音の快楽的日常

音、音楽と徒然の日々
Dylanのmono box
今風に言えば(?)わたしはモノ・ガールだ。
え、なんだって、mono girlですよ、恥ずかしいのに聞き返さないでください(笑)。

なので、mono盤での企画というとなかなか素通りできないこの辛さ。
去年のビートルズのあの騒ぎは一体なんだったのかというくらい、
新品も中古も出回っているビートルズのモノボックス。
なので、ボブ・ディランも出るよ、初期の8作品で、と聞いた時には、
ちょっと期待、でもあまり期待してもなあ、そんなに追いかけるほどファンじゃないし、
と割合冷静だった。

それが。

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ディランのモノラルのセットは、
CDが海外盤、国内盤(中身はジャケット等違いあり)の最低でも2種類、 
それからLPでのセットも発売予定とか。

またレアなおまけCDが付いてるとかどうとかで情報は錯綜、
無事、ゲットできたファンの方の喜びの声がblogなんかで散見されたかと思いきや、
紙ジャケの内袋に絵柄の刷り込みの有る無しがあって、
「あった方がいいよね」なんて余裕をかましているファンの陰で、
真っ白内袋版を手にしてしまった方のなんとも言えない感想文に胸を複雑にしながら、
結局、たいしたファンでもないわたしはBest盤で十分、と、
今回の企画に合わせてSample的にリリースされた上のジャケットのCDを購入した。

それが。

ビートルズの時と違ってそんなに期待しても、という周囲の声もあったので、
軽い気持ちで(価格もわずか900円ほどだったし)流してみたら、
なんだか予想外に随分楽しく聴けて驚いてしまった。

そこここの感想では今回のmono盤、stereo盤よりヴォーカルが引っ込んでつまらない、
というのを見かけていたので、どんな感じかと思っていたら、
歌と伴奏のバランスもよくて、ものすごくリラックスして聴けた。
歌詞が強いので、ヴォーカルががつんと前に出る感じだとわたしは疲れてしまうけど、
これなら自然と音楽に入っていけるし、事実、ただただ聴いていて楽しかった。

ソフトを買い過ぎているので、今回のbox setは見送りだなあ、
だからbest盤で触りだけでも、と思ったのが運のつき(笑)。
とはいえ、気に入ったディランのアルバムはリマスター盤で揃えてしまっているので、
CDをダブらせるのは気が引ける。
あとは、LPのセットをどうするか・・・。
発売は12月初旬、amazon.com(米アマゾン)での予約には件のCDが付いてるとか。
なかなか諦めがつかないので、しばらく悩んでみよう。
馬肥ゆる秋というけれど、痩せるは財布の中身なり、嗚呼。
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歌ヂカラ
公私ともにいろいろあって、言いたいこと言ったら(全部じゃないが)、
胸のつかえがスコーンと抜けて気分爽快。
こうじゃなくちゃね。

そんなこともあってか、随分気分が変わって、
以前は全然だめだった早川義夫さんの歌が全然OKになった。
というか、喜んでリピート、寝る前に1枚とすっかり聴き込んでいる。

CDを集めるのには少々時間がかかった。
既に廃盤になっているものが多いので、 探すのは面倒だが、
その値打ちがあるなあと、特に思わせるのが『歌は歌のないところから聴こえてくる』。


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シンプルなピアノの弾き語りがいい。
他のアルバムはバンド演奏をバックにしたものやLive盤で、
それぞれに良さ、面白さはあるが、
彼の歌ヂカラを真っ正面から体験しようと思えば、やはりピアノ1本の弾き語りがいい。

ジャックスを知っている人なら拍子抜けするのかもしれない。
時に唸るような歌声を発しつつ、それでもピアノの音はどこにもよれず淡々と流れていく。

聞き取れない歌詞がないというのは、聴く者にも逃げどころがないわけで、
舞台演劇を見ていられないようなくすぐったさを感じたこともあったけれど、
いや、日本語の歌の歌詞をここまで切々と感じたことはあったかなと、
来し方数十年を振り返ったりもして、でもさめざめと泣けてしまったりもして。

