音の快楽的日常

音、音楽と徒然の日々
風景の「中」へ - ピアノの音に包まれた1日  
春一番がどれだかも知らないうちに二月も最後の週末を迎えた先週のこと、
神保町で兼ねてから懸案の『冥土』を探し当ててから向かったのは、
お茶の水から徒歩数分の写真スタジオにて開催されたレコードコンサート。

とても良い香りのする紅茶をいただき、
さらにはしっとりと滑らかな口当たりのシフォンケーキをおやつに頬張りながら、
13時過ぎから19時までの約6時間、
ピアノの曲及びその関連楽曲を終始心地よい音量で包まれるように聴いた。

DJはLINN JAPANの古川雅紀氏。
氏の選曲は意外性と柔軟性の両方を兼ね備えた、まさにワクワクが一杯の玉手箱。
当日は「ピアノ、ピアノ!? ― 鳥籠(Cage)から風景の外へ、友人(Yuji)たちと」
と題し、ジョン・ケージと高橋悠治にスポットが当てられていたが、
それにとらわれることのない緩さのようなものがあって、それはまさに音の快楽。

これまで氏に紹介していただいて好きになった音楽はいくつもあるが、
今回にしても、欲しくなったディスク多数で悩ましさも倍増。
もっとも、期末と確定申告が重なるこの時期故か、参加者も少数だったので、
ゆったりとした時間を過ごすことができてなかなか贅沢な体験だった。

なかでも特に強い印象を残した曲は次の演奏家によるもの。




□ Der Bote - Elegies for piano / Alexei Lubimov (p.)

アレクセイ・リュビーモフの02年アルバムから当日流れたのが、
ジョン・ケージ作曲の"In a landscape"。
リュビーモフのピアノ、
まるでひんやりとした鉄の棒でも喉元に当てられているかのような、
独特の抑制感と艶かしさがある。
指先の隅々まで行き届いた緊張感が鍵盤に移ることはないが、
迷いのない音の整理のされ方にどのような曲調を耳にしても安堵を覚える。

リュビーモフの作品は何枚もリリースされているが、
合わせて購入した"Messe Noire"も素晴らしい演奏。
こちらはストラヴィンスキー、ショスタコーヴィチ、プロコフィエフ、そしてスクリャービンと、
ロシアの4大作曲家の作品を収めた、まさにロシアづくしの1枚。




□ パーセル最後の曲集 / 高橋悠治

パーセルの音楽はわたしにとっても特別なもので、
いつもこっそりと隠し持っているお守りのような感じだ。
そのパーセルの数あるオリジナル曲の中から素材として選ばれたのは「組曲第2番ト短調」。
ピアノ、チェレスタ、電気ピアノ、そして電子オルガンを使っての創作の世界は、
まさに初めて食べた未知の料理のようだった。
当日流れたのは4曲目、「たっぷり五尋(ごひろ)の底に」。
目の前に広がる海のイメージ、海に我が身が沈められるイメージ。
そこに苦しさはなく、寧ろ解放感を持って自ら進んで沈んでいく様。

楽器の持つ可能性を探りつつ、ルールに囚われない響きから音の世界が構築されていく。
今回のレコードコンサートを締めくくるに相応しい1曲だった。




□ Cornelius Cardew: We Sing for the Future! / Frederic Rzewski (p.)

コーネリアス・カーデューという名前も初めてだったが、
ジェフスキというピアニストの演奏も初めて聴くことができた。
そしてピアノが苦手なわたしにとって貴重な、数少ないお気に入りの演奏家となった。

ジェフスキ、という名前は前から気になっていていつか聴きたいと思っていたピアニスト。
現代音楽に括られる演奏家となると、どの辺りから入っていいものやら、
物差しというか目安がなくて、最初のハードルが高い。
当日は別のアルバムから自作自演の曲が流れたが、
取り敢えずの1枚をすぐ手に入るアルバムの中から選んでゲット。
これが予想以上に良かったのでジェフスキのBox Setをオーダーすることに(笑)。


レコードコンサートが終了後も話しは続き、会場の近くのカレー屋でも音楽の話は続く。
濃密かつ濃厚な音楽の一日。
こんな音楽喫茶なら毎週通うぞと思いつつ、そんなお店は採算が合わないだろうからと、
あれこれ想像しながら電車の揺れに身を任せた帰り道。

