音の快楽的日常

音、音楽と徒然の日々
『デッド・オア・ウェイブ』



ロシアの映画シーンが熱い、みたいな話しはもう数年前から聞こえていたけれど、
溢れるように毎月更新される新作リストにかえって手が伸びにくいと感じている人は
決してわたしだけではないような気がしている。

とりあえず日本語字幕が付いている娯楽作品―文芸ものや戦争もの以外の―が何かないものか、と
近所のレンタルショップの棚をぐるり見わたしてみたら、
『デッド・オア・ウェイブ』という作品がパニックコーナーにあった。

「デッド・オア・アライブ」のもじりのような邦題に思わず笑ってしまうも、
< ロシアでのタイトルは"Сдвиг"(「ずれ」の意)
Дмитрий Ульянов(ドミートリィ・ウリヤノフ)の名を見つけて内心嬉しくもあり、
いそいそとカウンターに持っていったのはいうまでもなく。

ストーリーは判り易くて、書くと即ネタバレになるので、
地震兵器を巡るウリヤノフ演じる気鋭の科学者とテロリスト、国家警察etc...のサスペンス・ストーリー、
とだけ書いておこう。
注意すべきは、決してパニックものではないこと(笑)。
大スペクタルシーンを期待してみると、がっかりしてしまうかも。
登場人物の葛藤や、騙し騙されてのどんでん返しはロシアものの得意とするところ、
人物同士のちょっとしたやりとりや台詞にロシアの情況が透けて見えるのが、
なかなかにロシアンフリーク泣かせだ。





作品そのものを離れてみても、台詞も専門用語以外はとても明瞭で聞き取り易いので、
ロシア語を勉強している方のネタとしてもお勧めかも。

ちなみに、ウリヤノフのここ数年での注目作品は「72メートル」。
残念ながら字幕付きのDVDが出ていないので露盤(しかもPAL)で見るしかないのが人に勧めにくいところ。
このあたりが字幕付きで国内盤が出るようならほんとうにロシア映画が身近になると思うのだけど、
採算うんぬんを想像すれば、よほど熱心な業者が間に入らない限り難しいのかも。
いずれにせよ『デッド・オア・ウェイブ』、肩の力を抜いて楽しめる1本だ。

cinema & Soundtrack | - | - | author : miss key
MPSレーベルの再発CD "Blue Flame... "
Francy Boland & The Orchestraのレコードをあれこれ探している方には朗報。
理由はよくわからないけれど、ここ何年かフランシー絡みのレコードは高値安定で、
特にMPSやSABAの盤はなかなか手が伸びにくい。
そんななかで、ようやくというか、
長らくCD化の兆しさえなかった70年代中期の傑作が2枚組CDでリリースされた。


□ Francy Boland & the Orchestra / Blue Flame / Red hot / White heat




このCD、MPSのMost Perfect Sound Editionと題するシリーズの1枚として出たドイツ盤。
もっと欲を言えば、レコードは3枚なのでCDもそれに合わせて欲しかったが、
そういうこと言い出せばきりがないかも(笑)。
音質的にも彼らのオケの凝縮感やスピード感たっぷりの演奏が十二分に楽しめ、
手元のレコードを大事にしたいから日頃はCDで・・・、といった方にもお勧めできる。
もちろん、70年代ヨーロッパのビッグバンドの雰囲気を堪能できるアルバムとしても一押しの一枚だ。
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装置とつきあう



書店の雑誌コーナーを適当に眺めていると、
男性誌の特集でaudioの記事が組まれているのをよく見かけるようになった。

少し前に出たラピタの7月号。
「不惑を過ぎたら生涯オーディオを組む」と題して、
結構なページ数をさいての組み合わせの提案と個人宅の取材記事で美麗にまとめられている。

美しい写真に思わず見とれるけれど、
audioは生涯とまでいわなくとも付き合いの長くなるものなので、
結局選ぶのは自然と自分にとって違和感のない製品になる。
わたしの場合はデザインに強い主張はあっても一見地味な装置ばかりだ。

