音の快楽的日常

音、音楽と徒然の日々
マーク違いの
日々送られてくる中古レコの宣伝メールの中に、おやと思うタイトルが。
Mark-Almond、マーク・アーモンド。

あのセルゲイ・ペンキンもコラボしたMarc Almondと勘違いして、
レコードが出ているような人なんだと思ってググってみたら、
MarcではなくMark、しかもMark-Almondというユニットの名前と知って、
更に調べてみたら、これが何ともブルージィで良かったのだった。





一時期再発CDが続けて出ていたようだが、今はどうやら中古で探すしかなさそう。
そんなこんなで、もうとっくに売れているだろう、何せ連休始まりの初日なのだからと、
ゆるりと高をくくって出かけたらまだ店頭の箱にあって、
聴いてみたらどうしても手放せなくなり、買ってしまったという1枚が上のジャケのレコード。


思えば今日という日は休みというのに朝から大変な1日だった。
インターネットへの接続を、ADSLから光ケーブルに変更したが故に、
PCやAirMacの再設定のために右往左往すること約2時間。

途中トラブル発生でNTTのサポートに連絡するもご利益なく、
OSの自己診断機能やユーティリティを端から試して無事解決したら、
慣れないことしたせいか、どっと疲れてしまったのだった(笑)。

でもって、気晴らしに出かけたお店で巡りあってしまった1枚。
CDで再発されているものは、2ndアルバム他からのボーナストラック入りで、
当初はレコードでなくてもいいと思っていたけれど、
再生した時の、なんとも言えない気配というか暗騒音があまりに鮮烈で、
このアルバムについてはレコードで買って良かったとつくづく思った。

こういう1枚がいつもお世話になっているお店で見つかるというのが、
良かったかなとは後から感じたこと。
某店店員のIさんが勧めてくれる在庫アイテムの数々は、
本日のため息をさらに大きくするかに思えたが、
彼の口から漏れたタイトルは既に手元にある盤だったので難を免れた(笑)。

年度替わりの慌ただしさにかまけてレコ店を覗く余裕さえなかったここ1ヶ月。
やっぱりレコード店はいいよねと思いながら、行楽帰りの家族にまぎれて電車に揺られた夕刻。
pop & rock | - | - | author : miss key
モールスの日
Googleのトップページのロゴがいきなりモールス信号になっていたので、
何事かな〜?とカーソルを持っていったら、
モールス信号を生み出した人の誕生日なのだという。

高校時代の3年+浪人していた1年の計4年間、
たっぷりお世話になったアマチュア無線。
特に電信(モールス信号での通信)にハマっていたので、
未だに、例えば映画作品の中で信号が出てきても自然と耳が反応してしまう。





上の写真は、信号を打つための電鍵で、バイブロプレックスという会社の有名なもの。
当時よりもずっと高価になっていて驚いたが、
その当時の価格も高校生のわたしには十分高額だった。

でも赤いパドル(羽)と手に負担の少ない打ち心地に惹かれて、
バイト料を貯めて買ったのが懐かしい。

電信の何が楽しいって、ただの信号のやりとりなのに、
まるで相手の気分や性格が分かってしまうかのような、
まさに以心伝心(電信!)だったりするわけで、
また多くのハムが一同に集うコンテストの時などは、
多くの信号からこれと思うものを拾いだして交信に成功したときなど、
結構スリルもあって(電波の状況が不安定ながらなんとか交信成功!みたいな)
夜中まで交信を止められなくなってしまう。

ツーとトンしかない単純な世界だけど。
複雑怪奇な今時の世の中だからこそ、改めて見直してみたい電信の世界。
いつかまた自分の作ったアンテナと装置でもって電波を出してみたいなと、
久々に仰ぎ見た青空の午後。
よもやま | - | - | author : miss key
Gran Torino / Jamie Cullum
木金の両晩、わたしにしては珍しくliveに出かけた。
詳細は省くが、楽曲の楽しさはもちろんのこと、
この世で最もキュートでセクシィなおじさんがいるとしたら、
まさに目の前でキーボードを演奏していた彼ではないかと、
思い出せば切なくなるような体験であった。