◯◯ヂカラという言い方が流行ったりしたけれど、
わたしは彼の歌を聴く時、どなたかが評していた歌ヂカラというのがあまりにぴったりだと、
すっかりハマってしまったのだった。

そうそう、ジャックスからの橋渡しっぽいアルバムが良ければ、
『言う者は知らず、知る者は言わず』という2枚組のLive盤が出ている。
ジャケットが可愛いので手が伸びやすいが、
カムバック後の総集編のような内容にもなっているから、人によっては入りやすいかも。
いずれにしても、食わず嫌いを反省しつつ、今夜もまた彼の弾き語りに漂おう。
夜更かしが楽しくなる、冷え込んで風が強い夜だ。
pop & rock | - | - | author : miss key
more, more
今日は三歳牡馬クラシック最後の一冠、菊花賞。
それだけでも朝から落ち着かないというのに、
その同じ日に伝説と銘打たれた京都1800mの新馬戦にディープの子が出走するというから更に落ち着かない。

言ってる間に結果が映像でアップされるのに、
どうも待てなくてラジオNIKKEIで中継を楽しんだ。
押したダノンバラードは快勝、入れ込んでしまったのは馬ではなくてわたしだった。
本番の菊花賞、同じジョッキー武豊の乗ったローズキングダムは2着。
実況の「薔薇は散った!」には言葉もなく・・・。


勝ってもため息、負けてもため息ばかりでどうもいけない。
景気付けにもってこいの1枚を流した。
クラーク・ボラン・オーケストラの"More Jazz in the Movies"。

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つい先だって、思い切ってampを追加し、aktiv再生へと切り替えたのだが、
これが思いのほかばっちり大当たりというか、
こんな風に鳴ってくれたら、という想像通りだったので、
手元のCDやレコードを端から聴き直しているのだけど、
特に今日の1枚のような録音は古いけど、内容はしっかりしている作品は合うようで、
編成の大きさもそのまま、ノリもタメもたっぷりに、
これ以上なくゴージャスに鳴るから超ゴキゲン。
さっきまでのため息の嵐はどこへやら、せっかくの日曜なんだからこうでなくては(笑)。

気がつけば10月もあと1週。
暑すぎて音楽に食指の伸びなかった夏を取り戻すべく、
あれもこれも聴くぞうと食欲に負けない音楽欲の高さ。
痩せるは財布の中身なり、破綻しないよう馬たちに倣ってうまく折り合いを付けて行こう。
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秋空にはアコースティックな響きが似合う
いつもなら最高にうれしい爽やかな土曜の朝。
それが前日の歯の治療の影響で前夜ほとんど眠れず、眩しい朝を迎えた。
この痛みでは休日を棒に振ってしまうので、先生に頼んで少しやり直してもらい、
(いま、痛みを辛抱するか、切開時に更に痛い思いをするかどちらかでしかないようだ)、
朝昼兼用の食事をと商店街で買物した。

出来立てのパンとコロッケ。
これが買えるお店があれば、わたしにとって十分な生活環境。
それにしてもお肉屋さんで売ってる揚げたてコロッケはなぜにこれほど美味いのか。

ほんとうは日曜のお昼に映画でも見ながらそういう食事をしたいのだが、
パン屋も肉屋も日曜はお休み。
でも、おかげで土曜はつい週末の疲れを引きずってダラッとなりがちだったのが、
起きてすぐに掃除洗濯、メダカの世話とあれこれ用事を片付けて買物に出る習慣がつき、
大助かりだ。


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まだ届いたばかりのCD、これらはみなMA Recordingsというレーベルのもの。
audioファンや高音質録音の盤を集めている方には馴染みのある会社のはず。
CDショップの店頭でも新しいタイトルは並んでいるが、
MAの盤をあれこれ選ぶには、audioのイベントで出店があるときにまとめ買いするくらいしか機会がなかった。