最近、昔使っていたRogersから懐かしい品番のLSを冠した製品がいくつか出ているのを知った。
またRogersのスピーカーで音楽を聞いてみたいと思いながらも、
今使っているaudioと入れ替えられるかというとそれは気持ちの上でも到底無理だし、
響きを持つものを部屋の中にいくつも置くのは良くないので、
やっぱり手元の装置と長く付き合っていくことになるのだろうと思う。

良い製品を手に入れたから入れ替える必要がないというよりは、
その音や佇まいにすっかり馴染んでしまっているからこそ、
おいそれと交換がきかなくなっている。

その点、わたしにとって同じ家電でも例えばテレビとaudioでは全然距離感が異なっている。
手慣れたラジオがどんなにボロくなっても手放せないのに、
テレビは壊れれば取り替えればいいやくらいにしか思えない。
この「差別」は一体どこからくるのだろう。

家に人が遊びに来て「よくこんな古いものを・・・」とトランジスタラジオを指さす度に、
何だか自分が悪くいわれているような気がして少々落ち着かないのは単なる被害妄想なのか(笑)。
古くて結構、地味でも結構、もっといえば格好悪くても結構。
理解できる人にしか理解されない一抹の寂しさも覚えつつ、それでいいのだと一人ごちる夜。
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蒸し暑さを一瞬忘れる



いつだったかの現代音楽を特集したイベントで耳にしたピアノ演奏の数々が忘れられず、
ここのところ少しばかり意識して、
これまであまり聴くことのなかったジャンルの音楽にも手を延ばしてみている。

上のジャケットはFederico Mompouという作曲家の曲をHerbert Henckが演奏した"Musica Callada"というアルバム。
曲もさることながら、録音の調子もあって、
なんとも涼しげに、あるいは幻想的な雰囲気でもってしばし梅雨の蒸し暑さを忘れさせてくれる。

今夜は雨が強くて、小音量で流すピアノの響きが雨音に呑まれてしまいそうなほどだが、
それでも音の粒子が細かな霧のように部屋に広がって、森林浴にも似た感覚に包まれる。

Henckという人の録音はECMからいくつか出ていて、
手元にも少し前にナンカロウ他の曲集をたまたまジャケット買いしたのがあったが、
押し付けがましさのない中庸な響きが印象的な作品だった。

暑い寒いと言ってはついエアコンに頼りがちなので、
今年は体調管理のためにも、涼しい気分になれるBGMで一工夫してみようと思う。
今日のアルバム、ジャケット自体も涼しげだけれど、
アンビエント寄りの音楽が好きな方にもお勧めできる1枚だ。
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Иначе / Стас Пьеха


3年振りに出たスタース・ピエハの2ndアルバム"Иначе"(イナーチェ、「さもなければ、別な風に」の意)。

ロシアのポピュラーソングも、以前の打ち込み音楽が粗製濫造されたのとはまた違った意味で、
似たり寄ったりの型にはまったものばかりが目立つ今日この頃。
良くも悪くもタトゥーが爆発的に売れたことでマーケティング最優先な売り方が目につくが、
それが音楽をかえってつまらなくしてしまっている気がするのはわたしだけだろうか。

スタースの今回のアルバム、
4ビートでたっぷり歌う系の彼が8ビートに合わせてもやっぱり4ビートに聞こえる、
みたいな1stのファンからすれば今ひとつな感あれど、
すっきり爽やかなアレンジでさらりと歌った全12曲は決して悪くない。
昔のニューミュージックの乗りのような音も聞こえたりして、
少し年代の高い層に受けそうな要素もあり、
単なるアイドル的な見せ方はしたくないのだろう、そんな抵抗が垣間見えたりする。

若手の男性ヴォーカルの中でもかなり歌える彼なので、
やっぱり安売り的な作り方はして欲しくない。
だから今回のアルバムの、ある種試行錯誤的な感触が残されている部分も好意的に受け止められる。
これからの更なるステップアップに期待を込めて推したいアルバムだ。
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狂気の向こう側



