音の快楽的日常

音、音楽と徒然の日々
買い換えは空しい
最近、ソフトの買い換えは何となく空しく感じることがある。
リマスター、初出ボーナストラック、テイク違い、monoとstereo、
中身は同じでジャケット違い、紙ジャケ、SACD化、などなど。
あーあと思いつつ、まあ仕方ないかと思いながらも手を延ばしてきた自分がいる。

そういう単発ものに加え、
年末近くになると、あれやこれやのBox Setリリースが続き、
いかにも消費者の懐具合を当てにしているのが見え見えな企画に腰が引ける。

例えば、どれだけおまけに釣られやすいわたしであっても、
12月発売予定のPink Floydの14タイトル、16枚セットには、さすがに・・・。
紙ジャケセットということだが、
海外の紙ジャケは国内のものに比べて作りがチープだったりするし、
リマスターもしくは初出のボーナストラックなどは皆無の様子。
ポスターなどのおまけは多少つくようだけど、
ストームがデザインするケース欲しさにこの値段では・・・と、
多少のことなら目をつぶってしまうわたしも流石に手が出ない。

だいたい肝心のCDの中身が同じなのに、ダブったCDはどうするのだ。
などと考えると、ほんとうに空しくなってしまう。
まあそんな深く考える必要はないのだろうけれど(笑)。

UK盤CDでバラ売りがあるようなので、お試しに何か1枚買ってみようかと思うが、
せめてリマスターとかSACDでのリリースとか、
何か新しい部分があっても良さげなのにと独り言していたら、
同じような感想を持つ人が多いのか、amazonやHMVのコメント欄には厳しい意見が大半。
amazon.co.ukの方もついでに見たら、あちらでも何だか似たような状況のよう(苦笑)。


わたしはあれこれいろいろ音楽を聴いてみたい人間だから、
夏にあれほどたくさんのCDを苦労して処分したにもかかわらず、
相変わらずCDやらレコードやらを買い込んでは一喜一憂する日々だ。
好きなタイトルなら、できるだけいい音で聴きたい、
それも人情と思って、結構な数のソフトの買い換えも出来る範囲でやってきた。
そんなわたしでも、ほんの少しだけど、思うところがある。
ほんの少し、ではあるけれど。
よもやま | - | - | author : miss key
「倫理法典」にひれ伏す
Моральный кодекс(モラーリヌィ・コーデクス、倫理の法典の意)の新譜、
«Славянские танцы»にすっかりノックアウトされて3日目。



彼らのことはもちろん知っていたが、数年前に出たベスト盤をちょろっと聴いた程度で、
それほど関心を持つまでに至らなかった。
それが、たまたま最新アルバムがそこここで評判になっているので、
おや!と思って買ってみたら、
これがもうユルいグルーヴの8ビートで、実に気持ちよく乗れるのだった。

曲の中には"NY & Беслан"(NYとベスラン)なんていうのもあるのに、
他は"Московская осень"、"Актриса"、"Не уходи"だなんて、
いったい何なんだか・・・。
いや多分、大事にしたいものをいいメロディに乗せて歌いたかっただけ。
59年生まれのvo.セルゲイ・マザエフの歌い方がほんとに純な感じでうるうるする曲もあったりして。

ギターがぐわーんとうねって透明感あるヴォーカルがノリノリ、みたいなのは、
ロシアではズーパークとかいくつか似たようなグループがあるけど、
コーデクスはコード進行もメロディワークも巧い具合に捻ってあって、
裏舞台は見せませんよみたいなところが◎。

かといって超絶テクみたいな演奏とはかなり縁遠いサウンドだけど、
地味ながら一本筋が通っていると音楽ってこれほど聴きやすいのね、という代表例。
無闇にオリジナル性を追求してわけわかなになってるバンドがロシアにはあるけど、
コーデクスはお手本はそれとして旨く消化しながら音楽を楽しんでる感じだ。

彼らの旧譜は今年に入って4タイトルが再発された。
試しに1枚買って聴いてみたが、
ベスト盤の音源と比べる限りではリマスターされているようだ。
アルバムによってはリミックス音源もしくはボーナストラックが付いている。
せっかくだから、彼らのアルバム、ジャケが楽しいので、バシバシ貼ってしまおう。

 ◆ ГИБКИЙ СТАН (1996)


