音の快楽的日常

音、音楽と徒然の日々
音楽はさっぱり、食事はがっつり
今朝出勤したら、同僚の多くが寝苦しさの余り、夜中に起きてエアコンのスイッチを入れたという。
わたしといえば、眠かったのか、起きたらいつもの時間ということで、寝不足はなかったが、
それもこれも、いい時間まで爽やかで涼しげな音楽を聴いていたからかも。

でもこうも蒸し暑いと食事がさっぱり系だと持たないので、
今夜は餃子にビールでがっつり、いった(笑)。
餃子は野菜系でしつこさの少ない食べやすいもの。
水餃子にしようかと思ったが、ごま油でかりっと焼いて食べた。
おいしかった。

で、食後のデザートではないが、今夜もまた音楽は清涼系で。

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ワールドカップの影響か、観戦後はその国の音楽がやたらと聴きたくなる。
この間はイタリアの試合を最初から最後まで見た。
前回のワールドカップでの印象、華麗で爽やかなイメージとはかけ離れ、
素人目には泥臭く感じられたのだったが、それはそれ。

今夜の1枚はナポリ歌謡特集。
なんと17世紀の作品から新しくは1945年の作品と、解説にある通りまさに古の曲集。
34年生まれの歌い手、ロマーノ・ザノッティの歌声は、
一体いつの録音かと不思議なくらい、声の張りと艶やかさに魅せられる。
伴奏も弦楽器のシンプルなもので、響きの美しさが歌声に彩りを添えている。

このCD、何でもフランスは「イリス・ミュージック」というレーベルのラテンシリーズの1枚だそう。
他にどんなものが出ているのかは知らないが、
同様のクオリティなら同シリーズの他作品もぜひ聴いてみたい。
寝苦しい夜の寝しなの1枚にもお薦めのアルバム、小音量でぜひどうぞ。
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Cole PorterをMichel Legrandで
外から部屋に戻って聴きたくなる音楽というと、
とにかくこの蒸し暑さをなんとかしてくれそうな1枚ばかり。

日頃読ませていただいている音楽blogもおよそ同傾向なのか、
他所で紹介されていて気になる作品を、
時折覗くレコード店で拾ったり、探したりして手元にやってきたのがこのアルバム。

"The Columbia Album of Cole Poeter" / Michel Legrand and his Orchestra


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CDでもリリースされているようだが、先に見つかったのがレコードだった。
monoの2枚組、値段も廉価で、ありさえすれば安く手に入る類いのよう。

演奏はコール・ポーターの作品の数々をルグランがアレンジしているものだが、
さり気ない中にも時折はっとするようなアクセントがあって、
輝かしいストリングスの響きと独特の透明感に溢れる。


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素敵なのは音楽だけではなくて、レコードのラベルもなかなかキュート。
これだからレコード探しは止められない(笑)。

降るのか降らないのかはっきりしない日曜もようやく夕刻。
薄暗くなった部屋で冷たい飲み物を口にしながら、
ソファに身を横たえてのんびり聴くルグランのポーター集。

短い曲の合間に浮かんでは消えるエピソード。
グラスの中で弾ける泡にも似て、思わずそのはかなさに目を閉じるよ。
ラウンジ系はどうもと食わず嫌いするには惜しすぎるアルバムだ。
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ヴェデルニコフのイギリス組曲
週明けの月曜は雨も止んだというのにまる1日研修漬け。
臨海地域にある、今はさほど珍しくもないインテリジェンスビルに収まった会場には、
津々浦々から100名ほどの参加者が集まっていた。

ぐるりと見回しても、どうも自分には緊張感というか何かが足りんなあと思いつつ、
周囲に迷惑をさほどかけることも無く、つつがなく課題を終えた。

ゆりかもめに揺られて都心に戻る最中、
なぜか思い出すのはタルコフスキーの映画のシーン。
新宿の高速とかそういうのだったらわかるけど、なぜ臨海の風景か。
ゆりかもめの先頭から眺める景色が、どこかタルコフスキー的なのか、どうか。

ロシア的なものへの禁断症状は、昨日の映画等々でかなりガス抜きできたはずだったが、
かえって恋しさのようなものが募ってしまったのかも。


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月曜独特の気疲れを優しく癒してくれるヴェデルニコフのピアノ。
ほんとうはレコードで聴きたいけれど、探していてもなかなか手に入らないので、
再発されたCDを大人買いした中の1枚。

