ラジオの修理と映画の1日 | 2007.09.30 Sunday |
またしても、というか家のラジオが不調。
流石にもう何十年も働いているラジオだからなあと思いながら、いつ頃の発売なのか調べてみたら、
なんと1971年とのこと。
世間では30年以上も使った家電から火が噴いて問題になったとか、
おそらく製造時には想定もしていなかった長期稼働からくる不具合が話題になっているけれど、
そういうのを思えば、もういい加減、休ませてあげないといけないのかなあと思いつつ、
できる修理はできるところまでしようということで、中を開けてみた。
開けてみると、
バンド切り替えの部品が経年劣化で破損していて、
3バンドのうち死んでいるSWからFMもしくはAMへの切り替えができなくなっていた。
要するに、感度がた落ちのSWのままだったのだ。
バンドの切り替えは取り敢えず諦め、
もっとも受信感度の安定するFMに固定すれば、まだ当分は使えそうなので、応急処置。
有り合わせのネジ類で間に合わせ、あとは清掃と半田の手直し程度しかできなかったので、
まあどれだけ持つか分からないけれど、今度ダメになったら現役引退させて、愛玩用にしよう。
外は雨だし、修理したりしていたらいい時間になってしまったので、借りてきたDVDを消化。
『善き人のためのソナタ』、舞台は壁が落ちる前の東ベルリン。
主人公は、ある劇作家を監視する任務を命じられたシュタージの将校。
最初は地味な映像で少々退屈するかと思っていたら、
彼の感情の揺れが画面に映し出されていく様に、知らぬ間に釘付けになっていた。
作品全体を通じて抑えられた色味と音楽、
全ては秘密裏に監視されているという空気感を損なわぬためだろうか、
それとも、将校の心情の変化に光を当てるが故のことなのか。
ヒューマンドラマ仕立ての割にはエグい描写もあって、
家族揃って見るような中身にはなっていないが、
ラストには思わぬシーンで、観る側の緊張が一気に解れる仕掛けがある。
それをどんな風に受け止めるかはきっと人によるだろう。
わたしは予想外の後味の良さに随分得をしたような気がした。
正直、受賞作品にはそれほど期待もせず、数合わせで借りたDVDの1枚だったからだ。
主役のゲルド・ヴィースラー大尉を演じたウルリッヒ・ミューエという人の作品を
もっと観てみたいと思い調べてみたら、
この作品を撮り終えた後に急死されたとのこと。
何でも自身も監視されていた経験を持ち、「公式情報提供者」の中には実の妻もいたというが、
そういう予備知識を持って観たら、また違う世界を作品から読み取ることができるかも知れない。
何が真実で、何が虚構なのか。
信じるに値するものを見いだした人の美しさがこれほどまでとは。
心の有り様を問い直す好機を与えてくれる素晴らしい作品だった。
流石にもう何十年も働いているラジオだからなあと思いながら、いつ頃の発売なのか調べてみたら、
なんと1971年とのこと。
世間では30年以上も使った家電から火が噴いて問題になったとか、
おそらく製造時には想定もしていなかった長期稼働からくる不具合が話題になっているけれど、
そういうのを思えば、もういい加減、休ませてあげないといけないのかなあと思いつつ、
できる修理はできるところまでしようということで、中を開けてみた。
開けてみると、
バンド切り替えの部品が経年劣化で破損していて、
3バンドのうち死んでいるSWからFMもしくはAMへの切り替えができなくなっていた。
要するに、感度がた落ちのSWのままだったのだ。
バンドの切り替えは取り敢えず諦め、
もっとも受信感度の安定するFMに固定すれば、まだ当分は使えそうなので、応急処置。
有り合わせのネジ類で間に合わせ、あとは清掃と半田の手直し程度しかできなかったので、
まあどれだけ持つか分からないけれど、今度ダメになったら現役引退させて、愛玩用にしよう。
外は雨だし、修理したりしていたらいい時間になってしまったので、借りてきたDVDを消化。
『善き人のためのソナタ』、舞台は壁が落ちる前の東ベルリン。
主人公は、ある劇作家を監視する任務を命じられたシュタージの将校。
最初は地味な映像で少々退屈するかと思っていたら、
彼の感情の揺れが画面に映し出されていく様に、知らぬ間に釘付けになっていた。
作品全体を通じて抑えられた色味と音楽、
全ては秘密裏に監視されているという空気感を損なわぬためだろうか、
それとも、将校の心情の変化に光を当てるが故のことなのか。
ヒューマンドラマ仕立ての割にはエグい描写もあって、
家族揃って見るような中身にはなっていないが、
ラストには思わぬシーンで、観る側の緊張が一気に解れる仕掛けがある。
それをどんな風に受け止めるかはきっと人によるだろう。
わたしは予想外の後味の良さに随分得をしたような気がした。
正直、受賞作品にはそれほど期待もせず、数合わせで借りたDVDの1枚だったからだ。
主役のゲルド・ヴィースラー大尉を演じたウルリッヒ・ミューエという人の作品を
もっと観てみたいと思い調べてみたら、
この作品を撮り終えた後に急死されたとのこと。
何でも自身も監視されていた経験を持ち、「公式情報提供者」の中には実の妻もいたというが、
そういう予備知識を持って観たら、また違う世界を作品から読み取ることができるかも知れない。
何が真実で、何が虚構なのか。
信じるに値するものを見いだした人の美しさがこれほどまでとは。
心の有り様を問い直す好機を与えてくれる素晴らしい作品だった。
cinema & Soundtrack | - | - | author : miss key