音の快楽的日常

音、音楽と徒然の日々
1年を振り返る
2010年という年は、これまでに増して音楽をたくさん聴いた1年となった。
自由になる時間が少なくなるにつれて、
わずかなひとときを濃密に過ごすことの価値が身に沁みた。

これほどまでにクラシック音楽を聴いた年も無かったと思う。
というより、ジャンルに関係なく、先入観に囚われることもなく、
聴きたい、聴いてみたいと思うものに自然と手が伸びた。

哀しい出来事は、時が経つにつれその刺々しさも和らいで、
少しずつではあるが、振り返ることのできるものとなった。
時の経過は平等で、誰の元にも必ず朝がやって来るというのがほんとうに救いだった。

途中、自分のことがまるで劇中の人のように思えて、
現実なのか夢なのか、実感がまるで持てなくなったような時期があったが、
それは大きな出来事を消化していくひとつの過程であって、必要な時間だったと今は思う。

今年一番よく聴いたのは、マーラーのシンフォニーとメトネルのピアノ曲。
ポピュラーでは英国のフォークソング、それからサントラもあれこれ盛りだくさん。
久々に映画もたくさん見た1年だったので、当然といえば当然かも。

***

このエントリーが今年最後になります。
年末年始、西日本の天候は大荒れだそうですが、
明日からしばらくネットにつながっていない田舎の家に引きこもります。
もうすぐ10歳になる柴犬といっしょにみかんを食べながらTV三昧します(笑)。

この1年、ほんとうにたくさんの方にこのブログをご覧いただきました。
内容に進歩がなく申し訳ないと思いつつ、備忘録だからと気楽に書いています。
素晴らしい音楽や映像をご紹介くださった隣人の皆様に心から感謝しつつ・・・

2011年もたくさんの素晴らしい音楽との出会いを信じて。
みなさま、どうぞ良いお年を。


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よもやま | - | - | author : miss key
今日は何の日、有馬の日
わたしの有馬記念は出走の2日前に潰えた。
降着がらみのJCを吹っ切る意味でも、
ローズキングダムが今度はすっきり勝って薔薇一族の輝く星となる、
というのがわたしの第一予想だったから。

いろいろ考えて、今日の入場券は人に譲り、自宅で年末大掃除に励むことにした。 
1頭欠けたからといって、今年のメンバーの豪華さはかすむこともないが、
事前にいろんな予想をしてみたものの、これといって面白い組み合わせが浮かばず。
結局、内枠での鬼脚が炸裂!とヴィクトワールピサから何通りか買ってみた。

ブエナビスタは強いし、また十分に強かったが、
ビッグレースの降着後、それを跳ね返した馬はほとんどいない。
いや、彼女の父、スペシャルウイークがグラスワンダーに数センチ鼻負けした有馬記念を思い出さなかったといったら、噓になる。
彼女のJCでの降着が勝ちに等しいとしたら、
秋の天皇賞、JCと連勝し有馬に臨んだ父と被らないはずがない。

もう随分前のこと、引退後のスペシャルウイークを訪ねて牧場を見学した時のことだが、
 「強い馬をたくさん出す種馬なら他にいるかもしれない、
 でもスペシャル(ウイーク)はとんでもない馬を出すかもしれない、そんな気がする」
と、案内してくれた方が誰にとはなしに呟いていたのを思いだす。
善くも悪しくも、血の重さをひしひしと感じた今日の有馬記念だった。


さて、大掃除。
年末ここぞとばかりに有給休暇を消化し、ここ数年でも一番というくらい自堕落な生活で、
時間はたっぷりあったのに作業はなかなか進まず。
去年は時間の無いのを理由にしたが、今回ばかりは言い訳もできず、大いに焦った。
そこで、頭の中身を空っぽにできる秘密兵器を。


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さる方から紹介された1枚、"Low Life"。
ビル・ラズウェルもピーター・ブロッツマンも、知ってるのは名前だけというお粗末さの中、
一体どんな音楽かとiTunes Storeで調べてみたら、なんと試聴ができた。
随分いろんなものがあるなあと感心しつつ、再生ボタンを押した瞬間から思わず仰け反った。