廉価で揃えやすいシリーズだけれど、音質は今ひとつなのが残念。
だからといって音楽は少しも損なわれていないどころか、身を預けてしまいたくなるほど。
嗚呼、おかげで「症状」はかなり治まって、
美味しい物を食べた後の満腹感にも似たこの平和に満ちた時間よ。
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一度や二度で分からなくても
映画や音楽のソフトを買って見たり聴いたりしても、
出だしが今ひとつで、しばらくしても「好転」しない時は、
最後まで続けないで諦めてしまうことがある。
それを時間のせいにはしたくないが、つい根気が続かなくてもういいやとなってしまう。

この映画も、最初はそうだった。
字幕があまり親切ではないこともあって、見るのに気合いがいったこともあったが、
一度ざっと流し見て、それから放ったらかしにしてあった。
ダゾールシリーズと同じ監督の作品、
"Ирония судьбы. Продолжение"(運命の皮肉、続篇)。




コンスタンチン・ハベンスキーが出ている作品を端から見ている最中に買った1枚だったが、
何がどう面白いのか、ピンと来なかったのだ。

それが、今朝方から体調不良でずっと横になっているしかなかったせっかくの日曜、
ぼんやり眺めてみようかな、と思ってたまたまこの映画を選んだ。
ざっとアウトラインが頭に残っていたことも幸いしたのか、
何だか今日は、嘘みたいに心にしみた。
何が悲しいとか感動したとかではなく、自然と目が潤んできて。

物語は、その映像とは裏腹に、静かに静かに流れていく。
そしてラスト10分の凝縮。
アーラ・プガチョーワとクリスチーナ・オルバカイテのデュエット、
"Опять Метель"(吹雪がふたたび)が流れる頃、
「すぐには明るくしないで」、ここは自分の部屋で映画館じゃないのに、
そんなことばが浮かんで消えた。

一度や二度では良さがわからないこともあるんだ。
だからといって、
いつもいつも今ひとつのソフトを気に入るまで繰り返すほどの根気はないけれど。
今日の映画、覚えていれば、年末の夜にもう一度ゆっくり見よう。



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Fantasista / European Jazz Trio
これ以上蒸し暑い日はないというくらい、悲惨な土曜の午後。
ここしばらくきつかったせいか、いつもの時間に起きてからもぼんやりしているので、
思い切って午前中はじっと横になっていた。

それでも10時を過ぎると、じりじりと蒸し暑さが増して来て、
これではとても寝ていられないので、いつもの掃除洗濯、水槽の世話を始めた。

水生の小動物を飼っている方ならわかってもらえるだろう、
水温が上がり、活動が活発になると、水が汚れるのも早くなる。
もっとも、酸欠やその他の病気など、こまめに面倒をみてやらなければいけないので、
毎週末の水換えの時間はとても大切だ。

一通りの作業を終えて、ほっと一息。
気がついたらもう夕方だけど、疲れが抜けなくてビールの気分でもない。
そこで手を伸ばしたのが、しばらく聴いていなかったピアノトリオの1枚。



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「ファンタジスタ」はヨーロピアン・ジャズ・トリオの何枚目のアルバムだっただろう。
最近はとんとご無沙汰しているが、一時期、ヨーロッパもののピアノトリオが流行ったとき、
毎年のようにアルバムが出ていたような記憶がある。

ところで、今日はワールドカップ、日本×オランダ戦。
そうそう、もう説明はいらないでしょう、
リーダーのマーク・ヴァン・ローンはオランダ出身のピアニストだ。
それにこのアルバムタイトル。

曲調は爽やかかつシンプルなアレンジで、
各々の楽器の良さを活かしたいかにもヨーロッパのトリオといった感じで、
エアコンのスイッチを入れて涼みながらのんびり聴くのにもってこい。

今夜は騒乱を想定してか、街には機動隊が出ているところもあるとか。
わたし自身はfoot ballの何たるかを解していないけれども、
昨晩のスロベニアのような試合であれば、
分からなくても最後まで一生懸命見てしまう。
さて、今夜の試合は一体どんな展開になるのか、
解説を頼りにして初心者なりに楽しもうと思う。
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更に切手の話題
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久々に海外から買ったCDとDVDが届いた。
最近は切手が貼ってないことも多いけど、
今回は郵送料も手頃だったせいか、美しい花の切手が貼ってあって嬉しくなった。

おまけに緩衝剤も、ロシア語(買ったお店はドイツにあるロシア人向けのミュージックショップ)の新聞をくしゃくしゃにしたもので、
伸ばせば十分読めるもの。

ちょっとしたことなのだけれども、
このお店で買物すると、いつも何か気遣いがあって楽しくなる。
euroのレートも良いので、お得感も増大。
ロシアものの音楽ソフトを探している方にお薦めのお店です。

