音の快楽的日常

音、音楽と徒然の日々
朝に夜明けのスキャット
朝起きて聞くラジオ番組、ジョン・カビラがDJの時はJ-WAVEだったのだけど、
別所哲也に変わってからは、どうもノリが今ひとつ合わないので、
このところ、吉田照美の文化放送にしている。
今週は昭和歌謡のリクエスト特集で、朝7時30分という時間帯にちょっと違和感のある選曲で、
なかなか聴きごたえのある懐かしいヒット曲が流れていた。

今朝は由紀さおりの『夜明けのスキャット』。
この曲も、もの凄く流行っていたんだろう、特段意識して覚えた記憶はないのにソラで歌える(笑)。

それにしても、いい歌だなあ。『挽歌』とか好きな曲はいろいろあるけれど、
でも流石に彼女の歌に出てくるような女性像というのは博物館級というか、時代を感じずにいられない。
それでも昭和に生まれてよかったと感じるなつかしの歌だ。
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金曜の夜だというのに
ノー残業デーに便乗して定時+αで事務所を飛び出し、Unionをはしごする。
1時間も眺めるとそれで十分なのだけれど、今日の漁盤は次の通り。

 1 グルダのバッハ平均律のBoxセット第1集(国内盤) 700円の6割引で280円
 2 高橋ユキヒロ&鈴木慶一『出口主義』400円
税込みで合計700円ちょいとリーズナブルにまとまった(笑)。

グルダが安かったのは、MPSのオリジナルじゃないし、カビで盤が汚れてたから。
それで、『出口主義』のアンニュイなジャケットを眺め愉しみつつ、グルダ3枚をクリーニング。
グルダの平均律は第2集をMPSオリジナルで買っていて、それも800円と安かったのだけれど、
中身はとんでもなく素晴らしい音楽。
つい先日、ヤフオクに出ていたのを発見して入札しようと思ったら、既に5000円オーバー。
確かにその値打ちはあると思うけれど、待っていれば数百円で手に入るのが分かっていたので見送った。

平均律というかBachがやたら聴きたくなったのは、
この間、マジャールの歌手、マールタの歌を聴き直すのに『イングリッシュ・ペイシェント』を見て、
BGMに流れるBach(ヒロインの看護婦が壊れたピアノでBachを弾くシーンがある)が印象的だったから。

< なんてわかりやすい性格というか、傾向というか

映画のサントラを毎日かけていたのだけれど、Bachはやっぱりグールドとかグルダの演奏で聴きたい。

それで、グルダの3枚、いつもの簡単台所クリーニングで新品同様のぴっかぴか。
真黒のつやつやした盤を見ると、それでもう大満足。
金曜の夜なのに、もっとやることがあるだろうと外野の雑音も意に介さず、
一週間の疲れをぼんやりレコードが回るのを眺めて過ごす夜。

よく乾かさなければいけないから、このレコードを聴くのは明日の朝。
どんな音がするのかとても楽しみだ。
なので、今夜はアシュケナージの平均律で就寝。
窓から入ってくる風は冷たくて、本当にこれまでの寝苦しさがウソのよう。
夜風にあたりながら聴くBachはこれ以上ない心地良さ。生きててよかった。
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昨日、今日は雨のおかげもあって、気持ち涼しいのがうれしい。

フォーク、というとよく聴いていたのが風。
Wikiには「かぐや姫の伊勢正三と、猫の大久保一久が1975年に結成したフォークデュオ」とあるけれど、
かぐや姫はまだ「神田川」があったからわかるけれど、猫に至ってはまるで未知のグループ。
でも、なぜか風は好きで、エアチェックでテープを作ってまで聴いてた。
なのに今は、手元にセカンドアルバムが1枚あるだけで、その他がないのが意外なほどだったので、
改めて夜のBGM用に買ったのがジャケ絵のコンプリートベストという2枚組CD。

およそ知っている曲、覚えている曲は収録されていて、1曲目からいきなり
「う〜みかぜ〜え〜ふいてた〜」の「海風」。
もう何年も聴いていないのに、思わず演奏に合わせて歌ってしまった。
案外覚えているものだ。

このベスト盤、昔聴いたのとアレンジが違うような気がするけれど、やっぱり気のせいか。
ニューミュージック系に共通する独特の音調が懐かしい。

今夜もちょうどいい風が吹いて、
窓を開けたまま、小さな音で流す伊勢正三の歌が沁みる、というかなつかしすぎて涙がでるよ。
J-PopのCD買うのは本当に久しぶりだけど、いい買物だった。
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熱中症
今年の夏休みは帰省した以外はどこにも行かずに終わってしまったけれど、
夏バテというのか、ちょっとしたことで蕁麻疹が出てしまったり、体調も今ひとつだったので仕方なし。

