが出てしまって辛いのだけれど、
80年代前半の作品は、時期が時期だけにレコードやカセットで探すのも大変だし、
単発のCD化が望み薄な場合はボックスで買わないと手に入らないかも・・・
なーんてことを考えていると、どんどん増えてしまう(笑)。

先立つものが追いつかないので、そこら中で試聴して買うものを限定しているが、
こういうことを、あと何年続けられるだろう。
嗜好が全く変わってしまってロシアものをほとんど聴かなくなるということも
可能性としてはなくはないのだろうが、
それにしたって物理的な飽和点をを先に迎えることになる。

『賃貸宇宙』を眺めながら、居心地よく読書と音楽を楽しめる部屋を
いったいどうやったら作っていけるのだろう、などと
涼しい風に吹かれながらぼんやり考える休日の午後。
外で遊ぶ子供の声が届く度に、心は秋空の青に吸い込まれながら。
よもやま | - | - | author : miss key
タジキスタンの子供たち
何の気無しにNHKを見ていたら、
ニュースだか何かでタジキスタンの子供たちが水辺で遊ぶ様子が写し出された。
夏の遊びといっても、それほど選択肢がなくて、
その水辺で遊ぶのがとても楽しみなのだという。
タジクの言葉で話すのかと思いきや、
質問されてあどけなく答えるのはロシア語でだった。
「ママは働いていないけど、お父さんは警察官だよ」
まだ小さいのにしっかり答える様子に「オー、マラジェッツ!」と独り言してしまう。

私自身がロシアの歌謡曲に惹かれる理由の一つに、
多分最大の理由の一つに、歌の持つ響きがあるのだけれども、
最近、少しまとまった時間を作って、
ロシアの歌謡曲って何よ、ということを考えたとき、
ロシア語で歌われていて、ロシアという根を感じさせるもの
というのが私なりの結論だった。
歴史や変遷は様々なエピソードでもって語れないことはないのだろうが、
メロディは、例えばロシアンシャンソンのように
フランスからちょっとばかし借りてきたような雰囲気のものでも、
歌の文句はロシア詩が下敷きにあって、
やっぱり、どこからどう聴いたってロシアの歌謡曲なのだ。

独立を勝ち取った旧ソ連邦の国々では、だんだんとロシア語の位置づけも変わっていくだろう。
まだ聞いたことのない響きに触れたいという思いと、
ロシア語はかつて政治的な背景でもって押し付けられていた言葉でもあるという事実と。
強く惹かれる言語の歴史に思いを馳せる度に複雑な気持ちになる。
昔教科書で読んだ「最後の授業」ではないのだけれども。
よもやま | - | - | author : miss key
『東京シャイネス』追記
このDVD(ライブの模様)になぜか収められていない感動の「風をあつめて」。
細野さんのHPでも収録できなかったことに触れられているけれども、
歌詞を間違えてしまったりして、都合4回程あったライブでも歌い切れなかったらしい。
それで、
自宅(多分)でのソロ「風をあつめて」のスペシャル画像が、特典のなかに隠されています。
当blogリンクの細野さんのブログにそのヒントが書いてあります。
私はがちゃがちゃやっていて偶然見つけたのですが、
もう、めちゃ面白い、泣ける弾き語りです。
こんなところにも細野さんの「ノリ」が!
ノリという点では、このライブ、PON PON 蒸気が一番だと思うのだけど、
やっぱり聴きたいのは「風をあつめて」になるんだろうか。
いやいや、私は世代的にYMO世代に近い細野ファンなので、
「はらいそ」になるんだろうなあと、あれこれ思いながら、
オリジナルアルバムをまたいつものように聴き直すひと時。ああ幸せ!
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細野晴臣『東京シャイネス』
待ちに待った細野晴臣『東京シャイネス』DVDがリリース!
アナウンスでは21日発売だったが、amazonに予約しておいたら今日届いた。
もうTVにかぶりつきで観て聴いてます(涙&笑)。

このDVDは去年暮れから行われた東京シャイネスのライブ、
そして、ハイドパーク・ミュージック・フェスティバル2005での
伝説となった!豪雨明けライブの模様別立DVD(こちらは初回特典)が収められた
これ以上ないSpecial DVD。
特典映像も素晴らしければ、ブックレットに収められたレビューも素敵で、
ライブ時のチラシがおまけに織り込まれていたりもして・・・
細野さんのイラスト&メッセージが、もう、・・・
私は細野さんの大ファンでありながら、野外コンサートが苦手なために、
狭山のライブは見送ってしまっていたので、
後悔先に立たず状態で、人生やり直したい程ヘコんでいたのだけれど、
こうして映像で追体験できて何よりHappy。
ライブの素晴らしさは、既に様々なblogで語り尽くされているから、
何も言う必要もないだろうけれど、
私は去年の九段会館を思い出しながら思わず涙、涙、涙。
感涙の嵐よ〜といいつつ、Pom Pom蒸気に体が揺れる。
もう、何にもいらないです(もう今夜は徹夜で観ます)