現代音楽とは新しさの創造に囚われてかえって窮屈になっている音楽のことだと思っていたが、
窮屈なのはそんなわたしの了見だったことに改めて気づかされた。
終始途切れることのない心地良さは、
まさに「風景」の中へ知らず知らずのうちに身を置いていることの快楽だったに違いない。
いい週末だった。
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印象に残ったことば
21日の夜、代々木で開催されたミュージック・ジャンクションはファドの特集。
『心に響く歌:ファドの本質と現在』と題して、
レクチャーは自身もファディスタ(ファド歌手)の上智大学准教授のマウロ・ネーヴェスさん、
またLIVE演奏はアルバムを上梓したばかりの津森久美子さんの歌にEsquina do Somのお二方の伴奏。

講義は1時間弱という短い時間ながら、中身が濃くて「目から鱗」の連続。
ファドはポルトガルの民族音楽というよりは、都市のポピュラー音楽であること、
その歌い手は女性ばかりでなく、半数は男性であること、
ポルトガルギターやギターによる歌伴も、ある決まったパターンの伴奏によって構成されていること、
同じメロディに異なる歌詞を乗せて歌われることはごく普通であること、等々。

曲のさわりをどんどん流しながら、主だった歌手のエピソードやキャラが紹介されたが、
意外にもポルトガル出身ではない歌手の活躍も多かったり、
或いはマリーザの活躍などでヨーロッパでもファドの人気に広がりを見せていたりするそうで、
日本では結構知っている人の多いファドだから、さぞや彼方ではと思っていたら、
その知名度はまだまだ地味のようで驚いた。

また日本で人気のあるMisiaが、あちらでは認められ難く、コンサートもガラガラだとか。
もちろんマウロさんは彼女の実力を認めつつ、
地元のコンクール(街ののど自慢のようなものか?)からファド歌手になって、
修行を積んでスターになっていく、
そういう流れと異なる歌手に対する厳しい目があることを説明されていた。

そんなこんながあって、
アマリア・ロドリゲスは間違いなくファドの大スターで神様であることが、
ファドをそれほど深く知らないわたしにも改めてよく理解できたのだった。

駆け足の講義ながら、
最後にはきっちりと落とすところにアンカーが落とされるようにして、
生演奏の後にはご自身の歌声をマイク無しで披露されたマウロさんが、
レクチャーを締めくくった最後のことば。

「ファドは耳で聴くのではなく、魂で聴いてください」

研究者として、またそれ以上にリスナー、そして歌手としてファドを心から愛する人の一言。
熱くまた爽やかな余韻のままに、寒空の下も家に戻る足取りは軽やかだった。
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Bjork
幸運にも諸事情で行くことができた2月19日のビョーク武道館ライヴ。
最新アルバムを中心に演奏されたステージながら、
肝心のVoltaは未聴で、予習不足もいいところ(笑)。




Bjorkという人の音楽をそれほど聴き込んでいないわたしにとって、
その夜聴いた音楽を一言で表現するのは難しいけれど、
あえて言葉にすれば、ファンタスティックな野性、だろうか。
彼女のぎゅっと濃縮された可愛さに、詰めかけた観客に若い女性が目立つことも納得。

ホーンセクションのメンバーとコンセプトを一にした衣装に、
未来派の舞台衣装なんかを思い浮かべたりしていたら、
途中、ハープシコードの伴奏でアコースティックな曲があったりして意外だった。
< 二段のハープシコードの本物は初めて生で聴いた
  (安いものとは言わないが、一段のしか本物を見たことがなかったので)
※ 戴いた情報によると、この楽器はクラヴィコードとのこと。
 ハープシコードとは音の出し方が異なる楽器のようです。
 さらにはホーンセクションのメンバーは全て女性の方だそうです!


そして、ブラス好きな人にはかなりウケると思われる独特のホーンの入り方。
これはCDを聴かねばと思い、家に帰るなり注文したVoltaを聴いてみたら、
ステージで聴いた印象よりも繊細なヴォーカルで驚いた。
ビートの効いた曲を大音量で聴きたくなる反面、
いろんな楽器の音が聞こえたりもして、静かに部屋に流してみても面白い。

Bjorkという人はWikipediaによると65年生まれ。
29歳職場男子の言葉を借りても「Bjorkって可愛いから好き」という。
そんな若い人から可愛いって言われる42歳になる自信は到底あるはずもなく、
ただただうらやましいと思いつつ、Voltaをリピートする夜。
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world music | - | - | author : miss key
偶然、そして唐突に
きっかけは、偶然聴かせてもらったライヴ録音に彼らの演奏が収められていたことだった。
Nicolette Larsonという人の追悼Liveで歌われた"In my life"という曲。
それはビートルズの曲をカバーしたものだと教わって探したのが次のアルバム。