このアルバムを爆音で聴きたい!という気分が理解できたは良かったが、
あっけにとられて、あれやこれやと頭の中に詰め込んでいた段取りは一瞬にして吹き飛び、
音楽が終わった後は、頭の中が真っ白になった。
善し悪しは言わない、甲乙つけられるほどこの手の音楽を聴いてもいないから(笑)。
でも、ある種の薬のような音楽と受け止めればこんな便利なものはない。

「あ(濁点付きでお願いします)ーっっっ!」
と大声を出したくなるような苛立ちというか焦りというか。
そんなとき、これまでは坂本龍一の「未来派野郎」の1曲目を大音量で、
というのが決めだったけど、
今後は、ぜひこの1枚で、と心に誓った(笑)。

このアルバム、CDも出ているが廃盤のよう。
わたしはレコードで入手したが、ジャケットもなかなかクールなので眺める楽しみもある。
幸か不幸か、レコードはひっくり返さなくてはいけないから、途中1度は休憩がある。
それがほっとするというか、ありがたいというか、そういう気分にさせる1枚。
「否、毒は何倍にもして食らいたい!」という方はぜひCDを。

おかげで、予定の作業はなんとか夜までに終えることができた。
やればできるではないか、と誰も褒めてくれないので自分で褒める。
そういうノリが今年という1年を象徴している、そんな気がした年の暮れだった。
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Song for "You"
1、2ヶ月前のことだったか、毎朝聴いているFM番組で"Song for you"が流れた。
リクエストされた方にとって特別な歌、ということだったが、
わたしもとてもいい歌だと思う。

数多くの歌手が歌ってきたスタンダードナンバー。
そういえば、この歌が誰のオリジナルなのか、わたしは最近まで知らなかった。
最初に聞いたのは、カーペンターズだったかな、否、違う。
男性の歌で、どこか甘ったるく癖があって、ハスキーで、
CMのBGMか何かで流れていたのを耳にしたのが、おそらく最初だったと思う。


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ラジオで流れたのはレオン・ラッセルではなかったが、
彼の歌声で聴きたくなってCDを探した。
ほんとうなら昔のLive録音か何かでレコードを探せば良かったが、
毎日遅い日が続いていたので、取りあえず手に入れたのが最近のベスト盤"Retrospective"。

1曲目に流れる"Song for you"、彼にとっても特別な歌なのだろう、
デビューアルバムでも1曲目を飾っている。
メロディはメロウで美しく、1度聞いたら忘れられないけれど、
何と言っても歌の文句がいい。

...

I love you in a place where there's no space or time 
I love you for in my life you are a friend of mine 
And when my life is over Remember when we were together 
We were alone and I was singing this song for you...
  
(from "Song for you" by Leon Russell)


伝えたいことをこんな風にことばや歌にできたらいいなとつくづく思う。
こころが自在に解き放たれたようにして。
PCの画面に、いまもしているように、文字をつらつら並べてはいても、
ここと思ったときに限って、相手に思いをうまく伝えられない。

気がつけば外は冬の雨。
吐息で曇った心の窓を洗い流すようにして、しとしとと、
願わくば今夜一晩、ずっと降り続いて欲しい。
でなければ、なかなか眠れそうにないから。
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飛んでイスタンブール♪ならぬ『はじめてのイスタンブール』
ロシアにこれほど興味を持ちながら、
東方正教会の聖地、イスタンブールにはまだ足を踏み入れたことがない。 
憧れはあるが、まだ目の前の現実にしたくない、ということなのか。
いや、そんなややこしいことではなくて、
気がついたら長く休んで外国に行くのが億劫になっていただけのこと。

最近はネットをみたり、本を読んだり、あるいは彼の地の音楽を聴いて、
あれこれ想像して頭の中で旅するのが常となってしまった。
そんなわたしの手元に愉しみの種が一杯つまった一冊が届いた。
イラストレーター若山ゆりこさんの新著『はじめてのイスタンブール』。


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異国の旅の愉しみは、景色を眺め、街を歩き、食べて、そして買物をして、人と出会う・・・。
見どころの解説にたくさんの写真は、
実際に何度も当地を訪れている著者ならではの目線が楽しい。
もちろん、イラストも満載で、
その1つ1つに彼女が肌で感じた異文化の香りが真空パックみたく閉じ込められている。

