音の快楽的日常

音、音楽と徒然の日々
恋はみずいろ?


毎朝、家を出る前に聞いているラジオ番組で、
今週のテーマとなっているポール・モーリア。
わたしにとっては、フランシス・レイやバート・バカラックと同様、
とても馴染みがあるというか、オルガンを習い始めた頃によく聴いたり、弾いたりした。
若い人たちには、マギー司郎さんの出囃子で流れる曲と言った方が早いだろうか。

月曜の放送、特集の冒頭で「恋はみずいろ40周年!」という吉田照美の台詞におや!と思ったのだが、
何が40周年なのか、作曲されてから、という意味なのか肝心なところを聞き逃してしまった。

そういえばと思ってCDの棚を探してなかなか出て来ないジャズ・オルガンアレンジの曲。
確か日本女性のオルガニストだったが、
小柄な女性が弾いているとは思えない濃くてファンキーなタッチで、
およそみずいろとはほど遠い感じもして微妙なれども、印象的な演奏には違いなかった。

思えば、わたし自身にとって人との印象的な出会いはいずれも桜の花咲く季節で、
その気分を色に準えればうす桃色ということなんだろうか。
陽が差せば透き通ってその色すら捉えられなくなる程に淡く優しい色味だ。

桜咲く季節と言えば、千鳥ヶ淵の桜を見ながら夜通し呑みたいと言われ、
では来年の春にと約したのが、
とうとう果たせなくなり悔やんでも悔やみ切れずにいる。

いつか見た車窓からの風景が―
靖国神社を過ぎて目に入ってきた桜の色があまりに美しく、
そのときのことを思えば風の匂いさえ思い出せるほどに、
こんな春の日もあったのだと幾度となく呟かせる。

どうしても果たせない約束というのはこれほどやるせないものなのかと、
近所の川沿いに遊歩道を歩いてみたのが先週末。
春になればこの辺りの桜並木も見事な花をつけるというので楽しみな反面、
二度と過ごすことの出来ない春がやはりあるのだと思い直させられる。

そんな思い出が、『恋はみずいろ』を初めて聞いた頃の思い出のように、
おぼろげになるまで一体どれだけの時間を要するのだろう。
恋慕の切なさはこの歳になってかえって胸苦しいものだと知っていたら、
あの風景はわざと目を閉じてやり過ごしただろう。
永久に呑めなくなった酒の味とはきっとそんなものなのかと想像しつつ、
空気の冷たさに一人凍える夜。
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ライス・レコード10周年記念レコードコンサート at 国境の南
土曜の夕刻、渋谷は国境の南で開催される恒例のレコードコンサートも早5回目。
今回は主催者のお一人、田中勝則さんが経営されているライス・レコードが
創立10周年を迎えるということで、お祝いの会という設定だ。

何しろライス・レコードから発売された何百というタイトルの中から選りすぐりの、
といっても選び切れないうちからえい!と選ばれた15曲。
第一部は田中さんの解説を受ける形で北中さんが司会進行。
後半の第二部は北中さんと蒲田さんが選曲したものを田中さんが数々のエピソードを織り交ぜて解説。
終盤、エディット・ピアフの名曲、名演に蒲田さんの熱の入った解説に、
間近の特等席で聴くわたしは思わず赤面するも、お店の照明は適度に落ち着いていて助かった(笑)。

というわけで、これだけの内容なので開始10分前には既に満席で補助席が出る盛況振り。
かけられた曲もどれも素晴らしくてあっという間の3時間だったが、
東南アジアからブラジル、そしてアフリカ、インド洋を経てシャンソンへと流れていくのに、
何の違和感もなく楽しめたのは今振り返っても意外なほど。
先だって急死したアンディー・パラシオのマイアミが流れた時には流石にじーんと来てしまったが、
ピアフの歌う「私の兵隊さん」の歌詞解説には今更恥ずかしいものなどない歳のわたしもドッキリ(笑)。
これまでこの曲をいい歌だなあなんて暢気に聴き流していたわたしは一体何なんだろう(苦笑)。

今夜聴いた中でわたしが一番気に入ったのは、次の3曲。

(以下、曲名/アーティスト名/アルバム名)