暑いというと、毛皮の脱げない動物の辛さは如何ばかりかと想像もつかないが、
実家で飼っている柴犬が見事に熱中症になってしまった。



実家に帰るのは年に数回なので、ついあれもこれもと用事ばかりになってしまう。
構ってもやれず、退屈した犬がふてくされているのがわかったので、
夕方母屋の仏様にお参りするついでにと連れ出したのがまずかった。
夕方、といってもまだ明るい5時過ぎのこと。
アスファルトは火傷しそうなほど熱く、
そこから30cmと離れていないところにお腹や頭がある小さな犬にとっては酷暑だったのだ。

日が陰っているからと油断したのだったが、行き帰り、思わぬ散歩に喜んで大はしゃぎしたこともあって、
家に戻るや否や、犬は暑さでぐったりとしてしまい、両親は怒るは騒ぐわで大慌て。
医者もお盆休みだし、とりあえず涼しい板間に寝かせて水をやったり、
エアコンの風や冷たい濡れタオルで体を冷やしたりして様子を見ること数時間。
夜中近くになってようやく呼吸も戻り、眼の輝きも取り戻して一安心したが、
犬をこんな目に遭わせた超本人であるわたしは思いっきり冷や汗をかいた。
大事に至らなくてほんとうによかった。



日頃、ものごとは相手の立場にたって考えよう、などと偉そうな事を思っていたりするが、
やってるつもりで全然できてないのを痛感し、へこんだ。
翌日の豪華夕食のおかずを彼に譲った(しゃぶしゃぶの牛肉)ことが少しでも罪滅ぼしになればいいのだが。
へばっている犬にぶつぶつと話しかけるしか能のないわたし。
ぐったりしながらも、「話は聞いてるよ」とのサインに救われた。
我が実家の柴犬、6歳の夏。わたしには忘れ得ぬ懺悔の夏だ。

よもやま | - | - | author : miss key
探しもの
近所で毎年恒例の夏祭りがあって、カラオケ大会やらエイサー踊りの披露やら、結構な盛り上がり。
食材を買いに出かけて通りがかりにステージをチラ観していたら「***音頭」を歌います、なんてアナウンスが流れてる。

日頃から血眼になって探しているわけではないのだけれど、**音頭と聞くとつい思い出して欲しくなるドーナツ盤が1枚。

吉田照美の『ルミちゃん音頭』。

まだ10代前半の頃のこと。お決まりのように深夜放送に凝ってしまい、
関西在住なのに、わざわざ文化放送「セイ!ヤング」まで聞いていた。
毎日放送の「ヤング・タウン」が1時までで「セイ!ヤング」が1時からと連チャンで聞くのに都合が良かったせいもあるけれど、
ルミちゃんこと吉田照美が確か水曜のパーソナリティーだった折に(否、金曜だったか?)
「レコード出すよ〜」と半分冗談まじりに言い出した企画が実現して発売されたのが『ルミちゃん音頭』だった。
売り出される当日に地元のレコード店に行ったけれど、そういうマイナーな盤が地方で手に入る訳もなく、
また番組プレゼントに応募したが当たらずで、とうとうその現物を見る機会もなく、今に至っている。

音頭の歌自体はカラオケがあれば歌えそうなくらいだけれど(笑)、
ではどうしてその盤が欲しいかといって、ジャケットがどんな風だか見てみたいから。
吉田照美さんは絵描きでもあるから、ひょっとしてすんごく面白い絵柄だったんではと想像が膨らんでしまう。

最近また歌を歌っているようで、「YK型(ワイケイケイと読むそうだ)」という名義でマキシCDが出てた。
そのタイトルも『卍固めで Turn The Night』。



ちなみに映像が公式HPでも紹介されている。(※"卍固めで〜"は映像の最後の方で流れます)



レコード店で箱を覗く時は、どうしてもLP盤のところから見て行くから、
見終わった頃には足が疲れてしまって、45回転を丁寧に見ようという気力が残ってなかったりするけど、
東京っていろんなレコードが出てきてしまうところだから、気長に探せばいつか見つかるかも知れない。
そう思うと、なんだか楽しみだ。早く涼しくなるといいなあ。
レコードの話 | - | - | author : miss key
泳いで行くにはあまりにも・・・


すっかり夏バテというか、毎日積み重なる寝不足で、駅の階段を上がり切るのにも辛さを感じる毎日。
こういう時に限って仕事でミスったりしやすいので、普段より余計に神経を使うせいか、
職場の8時間があっという間なのが救いだ。