 ◆ Я ВЫБИРАЮ ТЕБЯ (1997)


 ◆ СОТРЯСЕНИЕ МОЗГА (1990)

 おためしに買ったのはこれ。
 ジャケがなんといってもいい!
 オーソドックスなロックンロール仕立てが思わず体を揺らします。


 ◆ ХОРОШИЕ НОВОСТИ (2001)

 このジャケットってジェスロタルのパクリなのか。
 「新聞」に目のないわたしが次にいくべきはこのアルバム。
 見た目は重要です。


□ Моральный кодекс Official Site http://www.moralcodex.ru/
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鳥のように美しく、そして強く
毎週のように中継されるフィギュアスケートの国際試合。
ロシアに興味のある人にファンの多い競技の一つだが、
ここ数年ほどこんなに注目したこともないと思うほど魅力的な選手が国内に大勢いる。

今、一番気になるのは何と言っても浅田真央選手、特に今シーズンのショートプログラムだ。
画面に写し出された表情に浮かぶ、調整通り演技できない苦しさ、辛さ。
以前の屈託なく、試合を忘れたかのように楽しく伸び伸びと滑っていた様子からすれば、
まるで緊張という名の網に囚われ傷ついた小鳥のようでさえある。
滑走曲の曲調もあって、見ていて胸が苦しくなるほどに。



ショートプログラムの滑走曲、"Fantasy for Violin and Orchestra"は、
映画"Ladies in Lavender"のオリジナルスコアの1曲。

静かに暮らす老姉妹の元に突然流れ着いたポーランドの青年。
ヴァイオリンの才能溢れる彼が魅力的であればあるほどに、
これまでの平和な時間が少しずつ軋み、不協和音を奏でる・・・。

映画の筋はともかく、この曲は普通に聴いていても聴く者の胸にぐっと来る感じであり、
わずか4分弱の曲ながら緩急つけて切なくも美しい主旋律が展開、
ヴァイオリンとオケの演奏が絡みながらラストに向かって螺旋状に盛り上がる。

絵の調子によってはこのぐらい音楽が強くてもいいのかもしれないが、
この曲をバックに観衆の注目を一身に集めて滑る選手がリラックスして滑るには、
よほど気持ちが強くないと辛いんじゃないかと素人ながらに想像する。

否、だからこそ、彼女が自分の思う通りにこの曲を滑り切ることができたなら、
氷の上を舞うように滑る彼女を見ることができるのかも知れない。

「美しく、鳥のように、それも、強い鳥に」

グランプリファイナルの舞台はイタリアのトリノ。
今回はどんな物語が用意されているのか、あるいは・・・。
その時を楽しみに待ちたいと思う。

□ "Ladies in lavender" Original soundtrack
  Original music : Nigel Hess
  Violin : Joshua Bell
others (music) | - | - | author : miss key
ロシアのロックを聴くなら
モスクワの友人から、「ロシアのロックを聴くならこのサイトが手っ取り早いよ!」と紹介された、
その名も『ロックの英雄』。

◆ http://www.rockgeroy.ru/

「我らが時代の英雄」というタイトルに一瞬たじろぐも、
掲載されているバンドは文字通り有名どころからまだ駆け出しのバンドまでピンキリ。

ベースはリンクを集めた集合住宅形式ながら、音源もなかなか豊富。
バンドの出身地もモスクワに偏らず、ロシア全域、さらには中央アジアなど広範囲。
全部読んで聴くには相当な時間のかかる量がアップされているが、
星の数程ある中でも我が友人のお勧めは、

- Женщина с бородой
- Британь
- Зелёная кошка
- Домашняя работа
- S.Nemo
- Джокер
- Exlibris

などなど。特にДомашняя работа(Homeworkの意)はウズベキスタンのバンド。
荒削りなサウンドながら、ソウルフルな歌と演奏はなかなか楽しめる。
第一、ウズベクのイメージとは随分かけ離れているかも。

彼曰く、「CDで売られているメインストリーム系はつまらない。聴くならこういうのを聴け!」ということらしい。
商業的な流れとは別なところで、結構いろんなのがあるのよ、というようなことが言いたいようだ。