◆ Sambasunda / CBMWバンドゥン / バンブー・ガムラン・ドゥグン〜サンバスンダ



魅惑の低音。
ガムランは決して嫌いじゃないのだけど、こういうのがあるのかというくらい、
どちらかというとテクノ・ハウス系の人が入りやすそうなサウンド。
ガムランを聴く度に宇宙を感じるが、
この曲は大音量で聴いても、夜静かに小音量で流してもいずれも楽しめそうだ。
彼らは伝統的な音にこだわらずいろんなものをやっているそうなので、
他のアルバムもぜひ聴いてみたいと思う。


◆ Ya Kelbi / スアド・マシ / デブ



ジャケ買いに持ってこいの美貌の持ち主、スアド・マシ。
妖艶ながら抑制の効いたヴォーカルは、胸に響くというよりは子宮に響く歌。
蒲田さんの解説に「スザンヌ・ベガ」を思い出すという一言があったが、
これにピン!と来た方はぜひともご一聴を。


◆ マイアミ / アンディー・パラシオ / ワティナ

ジャケットが素敵で思わず手に取った1枚だった。
それまでプンタ・ロックはもちろんのこと、
ガリフーナの伝統音楽のことも全く知らなかったけど、
歌を聴いて胸を打たれるのに事前の知識は関係ないのかも知れなかった。
そして彼のbioに興味を持ってあれこれ調べているときに47歳の若さで急死のニュース。
いつかライヴで聴いてみたいと思っていたアーティストなのにそれは永遠に叶わなくなった。




□ ライス・レコード10周年を記念して特別CDが制作されるというアナウンスが。
  この2枚組は非売品ということで、入手方法などは2月1日に、
  オフィス・サンビーニャさんの公式サイトで発表予定とのこと。
  当日の参加者には曲目リストが手渡されているので、
  今から楽しみでならない人も少なくないのでは。

  惜しくもレコードコンサートに来られなかった方もぜひサイトのチェックを!

  オフィス・サンビーニャ http://www.sambinha.com/


※ 当日のプレイリストは続きをどうぞ!
続きを読む >>
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レコード・コンサート「世界の音楽を聞く vol. 4」
『シャンソン物語』発売記念レコードコンサートから数えて5回目、
「世界の音楽を聞く」シリーズ4回目のレコードコンサートがいよいよ2日後に迫ってきました。
主催者のお一人、北中正和さんによる告知を転載してご案内いたします。

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レコード・コンサート「世界の音楽を聞く vol. 4」

今回は「祝! ライス・レコード10周年」と題して、
ライス・レコードがこの10年に発売してきた作品の中から選りすぐりの曲を聞いてみようと思います。
この10年の新作だけでなく、復刻ものを入れれば20世紀全般まで範囲が広がります。

 2008年1月26日(土) 午後3時半開場、4時開始。
 渋谷国境の南 電話03-3463-5381 http://www.kokkyo.net/
 会費1000円(ワンドリンクつき)
 司会・蒲田耕二、北中正和、田中勝則
 
なお、今回はレコード・コンサート終了後、会場で懇談会を行なう予定です。
ご参加の方々と歓談できるのを楽しみにしています。
ライス・レコードに売り込みや意見を直接伝えるいい機会でもあります。
はじめての方もお気軽にどうぞ。

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凍った空が
東京の空に舞う久しぶりの雪。
それを歓迎する人はいったいどのくらいか想像もつかないが、
灰色の深い階調でもって切り取られるような空を見上げ、
ちらちらと堕ちてくる白いかたまりを手で掴む。

そんな今日という日に限って、何度も河を越えた。
河原の痩せた草も銀の衣を纏い、
寒々とした風景は一層その度合いを増して電車の行き交うのを見守る。

まるで今にも落っこちそうなほど凍った空、
いつもは烏の迎える玄関にもその気配すらない。

掴もうと思えど指先すら届かぬ空が、
今日に限ってやたらと近い。
寒さでコートから手を出すのも億劫な今日という日に限って。

***

陽の落ちた暗い駅のホームで電車待ちの時間に思い出した一編の詩。
その人にとって詩が生きること、そして死ぬことのすべてであったとは、
その遺稿集を飾った帯のことばだ。

