音の快楽的日常

音、音楽と徒然の日々
☆レコードコンサート「世界の音楽を聞く」
恒例となった渋谷、国境の南での年内最後の「世界の音楽を聞く」が、
主催者のお一人、北中さんのサイトで告知されていますので、
転載してご案内いたします。

*******


渋谷・国境の南 (電話03-3463-5381) のレコード・コンサート「世界の音楽を聞く」

年の瀬も押し迫った12月28日(日)に、忘年会をかねて今年の話題作を振り返ります。
時間は同じですが、いつもとちがって日曜日なのでお気をつけてください。

日時:12月28日(日) 15:30 open 16:00 start
会場:渋谷/国境の南 http://www.kokkyo.net/
会費1000円(ワンドリンクつき)
司会 蒲田耕二+田中勝則+北中正和のお三方

*****

忘年会が設定されていますが、はじめての方でも気軽に参加できる雰囲気なので、
どうぞ気後れなさらずに。
わたしはこのイベント、皆勤賞だったんですが、
この週末既に東京を離れているので参加できず。
一年の総括でどんな曲が紹介されるのか興味津々ですが、
参加者の方のご報告をまた後日楽しみにしたいと思います。

live & イベント | - | - | author : miss key
☆レコードコンサート「世界の音楽を聞く」
恒例となった渋谷、国境の南での年内最後の「世界の音楽を聞く」が、
主催者のお一人、北中さんのサイトで告知されていますので、
転載してご案内いたします。

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渋谷・国境の南 (電話03-3463-5381) のレコード・コンサート「世界の音楽を聞く」

年の瀬も押し迫った12月28日(日)に、忘年会をかねて今年の話題作を振り返ります。
時間は同じですが、いつもとちがって日曜日なのでお気をつけてください。

日時:12月28日(日) 15:30 open 16:00 start
会場:渋谷/国境の南 www.kokkyo.net
会費1000円(ワンドリンクつき)
司会 蒲田耕二+田中勝則+北中正和のお三方
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「ロシア」が足りなくなった時に
それほど好きではないピアノの演奏でさえ、
「ああ、なんてロシア的なんだろう」
と思わずため息ついてしまう、そんな音楽がある。

ここ数年、ロシアからも若手演奏家のリリースが続く中、
これはいいなあと思えるものを2枚ピックアップ。




Denis Matsuevのピアノソロ、カーネギーホールのライブから。
最初のシューマンからリストまではごく普通に聴いていても、
その次のプロコーフィエフのピアノソナタからリャードフ、
そしてスクリャービンの作品に至る熱気の上昇カーブにつられて、
こちらの体温もついついあがってしまいそうなほど。

聴衆の興奮から少し距離を置いてMatsuevの奏でるピアノの響きに身を任せてみれば、
ああ、ここは一体どこだろうかと暫しの浮遊感を楽しむひととき。




同じくMatsuevのピアノで、チャイコフスキーのピアノコンチェルト1番を。
オーケストラはユーリィ・テミルカーノフ指揮のサンクトペテルブルクフィル。
音が出た瞬間の空気がもう豪華というか、間違いなくロシアそのもの。

色彩感豊かなピアノ演奏だけに、その豪華さがいや増すのだけれど、
それはキンピカな派手さとは違った、落ち着いた、しかも重心の低いものだ。

このアルバムにはショスタコーヴィチのピアノコンチェルト1番も収録されていて、
チャイコフスキーでの興奮を一度断ち切ってから耳を傾けてみれば、
これもまた趣は違えど、ついつい引き込まれてしまう。

ところでMatusevのCDジャケットを眺める度に、
リュベーのボーカルを思い出してしまうのはわたしだけだろうか(笑)。
わたし同様、体に「ロシア」が足りない!と禁断症状気味の方にお勧めの2枚だ。
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最近のサウンドトラック盤から(2)
前エントリーで紹介した(1)の方はピアノ演奏中心だったが、
映画『イースタン・プロミス』のサントラはオーケストラ演奏で、
前回同様メランコリックな調子ながらも聴いた印象はかなり異なる。





この作品の描く、東欧の人身売買を下敷きにした、
組織に生きるある男性と、真実に迫ろうとする一人の女性の織りなす人間模様。
ペンの闘いに殉じたアンナ・ポリトコフスカヤのことを思うと、
もう一歩、テーマに踏み込んでいれば、作品の印象も変わったかもしれないが、
ヴィゴ・モーテンセン演じるニコライと、
ナオミ・ワッツのアンナが醸し出す雰囲気を味わうだけでも、
この映画を観る価値があるような。

さて、サントラ盤の方は、Howard Shoreの全曲オリジナルスコア。
"Elegy"のサントラ盤のようなコンピもそれはそれで楽しめるけれど、
オリジナル曲の方がサントラとしての楽しさも一層増すというもの。