Crosby, Stills & Nashの"After the storm"。
実はこのアルバムに辿り着く前に少し寄り道をしてしまい、
気がついたらこの2週間ほどで彼らがらみのCDを5枚も買ってしまっていた。
メンバーはNeil Youngが居たりいなかったり、CrosbyとNashの二人だけだったりと、
組み合わせが違ってたりするけれど、
どのアルバムにもじっと耳を傾けたくなるような素敵なハーモニーが詰まっている。





そもそも、ギルモアのLive DVDでCrosby & Nashの歌声は気にはなっていたけれど、
何となく慌ただしい日が続いてそのままになっていた。

長く聴いて楽しむだろう音楽との出会いは、意外に唐突で突然のことだったりする。
しかも、聴いているジャンルや好みが全く違う人から教えてもらった曲やアーティストが、
その後ずっとフェイバリットであり続けるというようなことがわたしの場合、少なくない。

そういう出会いを与えてくれる周囲の皆さんに感謝しつつ、
これからもそんな偶然に数多く恵まれるといいなと思う。
そして願わくば、
わたしの書きなぐりなblogから何方かにとってそんな1曲、1枚が生まれたりしますように・・・。
pop & rock | - | - | author : miss key
全集
突然読みたくなる作家、というのがあって、
どうせならそれほどたくさんの作品を残した人でもないし、
書簡集などにも目を通してみたいし、などと思い、
ある作家の作品を全集で探してみたら、その値段に腰が引けてしまった。

現行のものがたった3冊+別巻1冊の4冊で3万円超。
過去出版された5冊ものでやはり4万円から5万円。
解説などが記された別巻を外せば2万円弱で出しているお店も見つけたが、
それにしても高価だ。

手軽に読もうと思えば、ちくま辺りから文庫でも出ているが、
読みやすさを考えてか、オリジナルが旧仮名遣いなのに現代仮名遣いに改めてあって、
それが何とも興ざめだったりする。

例えば、内田百蠅痢慳重據戮盡渋紊なで済ませてしまうのはあまりにも残念な作品だ。
別の作品になってしまうといったら言い過ぎかもしれないが、
読み比べてみたならすぐにわかる違い、といったらいいのか。

学生時代、百蠅竜譴な表記の作品集をお金に困って売ってしまったが、
稀覯本というわけでもないのに、結構な値段になったのを覚えている。
それもそのはず、今改めて探しても旧かなの作品集を見つけるのは大変で、
今さらながらその値打ちが痛感されるというもの。

就職してそこそこ働けば、本なんて好きなだけ買える、
そう思いながらあっという間に20年近く経った今、
5万円の全集、そう簡単には買えないなと躊躇するのはなぜだろう。
その作品集に5万円出すのが惜しいわけでもなく、
5万円をどうしても用意できない、というわけでもないのに。

いや、高価だからこそ、そういう売れない本を出した出版事情を酌んで、
本を買うべきなのかも知れないが。
よもやま | - | - | author : miss key
Happy Valentine
職場で「儀礼廃止」と言われてチョコレートを配ることを禁止されたのは何時のことだったか。
マーケティングに乗せられていると知りつつ、
まあその手の行事というのは楽しい面もあるので、
わたし自身は結構この日を楽しんできていたと思う。

それでも、今週は正直、神経を使う細かな作業が多くて、
しかも難しいお客さんの応対が重なったこともあってすっかり口が重くなるほどだった。
で、今日が14日だったとは自宅に戻ってから気づくお粗末さ。

海外の友人たちから寄せられた、"Happy Valentine!"のメッセージに
疲れて心身ともに冷えきっていたのが思わず和む。
と同時に、ポストに届いていた封書を開けた瞬間、「あっ」と思わず声が出た。



中にはMiles DavisのCDが2枚と小さな紙片に記されたメッセージが。
その人は別にバレンタインデーの贈り物として送って下さったのではないだろうが、
こういう日に男性からプレゼントをいただけるなんて、
ちょっとどころか、かなり嬉しかった。

送り主の心のこもった"Kind of Blue"、これは心して聴かなくてはならないだろう。

真っ暗のまま窓を全開にして夜の空気を部屋に流し込む。
寒くて凍えそうなのに、胸に閊えていたものがすっと抜けたような気がして、
窓を閉める気にはなかなかなれなかった。