目が覚めてみれば、いつも聴くラジオの時間なので慌ててスイッチを入れれば、
いつものピーターさんの声が。
朝にあまり似つかわしくないJAZZのナンバーがいくつか流れた後で紹介されたのが、
クリント・イーストウッドの久々の主演作、"Gran Torino"の挿入歌だった。





耳にしてすぐ彼の声とわかる、憂いと光の両方を持つJamieの歌。
プロモーションビデオでは、映画の筋が少しだけ読める感じに仕立ててあって、
ピーターさんの言うように、涙腺の弱い方には我慢のいるラストのよう。

残念ながら、現時点では、この映画のサントラ盤のリリース予定はないとのことだが、
ここしばらくJamieのオリジナルアルバムも出ていないことなので、
彼の新譜に少しだけ期待して、しばらくは動画で楽しむことにしよう。

それにしても、頑固なお爺さん役というのははまり役が何人もいるとはおもうけれど、
クリント・イーストウッドのこんな役柄も、
ダーティ・ハリー見過ぎなわたしにすれば、やっぱり切なくなる。
春だけど、少し暖房があっても邪魔にはならない週末の朝。
cinema & Soundtrack | - | - | author : miss key
香りのある部屋
まだ学生だった頃、部屋の雰囲気をアンティークな感じにしたくて、
ドライフラワーを作ったことがあった。
当時は単に風通しのよいところに吊るして乾かしただけだったので、
花びらの色が上手に残せず、今ひとつだった。

給料が増えたら、毎週切り花を買って帰ろう
そう思って何年過ぎたことか。
つい先日、手続きの関係で数年間の給与明細を調べてみたが、
あまりの変化の無さに自分でも驚いてしまった。

話が逸れたが、
生の花が買えないのなら、
< 否、買えなくはないけれど、贅沢だという貧乏性からくる思いが気を重たくさせる
せめて香りだけでもと、ポプリを買ってみた。





いまどきはポプリを見た目も香りも楽しめるよう、専用の器が売っていて、
各々のポプリにあったオイルも揃っているから、
あとは色や香りを好みで選べば良いだけ。

さくらや薔薇、それから植物の種類はわからないけれど、
マリンというタイトルの香りのもの(色は青系に着色されている)。





香り方は随分と控えめというか穏やかながら、
それがかえって功を奏しているのか、一層リラックスした気分に。
部屋で休んでいるとすぐに眠気がするほど(笑)。


くつろぎ次いでに流したのは、
Boz ScaggsのJazz アルバム、"Speak Low"。



どの曲と言わず、しっとりと皮膚からしみ込むような歌声にうっとり。
彼の若い頃の歌はあまりよく知らないけれど、
"She was too good to me"や"I'll remember April"など、
聞けばきっとどこかで覚えのあるスタンダードナンバーでまとめてあるのも
気張らず聴ける要素かも。

おまけに最近では少なくなったHDCD仕様で、オーディオ的快楽も十分。
春眠暁を覚えず、ではないが、
心地よく眠気を誘ってくれるグッズに溢れた部屋はやはりいいものだ。
気がつけば既に葉桜、疲れの溜まりがちな体をほぐしたい貴女にもお勧めの1枚だ。
others (music) | - | - | author : miss key
icon mobile



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街歩きにちょっとした楽しみを見いだしたので、
その散歩がより楽しくなるよう、iPod用にヘッドホンアンプを購入。
Nuforceというブランドのicon mobileという製品。

ヘッドホンをつないだままだと電池を消費し続けるというのが難だけど、
再生音はHi-Fiというよりは自然で過剰感もなく、聞きやすくなった。
重さもさほどでもなく、iPodと重ねて持った感じが多少かさ高になった程度。