音数がしぼられた静かで美しいメロディが品のあるオーケストラ演奏で全14曲。
全体に抑制を効かせながらも、芯の強さが伝わってくるような音楽が、
映像としっくりと溶け合いながらも作品の持つメッセージをより強く伝えてくるようだ。
とはいえ、本作はいかにも映画音楽仕立てなので、
音楽を先に聴くよりもシーンを思い出しながら曲を聴くのがいい。
すでにDVDも出ているので冬休みのレンタルリストに加えてみてはいかが。

◆ 映画『イースタン・プロミス』公式サイト http://www.easternpromise.jp/index.html
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最近のサウンドトラック盤から(1)



映画"Elegy"のサントラ盤。
映画作品自体は年明けに封切り予定とのことだが、
試聴してとても良かったので一足先に音楽の方を聴いてみた。

バッハのアダージョ(Adafio from concerto in D minor)で始まるあたり、
或はChetの演奏で"Early morning mood"が納められていることからも、
この作品で取り上げられた恋愛が必ずしもハッピーエンドではないことを思わせるので、
メランコリックな音楽が気分じゃないときにはあまり薦められないが、
先のバッハをはじめ、ベートーベンやエリック・サティのピアノ曲に加えて、
気怠い女性ヴォーカルやラテン音楽が途中埋め込まれていたりと、
既存の楽曲中心の構成ながら、適度な起伏もあってなかなかゆったり楽しめる。

amazon.comで曲のさわりを試聴できるほか、
とりあえず映画を見てから、の場合には下記の公式サイトをどうぞ。

□ 映画「エレジー」公式サイト http://elegy-movie.jp/
cinema & Soundtrack | - | - | author : miss key
『いつか僕もアリの巣に』ー 大河原恭祐



『いつか僕もアリの巣に』は、金沢大学の研究者、大河原恭祐さんが書いたアリの本。
アリ好きには堪らない、アリへの愛情溢れるエッセイ集だ。

まずは巻頭に編まれた「アリ・マイベスト100」に目を奪われる。
著者の思いが一言添えられた、アリ100種のかわいいイラストだ。
そして12のエピソードを、やはりほのぼのイラストを添えての紹介。
ここまでさらっと目を通せばきっと、
この本が、読みたい本かそうでないのかがすぐにわかってしまう。
わたしなどは、小春日和の日向のような温かさに思わずにっこりせずにいられない。

とはいっても、この本は間違いなくアリについて書かれた本。
かなり専門的な、遺伝や生態学の話題も取り上げられているけれど、
初心者にもさわりが理解できるような配慮があってとても読みやすい。

途中、著者が監修協力したゲーム機がさりげなくPRされてたりするのがまた微笑ましく、
わたしもつい「シムアント」など思い出してしまった。

著者の記述で意外だったのが、
アリを見て「和む」というのはちょっと理解できない、
というくだりだった。
海外の学者さんが書いた『アリはなぜ、ちゃんと働くのか』のように、
研究対象として極めてクールにアリと接しているのが嫌と言うほど伝わる本ならともかく・・・。

アリの隊列を見つけると、時の許す限り眺め入ってしまうわたしなどは、
アリを見て癒される人種のひとりだけど、
これはアリだからというより、
小さな生き物が一生懸命歩いて餌を運んでいる姿に癒されているのかも知れない。
カメの形をしたおもちゃの設計者の方が、
その商品がヒットした理由に、何かそれに近いことをおっしゃっていたような記憶がある。

世の中にはアリが好きな人が意外に大勢いるようだ。
アリについての本は結構いろいろ出ているし、
アリをテーマにしたゲームはもちろん、
アリをデザインしたアクセサリーなどもあったりする。

この本を読んで、アントクアリウムに挑戦しようかなどと思い立つも、
特定の餌ばかり食べているとアリが弱ってしまう、
という本書の説明を読み返し、安易に飼育して死なせてしまうのも辛いと思い直す。

このごろはすっかり冬らしくなり、公園でアリの姿を見つけるのは難しいが、
また暖かくなったら近所の親水公園に出かけて丁寧に観察してみようと思う。

『いつか僕もアリの巣に』、アリ好きのためのアリの本。
でもアリが好きでない方にもぜひ読んでいただきたい好著だ。
よもやま | - | - | author : miss key
暗くならないうちに



道草が楽しかったのは幾つくらいまでのことだっただろう。
最近はめっきり冬らしくなって、夜暗くなるのも早いから、
仕事帰りにうろうろする気力もなく、自然と足が部屋へと向かう。

もう何年前の年末のことだったか、ブリツアーと称して訪ねた富山路のことを思い出した。
車窓から眺めた景色は雪化粧、薄暮に灯るぼんやりと温かな明かりは、
手のひらの牡丹雪がじんわりと崩れるように滲んで見えた。