先月は何かと慌ただしく、また落ち着かない毎日だったので、
恒例になっているChetの命日のイベントを今月まで引き延ばしていた。
1年にただ1回の特別な日だからこそ、心穏やかに迎えたかったのだ。

今年は映画"Let's get lost"を見ながらここ20年くらいのことを振り返ってみた。
ほんとうに見事なくらい、人に話して聞かせるようなことがなくて、
誰もいない部屋で思わず笑ってしまったものだ。

とあるJAZZ専門のレコードショップの話、
晩年のダメになったChetが好きだというお客が結構いるのだという。
確かに、"Deep in a dream"に書かれていることが事実だとすれば、
多分、そんなろくでなしは他に二人といないという程、
Chet Bakerという人はどうしようもない男なのだろう。
彼から音楽を抜いて語ることができるのなら、ば。

レクイエムの締めくくりとして、久々に"Sings"を聴いた。
甘く切ない声音が、仄暗い淵の底から囁くように流れてくる。
古いモノラルのレコード独特の漂うような空気感と生々しさが、
Chetの気怠い歌に花を添えてくれる。

モノラル再生の装置を整えたのは先日書いた通りだが、
フォノイコライザーもプレーヤーの時代に合わせ、
LINNのLK1という最初期のプリアンプをフォノイコとして使っている。
使い始めは長らく使われずに休眠していた故、音の立ち上がりもぎこちなかったが、
2時間もすると、芯がしっかりしながらも滑らかでしっとりとした音に変わってきた。
懐かしい、子供の頃に耳にしたレコードの音だ。

晩年のChetが好きなのは、かくいうわたしも同様で、
どうしようもない底なしの狂気に怖いながらも惹かれてしまう自分がいる。
人間ならば誰しも秘める心の闇と狂気とは、例えば先日のフロイドを聴いても感じること。
自らのそれとの折り合いの付け方を忘れてしまったかのような悲惨な事件の連続に、
思うこと多々在れどうまくことばにならない。
一人部屋で考えてみてもかいのないことだけども。
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「早い」に越したことはない?



初めて聴いた洋楽がPink Floydだったから、
特段そういうジャンルが好きでも何でもなくても、
彼らの音楽はずっと近くにあった。

どうしても1枚だけ選べと言われたら、「おせっかい」を選んでしまうけど、
「狂気」もとても好きなので、
チャンスがあれば良い盤を手に入れようと思っていた。

わたしは初期盤マニアではないけれど、
この盤には音楽と当時の空気がたっぷり詰まっている感じで、
このレコードをかけると部屋の空気がガラリと変わってしまう。
ソファに座ったまま、目を閉じて動く気もしなくなる。
音楽はゆったり、たっぷりと流れて行くのに、片面があっという間に終わってしまう。

付録のポスターやスティッカーが揃っているかどうかでも値段が違うので、
盤さえ初期のプレスのものでコンディションが良ければという条件で探していたが、
今回この盤を譲ってくれた人からは、やっぱり完品で持っているのがいいよと勧められた。
「後から付録だけ探すのは余計に大変だし、揃っているのが元々の姿だから」と。
確かに子供の頃にこんなものが手近にあったら、
ポスターなんか喜んで部屋の壁やドアに貼ったことだろう(笑)。
だから、付録が抜けている盤が多いのは致し方ないだろうとも思う。

お金の力に任せて、例えばChetのバークレーをセットで買うなんてことは考えないけれど、
いい音で好きな音楽が聴けると、それはそれでとても幸せな気分だ。
装置が先か、ソフトが先か。
わたしは優柔不断だから、どちらにも程よく自分の出来る範囲での投資をしているけれど、
こういう体験をすると、やっぱり良いレコードが欲しいなあと思ってしまう。
こんなこと言っているときりがないのはよく分かっているのだけれど。
レコードの話 | - | - | author : miss key
思わず腰が引けたレコード
外はそれほど暑くなさそうだったので、おまけとバーゲン目当てに新宿の中古店に出かけた。
週末の疲れが抜け切らないまま出かけたので、さっさと目的を果たして家に帰ろうと思いながらも、
結局3店も梯子してしまった(笑)。

