音の快楽的日常

音、音楽と徒然の日々
『音の匙』(おとのさじ)
 かつてステレオサウンド誌に連載されていた『音の匙』が単行本にまとめられ、発売された。
 掲載誌を毎号読んでいるわけではなかった不勤勉なわたしにとって、
 これほど出版を心待ちにしていた本もない。
 そして、この本の感想をうまくまとめる言葉をわたしはもたない。
 音楽に恋焦がれるような思いを抱いたことのある人ならきっと、
 その気持ちがわかってもらえるだろう。
 情熱の人、山口孝さんの最新作―
 この本は出版元か、書店からの注文で入手できる→お問い合わせはコチラへ!
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Shocking Blue
春はもうすぐ、なんて書いたりしたからだろうか、
今日は朝から部屋の空気も冷たくて、外にもあまり出る気がしなかった。
暖房を入れて、温かいお茶を飲みながら、
机の脇に溜まっていた雑誌やら本やらDVDを端から読んだり見たり、
返事の遅くなっていた手紙を書いたり。
無計画に過ごした割にはあれこれ用事が一気に片付いて大助かり。

ここ3年ほど入れ替えることのなかったaudioを少し弄ってみたら、
旧い録音がやけに楽しく鳴るようになったものだから、
いきおい昔のヒットソングをとっかえひっかえBGMにしている。
今日の午後はShocking Blueのベスト盤。
何かの折に中古で拾ったらそれが何と露盤で、
何もこんなところまでロシアがらみじゃなくてもと、
ロシアンフリークを自称する私も思わず苦笑い。
大ヒットした"Venus"は他のアーティストのカヴァーでもいろいろ出てるから、
例えばバナナラマとかの方がお馴染みかもしれない。
わたしはベースラインとオルガンのパートがかっこいいというただそれだけで
オリジナルのヴィーナスがものすごく好きなのだけれど、
こんなのをいつ初めて聴いたのか、思い出そうとしてもさっぱり思い出せない。
子供の頃からラジオ小僧だったから、きっと何かの番組で聞いたのだろうけど、
60年代から70年代前半あたりに絞ってあれこれ音源に当たってみるのも愉しいかも知れない。
ついでに春までにちょっとした模様替えもしたいけれど、
そういうちょっと旧くて懐かしい音が似合う部屋がいいなと思ったりする。
模様替えは考えている最中がいちばん楽しいのだけれど。
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シャンソンを聴いて過ごす土曜の午後はいかが!?
☆ 来る3月3日(土)、渋谷は「国境の南」にてシャンソンをテーマにしたレコードコンサートが開かれます。
  下のジャケットのCD『シャンソン歴史物語』の発売記念だそうですが、
  紹介される楽曲はこのCDに収められているものにとどまらず、
  DJタイムでは今どきのフレンチポップスも聴けるとか!
  肩肘張らずに新旧の素敵な音楽を楽しむ土曜のひととき・・・
  (以下、主宰のwabisabiland北中正和さんのサイトから引用にてご案内します♪)

《シャンソン歴史物語》発売記念レコード・コンサート
わが国ではシャンソンといえば「おフランスぶりっこな歌」
というイメージがあるようですが、実のところどうなのでしょう。
ミュゼット、コロニアル、ジャズ・・・など多彩な曲をつうじて、
誤解された都市型大衆歌謡、シャンソンの真価を再発見しよう
というレコード・コンサートです。

3月3日(土) 15:30オープン、16:00スタート
2時間余り話。以後19:00ごろまでDJタイム
講師はフランスの音楽ならこの人、蒲田耕二さん
追記:田中勝則さんも話し手として参加!
※お話の聞き手&DJは北中正和さんです☆
料金ドリンク代のみ。
会場「国境の南」
150-0043渋谷区道玄坂2-25-5 島田ビル3F-D
電話 03-3463-5381 
live & イベント | - | - | author : miss key
春を感じること
マンションのゴミ集積所に、2週間程前からたくさんの本やら家具やらが積まれるようになった。
引越の準備か、或いはリフォームのための荷物整理なのかわからないけれど、
そろそろ「移動」の季節、春なんだなあと思わせる。

わたしがここに移り住んだのもちょうど2年前。
震度1でも結構な揺れ具合だった以前の古いマンションを離れる決心がついたと同時に
新たな部屋探しを含めわずか3週間で引越を敢行した。
そのとき、倉庫に預けてあった大量の雑誌類やら本、雑貨などを処分した。
そんなに大量のものを持ったまま引越なんてとても無理だったし、
気分的にも区切りがつけやすかったからだ。

