音の快楽的日常

音、音楽と徒然の日々
女子部DJ 大会2- バレンタイン大作戦
☆★☆World Music Loverに贈るホットなDJパーティの夜のご案内

来る2月9日(金)、渋谷は国境の南にて、音楽好きの謎の集団『女子部』が、
メンバー選りすぐりのPlay Listを揃えてみなさまの参加をお待ちしています。
(当管理人も参加します!―ただいま選曲中)
参加費は、各自のドリンク&フーズ代のみ。
知り合いの方もそうでない方も、素敵な音楽を聴きながらのんびりやりましょう!
参加予約などは不要、お時間のあるときにぶらっとお越しください。



日時:2月9日(金)20:00頃からだらだら開始
場所:国境の南 http://www.kokkyo.net/
   渋谷区道玄坂2-25-5 島田ビル3F-D tel:03-3463-5381
live & イベント | - | - | author : miss key
Кин-дза-дза - 『不思議惑星キンザザ』
どうも気分が後ろ向きでいけない。
久しぶりに朝から重たい本を斜め読みし続けたせいか、
書くものが端から暗い(笑)。
棚からがさがさと探して出してきたのがキンザザのDVD。
日本でもこの映画、意外に人気があるようだが、
本国ロシアでもとんでもなくカルトな人気で、
ちょっとググればファンサイトや研究サイトがごっそり引っかかる。
この物語、何がいいって、
見ている間、頭がどこかの世界にぶっとんでしまうので、
何にも考えなくてすむのがいい。
日頃悩みなどない人間が
何かの拍子につまらないことにくよくよしてしまう日など、
お菓子でもつまみながらこの映画をぼんやり眺めていると、
如何に深刻に悩んだところで何の意味もないと気がうんと楽になる。

ウエフを演じたエフゲーニィ・レオノフは残念ながら既に他界しているが、
彼の演じる人物のさり気ない表情や仕草に、ロシアの奥深さのようなものを感じる。
音楽もペーソス溢れるなかなか愉しいものなので、見たことのない方は一度、ぜひ。

cinema & Soundtrack | - | - | author : miss key
中古店に積まれたテレビ


昨日、友人夫婦とかないいちろうさんの「光のカタログ」展に出かけた帰り、
新宿のある中古店の前を通りかかったら、
大型のテレビが何台も店頭に並べられ、そのどれもが19800円で叩き売られていた。
中古だから安い、というのはあるにせよ、
SONYの28型で、中にはDRという少し高級な仕掛けのある型もあって、
SONY信者のわたしは買う気もないのに、ついしげしげと眺めてしまった。

どれも綺麗で、性能面では何の問題もないのに、1台19800円・・・。
送料が4000円で、実質2万5千円になるが、
それでもわたしの家の21型テレビを買ったときよりも安い。
POPを読んでみると、「モニターにお勧め、ただし2011年以降は・・・」
と、地上波テジタルに対応していないことが強調されていた。

「形式」が劇的に変わると、
古いものはまるで突然ダメの烙印を押されたかのように置き去られる。
そういう事自体についていけない自分に多少複雑な思いはあっても、
わたしはわたしのペースでしか歩けないし、走れない。

テレビは十分間に合っているのに、寒空の下、件の店の前をなかなか離れることができなかったのは、
そんな自分を店頭に並んだテレビに重ねていたからかも知れない。
「いまどき携帯も持っていないんですか!?」と笑われることにはすっかり慣れはしたが、
時代の変化にまごつくばかりのスローなわたしであっても、
隅っこでいいから居場所があってほしいものだと切に願う。
不器用な人間に対して、世の中がほんの少しの寛容を持ち続けてくれますように。
audio | - | - | author : miss key
歯を削られると聴きたくなるのが
年末に通っていた歯科医院は、近所でも評判のよく流行っている病院で、
それこそ予約が三週間先でないと取れない、という状況だった。
先生は渋い院長先生を始め、反町何とかさんのようなイケメン先生だし、
歯科衛生士の女性はみな綺麗な人ばかりで、ビジュアル的な要素満載だった。
でも、わたしにはあわなかったのか、治したはずの歯の周囲の痛みが取れず、
医者を変えてみることにした。

