音の快楽的日常

音、音楽と徒然の日々
明るいうちに買物に出かけたら街はすっかりクリスマスだった
いつから12月23日が天皇誕生日となったんだか、
というくらい祝日の類いにはさっぱり疎いが、
いい天気だから陽があって暖かいうちに買物しようと街に出てみたら、
雰囲気はもうすっかりクリスマス。
 
商店街では店前にケーキやローストチキンが並べられ、
流れる音楽もすっかりクリスマス。
今日が休みだから、イベントしようと思うと今夜の方が都合のいい人が多いのだろう、
そんなことをつらつら思いつつ、久しぶりに骨付きの鶏肉を買ってみた。
タレがびっしり塗られたローストよりも、シンプルに塩胡椒で味付けしたのが好きだから、
そういう単純なのは家で調理した方がいいような気がして。





意外に思われるかもしれないChet Bakerの演奏する"Silent Night"。
彼もクリスマスアルバムを1枚リリースしていて、
何とも言えない清々しい音色が胸に沁みるのだけど、
凡そ不幸の吹きだまりのような人でもあったから、
そういうハッピーな曲目とは少々結びつきにくいかも知れない。

でも、本当の寂しさや孤独を知る人だからこそやれる音楽というものがあるとすれば、
きっとChetは誰よりもそれに相応しいjazz manなのでは。
見せかけの温かさは要らない、ちょっと気持ちが尖っている時にも聴きたくなる1枚だ。


others (music) | - | - | author : miss key
Caravan
今朝、NHK-FMのワールドミュージックタイムで流れていた"Caravan"。
今年を振り返るシリーズの1曲として選ばれたのだったが、
"Caravan"がとても好きなわたしにとっては初めての演奏だった。
レス・ポールが演奏する"Caravan"、何と言うか、一言で言えばおしゃれ〜。
細野さんが「オムニ・サイトシーング」でアレンジしたキャラバンの印象に近くて、
でも演奏もアレンジも超のつくお洒落さ。




そこで早速、amazonで音源を探してみたところ、上のCDがヒット。
"Chester & Lester"、このアルバムは何通りか発売されているようで、
800円ほどで買えるUS盤は収録曲数も少ない代わりに、
別テイクのキャラバンがボーナストラックとして収録されている。
でもあと900円ほど余分に払えば、21曲入った国内盤が買える。

うーんと暫し画面を前にして唸りつつ、選んだのは国内盤。
買ったのは今日、だからまだ届いていないけど、
ちょびっと触りを試聴しただけで、これはとても良いアルバムだと直感。
頭の芯にカツーンとくるこの刺激がなんとも言えず。

ところでなぜ"Caravan"に執着があるのか。
まだ12か13歳の頃、初めてバンドというものをやってみたが、
じゃんけんで負けてしまい、本当はやりたかったベースを諦めてドラムスの担当に。
人前でギグをすると決めた時までに3ヶ月ほどしかなかったけれど、 
それこそスティックの当たるところに豆ができるほど練習に次ぐ練習。
でも最初にたたいたのがアフリカンなリズムで、その感覚がどうしても身に付かず、
強烈に難しく感じられて、最後には面白いもなにもあったもんじゃないというくらい疲れてしまった。

他にオーソドックスなスイングも教わって、これはすごく楽しかった記憶が。
何しろ小さい頃からビッグバンドを聞いているのだ、体が何よりも馴染んでいた。
でも、そのギグ以来、ドラムセットの前に座ることは二度となかった。

そういうしんどい思い出ながら、この曲は忘れることのできない1曲になった。
今思えば、音楽を習っていた頃は、体の力を抜いて音楽を楽しむということがどうしてもできなかった。
難しく考えていたわけでもないが、
頭の中で少し先に鳴っている、こういう風に演奏したいという音楽を、
少しも間違うことなくトレースしようと一生懸命でわずかの余裕もなかった(笑)。

それにしても"Caravan"という曲はアレンジや演奏によって妖怪変化のように様々に印象が変わる。
今思えば、だからいろいろ聴いてみたいと思うのかも知れない。
嗚呼、早く届かないかな、CD。
world music | - | - | author : miss key
Just Ballade
とにかく冷たい1日だった。
年内の外回りもあと数日を残すばかり、
遠出の電車に揺られてぼんやり、を繰り返す。
何せ、足下からぽかぽかと温かいものだから。




久しぶりに買った日本語のポピュラー音楽CD。
特別ファンという訳ではないが、あるテレビドラマの主題歌が話題になってるよ、
と友人から聞いたので、なんとなく・・・。

1曲、1曲は聴きごたえたっぷりの歌。
ただアルバム全体としては、こんなに力まなくても・・・自然とstopボタンに指が。
パワーポップ系は得てしてそういう感じかもしれないが、女性ボーカルではあまりないかも。
とはいえ、今ひとつ、聴き手の気力不足のせいかも知れないが。

今年1年、一番聴いたアルバムって何だろう。
週末天気が良ければ、ソフト棚の掃除をしよう。
なんていったって、1年まるまる、棚の後ろやてっぺんなどは掃除せずにいた。
埃取りをしながら、あれこれ振り返ってみるのもいいかなあ。