散歩用にと思って買ったのだが、
耳馴染みのよい音に通勤途上にもこれで聴くようになった。
移動途中の公園ランチ、いつもなら少し侘しいのが、
BGMがあれば季節も手伝って何だか遠足気分。
普段なら手の伸びないアイテムだけど、買って良かったハナマルの1台。
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春の雨
ここ数日晴天に恵まれていたのが、今日は久しぶりの雨。
新しい職場に移ってからというもの、
毎日、現場を歩き通しで、1日10km以上歩いた日も少なくない。

春先はどこの職場も忙しいのだろうけど、
休日まで仕事して根つめたのは久しぶりのこと。
なので、いつもは嫌な雨が恵みの雨ならぬお助け雨となった。





トッド・ラングレンのアルバムの中で、たった1枚手元にあるのがこれ。
部屋のカーペットの上で足を伸ばしながらぼんやりしたい、
そんな気分にぴったりのBGM。

気分を無理に盛り上げるような高テンションの音楽は、
かえって疲れがどっとでそうで逆効果(笑)。
先月あたり喜んで聴いていたMoveなどは喧しく聞こえてしまうから勝手なものだ。


どうやら明日も雨の様子。
溜まりに溜まった机仕事をなんとかやっつけて、
異動のドタバタになんとか区切りをつけよう。
街灯に照らされた桜を眺めながら春の雨に手を合わせる仕事帰りの夜。
pop & rock | - | - | author : miss key
力強さを感じる本
去年の秋頃から話題になっていた安藤忠雄氏の自伝。
『建築家 安藤忠雄』というシンプルなタイトルからも想像できるほど、
まるで建築家が目の前にいて語りかけてくれているような筆致。





確かに建築作品の紹介を通じて氏の人生観などが語られる、まさに自伝なのだけれども、
その力強さといったら、
誰でも一度は何かで目にしたことがあるだろう
「光の教会」に思い浮かべるストイックさと相まって、
読むほどに背筋が正され、我が身に流れる血の熱を感じるとでも言えばよいのか。

仕事で遠出した往復の車中で一気に読み終えたが、
本当ならもっとゆったりとした時間に作品の写真を愉しみながら、
じっくり読み進めれば良かった。
こんな読後感のある本は久しぶり、
するめを噛むようにして一行ずつ楽しめば良いものを、
最近は堪え性が無い証拠でもあるのだろう。

建築にさほど興味の無い方にもお勧めできる一冊だ。
よもやま | - | - | author : miss key
桜が咲く日の



新しく年度も変わり、気候もようやく暖かくなってきた。
それでも思ったほどには気持ちが晴れない。

これほど不安が先立つ春はここ20数年で初めてのこと、
落ち着かなければと思うほどに足元心もとなく、
町を歩いても心は体からどこか遠く離れているかのようだ。


天気の良い日曜の午後。
昔住んでいたアパートの辺りを訪ねてみた。

つい最近、二度ほど夢に出てきたとあるお店がこの界隈ではなかったかと思い、
住まいの近くを歩いてみたが、
件のお店は既になく、駐車場と新しいマンションに建ち変わっていた。
対面の酒屋のご主人に尋ねてみたところ、
やはりそのお店は目の前の場所につい数年前まであったそうだ。

何度も通ったわけではなかったが、
当時も仕事や私事に思い悩み、つい立ち寄った近所の食堂の主が、
何となく話を訊いてくれたのが胸の閊えが取れたようで、
その折の晴れやかさのようなものが強く印象に残っていたのだった。



錯綜する利害関係に押しつぶされそうな今の時間が、
わたしにとって一体何の意味があるのか疑問に思いつつ、
当時も同じようにして狭いアパートの窓からぼんやり眺めて過ごしたのが、
今は懐かしく思い出されもするし、
あれから20年近く時が過ぎ、
かえってそのきしみが堪えていることに不安を覚えてしまうのだろうか。

桜の花咲くこの季節には、
どうしてだか普段は思い出せないようなことが次々と夢に現れては消えていく。
花が散って葉桜の見える頃には、どうかこの鬱々とした気分が変わっていますようにと、
今はただ花を眺めてじっと念じる自分がいる。
風に吹かれて揺れながらも黙して語らない桜の花を目前にして。


よもやま | - | - | author : miss key