今度行ってみたのは、家から徒歩数分の長く通うことを前提とした立地にある個人医院で、
院長先生ともう一人、女性のお医者さん、そして衛生士の方が1人というような感じの
ごくごくこじんまりした医院だ。
去年の「営業全面展開的雰囲気」から「家庭的雰囲気」の医者に「鞍替え」した、というわけだ。

まだ2回しか行っていないけど、とても腕のいいお医者だというのが素人にもわかる。
痛みの原因の追求の仕方、むやみに歯の詰めてあるのを開けたりしないこと、
説明が丁寧であること、出来る処置は直ちに実施してもらえること。
おまけに院長先生はなかなか素敵な方で、
治療を受ける間、じっと先生の顔を眺めているときも退屈しない。
わたしが先端恐怖症であり、麻酔の針すら×なのを理解して、
麻酔を簡単に使わず、痛みを出来るだけ抑えながら虫歯を削って行く。
とてもリズミカルだから、削られている不快感も我慢がしやすい。
思うに、院長先生はきっと音楽が好きな人だ、と勝手に決めつけて、
どんな音楽聴く人なんだろう、とか想像しているうちに、辛い治療は終わっている。
よかった、いいお医者に巡り会えた。これなら当分通えそうだ。

ところで、去年から不思議に思っていたことがある。
歯を削られていると、なぜかKinksが聴きたくなるのだ、無性に。
最近はまっているレッド・ツェッペリンでもなければ、フロイドでもない。
眠気を誘うヴァンゲリスでもない。
当然、医院でよくかかっている有線放送は静かなインストゥルメンタルのBGMなので、
頭の中で勝手に鼻歌が始まってしまう。
口が治療中でなければ、ほんとに歌ってしまうかも知れない、というのは嘘だが、
なぜKinksなのか、自分でも訳が分からない。

困ったものである。


pop & rock | - | - | author : miss key
Daniel Craig とロシアな映画
 『007カジノロワイヤル』をきっかけに、
 ここ2週で続けてDaniel Craigの作品を見続けている。
 中でもロシアンフリーク御用達な1本がこの『アークエンジェル』。
 Danielが演じるのはスターリンが専門の歴史学者。
 クールな彼はスターリンの忘れ形見を巡る謀略に巻き込まれていく。
 BBCがテレビ映画として制作したようで、
 エピソード1から3までの三話構成をDVD1本に収録。
 ストーリーはもちろん、背景やちょっとしたやり取りの中に、
 善くも悪しくも新旧のロシアが写し出される彫りの深さがいい。

物語の落としどころには、もう一ひねり欲しいという感じがしないでもないが、
全体に重いストーリーだけに、あっけない幕引きは必要かもしれない。
ちなみに、作品のタイトルもここからきているのだろう、舞台の一つとなるアルハンゲリスクは
「大天使の街」を意味するロシア北西部の都市で、
イヴァン雷帝によって開かれたロシアで最初の海港と言われている。
Craigに興味がなくても十分にサスペンスを味わえる130分、冬の夜にお勧めの作品だ。 
cinema & Soundtrack | - | - | author : miss key
『風の影』
新しい年が明けてから、風邪をひいたり、問題が起こったりと
ずっと落ち着かない時間が続いていたので、
年末に読もうと買ってあった『風の影』上下巻は机の端に積まれたままだった。

昨日はイベントに出かけたりして寒い風に当たってしまったので、
今日はおとなしく、部屋の中でじっとしていようといよいよ本に手をつけた。

この作品が多くの人の心を掴んで離さないミステリーであることは、
検索すれば興奮気味の書評が無数に出てくることからもじんわり伝わってくる。
わたしにとってもそれが当てはまるなら、ウェルベルの『蟻』を読んで以来のことだ。