いまどきはネットでいろいろな情報が得られるけれど、
この本には型通りのガイドブックにはない「わくわく」がいっぱい。
ファッション関係など女子向けの話題にウエイトがあるけれど、
男性が読んでもきっと面白いと思う。

ここで音楽ファンにお得な情報を。
渋谷はワールドミュージックのメッカ、エル・スール・レコーズで本書を購入すると、
著者選曲のCD−Rが特典についてくる。
"Istanbul Mood"と題された全15曲、これを聴くだけでも気分はすっかりイスタンブール。
「飛んでイスタンブール」は昔のヒット歌謡だけれど、絵ごころあり歌ごころありの1冊、
同じ買うなら、CD−R付きが超のつくおすすめです!

◆ エル・スール・レコーズ http://www.elsurrecords.com/ 

◆ 若山ゆりこさんのblog "Salon de Yuriko"  http://umiyuri21.exblog.jp/   
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二日酔いの朝に優しくない音楽を
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テクノポップ・デュオのYELLOが放つ豪華ベストヒットBox、"YELLO BY YELLO"。
アンソロジー2枚組とシングルコレクション1枚のCD計3枚とDVDが1枚。
それからミニ・アルバム(2人の近影)含むブックレットがついている。

デュオっていうと、女子ふたりとか、男女の組み合わせとか、
あるいは割と若手ミュージシャンだったりすることが多いような。
でも彼らはバリバリのロートルだし、おじさんだし。
でもおじさんはおじさんでも、ダンディっていう形容詞がぴったりくる元祖イケメンだ。

そもそも、スイスのミュージシャンというだけでも、わたしにはあまり縁がなかったが、
彼らの動画を偶然ネットで見てからというもの、すっかりファンになってしまった。
CDだってamazonで簡単に手に入るし、「前から知ってるぜ」ってな方も少なくないかも。

お洒落でノリもよくて、テクノというより最新作あたりは踊れる系のアーバンサウンド。
ところどころに刺激の強い音も入ってるから、
宴会続きで二日酔いが抜けない朝一番に、頭に優しくないBGMとしてもってこい。
ちょっと前だったらこんな朝にはカシオペアを流して気分すっきりだったのだけど、
もうそういう体力ないというか、気力が無いと言うか(笑)。

ところでこのBox Set、シングルコレクションのCDにトラブルがあって、
予約購入したユーザーにはドイツ・ユニバーサルが交換に応じてる最中。
わたしはメールで住所を送ったら2週間ほどで交換のCDが届いた。

そんなことがあってか、日本のamazonでは購入できない状態が続いているけど、
Amazon.deなら30ユーロほどで買える(対応済みかどうかは未確認)。
更に蛇足ながら、シングルコレクションは単品で買えるけど、
その倍も出さないでSetが買えるから、この手の音楽嫌いじゃなければSetがお得。
iPodに入れて持ち歩く音楽としても重宝します、おすすめです。
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今年ほどBox Setを買った年はない
ほんとうに、今年ほどBox Setをたくさん買った年はなかったなあ、というのが
この1年を振り返っての正直な感想。
まだ二週間ある、振り返るのは早い!とおしかりを受けるかもしれないが、
今週に入っては忘年会の連続で頭の中が溶けそうなので、
すこしずつ今年の内容を整理している次第。

Boxといっても、その大半はクラシック。
突然やってきた私的クラシックブームとでも言えばよいのか、
あるいはたまたまレーベルの大小を問わず、話題の作品が次々とリリースされたからなのか、
箱の数だけで20近い量。
これをCDの枚数に直せば・・・(以下自粛)。

さらに「全部ちゃんと聴いたのか!」と問われると・・・(以下、更に自粛)。


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ついに、Box Setのジャケ買いまでしてしまう始末、でも結果オーライ。
バルビローリという指揮者の音楽を、これまでほとんど聴いて来なかったけれど、
嗚呼、何故もっと早く聴かなかったかなあと大後悔、そして感動の渦。
そして大好きなマーラーをバルビローリの盤で少しずつ探し始めた次第。