パウル・ツェランと、彼の詩集に編まれることのなかった一編の詩。
今また、胸の隅に埋み火の如く残る体温を確かめながら、
呟かれるその響きに歓び震える瞬間。

***

ぼくらも行きたい  P.ツェラン

ぼくらも行きたい。
時が閾の言葉を話し、
千年が雪の中からみずみずしく身を起こし、
さまよう眼が、
みずからの驚嘆の中にやすらい、
茅屋と星とが、
その間にもう道が通されたように、
青空の中で隣り人同士のように出あって、
よりそって立つところに。



よもやま | - | - | author : miss key
サイゼリヤ・ツアー
今日という日は散々な日だった。
朝の一番から電車の事故に引っかかり、振替輸送のバスはぎゅうぎゅうで窒息しそうなほど。
嗚呼、こういう日もあるわなと思い、外出先で遅い昼食。
予めサイゼリヤというお店のある場所をチェックしてから出かけたので、
当然のようにそこで食事。

というのも、週末の夜にたまたま行ったサイゼリヤで面白いものを見つけてしまったからだ。
子供向けのメニューの裏表に『間違い探し』が載せてあって、
わたしという人間はこういうものに目がないので早速チャレンジしたが、
フォー・キッズという割には骨のある設定になっていて大苦戦した。
タイトルは「モッツァレラチーズの作り方」。



間違いは全部で10カ所。
同席者の協力もあって6カ所までは調子良く見つかったのに、そこから先が進まない。
調子良く酔っぱらっていたことを、見つけられなかった理由にはできない。
何しろ子供向けなのだ。出来て当たり前、余興のつもりがすっかりハマってしまった。

店員さんを捕まえて「つかぬことをお伺いしますが・・・」と尋ねてみたら、
回答は店員さんの頭の中にあって、見つかれば「あーっ」って感じの答なのだという。
「答えをお教えしましょうか?」とムキになるわたしに店員さんが声をかけるも、
「いえ、もう少しがんばります」と更にムキになるわたし。

こういう自分が嫌でしょうがないのだけど、持って生まれた性格だから仕方がない。
粘ってあれこれ眺めていて、さらに2カ所見つけたが、あとはどうしようもなくそろそろ閉店の時間。

もういいやと思えない自分の性格がつくづく嫌になるも、
気になって落ち着かないので今日また出かけたという訳だった。
先日とは別の店舗で昼日中の頭のしっかりしている時に眺めてみたら、
「あ〜!」と濁点のついたあーの声が思わず出るようなところに件の残り2つが見つかった。

解けてすっきりとしたというよりは、否まあ喉の閊えはとれたものの、
やられたよ〜という何とも言えない余韻が体の隅々に溢れ出した。

っと途端に、さっきまで忘れていた切開したばかりの傷口が痛むのなんの。
仕事の合間に1時間ほどで疣のようなものを切ってもらう手術を受けたが、
さすがに縫い合わせてある傷口がずきずきと痛んで歩くのも億劫になった。

こんなときになにもサイゼリヤにいかなくても、と同僚には呆れられた。
昼食休憩の時間は無情にも過ぎて、2件目の取引先へと向かう足取りは重かった。
自分のせいだからしょうがない、諦めても痛いものは痛い、
と、書いている今もズキズキでどうしようもない(苦笑)。

帰宅して調べてみたら、サイゼリヤのキッズ向け間違い探し、
結構面白くてハマっている「大人」が多いようだ。
しかも季節季節で問題が変わるので、変わる度にチャレンジしている凝り性の人も(笑)。

それにしても、週末の店員さんの表情が忘れられない。
「教えてあげたいけど、教えたらこの人のためにならない」
その事がよく分かっていたからなんだろう。
この人、とっても優しい人なんだなってつくづく思った。
学生時代に飲食のバイトを散々やったけど、
彼のようにスマートに接客できなかったなあと思わず遠い目の長い一日だった。
よもやま | - | - | author : miss key
For you - Филипп Киркоров