一頃はmp3天国のように言われたロシアのWeb事情だが、最近は常識的な感じに落ち着いている。
なので、ちょっと前に比べれば音源探しに一工夫要ったりするが、
この「英雄」のようなサイトは、犬も歩けば式に面白い音楽が見つかるきっかけになる。
載せられているのは自薦他薦問わずなので、玉石混淆と言ってしまえばそれまでだけど、
ラジオのストリーミングではバンド名や曲名が拾いにくいので、
CDで入手できるような音楽に飽き足らない向きにはなかなかお勧めだ。

ちなみに、「英雄」の簡単な使い方を。
"Музыка"というタグをクリックすると、
登録順にバンド名と出身地などが書かれたリストが出てくる。
聴きたいバンドを選んでクリックすると、曲目が選べるようになっていて、
曲を選ぶと、ダウンロード、試聴などができるようになっている。
Web上での試聴は"Послушать"をクリックすれば音楽がスタート。
サイトトップの上の方にアカウント欄があるが、登録しなくても試聴はできる。
いくつか試してみたけど、音質もまあまあなので、眠れない夜のお供にお勧めです。
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縁の無いレコード
世の中には自分に縁の無いレコードというものがあるなあとつくづく思う。
例えば、少し前にも書いたMilsteinのBach無伴奏ヴァイオリンBoxセット。
何年も捜している方からすれば何てことはないのだろうが、
ここ3ヶ月でチャンスが3度もあったのに、ことごとく逃してしまった。

1度目は程度並上で$50。リストを見てすぐ連絡したが間に合わず少しの差でSold Out。
2度目は店頭で1万円オーバー。
少し考えてからにしようと思ってもう一度売り場に戻った時には既にその姿は何処にもなし。
そして3度目は今夜。
ネットオークションで結構な値段で出ていたものだが、とても状態が良さそうなので、
これが縁と信じて終了ギリギリまで様子を窺っていたら、
貴重盤を次々と高価落札している実績の持ち主が入札、
競っていこうという方が無理なので、入札もせず敢えなく退出。

見る機会はあるのだから縁が無いというのは少し違うと言われるかも知れないが、
それならまだ捜してもない!という方がまだましというもの。
Milsteinのレコードを捜し始めた初日に1枚ものをきちんと独プレスで見つけたので、
運を使い果たしてしまったか(笑)。


僅か数分の間のことだったが肩に力が入ったのか疲れたので気分が和む1枚を。
Caravanの"The Unauthorised Breakfast Item"だ。



Caravanというバンドの音楽、最初の数枚はジャケットがきれいだから喜んで買ったのだけど、
どのアルバムも部屋の空気に馴染むというか、流しているだけで気分が和らいでいく。
メンバーの入れ替わりもよく分からないでいい加減に聴いてたりするが、
このアルバムはジャケットからして和み系なので特に好きな1枚だ。

たまたま店頭で買った限定盤の2枚組CDだが、2枚目には日本でのライブ録音他が収められていて、
さらにメンバーのサインが寄せ書きされたピンクのカードが入っている。
直筆サインが入ったCDというのは初めてだったので、
封を切って中を見たときはとても嬉しかったのだけど、
2500枚ものカードにサインをするのはさぞ大変だっただろうと思うと、
このアルバム、何故そういうおまけが付くことになったのか知りたい気もする。

それにしてもCaravan、彼らのハーモニーは本当に美しく、そして優しいから大好きだ。
先日のイベントで聴いたRobert Wyattにしても、或いはGilmourのLiveにしても。
考えてみたら、否考えなくても、最近気に入ってヘビーローテしているのは、
「ある一定(しかもそのレンジが狭い!)の年齢層」に該当するアーティストばかり。
おじさんパワーにやられっぱなしの日々、困ったもんだぜ、まったく(笑)。
レコードの話 | - | - | author : miss key
突然ばかハマりする1枚がある
残業の山に絶句して過ごした10月が過ぎて、夜の風もすっかり冷たくなった今、
つっかえ棒が外れたかのように気の抜けた毎日を過ごす。
頭の中がすっかり無音状態になり、すべて右から左へ筒抜けになりそうなほど。

そんなフ抜け状態の最中にKing Crimsonの"Islands"というCDを戴いた。



これだけ有名なアルバムだからわたしなどが書くことなど何も無いけど、
これがとんでもなく意外なほどばかハマりしてしまった。
実はこのCDといっしょにJethro Tullの新聞紙のジャケットで有名な盤も貰っていて、