思わぬサプライズの興奮がようやく冷めた頃、毎年必ずこの日に聴く1枚を取り出す。
Chet Bakerの"My Funny Valentine"を75年〜87年までのライブ録音から7曲集めた
"Seven Faces of Valentine"だ。





"Kind of Blue"できりりと締まった部屋の空気が一気に解けていくような気怠いChetの歌と演奏。
そして彼を優しく包むようなサイドメンの演奏に酔う。

体が痛むほど疲れていたので、きっと今夜は眠れないのではと
少し強めのアルコールを抱えて部屋に戻ったが、
もうそんなものは必要なかった。

深い底なしの闇に堕ちるのにも怖さを感じないほどの心の平穏に感謝しつつ、
ほとんど見えぬ星を数えてベランダに一人立つ。
眠るのさえ惜しいほどに忘れ得ぬ夜だった。
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失われた恋の美しさは - "О тебе" / Антон Макарский



ロシアの俳優、アントン・マカルスキーのデビュー・アルバム『君について』。
等身大の言葉で歌われたラブソング15曲の詰め合わせ、
まるで女性の前にひざまずいて差し出される贈り物のような作品。

流石、舞台も務める俳優とあって、
口元が見えるような美しい発音で語りかけるようにして歌うマカルスキー。
彼が「パツェルイ(kiss)」と口にする時の胸が締めつけられるような瞬間、
聴く人は何を想うだろう。

ロシアのポピュラーで歌われる恋愛は濃くて重たいイメージが強いけれど、
彼の歌うそれは、例えば失われた恋の美しさ、僅かな湿り気を帯びた唇の感触。

サウンド面では、中途半端に大げさな伴奏がなければと感じる瞬間はあるけれど、
片手間で歌っている感じは全くなくて、次はもっと彼らしさが出せるのではと思わせる内容だ。
女性リスナーにぜひお聴きいただきたい男性ヴォーカルの好盤。
公式サイトで一部試聴が可能なので、興味のある方はぜひお試しを♪

◆ Антон Макарский Official Site http://www.makarsky.ru
pop & rock (russian and other slavic) | - | - | author : miss key
ただ一度限りの
海の近くの街に出かけた。
高層の宿泊施設がニョキっと空に伸びていて、
それらと主だった商業施設が渡り廊下のような通路で結ばれている。

昔からの古い街の駅前を、ペデストリアンデッキと通路でもって「近代化」すると、
便利になる一方で人の動線は変わってしまうから、
元々持っていた街の良さも失われてしまうこともある。

そんな話を教科書で習ったことがあったが、
今日のこの街は、もともと何もなかったところに新しく創った街のようで、
それでいて東京の臨海部とはまた違った無機質な空気が漂っていた。





日頃仕事で高層ビルの一室から決まりきった風景を眺めるのとは違って、
来たことのない高い処の窓から眺める風景は、
決して開くことのない窓のガラスで隔てられながらも、
わたしに独特の高揚感をもたらしてくれる。





毎日必ず日が沈むのに、その様子を捉えなければと気が逸るのはなぜだろう。
朝の来ない日はないからとは、励まされた折に掛けられた言葉だが、
無意識の中にも、繰り返されるその行為に一回性を見いだしていたりするのだろうか。

一回性とは、音楽を聴きながら最近強く思うこと。
もう二度と同じものは体験できないから―
そんな思いがあって、どこか気が逸ってしまうのだろうかと思い写真を眺めている。


よもやま | - | - | author : miss key
冬ごもりの1日或いはチョコレート中毒
人から勧められて買ったガス・ファンヒータのおかげで、
リビングで夜音楽を聴いていても全然辛くなくなったどころか、
「来月の料金請求が怖い」と思いつつも、快適冬ごもり生活を満喫する日々(笑)。

今年は何故か寒さが堪えてしまい、真剣に引越まで考えた。
広めのリビングが仇になって、エアコンではなかなか暖房が効かなかったからだ。
正直、貧乏6畳一間生活が懐かしくなった。
ちょうどいい、生活のダウンサイジングだと勢いづいていたが、
先日切開したおかげで体調が崩れてしまい、一瞬にして気力が萎えた。
それで、とりあえず手近に解決をとファンヒータを買いに行ったのが先々週のこと。
とりあえず雪の日には間に合ったし、バーゲン価格で安く買えたのも嬉しかった。