◆ 細野晴臣『東京シャイネス』DVDの詳細は こちらの特設サイトをご覧下さい♪
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お洒落とそうでないところのぎりぎり
 あとほんの少し外すと・・・みたいな、ぎりぎりつま先ぐらい残してるサウンド
 もの凄く泥臭くて、出だしに「やれやれ〜」みたいなため息出るのつかの間、
 聞き出すと、1曲、もう1曲とじわーんとハマってしまうこの具合良さ。
 ウクライナのポップロックグループ(といっていいもんだか)、
 Гурт мандрівних дяків "Вертеп"(ヴェルテプ)の最新盤
 Бучалчин ґандж
ロシア語で表記されたbioが見つからず、詳しいことは?
ボーカルは男性と女性の両方がいて、
ジャケ絵から想像するに5人組、1人が女性。
ウクライナの伝統音楽を隅っこで意識しているけれど、
中途半端な消化の仕方じゃなくて、思いっきり楽しんでる感じが◯。
聴こえてくる音の時代もまるでチャンポン、
こういうのを聴いていると毎日の嫌なこともいつの間にかゴミ箱にポイ!
11曲目に「朝日のあたる家」のカバーが入っているのだけど、
こういうのもあり!?みたいな軽さがウクライナ盤にして意外。
否、ちょっと聴きで軽い感じに聞こえるのだけど、これがなかなかいい。
面白い楽器の音も聴こえるのでWorldファンの方にも楽しめるかも。

そーれーにしてもー
毎日ウクライナ盤ばかり聴いていたら、Kievが懐かしくなった(涙)。
先立つものがないから、キエフチキンで我慢しよう < 週末
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雨の日は安全地帯・・・
あっという間に終わってしまった連休の寂しさが増すような雨の日。
部屋の片付けついでに手に取ったレコードを聴いていたら、
安全地帯の3枚目のアルバムにふと手が止まる。

高校から学生時代にかけて一番聴いた日本のアーティスト。
歌詞が聞き取れない歌が増えていくにつれて、洋楽一辺倒になってしまったが、
安全地帯の歌はときどきこうして思い出したように聴く。
それにしても、何て雨の風景に似合う音なのだろう。
一旦解散のようになってから以降は彼らの音楽に触れる機会がなかったが、
amazonで見てみたら、数年前に10作目のアルバムが出ていた。
買って聴いてみようと思うまでに少し時間が要ったけど。
ついでだから、久しぶりに谷村新司の昔のソロアルバムを聴こうと思う。
気分はすっかり10代に戻った感じで・・・
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Фабрика звезд
Фабрика звезд(ファーブリカ・ズヴョースト、スター工場の意)というロシアのTV番組企画が人気だ。
次のスターを目指すアーティストの卵たちが大勢出演しているが、
ファーブリカ〜出身というと、スタース・ピエーハもその一人。
番組を毎週見る訳にもいかないのでビデオクリップ集をDVDで購入したら、これがなかなか楽しかった。

□ Фабрика звезд 6

第6集のビデオクリップは、人気アーティストとの共演の数々を41曲も収めた豪華版。
演出も暮れのピェースニャ・ゴーダ(紅白みたいな番組)を上回り、
出演者も現時点のロシアンポップスの人気を計る物差しになりそうなほど豪華!
番組の録画で、時々ノイズが増えるのはご愛嬌として、
驚いたのは、最後の2曲にスコーピオンズが出演していること。
彼らのようにメロディアスに歌い上げるグループはロシアでも人気があるけれど、
"Wind of Change"を歌うマイネと緊張しながら共演する様子を見て、
こんな番組を見る時が来るとはなどと感慨に耽ってしまう。
ちなみにスコーピオンズは初めて「壁の向こう」で演奏したハードロックバンドだ。
楽しみな新人たちがこうしてどんどんチャンスを得て飛び出していく。
それだけでもう歌謡曲ファンには堪えられない。
コンクール的な要素もあるせいか、ルックスだけではなく歌える若手が集まっていて、
ベテランたちの別の面を引き出してしまうようなステージが興味深く、
単なる新人たちのお披露目コンサートに終わらない。
非公式の番組ファンサイトもそれこそ数え切れないくらいある。
興味のある方はぜひ、番組公式サイトをご覧下さい。

◆ ピエールヴィ・カナール(チャンネル1)の番組公式サイト
  http://www.1tv.ru/fabrika/
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