海はどんと黒く、青い海にも夜が落ちて、底なしに黒かった。
そんな景色ばかり選んで眺めていたからか、
陰気な顔で行った先の民宿には「丁重」に断られたので、
駅裏の、部屋の電気がチラチラと落ち着きのない安ホテルに泊まった。

そんな旅をして一体どこが楽しかったかと反芻してみても、
ひとに話して聞かせるよなことはとりたててなかったような。
なのに、訪ねて歩いた町の様子は今も絵にかけるほど、
冬のこの時期になるとついつい思い出す。
記憶の引き出しとはほんとうに不思議なものだ。
よもやま | - | - | author : miss key
「指揮者のチカラ」ー エスクァイア1月号



雑誌の最新号も既に1月号。
気がついたら12月に入って数日過ぎていたというのに、
カレンダーは11月のままというお些末な日々。

ところで、エスクァイアの最新号は「指揮者のチカラ」と題し、
新旧の指揮者の紹介を通じてクラシック音楽を特集。
この雑誌の音楽特集号が毎回素晴らしいと感じるのは、
特段詳しくなくても内容に入っていけるまとめ方もさることながら、
紹介されている写真がとても美しいこと。
それが読み手が更に興味を持って一歩近づける、そんなポイントになっていると思う。

中身はぜひ店頭で手に取ってみていただくとして、
付録についているCD(インマゼール指揮・演奏)も◯。
様々な演奏から楽章単位で抜粋された演奏集ながら、全14トラック、73分収録。
PRも兼ねているのだろうが、雑誌のおまけの充実度には驚いてしまう。

別の雑誌の記事に出ていたことだが、
クラシックのCDの販売枚数は日本が一番なのだとか。
クラシック音楽がさほど好きでもないわたしもで割と買っていたりするくらいだから、
そうなのかも知れないなと思うが、
そんなことを思っている端から、先日久しぶりに覗いたHMVで買ったのは、
クラシックのCDばかりだった。

話が逸れてしまったが、
冬の寒い夜には部屋に引きこもり、
静かに音楽を流しながらの読書もなかなか愉しい。
お正月休み前にぜひ入手をお勧めしたい1冊だ。
others (music) | - | - | author : miss key
快適な治療に思う



秋に体調を崩したのがまだ取り戻せなくて、
週に1日ずつ有給休暇を使いながら通院を続けている。
最初は苦痛に感じた待ち合いの時間にも慣れて、
日頃目を通せない英語の本なんかにもチャレンジしていたりする。
時間の使い方はやはり本人の工夫次第だとつくづく思う。

今週から、歯の治療もすることになった。
もうかれこれ干支一周分以上も前に埋め込まれた金属と歯の間に隙間ができて、
どうやら虫歯になっているようだった。
痛みはないものの、沁み具合からそろそろ先手を打った方がということで、
去年お世話になったN先生の病院に予約を入れた。

麻酔が効き難く、血もなかなか止まらないという、
医者が敬遠するわたしの体質ながら、
先生の治療はとても快適で、通うのもさほど苦にならない。

でも、N先生のところだけでなく、お世話になっている病院に共通して感じるのは、
やたらに丁寧で患者に気を遣っていることだ。
病院だって競争の時代だからそういうものなのかもしれないが、
それに乗じてということではないにせよ、無理を言う患者さんを見かけることがある。

最近よく耳にするモンスター某ではないが、
「お金を払っているのだから当然」という声が聞こえてきそうな立ち振る舞いに、
ある種の見苦しさを覚えるのはわたしだけだろうか。

対価を支払うに見合うサービスを望むことが間違っているとは思わないが、
様々な利便を提供してもらって成り立っている生活というものが事実あるだろうし、
それ以前に思うべきこと、感じるべきことがあるのではないかと、ふと思う。
それが単なる思い過ごしだといいなと思いつつ。
よもやま | - | - | author : miss key
☆ロシアのmusic shopでのカード決済
時折利用しているサンクトペテルブルクのshopからメールで
「ネット購入の決済にクレジットカード利用可能」との連絡が。

これまでロシア国内の店舗から通販を利用する場合には、
制度上、クレジットカードでの直接決済ができなかったため、
e-goldなどのweb moneyやpaypalのような決済システムを介していたので、
これからはだんだん便利になるのではと期待できそうです。

ただし、安全性や安定性など、まだよくわからない点も多いので、
様子をみながら利用したいと思います。

ここ最近、新譜のリリースが今ひとつのロシアンポップスですが、
70年代や80年代の懐かしいグループの作品がCD化されていたりしますので、
昔、ラジオを通じてかの国のポップスに親しんだ方には特にお勧めです。

わたしが実際に買ってみて良かったものでは、
サマツヴェトゥイやシーニィヤ・プチーツァなどのコーラスものなど、
その手のものがお好きな方には涙が出そうなコンピがメロディアレーベルで出ています。
企画ものですぐ入手困難になることが予想されるので気になる方は要チェックです!
pop & rock (russian and other slavic) | - | - | author : miss key