夜寝る前にネットを眺めていたら、偶然辿り着いたblogに随分と癒された。
「やっぱりレコードが好き」というタイトルの、大阪在住の女性フォークファンが綴るレコ日記だ。
フォークソングというと、わたし自身は中学を卒業するまでの間にごく有名なシンガーの歌を少し聴いた程度で、
当時はフォークというより、既にニューミュージックが注目されている時だったから、
バリバリのフォークソングというのは、寧ろ学生時代の友人が聴かせてくれたものがほとんどだった。

ところで、件のblogerであるたなちへさんの影響で、早速引き抜いてきたのが、画像のレコード。
『泳いで行くにはあまりにも水の流れが速すぎる』、山木康世(やまきやすよ)のソロアルバムだ。

彼が元ふきのとうということも知らないで、ジャケの雰囲気がいいから買ったのだけれど、
こうして日本語の歌と向き合うことは本当に久しぶりだったので、何だかとても新鮮だ。

せっかくだからもっといろいろ70年代のフォークソングを聴いてみようと思い、
何がいいかとあれこれネットで読みかじってみたら、
現在も現役でライブ活動をしているミュージシャンがいることに驚いた。

思えば、フォークギター、従兄弟から借りて練習したことがあったけれど、
指の皮がごっそり剥けて、当時やってた肝心のオルガンの鍵盤を触るにも具合が悪いほどだったので、
弾けるようになるまで我慢できず、あっさり諦めてしまった。
もう少し頑張ってみればよかったかなとは、今だからこそ思う事。

それにしても、黒い円盤に愛着を感じる人がいて、しかも同性の方だというと、
知らない人のことにしたって随分と嬉しいものだ。
もう少し涼しくなったら中古屋を梯子して回ろう。
夏バテと運動不足を一気解消、ついでに旨いビールと行きたいものである。
早く、秋よ来い!

◆ たなちへさんのHP 『たなちへの趣味趣味音楽な日々。』http://tanakagoraku.fc2web.com/
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「ロシアのCDを気軽に買いたいけれど」
神保町の老舗、新世界レコードが閉店されたということを人づてに聞いたのは先月のこと。
そういうこともあったせいか、「気軽にCDを買うにはどうしたらいいですか」というお尋ねをいただいた。
国内のCD店では、たくさんのロシアンポップスの新譜を扱っているようなお店はないと思うので、
結局、CDを入手するためには、ネット通販を利用せざるを得ないのが現実だと思います。
とりあえず、日頃、海外通販を利用する時にわたし自身が気をつけている点は次のようなことです。

 1 利用するクレジットカードは通販専用にしておいて、限度額をかなり低めに設定する
  そうすれば、情報が漏れたりすることで他人に使われても大きな事故は防げるし、
  万一何かあった時はカード会社を通じて調査・解決する間の対応にもなる。

 2 利用したいお店でいきなり買物せず、質問メールを送ってみて対応をみる
  ブロークンな英語でいいから、適当な質問を考えて問い合わせをしてみる。
  対応の早さ、丁寧さ、英語のできるスタッフの有無など、だいたいそれで確認できる。
  日本のカスタマーに慣れていれば、決済や発送などの気になる点について丁寧に教えてくれる。

地元のショップやレーベル直販の場合は、直接クレジットの決済が認められていないのか、
PAYPALのようなシステムの代行業者が間に入っているか、e-goldのような電子マネーでの決済が多いです。
もう少し簡単にならないかな、とは思うのですが・・・。

ロシアものに限らず、入手困難なCDの場合には似たような面倒さがあるだろうと思うのですが、
自分が聞いているジャンルに限れば、CDを買い求めやすい環境に徐々になっているかなと思います。
そうはいっても、商品として国内のCD店にロシアンポップスのアイテムがずらっと並ぶことは想像しづらいので、
多少の値段の差はあっても、評判がよく使い勝手のよいお店で買物をするのが、
ストレスが少なくて済みそうです。
「気軽に入手したい」という方の答には全然なっていなくて申し訳ないのですが。
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◆◆◆「世界の音楽を聞く vol. 3」◆◆◆
◯ 渋谷は国境の南でのレコードコンサート「世界の音楽を聞く」の3回目のご案内です。
◯ 3回目の特集はファド。これはうっかりするとお酒も進みそうです(笑)が、
  女性ヴォーカルファンには堪らないひとときとなりそうです。
◯ 主催者のお一人、北中さんのサイトから勝手に案内文をお借りしてきました。
  前回、大雨で参加を見送った方も今回はぜひ。
  

 「世界の音楽を聞く vol. 3」 お待たせしました。好評のレコード・コンサート・シリーズ。
 「ファドの100年〜アマリア・ロドリゲスとその周辺: アマリア・ロドリゲスだけがファドじゃない。
  知られざる名手のレア音源を駆使して、有名なワリに実態を知られていない都市型歌謡、
  ファドの歴史と真髄を徹底追究」というわけで、
  アナログ音源・美麗ジャケットを多数用意してお待ちしています。