せっかく賃貸暮らしなのだから、また新しい街に住んでみたいという気持ちもなくはないが、
土地勘もそれなりに養われ、audioの音もようやく部屋に馴染んできたところなので、
今の部屋を契約更新することにした。
引越す理由が見当たらないから、どう考えても更新しかないのだけれど、
一旦そうと決めるとなんだか気が楽になる。なんだか、とてもいい加減だ。

一昨年の春は一大決心にての転居、去年の春は新しい仕事に就いた。
2000年代に入ってからというもの、春は公私いずれかで慌ただしく過ごしてきたが、
今年は初めて穏やかな春を迎えることができそうだ。
そして、何か新しいことが始められそうな予感・・・。
よもやま | - | - | author : miss key
ロックのデザイン
『Pen』という雑誌の最新号に『ロックのデザイン』と題した特集記事が出ている。
以前、JAZZ盤のジャケ・デザインを特集した号があって、
それも何度眺めても飽きずに楽しめるものだったが、
今回はデザインよりもデザイナーに注目した内容になっていて、
その中の一人、ストーム・ソーガソンのインタビューに釘付けになった。
彼がヒプノシスの一人で、
フロイドをはじめとしたジャケデザインで有名な人であることは
言うまでもないだろうけれど、
彼の作品はピンクフロイドの音楽と切っても切り離せない、
一体のものとしてずっと私の傍にあった。
それにしても、ソーガソンその人がこんなにもチャーミングな男性だったとは!
「グランピー(頑固親爺)」という表現が記事の中にあるけれど、
シュールな作風とのギャップが何だか笑っちゃうくらいだ。
なんでもこの2月にカバー・アート集『Taken by Storm』が刊行されるとか。
わたしも早速Amazonにオーダー、今から届くのが楽しみでならない。

ちなみに、今回のPenでの特集、ジャケだけでなく、写真やファッションなど切り口も多彩。
これが1コインで手に入るなら、机の脇に1冊くらいあっても損はない、
そんな気にさせる音楽好きにお勧めの素敵雑誌だ。
pop & rock | - | - | author : miss key
今夜はお洒落にВопли Видоплясова
ヴォプリ・ヴィドプリャソワの新譜"Були деньки"がKievからようやく届いた。
ヴォプリはウクライナでも最も人気のあるロック・グループの一つで、
少々アクが強いけれど、ほかにはない独特の泥臭さに魅了されるリスナーも少なくないだろう。

 □ Були деньки / Вопли Видоплясова
 
 1曲目はいきなりスインギーでキャッチー。
 アルバムリリースの度に、今度はどんなサウンドなんだろうと
 プレゼントの包みを開けるときのような楽しさがある彼らだけど、
 今回はもうとにかく、ノリ、ノリ、ノリ!
 ロックンロールの"ン"のあたりにこだわった!?終始ゴキゲンサウンド。
 ある種の濃さとテンションがずーっと続く感じは、
 キャラ違いだけどクレージーケンバンドによく似てる。
 好き嫌いが分かれそうなだけに、
「この音が好き!」という人とは仲良くなれそう(笑)。

◆ Вопли Видоплясова Official Site http://vopli.com.ua/
♪ 試聴は → http://www.umka.com.ua/rus/catalogue/2591/
pop & rock (russian and other slavic) | - | - | author : miss key
Улыбнись, Россия - Лесоповал
ロシアもので冬の聴きどころというと、やはり男声コーラス。
ということで、久しぶりにロシアンシャンソンの新譜を紹介。
06年末にリリースされたリサパヴァールの第13作目オリジナルアルバムだ。

□ Улыбнись, Россия / Лесоповал

メンバーの高齢化もあって活動は以前ほど活発ではないけれど、
歌声も熟したコーラスで冷えた心を温めてくれる。
演奏も簡素に、いかにもロシアンシャンソンな歌い回しが沁みる全14曲。
お勧めは3曲目のタイトル曲、"Улыбнись, Россия"。
メンバーが順にソロで歌い継ぎながらコーラスへ発展する
地味なアレンジだけど、シンプルなだけにしみじみ聴ける。
ロシアンシャンソンを聴いたことのない方にも耳馴染みの良さそうなのが
1曲目"Лепила"、4曲目"Мы-Квиты"、7曲目"Последний Человек"。
どこまでも柔のコーラスのリサパヴァール。
いつまでも歌い続けて欲しいロシアの心を歌えるグループだ。