< 最近は、すっかり「ちゃっかり君」とか「ちょうだい君」になっている

タブロイド紙を模したブックレットをしげしげと眺めながら先にジェスロタルの方を聴き始めたのだが、
すぐ脇にそれる性格を存分に発揮して、結局音楽はそっちのけで新聞に見入ってしまった。
CDでこれだけのおまけがついているのだから、
アナログ盤ならもっと大きい新聞がついているに違いないと思い、CDをくれた主に尋ねてみたら、
新聞を欲しがっていることを既に見抜かれているようであった(笑)。

ところで、"Islands"。
クリムゾンのアルバムは、『宮殿』が文句無しの◎で、
それでもって喜んで調子に乗って買った"In the wake of Poseidon"が苦手なわたし。
有名なアルバムの好き嫌いが両極端に割れるアーティストもそうはなく、
このアンドロメダ星雲か、といった絵柄のジャケットに少し気後れしつつも聴いてみた。
それが、面白いようにハマった。きっと他人がその様子を見てたら笑えるに違いないと思うほどに。

幸運なことに戴いたCDはHDCD仕様で、我が家ではいい感じで再生できる。
どうせなら思いっきり伸び伸びと鳴らしてみようというので、
定時上がりで帰宅した今夜、早速、audioのセッティングをやり直した。
スピーカーの位置で面白いように音が変わるので、善し悪しはともかく、
このアルバムが楽しく聴けるようにあれこれ動かしてみた。
おかげで、日頃はあまり気がつかなかった発見も。

途中、夕飯を食べながらの数時間、これだけ面白がれることも最近なかったので大満足。
流石にこの時間から音量を上げるわけにはいかないので、本番はNo残業デーの明日にとっておくことにした。
なんだか楽しみだ。最初聴いたのと全然違って聴こえそうだ。
そしたら、また別の感動もあるだろうか。
重たいaudioをせっせと動かしたせいかいい感じの疲れと眠気がやってきた。
もう1度、6曲目のIslandsを聴いてから休むことにしよう。
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夜、考えごとをするのは


日頃から「悩む」ことをほとんどしないで済む性格ゆえ、
人知れず悩んでいる人の辛さを理解できていないのでは、と思うことがある。

すぐ隣りで毎日働いている同僚が、心因性の疲労から仕事を休みがちになった。
体調が今ひとつだな、とか、鈍なわたしにも感じることはある。
確かに、あったのだ。
夏が厳しくて暑さが堪えたとか、
或いは一滴の酒も飲めない人なのでストレスの解消もままならないだろうとか思うところはあったが、
だからといって隣りに座っていて何かできたかと言えば、今もってしても何もないように思えた。

日々『人身事故』で電車が遅れる街に住み、働いていると、
他人の辛そうな様子もだんだんと気にならなくなってしまうのだろうか。
今朝も事務所に着くなり「最近は人身事故があっても大して報道もされなくなった」と仲間とこぼし合う。

メンタルヘルス、という言葉もさほど珍しくなくなり、若い人の間でも略語で通じるのが驚くほどだ。
否、職場では言葉にするのも憚られるので、ことばの代わりにそっと胸に手を当てる仕草をする。
誰が何故「休んでいる」のか、それで十分相手は理解できるのだ。

わたしは自分自身のことで潰れそうになるほど辛さを感じることは、
歳のせいなのか、正直ないし、そこまで自分を追いつめる程真面目ではないが、
そういう人の話を耳にするときりきりと胸が痛むこともある。

夜、独りの部屋であまり考えごとをするのはよくないよ

そういつも話してくれたのは父であり母であった。
両親の勧めに従って、気分が落ち込んだ日の夜はのんびり音楽を聴いて目を閉じる。
今夜はThe Beach Boysの"Surf's up"を聴きながら眠ろう。
明日は人に元気のお裾分けができるように。
よもやま | - | - | author : miss key
覇響


06年5月のロイヤル・アルバート・ホールでのギルモアのライヴ映像、『覇響』。
このツアーのチケットが獲れれば初ロンドン!と鼻息荒く現地の友人にチケ獲りを託したのだけど、
わたしの分どころか自分のチケットさえ無理で、敢えなく断念。
いつかDVDになるだろうと期待していたのが週末届いたこの作品だ。