読み止しの本も何冊も積み上がっているので、
これも年内に片付けるのが宿題だ。
そう気合いを入れてみるも、気持ちはだらあんとダウナーなまま。
あと2週間、最後まで走り切ろうという気力が欲しい、今はただひたすらに。


pop & rock | - | - | author : miss key
自分へのご褒美とは言うが
久しぶりに中古レコ店へ。
毎日のようにセールの案内が届くこの時期、
幸か不幸か時間がなくて、いつものお店を見て歩くことがなかなかできずにいた。
だから、小遣いに余裕ができたこんな時にそんな状態で行くなんて、
最初っから結果が分かっているというもの。

面白いもので、中古店の巡回、日課のようにこなしていれば、
さして出費もなく、これという感動もなく、淡々と日々が過ぎていくものなのに、
たまーに出かけると、
こんなものがある、あんなものも・・・と落ち着いて「計算」ができなくなるから不思議なもので(笑)。 

だけれども、行った。




最近、ネットや雑誌で「自分へのご褒美」ということばをよく見かける。
褒美は人からいただいてこそ嬉しいものだと思っていたが。
まあ、こんなに朝から晩まで働いていても、周りの人だって同じように働いているから、
自分だけが偉い、苦労しているってわけでもないし、ましてや人から褒められるなんて・・・。
かといって、ニンジンをぶら下げないともう走れない!と意欲ダラ下がりを回避できないときは、
我慢していた買物こそ効果大というもの(ただし、瞬間的に、だが)。

上の写真が、ボーナスで買った「ごほうび」。
どれもいつか欲しいと思っていた盤ばかりで、そんなレコードがなぜに一時に出てくるのか。
空から誰かわたしの挙動を監視しているのかと思えるほどタイミングが良くて、
このご時世だから1枚程度にしようと思っていたのに、3枚とも全部買ってしまった。

ジャケットを眺めただけで「ハハーン」と思われた方には説明不要だろう。
わたしは、"17 men..."は"Faces"のオリジナル盤だと思っていたが、中身が違った。
試聴でさわりだけ再生してもらったら、違う演奏だったので目が点に。
手元の盤ともだぶってないし、何しろ演奏がすごく良かったので、
レコードの出自がわからなくなってしまったまま、買った(汗)。

隣りでChetのバークレー盤を躊躇なく購入する豪気な客のオーラにも救われたか。
それでも5桁のレコードを自分のものにするにはやっぱり勇気が要るというもの(笑)。
わずか数分ながら、自分のなかでどぎまぎあれこれ考え、悩んでいる様を、
何も言わず温かく見守ってくださった店員さんには海より深く感謝あるのみ。

店内をもう一周すれば、もっと探していた盤が見つかるかも、という雑念を拭えぬまま、
店を出たら外はもう真っ暗の夜。
冷や汗なのか何なのか、背中が随分とひんやりした。

ああ、もっと堂々とレコードを買えないものか。
値段がちょっと高いからってビビる自分が嫌になるも、
それが節度ってものの裏返しかも、と前向きに解釈する。
相手もいないのに言い訳を山ほどした1日、
いよいよ冬の風が吹いた寒い日曜だった。
レコードの話 | - | - | author : miss key
Les Troyens
忙しい時、時間のない時に限って、別に今でなくても良いのにというようなことが矢鱈にしたくなる。
暇になってからやればいいものを、
でも暇になったら、別にどうでもよくなったり、また今度と先送りする・・・。

寝不足が続いているのに、ついつい映画を見てしまう。
夏前にテレビを買い替えて環境がよくなったこともあるが、
これまで何度となく見たソフトを繰り返し見ているのだから、
翌朝起きた時にはあまりの眠気に少々後悔もしつつ・・・。

ここのところしつこく見続けているのはスター・トレックの映画作品。
全10作に加えて最新作『スター・トレック』もブルーレイ化されたので計11作。
中でも好きな作品、TNGの『ファースト・コンタクト』の中で、
ピカード艦長が大音量で流しているベルリオーズが前々から気になっており、
ようやくディスクを買って聴いたのが先週末のこと。 



『トロイアの人々』(Les Troyens)、コリン・デイヴィス指揮の4枚組オペラ作品。
劇中で流れるのは第5幕の冒頭のアリアだ。
使われている演奏はこのCDのものかどうかははっきりしない。
部屋の壁がビビるほど大音量でかけてみれば、ひょっとしたら判断つくかも知れないが(笑)、
ただ、この映画が作られた時点では録音もそれほど多くなかったようなので、
一番有名と評判のこの演奏を選んだ。

それにしても最近はこうした調べものが簡単になって便利というかなんというか。
テレビや映画の劇中に流れる音楽が気になっても、
それが誰の何と言う曲で、演奏は誰なのか、ディスクは売っているのか、などなど、
いざ調べようと思ってもなかなか厄介だった。
一度気になると他のことが手に付かなくなる性分なので、
あの手この手で調べて音源を手に入れたりしたものだ。

今回、この『トロイアの人々』がようやく「解決」したのだけど、
今頃になって、というのは、
何と言ってもこのオペラが4時間超の大作で、
ディスクも結構高く、これまで手が伸びないでいたから。

4時間のオペラ、なんでこの忙しい時に聴く?
ただでさえ寝不足なのに・・・。

そんなわけで、先週の1週間は本当にきつかった(苦笑)。
自分のせいなわけだけれど、過密な時間があと2週間ほどは続くので、
今夜こそは映画1本みてさくっと寝よう。
cinema & Soundtrack | - | - | author : miss key