◆ Лесоповал Official Site http://www.lesopoval.ru
♪ アルバムの試聴は→http://www.russiandvd.com/store/product.asp?sku=45030&genreid=
pop & rock (russian and other slavic) | - | - | author : miss key
California Night vol.9 〜 今井忍Live
2月14日、バレンタインデーの夜、渋谷はスンダランド・カフェで開かれたCalifornia Night Vol.9。
The Silver Cricketsのお二人DJ Wab & DJ Yasuに加え、仙台からDJ Kazuさんもかけつけ、
さらに豪華に今井忍さんのミニライブと盛りだくさんの夜。
そしてCricketsのイベント恒例のサプライズゲストは中川五郎さん!
会場の広さと関係なく、どんどんやってくるお客さんでフロアは一杯。
なのに、すぐ手の届くような距離にゲストの皆さんがいらっしゃって、なんだか緊張してしまった(笑)。

当日のプレイリストは天辰さんのサイトIn-Cafootsで近いうちに発表されると思うので、
ぜひそちらをご覧いただくとして、
ステージに最も近い席に陣取って聴かせていただいた今井さんの歌。
バックで演奏することが多いのでお客さんに凝視されると緊張するという今井さん、
落ち着かないのか、調弦しながら楽譜をぱらぱらめくってみたり。
写真がないのでわかりにくいが、
ステージとお客さんの距離がほとんどない状態で隙間なくギャラリーが出来ている状態。
ついさっきまでお酒を飲み、流れる音楽を楽しみ、会話を楽しみと、
わいわい盛り上がっていた会場が静かになってステージに視線が集中する。

今夜は4曲演奏されたが、先日のソロアルバムからの曲の他、
今井さんの別ユニット「クール・ナガサキ&ハイビスカス」のレパートリーも。
今夜聴いた「クール〜」の方はハワイアン系で『夜のつばさ』とは切り口がかなり違うのに、
聴いていて幸せな気分になれる感じは変わらなかった。

正直、アルバムのような歌い方をされたら、ハンカチ2枚はいるだろうと思う程、
リリカルで胸の奥深くに沁みる歌なのだけれど、
このライブではどちらかというと重心が低くてぶれない、男っぽさを感じる弾き語りだった。
きっとこの人にはいろんな音世界があって、『雪の夜』はそのほんの1ページに過ぎないのだろう。
わたしは毎晩この曲を聴きながら眠るのが習慣になってしまっている。
その歌を、歌声を聴きながら落ちてゆく深い眠りに似たもの・・・
よく陽にあてた干し草の上で満天の星を眺めながらいつの間にか眠ってしまったときのことをふと思い出す。
大きく、優しいものに抱かれるような、幸せそのもののひとときを。
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今井忍 /『夜のつばさ』
いいなあとしみじみする前に自然と涙がこぼれるような、
そんな歌がたくさん詰まった贈り物のようなアルバム。

どこまでも穏やかなギターの弾き語りに
そっと花を添えるようにトランペットの響きをのせて。

  やがて僕らも氷の粒になって
  空に戻ってく 小さなキセキになる・・・『雪の夜』

いい歌は、心が求めるより速くわたしの中にやってくる。
ことばのちからがメロディに誘われて。

この冬、まだ一度も雪の降らない東京の片隅で、闇の深さに震える。
この歌のように、いつかあの場所に舟を漕ぎ出すことを夢見ながら。
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小さな緑がやってきた
 以前枯らしてしまったことが引っかかってしまい、
 それ以降、なかなかチャレンジする気になれなかったが、
 また懲りずに小さな緑を買ってきた。
 後から調べてわかったのだが、
 このポリシャスという草は温かい国で育つ種類で、
 冬のこの時期に育て始めるようなものではないらしい。
 お店の人は初心者でも大丈夫、と言っていたが、
 ほんとうか?
 そのことばを信じて買って来たが、
 うっかりするとまた枯らしてしまうそうだ。


世話の仕方が紙に書いてあって、それをしっかり読み返す。
水やりや光のあて方。
普段部屋の中に置いてあるときには休日に光を多くあてて。
水は気温のあがるときにたっぷりと。
いつもぐずぐずとあげる水のさし方はかえってだめ。

以前は上級者向けと知らずにマングローブを買ってしまった。
数百円と安いので何も考えず購入したのだが、
双葉が出た後は日に日に衰えてとうとう枯れたときの、
「枯れてしまったのだ」と諦めがついた日のことを忘れることはない。
今度はそうなりませんようにと、内心祈るような気持ちだ。
癒しの観葉植物、というけれど、世話の要るものが部屋の中にあるというのは
とりあえず悪いことじゃないと思う。
とにかく、春が来るまでなんとか持ちこたえてくれるように。
話しかけても答えてくれるわけではないのだけれど。
よもやま | - | - | author : miss key