わたしはフロイドファンだから、
ギルモアのソロ・ライヴとわかっていてもついフロイドを重ねてしまう。
それでもって、1曲目が"Speak to me"なのでいきなりスイッチ・オン、
約150分の映像を全身に力が入りっぱなしで見続けた。

前半、フロイドのナンバーからソロの"On an Island"の作品、
ギルモアの歌は淡々としているのに、ギターは艶っぽくてセクシー。
豪華コーラスはデヴィッド・クロスビーグラハム・ナッシュ
そして休憩を挟んだ後半はフロイドの曲にもどって何と"Echoes"が!
続く"Wish you were here"、
そしてデヴィッド・ボウイが歌う"Arnold Layne"、"Comfortably Numb"。
美しい光の演出と演奏をじっくり楽しむ余裕もなく、あっという間に終わってしまった。

途中、メンバー紹介(平均年齢高し)があって、
リチャード・ライトが紹介された時、何だかジーンと来てしまう。
TVでDVD映像を見ているだけなのだけど、気分だけはその会場に居るかのよう。
そのぐらい映像に臨場感があり、
また会場では見ることのできない角度からもライヴを楽しむことができる。

この作品、特典ディスクが本編同等に充実していて、隠し映像っぽいのもある。
と書きつつ、まだこちらは飛ばしながら観ただけで、
本編を2回観たら時間が無くなってしまった(笑)ため、続きはまた次の週末にした。

LIVE8の時も思ったけれど、4人が元気なうちにフロイドのステージが見たい。
そう勝手な夢を思い描きながら始めたフロイド貯金はもう結構な金額になってしまった。
言葉は悪いが、メンバーがどんだけ爺さんになろうが構わない。
アイドルはいくつになっても永遠にアイドル。
まさにそのことを実感したLIVE映像だった。
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星の向こうに
最近のロシアンポップス新譜からお勧めのアルバムを。



□ За Звездой / Гости Из Будущего

ゴスチ・イズ・ブードゥシェヴァの最新アルバム『星の向こうに』。
一時期、ぱっとしたヒットもなく、地味になっていた彼らだったが、
ここ1、2年はコンピレーションの常連で、曲作りもメディアを意識した感じ。
それでも、ロシアのポピュラー音楽の王道というか、
「これでいいじゃない!」という割り切りがあまりに爽快で、

< 歌って踊って楽しければいい、みたいな

聴く側も「こうじゃなくちゃね」と納得してしまう。

サウンドは昔のディスコ・ブームを思い出させるようなアレンジで、
若い世代のリスナーよりも、同世代のファンにアピール度高し。

最近のロシアもの、特にヒット曲は、水っぽいというか、西側のポピュラーの影響が強過ぎて、
逆にわざわざ聴くほどの魅力を感じなくなっている。
現地のファンでも同じような感覚を持つリスナーは少なくないのでは、
と勝手に想像しているがどうだろう。

それにしてもこのアルバム、新鮮味や奇抜さはないけど、ゆるりと楽しめるノリの軽さが◯。

◆ Гости Из Будущего Official Site http://www.gosti.ru
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霧のカレリア
11月に入ってようやく空気が冷たくなってきたなと実感。
だからというわけではないが、たまたま見つけて手に取ったスプートニクスのシングル盤。



スプートニクスは1959年結成のスウェーデンのインストゥメンタルバンド。
ロシア民謡もレパートリーに入っていたりするし、

< 霧のカレリアも途中で『トロイカ』のメロディが出てくる

名前が名前だから、「ロシアのグループだ」と思っている方が少なくないようで、
管理人のサイトにも時折問い合わせのメールが届いたりする。

それにしても、この衣装。
当時の演奏の様子などが映像に残ってたらすごいだろうなあと想像するにとどめ、
音源をあれこれ当たってみたら、CDもまだ手に入るものが結構ある。
話の種にとついこういうレコードを買い込んでしまうのがいいのか悪いのか。

流石に当時の音源なので、音質はそれほどでもないが、
時代の雰囲気が真空パックされているような録音で、
ドラムスにもエコーがかかってたりして面白い。

45回転が面白いよ、とは知人の勧めだが、
これはなかなか沼が深そうで、
わたしはとりあえずスプートニクスを抜いただけで箱の前を離れた。
寒さよりも日の暮れるのが早いのがちょっと辛い土曜の午後。
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