  □ 9月15日(土)午後3時半会場、4時スタート
  □ 渋谷 国境の南 電話03-3463-5381
   お店のHP http://www.kokkyo.net/
  □ 会費 1000円(ワンドリンクつき)
  □ 司会 蒲田耕二・北中正和・田中勝則
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残暑とはよく言ったもので
20代の頃にいた事務所で「暑い」と言ったら罰金100円、というのがあって、
エアコンもろくに効かないおんぼろビルの一室だったため、
みるみるうちに溜るピース缶の100円玉を供養しましょう(笑)ということで、
係で呑みに出かけては冷たいビールを飲み過ぎてお腹を壊す、
という馬鹿なことばかりやってたのをぼんやりと思い出した。

一時期の猛烈な暑さはどうやらピークを過ぎたのか、ほんの少し和らいだような気もするが、
暑過ぎて感覚もおかしくなっているので、ただの気のせいかも知れない。

つい最近、レコードプレーヤーを新調したのが嬉しくて、朝から晩まで暇さえあればレコードを聴いている。
おかげで、不器用なわたしもようやく回るテーブルを止めずに盤を外せるようになった(笑)。

CDがダメだとは思わないけれど、かの『ヴィニール・ジャンキーズ』から言葉を借りてくれば、
CDはクールじゃない。確かに、CDは小さくて合理的かも知れないけれど、
黒い大きな円盤の方がいいというのは単なる懐古趣味ではないと思う。
もちろんCDでしかない音源はそれで音楽を楽しむけれど、
レコードがあるのならやっぱりレコードがいい。

それは廃盤ばかりじゃなくて、最近買ったドリーム・シアターの新譜(LP)にしたって、
ジャケットが大きいというだけで、アートワークも何倍も楽しめるし、第一、豪華だ。
そんなの前から分かってたよと言われそうだが、いざこうして眺めてみると、本当にため息が出てしまう。

困るのは、新譜でアナログが出る時、最初にまずCDが発売されて、
その後、特段のアナウンスなしにLPレコードが売り出されることが多いこと。
これでは好きなアーティストの新譜は大抵CDとLPがダブってしまうことになる。
最近は少し学習効果が出てきているので、多分LPが出ると踏んでCDを買わずにジッと待ったりするけれど、
去年のギルモアの新譜の時みたいに何ヶ月も延期になったりして待ち切れずCDを買ってしまったりすると、
時間差での発売は販売戦略としては当然のことなのかなと思わなくもない。

そうはいっても、あまり不経済なのは困るので、
ソフトの買い方、探し方をもう一工夫しないととは最近思うこと。
mp3のような形の見えない方向に行く潔さはとても持ち合わせていないので、
わたしなどは当分の間、レコードとCDの山に悩むことになりそうだ。
それがまた愉しい悩みだったりするので、なかなか複雑なところだけれども。
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暑さは熱さで制す?
□ El Lilady / Amr Diab



8月に入ってからというものの、訳の分からない暑さに閉口しがちな毎日。
そうはいっても、エアコンも冷たい飲み物も元々苦手で、体を冷やすとすぐ体調を崩す分かりやすい人間なので、
せめて音楽ぐらいは涼やかなものをと、マーラーの9番やサティなんかを繰り返し流していたが、
暑いときは熱いものの方がいいんではないかとふと思って買ったのがAmr Diabの新譜"El Lilady"。

Amrはエジプトの大!人気ポピュラー歌手。
アラブの歌謡曲ってどんなんだろうと想像を逞しくしてジャケ買いした中に偶然彼のCDがあって、
それが気に入って以来、ここ3枚程続けてリリースを追いかけている。
歌詞の内容はさっぱり分からないけれど、
濃さという点では、ロシアのパワーポップ系とはまた違ったいい感じの力の抜け具合がゆるいグルーヴになって、
歌謡曲の楽しさに国境はない!と思わずにっこりのサウンドだ。

今回のアルバム、ラテン風アレンジがあったり、普通の洋楽っぽいアレンジのものがあったりと、
ベースはアラブポップに置きながら、さすがアムルは素敵!と思わせるエンターティナーぶり。
とりあえずは観て聴く方が早いということで・・・



くるくるこぶしが回る独特のメロディラインが魅力のアラブポップ。
言葉は分からなくても、どこか相通ずるものを感じるのが不思議だけれど、
それが音楽の良さ、楽しさかも知れないと思う今日この頃。
Amr Diab、歌ものが好きな女性リスナーにお勧めの1枚です。
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