ところで今日の目当ては、下のエコバッグ。



お茶の水や吉祥寺のお店でもエコバッグのプレゼントをやっていて、各店でデザインが違うとのこと。
わたしは新宿店のを貰ったが、できれば吉祥寺のが良かったかな、とは後から思ったこと。
最近、いろんなところでエコバッグ(簡易なトートバッグ)が貰えたりするけれど、
使ってみれば結構重宝するので、いくつあっても大助かり。
ちなみに今日いただいたのは作りが割と簡単なので、
レコードをたくさん入れて歩くには少々無理がありそうだ(笑)。

ところで、ジャズやロックのお店ではささっと流す程度にして体力を温存しつつ覗いたクラシック館。
最近とみにマイブームのジュリーニの盤、もしくはブラームスの4番を探そうと、
定位置の箱の中を順番に覗いてみたら、
ドボルザークの7番、ジュリーニ指揮でとんでもなく安い盤が見つかった。
演奏自体は評判が高いものなので、かえって嫌な予感がしたのだが、
盤をチェックしてみると、もうそれは半端じゃなく汚れていた。

食べ物の付いた手で触ったりしたのだろうか。
皮脂とは別な感じの脂の跡やこびりつき、そしてカビ。
傷そのものはほとんどないようだが、そんなものどうでもよくなるくらい汚かった。
正直、買って帰る気持ちが萎える酷さだったけれど、
まあダメもとでというか、
わがジュリーニの盤がそんな汚いまま箱に置かれている事自体、がまんならなかったので、
買って自分のものにした。

びっくりしたのはそれだけではなかった。
たまにはピアノもね、とピアノのコーナーを覗いたら、
やっぱりこんな値段では出ないよねというアンドレイ・ガヴリーロフのラフマニノフが。
Popには「シール貼あり」とだけある。
ジャケットは綺麗なのに、一体どこにシールが・・・とこれも中身をチェックしたら、
ラベルのニッパー君の絵柄の部分にべったりと白いシールが半円形に貼られていた。

よほど前のオーナーはニッパー君が嫌いなのか。
シールにはちょうどその絵柄が隠れるようにペンで下書きしてはさみで切り取ったような跡があった。
そこまでしなくてもいいのに、と何やら変質さを感じつつも、
やはり救出すべきという義務感が沸いてくる(笑)。

他にもあれこれ抱え込んで部屋に戻るなり、早速レコードの洗浄その他を開始。
脂とか汚れでガビガビのドボルザークは、いつもより少し濃いめの洗浄液とスポンジでもって、
すっかり艶のあるレコード本来の美しさを取り戻せた。
音の方も透明感ある素晴らしいもので、手間をかけただけのことはあった。

そして厄介だったシール。
両面とも半円形に貼られた白いシールを、カッターの先を使いながら少しずつ剥がしていく。
もう爪がおかしくなるかというくらい、力の加減をしながら少しずつ、少しずつ。
ラベルが釣られて剥がれるようなことは避けられたものの、
ノリのネバッとした跡がすっきりとり切れない。
専門のシールはがし液があれば綺麗になるかもしれないと思いながら、今日はここまで。
シールの下敷きになっていたニッパー君はさぞかし息苦しかったことだろう。
盤そのものは綺麗だったのが救いだった。




同じ中古盤を買うなら、前主の愛情が感じられるような盤がいいなと思いつつ、
本当に大切にされているなら、店頭に並ぶことなどないのだろうから、
まあ多少ぞんざいに扱われた跡があるのは致し方ないと思いながら箱を覗いている。
それでも今日の2枚のようなのは、100円箱ならいざ知らず、
きちんと値段がついた盤の箱の中では初めて見た。
検盤台で眺めた時には思わず顔に出てしまったかと思うくらい嫌な気持ちになったものだ。
この2枚は手放すことなく、ずっと手元で大切にしようと思う。
そして、わたしのところにやってきたレコードは分け隔てなく丁寧に扱おうと思い直した。
梅雨入りの週末、軽い腰痛に悩みつつレコードの世話に明け暮れた1日。
レコードの話 | - | - | author : miss key
セッティングのやり直し
部屋をすっきりさせたら、これまであまり気にならなかったaudioのセッティングの
< SPの位置取り以前の、装置そのものの配置
行き当たりばったりでやってきているのが結構目につくようになった。