◆ Petershop.com http://petershop.com/ 
よもやま | - | - | author : miss key
ジャケットの切手
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英国の郵便局、Royal Mailで購入したジャケットの絵柄をあしらった切手が届いた。 
注文から約9日ほど、価格は送料込みで
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"УСАВИЧ" ウサビッチ
最近、視力低下が酷いので、生活を改めなければと感じていた。
大型テレビを買ってからというもの、深夜に見る映画が止められず、
かといって、同居しているメダカを起こしてもいけないので、
暗がりで見る癖がついてしまっていた。

視力低下の原因は、何と言っても職場のVDTの影響が大きいようなのだけれども、
大画面を至近距離で、しかも暗がりで眺めるのは目に過酷。
なので、思い切ってやや広いリビングにTVを移動させた。

台はaudioで使わなくなったクアドラスパイアの余りを組んだだけなので軽々移せるが、
問題は本体。
結局、掴めるところは限られてるので、上からが腕を回してなんとか抱え、
中腰で(ヘルニア持ちは真似しないように)、そろそろと数mを移動。
良かった、狭い家で。広い家だったら一人じゃ動かせなかった。

友達に手伝い頼めないのか?とか言われそうだが、
埃のたった部屋にいくら友達でもお客には呼べません(笑)。

ケーブルも隣の部屋から上手く回して、ようやくミッション完了(大汗)。




動作確認は、最近改めてハマっているウサビッチのDVD。
シュールでどこか緩くて笑える数分単位のショートアニメ集。
サントラはシンプルだけど、映像と切り離せない一体感が素敵。

このアニメはロシアの監獄に囚われたプーチンとキレネンコという2人のうさぎが主人公。
細かなところにも行き届いていて、壁の張り紙とか雑誌とか、ちゃんとロシア語だったり。

プーチンをお手本に体操してたら、TV運搬の筋肉痛も和らいできたよう。
さあ、今夜からは明るい部屋で映画を見るぞ、の週末だった。

(教訓)自分で動かせない家電を買うべからず

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電池切れ
今週もまだ始まったばかりだというのに、既に「電池切れ」の様相。 
これから梅雨に入って、部屋の中も事務所も、そして電車の中もムシムシと嫌な季節が続く。
少しでもからりと気持ちよく過ごしたいと思うせいか、音楽もひんやり、さっぱり系がいい。




エレーナ・カンブロヴァの歌と語りの数々。
彼女はもう御年70歳を超える大御所の歌手、そして女優。
ここ数年は80年代の作品の再発もあって、喉の乾きを癒せたけれど、
いくつもの引き出しを持つ彼女の歌世界はなかなか見渡しきれない。

歌を歌うというよりは、表現の一つとして声も楽器のように操るカンブロヴァ。
ロシアのポップスにありがちな力技的な歌唱ではなくて、
バルディによくある、声の繊細な響きを意識した透明感ある歌声。
白い画面を色彩で埋め尽くすのではなくて、ドットを一つ一つ丁寧に置いていくような。

彼女のアルバムを聴くのはもうしばらくぶりのことだけれども、
今夜のしとしと雨の音とシンクロするようで目眩がする。
寡作なようでいて、実はいろいろなレーベルから作品が出されていることに改めて驚く。

また新譜を聴けるかどうかはわからないけれど、決して手放すことのない作品群だ。
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天気の良い休日の夕暮れ時に
休日の終わりを心から惜しみたくなるような夕暮れ時。
今日は1日とても天気が良かったから、
洗濯物も布団も気持ちよく乾いてくれて、言う事なしだけれど、
だからまた明日から仕事が始まるのが少し重たく感じられる。


 


差し込む光を感じながら聴きたくなるのがシド・バレットのアルバム、"Barrett"。
それもCDではなくて、レコードで。
CDにはたくさんのボーナストラックが収録されているからそれはそれで大事だけど、
ソファに横になってぼんやり聴くならやっぱりレコードがいい。

耳元をくすぐるギターのざりざりした感触。やっぱり、いい。
ついついうたた寝したくなるけど、レコードなのでそれはNG。
CDのようにダラダラしないで一定の区切りがあるからLPの方が聴きやすいということもあるのかも。


最近のカレンダーは日曜始まりのものが増えている気がするが、
週の初めというとやっぱり月曜の方がしっくりくる。
それは単にわたしが土日の休みを貰っているからだけなのかも知れないけれど。

そういえばいつだったかの、今日のような夕暮れ時には何を聴いていたんだろうかと、
つらつら思い出しながらシドの歌を聴いていると、つい睡魔に呑み込まれそうだ。
嗚呼ずっとこんな時間が続けばいいのに・・・。
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