たまたま何かのきっかけで思い出し、検索してみたら、
直接メールオーダーできるサイトがあった。

◆ MA Recordings Official Site http://www.marecordings.com/


最近はこうしたレーベル直営の通販サイトがあってとても便利だ。
送料も大抵手頃で、盤の価格もこなれているし、試聴もできたりする。

今回買い求めた盤はいずれも、
アコースティック楽器による演奏を自然な音響環境の中でマイク2本で収録されたもの。
再生環境が整っていれば、部屋の中に録音された場の空気がふわっと広がり、
清涼感たっぷりの心地よさに包まれる。
ちょうど、晩秋に森を散策するときの、あの爽やかさに似ているが、
録音会場となった教会などの、高さと冷えた空気がそれを思わせるのかも知れない。

気持ち良くてついうたた寝してしまったが、
日が落ちた部屋はそこそこに冷え込んで、暖房がそろそろ恋しくなってきた。
明日あたり、ヒーターの掃除をして、来る11月に備えることにしよう。
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太古の音が聞こえる
空耳のようで、そうでない、
まるで太古の音が聞こえてくるような音楽。
Robert Wyattの新作、"For the ghosts within'"。


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一度聴いたら忘れられないのが3曲目の表題曲、"The ghosts within"。


      we're still here
      we are the ghosts within
      when will you know
      we're where we belong?


遠い遠い遥か彼方の過去への郷愁のような、単に懐かしさというのとは違う、
複雑に重ねた音、響きへの共感。

音と音のあいだに、
今此処に一人在ることの寂しさを真向かいから眺めている自分に気づいてはっとする瞬間。
pop & rock | - | - | author : miss key
秋風と戯れる
毎日、外出の仕事が続いている。
でも、あの暑かった日が噓のように、街中はすっかり秋模様、
お堀端を歩いていて、頬を撫でる風の爽やかさに思わず空を見上げてしまう。
田舎のように真っ青の空とせわしなく飛び回る蜻蛉の群れというわけにはいかないが、
今日のような、少し曇り加減のどこか重たげな空色も悪くない。


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この春、久しぶりにリリースされたDusko Goykovichの新譜、"5ive Hours & Rhythm"。
公私ともに忙しかった春先ゆえ、彼の新作が出たのをうっかり見逃していて、
ここ数日、買い漏らしのチェックの折に購入した1枚。

いつもはenjaの外盤を買うのだが、異様に高価格。
なぜだろうと不思議に思っていたら、CDがSHM仕様。
曲数も同じだから、今回は普通に国内盤を買った。

先日、Bassoの訃報にがっくしきたばかりだが、
Duskoの新作もあと何枚聴けることか、あまり考えたくないけれど彼もそういう年齢だ。
何しろわたしが彼の演奏を耳にし始めてから既に30年から経っているのだから。

さて、コンボ形式で演奏された全9曲から編まれた本作は、
中でもしっとりとしたアレンジの"Ballad for Miles"に心奪われる。
マイルスに捧げたDuskoのオリジナル曲で、
体に沁み渡るようなミュートは艶やかさを抑えつつ、
より一層深みのある音色でもって静かな部屋に夜を連れてくる。

今年の秋は多分短くて、黄金の秋と呼ばれるロシアの秋を思わせる。
久しぶりにエセーニンでも読んでみようか。
都会の街並に替えて、見渡す限り小麦の穂で揺れる大地を思い浮かべながら。
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現代シャアビに酔う
暑さの戻りを感じながら、週末の夕方、渋谷・国境の南へ。
今回のレコードコンサートのテーマは現代シャアビ、
聴けばかなりハマるが、普段聴く機会が少ないだけにとても楽しみにしていた。

シャアビとひとくくりに言っても、スタイルや歌の内容にはかなり幅がある。
ついつい網羅的に聴こうとしてしまうけれど、
遠い国の身近な歌謡集、ぐらいに気楽に聴いていれば、
自然と好きな歌手、好きな歌が見つかり、それが上手くとっかかりになってくれる。