これまでクアドラスパイアというブランドのものを、中古で棚板を増やしたりしながら、
なんとなくつぎはぎできていたのだけれど、
レコードプレーヤーを新しくもう1台入れたこともあって、
とてもじゃないけれど、無計画な増改築まがいのやり方はこれ以上は無理に思われた。

よりレコードをかけ易くするという意味でも工夫の余地があったので、
思い切って小分け状態のラックを同じメーカーの幅100cm強の1つ大きなサイズに買い替え、
見た目もすっきり、低い位置にすべての装置が置けるようにしてみた。

棚板は重さもかなりのもので、一人で組み立てられるかなあとちょっと心配になったが、
装置の位置決めや音を確認しながらの結線作業はいい気分転換になった。
新しい場所に置いたばかりのレコードプレーヤーは、
まだちょっと座りが悪いのかいつもの調子までには行かなかったものの、
一週間もすれば知らないうちに馴染んでいるだろうと楽観している。

事前に絵を描いたりしてイメージは掴んでいたものの、
実際にレコードがかけ易くなったので大変な作業をやったかいがあった(笑)。
加えて新しく来たプレーヤーをモノラル専用にしたおかげで、
モノ、ステレオ関係なく聴きたい順にとっかえひっかえレコードを聴けるようになったし、
めでたし、めでたし。
これから雨が多くて出かけない休日も増えるだろうから、
最近あまり聴かなくなったレコードを取り出してじっくり聴き直してみようと思う。

ちなみに新しくやってきたプレーヤーは30年以上もワンオーナーの元で使われてきたもので、
それでもあまり活躍しなかったのか、外観はやれていてもスピンドルの状態はよく、
丁寧にメンテナンスすればまだまだ使えそうだった。
なるべくオリジナルの状態を維持しながらという条件でメンテナンスを専門店にお願いしたところ、
プレーヤーを入手して半年ほどかかったものの、
買った時と比べて見間違うほど見た目も動作も美しくなってうちに届けられた。
こちらも早くうちに馴染んでくれるといいなと期待しつつ、後片付けにも精の出る休日の午後。

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Larks' Tongues in Aspic



一度ハマると大人買いを厭わず縦横ナナメに作品を聴き比べていくのが好きなのに、
King Crimsonというグループの音楽は、わたしに合う合わないの差が激しくて、
思ったように手が伸ばせないでいた。

それでも、上のジャケットのアルバム"Larks' Tongues in Aspic "(邦題「太陽と戦慄」)は、
ジャケットの絵柄が気になってずっと聴きたいと思っていたものの、
なぜか中古レコードを探すのに時間がかかって聴けずにいたのを先日レコファンでようやく見つけた。

ジャケットもシミで汚れていて、選べる状態なら買わなかっただろうこのレコード、
国内盤のせいか500円でおつりが来る盤にそれほど期待もしていなかったけど、
聴いてみれば、「なぜもっと早く聴かなかったのだろう」と大後悔(苦笑)。

彼らの音楽の、どんな要素に惹かれて、あるいはそうでないのか、
好き嫌いがはっきりしている自分にしては明確に掴めないのが不思議。
というか、仕事の帰りが遅くてかなり音を絞った状態で聴いているので、
休日の午後にでもある程度の音量で聴いてみればそこら辺がはっきりするだろうか。

一体それのどこがいいのか考える必要もないほど無条件に好きだ、
という音楽はわたしにとってたくさんあるけれど、
何故惹かれるのか判らないとかえって気になってしまう。
いっそのことKing Crimsonを時系列でざーっと端から端まで聴いてみる、
というのも面白そうだけど、
作品数も結構あったりするのですぐには無理そう(笑)。

そんなことをつらつら考えながら、今夜もまたこのレコードを聴いている。
昼日中に音量上げて聴いたときの自分の感想が楽しみな1枚だ。
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