フィリップ・キルコロフの新譜"For You"は
何と言っても久々にロシアのエストラードナヤらしさを堪能できる1枚。
軽いダンス系のサウンドが目立つロシアのポピュラー音楽の中では、
これだけきっちり作ってくるとそれだけでもう目立ってしまうという、
それを喜んでばかりはいられないけど、ファンとしては嬉しい限り。

アーラと別れたことを発表してからは、
自然体というか要らない力が抜けて歌も一層いい感じ。
< とは言っても、アーラとのデュエット曲もしっかり入ってるけど。

今回のアルバムではメロウなバラードを中心に、
フィリップのヴォーカルをたっぷり味わえる構成で、
そのままライヴにしてもいけそうな感じだ。
とにかく聴いてみるのが一番早い!ということで、
興味のある方はぜひshopのお試しで聴いてみてください。
最初は声やメロディのしつこさに腰が引けるかもしれないけど、
これが聴けば聴く程に癖になるから不思議。
女性リスナーにお勧めです!

♪ http://www.russiandvd.com/store/product.asp?sku=7402
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The Hideaway of Russian Freak
"ロシア探し"の道標にとやってきたサイト"The Hideaway of Russian Freak"を
1月一杯で閉鎖することにしました。
メモ帳にタグ打ちで更新するのも少々無理があり、
このblogのフォーマットを上手く使って再構築を考えていこうと思います。

2002年以来続けてきたサイトですが、発信する側としてはblogの便利さがあまりに重宝、
ということで、これまでご覧くださったみなさまには心から感謝申し上げます。
ありがとうございました。

よもやま | - | - | author : miss key
МАРСИАНЕ - БРАТЬЯ ГРИМ


新曲もコンスタントに出て相変わらず元気のいいブラーチャ・グリム。
昨年11月にリリースされた3rdアルバム"МАРСИАНЕ"は期待を裏切らない充実の1枚だ。

1. Intro
2. Хрусть-пополам
3. Утром
4. Лети
5. Вира-Майна
6. Марсиане
7. За тобой
8. Морской несезон
9. Жара
10. Не лечится
11. Сгорай
12. Микрорайон
13. Место во ржи
14. Дорога
15. Подсолнух

キュートなルックスに目が行き勝ちだけど、
歌いたいことをストレートに歌にする伸び伸びとしたサウンドでファンを魅了する彼ら。
今回のアルバム、録音は決してHi-Fiではないけど、密度が濃くて聴きごたえ十分。
音がよく動くので、できればヘッドフォンじゃなくてスピーカーで聴いて欲しい。

デビューから早3作目だが、
軽快なギターポップから少し重めの音作りに、少し大人びた彼らを感じる。
リリースを重ねるごとにアルバムの完成度を高めてきてるけど、
迷いの無さが何と言ってもリスナーの耳に歌が心地よく届く理由だろう。

キーボードの入れ方を工夫したり、その一方で80年代Popのような音を使ってみたりと
ブラーチャ・グリムらしいメロディワークの中にもこだわりとチャレンジが見え隠れ。
途中、9曲目辺りなんか、ウンデルヴートの影響も。

惜しいのはテンポがある程度一定した曲が揃ってしまっているので、
アルバムの構成のなかでもう少し起伏を付けても彼らの演奏力なら面白いかも。
でもきっと今は「こんな音楽がとてもやりたい」んだ、そういうことなんだなってすごく伝わってくる。

そんな彼らの新作は各曲ともさわり部分を公式サイトで試聴できる。

◆ 試聴はコチラ♪

◆ БРАТЬЯ ГРИМ Official Site http://grimrock.ru/
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PPMとは何ぞや
20代の頃、最初の仕事に着く際の面接で訊かれた質問、

「PPMって知ってますか・・・」

気が急いていたわたしは何故か「ピーター・ポール&マリー」と口にしてしまった。
言った瞬間、全然明後日の返事をしたのが分かり体温が下がる思いだった。

もちろん、答は誰が考えても(笑)プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)。
本来の質問はその先にあって、事例や考え方の問題点などを指摘せよということだったはずが、
質問者その人にウケてしまって、その後はなし崩し的の世間話になり、
「さすが、関西出身者は違いますね」とか冷ややかに(多分)嫌みを言われつつ、退室した。