わたしの場合は、もう何年も前のやはり国境の南でのイベントで、
北中さんが紹介されたLili Bonicheの歌声に一発で参ってしまったことがきっかけだった。
改めて紹介するのもいいかなと今改めて探してみたら、
数年前はamazonでも何枚かはCDが手に入ったのに、今はもう中古でしかなくてすごく残念。

というか、world系の作品は、いいなと思ったら買っておく必要がある。
他人の背中をむやみに押すつもりは毛頭ないが、
数売れる作品というのは限られているので、無くなったらおしまいの世界だから。
それに、中古でいいやと思っても、もともとロットが小さいのでいざ探すとなると大変だ。

とりあえず、レコードコンサートでも紹介された"Elli Ghir"を聴いてみて欲しい。




歌詞はブックレットを見たりしないとわからない、異国のことばだけれど、
溢れる歌心というのは、言葉の意味を超えて直接に胸をうつ。


当日流れたダハマーン・エル=ハラッシもルネース・マトゥーブもハレドも、
歌謡曲が好きな方なら一度は耳にして欲しい歌ばかりだけど、
初めて聴いてほんとうに驚いたのは、まだ子供と思われる男児がオケを従えて歌ったもの。
Orchestre Andalou d'Israelという楽団の演奏を集めた「アンダルース音楽新世代」
この2枚組CDに収められている1曲だ。

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ほんとうに、堂々と、朗々と歌う様にあっけにとられてしまったけれど、
単に歌がうまいとかではなくて、こればっかりは上手く伝えることばが見つからない。

それにしても、いつも思うのは、
これだけの内容を都会の隠れ家のような居心地のよいお店で楽しめるのは本当に贅沢だ。
わたしには、自分が聴いて良かったもの、好きなものを、
またCDなど買い求めて友人にも聞かせたり、ということぐらいしかできないのだけど。

しつこいようだけれど、
こういうCDは一旦品切れたらおしまいなので、
お財布の中身が寂しいときでも目をつぶって買うのが吉(笑)。
そういうわたしは今とてつもなく音源買い過ぎ警報中、
どれを買おうか優先順位がつけられないジレンマで夜も寝られない、
ということはないけれど・・・。

食欲の秋、音楽の秋。
同じならどちらも楽しまなくては。せっかくの良い季節なのだから。
live & イベント | - | - | author : miss key
The Sesjun Radio Shows / Chet Baker
時々だけど、でも途切れずリリースされているChet Bakerの録音。
今回はオランダのレーベルから発売されたラジオ放送でのライブの模様を収録したもの。


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CD、LPそれぞれ2枚組で出たのだけど、
CDは買い損ね、LPはなんとか購入できた。
発売直後なので廃盤ではないが、入手できるルートが限られている様子。

ネット通販の店でも、ジャケが出ているのはまだましで、
曲はもちろん、いつ頃の録音かも全く情報がなかった。
なので、演奏によっては既発のアルバムと被ってしまうものもあるかもしれない。
週末、ディスコグラフィーに当たってみようとは思うのだけれど。

ちなみに今回の録音はいずれもオランダのラジオ番組で流れたもので、
76年から85年までの、Chetがヨーロッパでギグをどんどんやっていた頃の演奏。
サイドメンもHarold Danko、Michel Graillier、Philip Catherineとお馴染みの名前が並んでいる。。

曲数は全体でわずか9曲、片面20分ほどの構成。
Chetも吹き捲くってるというより、
いい具合に肩の力が抜けて、晩秋の日だまりを思わせる音色。
好き嫌いははっきり分かれるであろうが。

さて、レコードの状態。
重量盤で、盤の状態もよく、海外盤で時折見かけるような小さなでこぼこもなし。
音もさほどHi-Fiではないものの、当時のChetのLiveものとしてはかなりいい方だと思う。
ゲートホールドのジャケットに、内袋にもChetの写真があしらってあり、
高級感はないけれど、価格なりにちゃんとしてる。


まるで落ち穂拾いのように細々と続くChetの音源リリース。
わたしも根気よく追いかけていこうと思う。
それもまた彼がファンに残してくれた楽しみの1つだと思って。
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audioと再生と音楽と
朝から秋らしい青空に恵まれ、空気も澄み切って最高の休日。
思い切って、というか重い腰を上げて、
しばらく手つかずにいたaudioのセッティングをした。
といっても、スピーカーの位置を動かしただけ。