この作品のストーリーについては今更、書くまでもないだろう。
わたしは憧れ止まぬガウディが確かに居た街、バルセロナの、
見たこともない通りや広場、郊外の様子を思い浮かべながら、
登場人物に思い思いの顔をあてて、すっかり映画のように仕立て上げ、
もの一つ言わず、2分冊された文庫本を一気読みした。

「楽しみは、また後にとっておくがいい」

頭ではわかっていても、それができたことなどただの一度もない、
小さな子供程の我慢しか利かない自分に苦笑いしてしまう。

本を読む愉しみというのはおそらく一生のものだ。
スーパーに行けば溢れるほど食材が置いてあるのと同じく、
大きな街の本屋に行けば、読み切れない量の本が積まれている。
なのに、年をとるに連れて本の探し方が下手になってしまったのか、
ここしばらくは平積みの本を買うこともろくになくて、
本が好きなのに何故こんな風に生活をつまらなくしてしまったのだろうとつらつら考えていたのが嘘のように、
本を読む愉しみがまるで体中の生気を取り戻したかのようだった。

この物語の最後に置かれている「救い」―
永遠に解かれることのない苦しみなどないという暗示が与えてくれた深い眠りは
わたしにとって何にも代え難い薬となった。

気がつけば外は冷たい風の夜。
もう一度読み返し、すっかり登場人物になりすました我が身をバルセロナの街に想像するには少し時間が足りないのが残念だ。
よもやま | - | - | author : miss key
Зов крови (血の呼び声)- Мельница
メーリニツァの新譜『血の呼び声』を繰り返し聴いている。
メーリニツァはvo.のヘラビーサを中心としたロシアのフォーク・ロックグループ。
曲によってはフィドルやアコースティックギター、ハープが入り、
サウンドのそこかしこにケルトや北欧の影響を感じ取ることができる、ロシアでは珍しいスタイルのグループ。

□ Зов крови - Мельница

デビューアルバム当時と比べると、
トラディショナルな雰囲気のメロディはそのままに、
分かりやすさが幾分感じられる"リスナー寄り"なサウンドの3rdアルバム。
そんな彼女たちのキャラクターがより強く出ているのが
4曲目の"Травушка"(トラーヴシュカ、民話の中などで草を差す言葉)。
読む者に強く語りかけるロシア詩のように
ロック調の強いビートに乗せて展開するメッセージと
しっかりと大地に根をはった民族性を思わせる懐かしい響き。
いずれも現代ロシアのポピュラー音楽に失われつつあるもの、
とは少し言い過ぎだろうか。

このアルバム、トラディショナルなWorld musicを楽しんでいる方や、
ケルトの音楽などが好きな方にお勧め。
メーリニツァのアルバムはインディーズレーベルからのリリースなので、
USなどのメールショップでも入手困難な状況。
国内では、西新宿にあるガーデン・シェッドで取扱いがあるようだ。

◆ Мельница Official Site http://www.melnitsa.net/
pop & rock (russian and other slavic) | - | - | author : miss key
初めての日、それは雨だった


数日前、このblogの親サイトとなる通称本館の方を少し模様替えした。
通販紹介やリンク集を若干、加筆訂正したほか、
topページの写真を上の写真に入れ替えたら、いくつか感想をいただいて嬉しかったり。

この写真、実は、わたしが初めてモスクワを訪ねた日の夕方、
宿泊したウクライナホテルの部屋の窓から、半分身を乗り出して風景を撮ったもの。
シェレメチボ空港を出たときから、しとしとと雨が降り、5月だというのに、モスクワはとても寒かった。
それでも、私は窓から眺めた景色に見とれた。
子供の頃からあれこれ想像して止まなかった憧れの街だったからだ。

