サルビアの花 | 2010.09.26 Sunday |
突然、どうしようもなく「サルビアの花」が聴きたくなった。
ヒットしたのは女性グループが歌ったバージョンだったと思ったが、
聴きたかったのは作曲者である早川義夫が歌っているもの。
それも、やっぱりレコードがいい。
45回転盤も非売品ながら出るには出ているが、余りに高いので、素直にLPを買った。
出かけた渋谷の某店には、初期盤から再発盤まで何枚もストックがあったが、
その中で、一番こなれた価格の盤を買った。
ジャケットはそれなりだったが、盤はほとんど聴いていない状態のもの。
「サルビアの花」を知らない人に何と説明すればいいだろう。
ただ耳懐かしい日本語の歌、というだけでは決してなくて。
この曲が書かれてから40年近い時が流れて、時代背景が全く異なる中で、
こうした歌の文句はどんな風に受け止められてしまうのだろう。
わたし自身、別の項目でも書いたように、早川義夫の歌にはなかなか近づけないでいる。
何か、そう、彼の情念に絡めとられてしまいそうで。
それでも、この曲がどうしても聞きたくなってしまった。
人ごみでうんざりするような街中を、
このレコードを抱えて歩く自分が何だか浮いて見えたが、気のせいだろうか。
駅前で尖閣諸島問題を訴えるトラメの割れた音が耳に突き刺さった日曜の午後。