(音楽の)PPMはそんなにむちゃくちゃ好きというわけでもないのに、なんで口に出たんやろう・・・




手元にはPPMの編集盤が1枚だけあって、100円箱の隅にあったのをいつだったか抜いてきたもの。
曲目はよくあるヒット曲集になっていてどうという珍しさもないけれど、
聴いているだけで優しい気持ちになれるいいレコード。
疲れが溜まってかえって目がさえてしまう夜に聴くと効果絶大、
ゆっくりと眠気が襲ってきてぐっすり眠れるから不思議なものだ。

特に寝室に年末に買ったレコードプレーヤーを置いてからは、
寝る前の1枚にちょくちょく聴くようになった。
ああ、これがオートリフトアップのプレーヤーだったら・・・。

レコードを聴いていると、特に夜は眠くなってしまう。
退屈で眠くなるのとは違って、それ自体がとても心地よくて病み付きになる。
本当に寝込んでしまうとアームが行ったままになるので危ないが、
CDではそうはいかないのは何故だろう。

先日、我が家でクライバーファンの友人&その夫君といっしょにレコードを聴いたが、
CDと比べてみて「やっぱりレコードの音は何か違う、何が違うのかはよく分からんけど」
という話になったのだった。

件の採用試験、おかげさまで拾っていただいたが、
あの面接官、きっとPPMが好きだったに違いないとか考えてしまうわたしはお気楽者だ。
加えて今度訊かれたら同じコケるにしてももっとウケたいなあとか考えてしまうのが、
やはり関西人の悲しい性なのか、まあレコードの話とはおよそ関係ないことだけど。
レコードの話 | - | - | author : miss key
ショスタコーヴィチの5番
自他ともに認めるミーハーなリスナーのわたし、
もちろん、ここ数年聴き始めたクラシックも、
まずは見た目―ジャケット、アーティスト、作曲家etc...から入る。

直感的にビビッと来たものにはそうハズレが無い

そう信じて、それこそ一生かかっても聴き切れないほどのタイトルから、
あれやこれやと引き抜くレコードの数々。




ディスクユニオン・クラシック館のバーゲン最終日、閉店間際の箱の中をざっと眺め、
選んだレコードの1枚がショスタコーヴィチの5番をコンドラシンの指揮で。
ジャケ表が麗しきも晩年のドミートリィ・ショスタコーヴィチその人だったから、
とにかく買った。

メロディア盤のジャケットには、地味な絵画シリーズとかが多くて、
演奏家や作曲家の写真を上手く使った絵柄のものは意外に少ない。
もっともこれでさえ、他所のレーベルのおしゃれジャケと比べるとどうかという感じだが、
わたしにはアピール度高し(笑)。
ちなみに裏ジャケにはコンドラシンの写真が小さくでているが、
ペンキンの若い時にそっくりでウケた。

盤は紺色レーベルの重たいもので、コンディションが良かったせいか音質も上々。
例によってこの曲、『部長刑事』のフレーズで手を叩いて喜んでしまう。
子供の頃からの刷り込みではないが、メロディって案外深く記憶に残るものなのだ。

この盤の他、ノイマン&チェコフィルのDvorak交響曲集国内盤をサンプルで、何と9枚組が1680円也。
理由はちゃんとあって、どの盤も見事にカビだらけ!。
こんな酷いのは手元に来た事がないなあと呆れつつ、盤をチェックした上で購入。
多分取れるだろうと信じてのことだが、洗ってみるまで半信半疑、
流石に9枚びっしり洗うと冷たい水で手がガチガチになった。

朝起きて乾いた盤の1枚をお試しに聴いてみると、
やっぱり買って良かったと寒い部屋でも思わずにたりとしてしまう。
せっかくなので毎晩1枚ずつ聴くことにした。
このセット、音的には手元の盤で十分だけど、
いつかスプラフォンの盤で揃えたい。
いつかプラハの街でレコードを探して歩いてみたいと思う。
レコードの話 | - | - | author : miss key