当時はまだ外国語の看板も少なかったし、
ドーム・クニーギ(大きな書店)での買物も、あらかじめ聞いた買いたい商品の価格を聞いて、カッサで支払い、そのレシートをもって売り場に戻ると商品が受け取れるという、
ちょっと面倒なかつてのロシア式での買物だった。

蛇口をひねったら茶色のお湯が出てきたり、
あるいは頼んだ料理がなかなか出て来なくても、
なぜか腹が立つこともなく、自然と受け入れられてしまうことが不思議なほどだった。
今思えば、
その土地のペースというか、流儀のようなものをネガティブなものからですら感じ取れることの方が、
きっとわたしには楽しい体験であったに違いない。

嫌な思いは皆無かといえば、慣れない海外でのこと、そんなことは決してない。
そうした記憶も、時を経て、だんだんと楽しかった思い出に集約されていく。
例えば、長い人生を行く背に、必要以上に辛く重い荷物が積み重なって行くことを、
自然と避けて通れるようにという、摂理があるかのように。

今の私には、現地に赴いてその空気を吸ってこようという元気もなく、
こうしてつらつらとかつて訪ねた街のことを思い出しながら日記を書くのが関の山だ。

今日、お正月をまたいでようやく届いたインディーズレーベルからの数枚のCDは、
ガレージロックを中心に、まだこれからメジャーにいけるかどうかという過渡期のものばかりで、
いろいろな洋楽を聴いて耳の肥えた日本のリスナーにはクオリティ不足かもしれないが、
それでも彼らの音楽から街の埃っぽさや匂いが感じられて、
わたしは、わくわくしながら喜んで聴いている。
音楽を聴く楽しみがこんなところにもあるのだと、改めて驚きながら。
よもやま | - | - | author : miss key
TVの威力
ここ数日ほどTVの威力を感じたことはない。
日頃、買物にでかけている方なら、同じ感想をもたれている人も多いのでは。
そう、スーパーの棚から納豆がすべて売り切れ、空っぽになっているのである。

「TVで放映された影響で、納豆の需要が急激に高まり、生産が追いつかないことから品切れをおこしております。誠にもうしわけありません」

というPOPがいくつも貼られているのが、なんとも・・・。
TVを見ない私には、このPOPが出るまではなんのことやらさっぱりだったが、
職場でも、このちょっとした納豆事件は話題になり、

『あるある・・・』に出たからだよ、普段から納豆を「まじめに」食べている人間の身にもなってくれ!

などとそこここからつぶやきが聞こえ、笑いが洩れる。
ぎすぎすした職場の雰囲気がいい感じに緩み、思わぬ納豆効果が出ている(笑)。

今日帰りに買物したら、納豆コーナーはやっぱり空っぽだった。
私の冷蔵庫にあった買い置きも、既に底をつき、
食べられないとなると俄然食べたくなる「嫌な性分」のわたし。
日頃TVを見る習慣のないわたしも、流石にその威力にはひれ伏さずにいられない。
人間って意外に情報操作されやすいものかもしれない―"釣られやすい"我が身を振り返る。

明日は買えるだろうか、いつも食べてる普通の納豆が。
よもやま | - | - | author : miss key
Arnold Layne
クリスマスに合わせて届く予定だったギルモアの限定盤EPが今日ようやく手元に。
フロイドの1stシングル、"Arnold Layne"をデヴィッド・ボウイ、リックの各々のVo.で、
そしてSydのソロアルバムから"Dark globe"をギルモア自身のVo.での計3曲。
あまりに自然で違和感のない演奏に、曲が曲だけにしみじみしてしまう・・・。

誰かがいなくなってしまったことというのは、
ある程度時間を置いてより強く実感されるものだと痛感する。
ギルモアのギターと歌声に、何故かどこまでも緑の続く田園を思い浮かべる。
空は明るいグレーで、時々鳥が鳴きながら陽の光に見え隠れする、そんな田舎の風景を。
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