薄曇りながら街を歩いていると汗ばむほどの春の陽気。
これで不景気?と思うほどの凄い人出をかき分けてたどり着いた国境の南は、
いつも通りのリラックスした雰囲気。
今回のテーマはタンゴ。
タンゴというと古くは1910年代の録音が残っていて、
ある種の厳しさと様式美に満ち満ちたタンゴから、
歌謡曲寄りの親しみやすいタンゴまで実にさまざま。
元はダンス音楽ということでインスト中心だったのが、歌ものも出るようになったそうで、
わたしにとってタンゴと言えば、
社交ダンスで緊張の張りつめた様子で華麗なステップを繰り広げる様子や、
子供の頃よく聴いていた日曜朝のNHK-FMのラテン特集だったりする。
それになぜか昔から実家にあった、タンゴのレコードは、
全曲ラ・クンパルシータのオムニバスになっていたもので、
タンゴと言えばクンパルシータと刷り込まれてしまっていた。
未だ曲名を言えといわれれば、クンパルシータとエルチョクロという判を押したような有様だ(笑)。
ただ、日頃良く聴くロシアものの音楽の中でも、情熱的な音楽のくくりの中で、
タンゴ調にアレンジされた曲はよく耳にする。
今回も、ウクライナ出身の歌手、ピョートル・リッシェンコが1曲紹介されたが、
彼はルーマニアに亡命して歌っていた人なのだというのを初めて知った。
彼はロシアのタンゴの王様だと言われたりもするので、旧ソ連で歌っていた人だと思い込んでいたのだ。
さて、レコードコンサートの冒頭で紹介された3枚シリーズのタンゴ特集盤。
1枚目が下の「世界のタンゴ 第1集」で、このアルバムにもリッシェンコの歌が収録されている。
このCD、まだリリース直後で、amazonや店頭でも入手可能。
当時、SP盤で聴かれていた歌謡というのは、独特の麗しさがあって、
こうした音楽にハマってしまうと、SP盤の蒐集という大変深い沼が待っている(笑)。
なんでもそうしたファンが集うオークションも開かれているそうで、
珍しい盤には数十万円の値がつくほどとか。
今回聴かせていただいた中では、フランスの歌手、Tino Rossiの歌声に何とも心惹かれた。
男性歌手なのだけれど、性別を超越した妖しさとでもいおうか。
このレコードコンサートは世界中を音楽で巡り歩くことをテーマにしているので、
タンゴ特集といえども、元祖アルゼンチンタンゴはもとより、
フランス、アジア、アラブと幅広い選曲。
もっとも、タンゴの歴史をひもときつつ、話題はシャンソンやレンベーティカetc...に広がり、
参加者も巻き込んですっかり飲み会のように盛り上がってしまったので、
予定されていた曲の一部は次回以降に持ち越しとなった(笑)。
レコードコンサートというとついお固い雰囲気を思い浮かべるが、
参加者の顔がぐるりと見渡せるアットホームな雰囲気の集まりなので、
ビールも進みつつ、リラックスモードでのあっという間の3時間。
次回案内もこのblogでぜひ告知していきたいので、ご興味のある方はぜひ♪