< ノドが弱いので、ガス器具は良くないと最初から決めつけていたし、
  だいたいエアコンみたいに高いんだろうと勝手に思い込んでいたので、
  お店で見てみることすらしないでいた。


今日は三連休の初日。
雪はちらついているし、部屋でジッとしていようと思っていたが、
ポルトフィーノの第二走、エルフィンSは京都開催が大雪で中止になったため11日に持ち越し。
でTVの前に構えている必要もなくなり、それではと出かけたのが百貨店のチョコレート特集。

この時期は、これでもか!と言わんばかりに海外の美味しいチョコレートが店頭に並ぶ。
普段は100円の板チョコで喜んでいるわたしも、このときばかりは少々の贅沢を厭わず、
あれこれ買って食べてみることにしている。

今年は、ジンジャーや唐辛子なんかをアレンジした変わり種がある一方で、
赤や黄色といったちょっと毒々しい色のチョコが目立つ。
流石に話題のお店の前には長蛇の列で、試食もままならない状況だったけど、
どのお店も特徴があってなかなか美味しかったので大満足。
レダラッハが青山まで行かなくても食べられたのは◎、
ブリュイエールみたいに普段国内で買えないものも結構あって三重マル!

驚いたのは、男性のお客さんで自分用にあれこれ買っていた方が結構いたこと。
そういえば先日も新聞記事で読んだけど、チョコファンの男性は意外にも相当数いるようで、
この時期を狙って買い込む方も少なくないとか。
どうしても味が変わってしまうので、わたしは一週間で食べられる程度にしか買わないけれど、
その気持ちはとてもよく分かる(笑)。

残念と言えば、ミシェル・ショーダンの板チョコレートが出ていなかったこと。
ごくわずかにカカオの粒を残したような食感が絶妙なのだけど・・・。

日が落ちる前に家に戻り、部屋の中でうとうとする。
チョコも食べたし、部屋も十分暖かいしでもう言うこと無し。
流れる音楽はGraham Nashの"Wild Tales"。
雪の日は苦手だけど、珍しくなんだか幸せな気分だ。

よもやま | - | - | author : miss key
Новая заря - Олег Газманов



◆ Новая заря - Олег Газманов

06年10月に3日間に渡って開催されたアレク・ガズマノフのソロ・コンサートから
より抜きで編集されたDVD、"Новая заря"(新たなるはじまり)。

途中、ゲスト出演による2曲を挟んで19曲のヒット曲を熱唱のガズ。
さすがに声量は落ちたけど、こちらまで汗が飛んできそうな彼ならではの納得のステージだ。

一番の見所は『モスクワ』を軍の合唱隊をバックに歌い上げるシーンから
1曲挟んで"Сделан в СССР"に繋がっていく辺り。
もともとガズのファンで埋め尽くされた会場だからというのもあるけど、
ラストに向かって熱した空気がさらに熱狂的になっていく。
歌の文句といい、聴衆をファナティックにさせる術といい、
ある種の誤解を受けやすいのは仕方ないなどと捻くれた解釈をしなくとも、
これはもう素直に楽しむしかないと頭を垂れる。

あとは、"Прощай"。
この歌、歌詞的には決してステージ向きじゃないけれど、
歌い上げたときの会場の拍手がひと際しっとりといい感じで余計にジーンときた。
わたしも初めてこの曲をCDで聴いたときは思わず涙が溢れたほどだったので、
必要以上に感傷的になってしまう(苦笑)。

途中のゲストは、ニコライ・バスコフ、ガズとのデュエットでタイーシャ・ポヴァリー、
そして歌詞のカンペを見ながら(笑)歌うアレク・ミチャエフ。
ミチャエフが歌ったのは"Чем измерить горы"、ちょっと歌詞がややこしいし、
第一、わざわざ難しいこの歌を選んだのか、ガズのリクエストだったのかは謎。
ミチャエフのキャラじゃないので、多分思うにガズがこの歌を所望したのではと推測。

映像はPAL形式でしかもリージョン5なので、観るのは少々辛いところがあるが、
画質は我が家の安物コンパチDVDプレーヤーの自動変換画像でも普通に観る分には十分なレベル。

いやそれにしても、いい時代になったものだと思う。
ガズのライブ映像が自宅リビングで楽しめてしまうなんて・・・。
もっとも、数年前からセルゲイ・ペンキンだってDVDを出してたりするから、
その意味では遅いくらいなのだけど。

Газ, Я очень люблю вас !

□ Олег Газманов Official Site http://www.gazmanov.nm.ru/

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