そういえば、時にメールをいただくのが、
「audioにお金をかけるなら、いいレコードを買った方がいいですよ」というもの。
確かに、欲しいレコード、聴いたことのないレコードはたくさんあってきりがないほど。
でも再生する装置にも、それなりに配慮はしたくて、
気に入ったものを少しずつ揃えて充実させてきた。

ただ、一時期凝ったケーブルだの何だのの入れ替えはすっかり止めてしまった。
当初は音が変わるというだけで面白くて、電源ケーブルを換えたりしたが、
そうして中途半端に「弄った」音は、最初こそ面白くても、何となくしっくりこなかった。
このアルバムには合っても、あの作品だとだめだ、みたいなことも増えた。

ある時、audioのイベントで耳にした
「わざわざケーブルを入れ替える必要はないんです」という一言に目が覚めるようだった。
ケーブル全てを元々付いていたものに戻したのは言うまでもなく、
それからは、気分も音もすっきりして、ことばにならないモヤモヤは晴れたのだった。


さて、スピーカーの位置。
スピーカーの後ろにあった育ち過ぎた観葉植物を外に移したら、影響がでてしまった様子。
それで簡単ではあるけれど、位置決めをいちからやり直した。


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今日の青空は雲一つない真っ青の澄み切った空。
うたたねするには少し涼しかったが、
audioの調整でも、同じ聴くなら気分にぴったり合った、
気持ちがのんびり穏やかになれるものがいい。
それでリヴの『自転車と僕』。

歌と伴奏のバランス、響きの感触を確認しながら、大雑把に位置を決め、
数曲聴いて違和感がないところまで微調整、それでおしまい。
こんなことならいつだってできるのに、終わった後はいつもそう思うけれど、
そのちょっとしたことが面倒だったりする(笑)。

さて3連休も終わり、明日からはまた慌ただしい毎日。
休みの日はつい遅くまで音楽を聴いてしまうけれど、
今夜ばかりはソファーで寝落ちしないよう、くれぐれも気をつけることにしよう(笑)。
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雨の日の朝に
楽しみにしていた土曜の朝はすっかり雨模様。
ところによっては大雨だというが、このあたりは地面が占める程度のしとしと雨。

日の射さない朝は体のエンジンもかかりにくくて、
また洗濯掃除日和といかないから困ったものだ。
それでも一時のようにちらかり放題だった部屋は少しずつ片付き、
部屋にこもりがちな冬を迎える準備も整いつつある。


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さっきまで久々にWindham Hillを聴いていたが、
George Winstonのピアノの強さに少し腰が引けたせいか、
弦楽器の演奏に切り替えた。


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女性ビオラ奏者、Kim Kashkashianの"Elegie"。
elegyと題されたいろいろな作曲家の曲を集めた演奏集で、
このレコードは、いつもお世話になっているaudio shopでのイベントで初めて聴いたもの。

audio shopのイベントだから装置の紹介を意図されたものだけれど、
意表をついた個性的な選曲で目から鱗の経験も数知れず。
音楽がすごく好きなスタッフや関係者の方による手作りイベントだから、
他所にはないそんな良さ、面白さがあるのだろう。

さて、この"Elegie"、ウエットな演奏を想像するかもしれないが、
予想に反して実に清々しい。

彼女はアルメニア系のアメリカ人。
彼女のルーツをより感じることのできるアルバムは他にたくさん出ているけれど、
ひとりしみじみとレコードを聴くならこの1枚だろう。

ちなみにこのアルバムはCDでもリリースされている。
CDもLPも廃盤で中古を捜すしかないのが面倒だけど、
もしどちらか一つを手に入れるならレコードがおすすめ。
弦に漲る静かなエネルギーをより感じ取ることができるような気がするから。

"Elegie"、物思いに耽りたい今頃の季節に一押しのアルバムだ。
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