今年は再生装置にも投資したおかげで、
シンフォニーが自然でゆったりと聴けるようになったので、 
もともと編成の大きなものが好きなだけに、どっぷりとハマってしまっている。
10代の頃、こうした音楽は肩が凝ってとても聴けやしないと思っていたが、
加齢の成せるわざなのか、
今はむしろそういうまとまった時間、音楽に包まれる幸せを痛感する。

さて、クラシック音楽。
ここら辺はまだまだ序の口というか、入口あたりだというのが何となく判るので、
この先の沼はきっと深かろうと一抹の不安はあれど、
好きなレコードを好きなだけ聴きたい、というのが子供の頃の夢であったので、
今は音楽の中に身をまかせてしまおうと思う。

さて、年末の休みに聴く盤をどれにするか。
この一週間、あれこれ悩んで楽しむとしよう。
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積んだ本をやっつける
社会人になって学生時代と違うなと感じるのは、とにかく本を読む時間がないことだ。
いや、時間は作れても、本の中にぐっと入り込む心の余裕がなくて、
読みが細切れになってしまう。 
読めばいいというものでもなくて、やっぱり読み方というものがあるよなと反省するものの、
気がついたら学校を卒業して20年以上も経っている。

だからといって本を買いもしないでいるとますます読書から遠ざかってしまうので、
最近は気になるものをとりあえず買っておいて机の脇に積むようにしている。
それでもって、まとまった時間ができたときに一気に読めるところまで読む、
という乱暴なつき合い方をしているが、とりあえず集中は出来るようになった。


去年だったか、亀山郁夫さんとの対談で初めて講演を聴いた佐藤優さんの自叙伝的作品、
『私のマルクス』は、
タイトルにかなり腰が引けてしまって、単行本のときにはどうしても買えなかった。
が、最近になって文庫になっているのを知って、怖いもの見たさで読んでみた。


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彼の著作に目を通すのは、内容が面白いというだけでなく、
読んでみたいなあと思わせる本がたくさん紹介されているから、というのがある。
尤も、紹介された参考書に目を通して彼の思索を辿るには時間も気力も無さ過ぎるが、
ある時期のロシア社会の陰と陽を肌で感じ取った人の青春期は、
ただのエッセイとして読むにはヘビーかつ惜しい気がする。

具体的な感想は、自らの稚拙を晒すようで憚られるから敢えて書かないとして、
正直、単行本が出た時にさっさと読めば良かったと少々後悔したが、
文庫版は氏の講演録が付いているので、まあよしとしておこう(笑)。
CDのリマスター盤にボーナストラックが付いているみたいな感じで、
文庫版もなかなか侮れないというか、安くておまけがついてるのでお得感大だ。


そう言えば、同じ佐藤優さんの『獄中記』だったか、
なつかしい"Самоцветы"(サマツヴェトゥイ)が紹介されていて、
著者との距離感が一気に詰まった感があった。

シーニャ・プチーツァ(青い鳥)とか、サマツヴェトゥイとかって、
この手のコーラスグループというと思いっきり70年代の香りがする。
検索してみたら、74年のピェースニャ・ゴーダ(紅白みたいな番組)の映像があった。
こんな映像が簡単に見られるなんて、すごい時代になったものだとしみじみしてしまう。
気がつけば12月もあと残すところ半分ほど、時の経つのはほんとうに早い。



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1日の終わりに
12月もそろそろ3分の1が終わり、年末を控えて慌ただしさも増して来た。
忙しい事をありがたく思わなければいけないのかもしれないが、
何年か前だったらどうということがなかったのに、ここ1、2年は身に堪える。

少し贅沢をしようと思い、若い女子で一杯のお店で蜂蜜を混ぜ込んだ石けんを買った。
100gで400円以上もするが、固まりのままでもとても良い香りがする。
虫愛づる女のわたし故、包み紙までみつばちが飛んでいるのについ嬉しくなってしまう。

今日は仕事を残したまま早仕舞いしてゆっくり風呂につかった。
詳しい人の話では、シャワーではなかなか疲れは取れないようで、
浴槽でお湯にゆっくり浸かることが大切なのだとか。
おまけに今日は蜂蜜石けんなので、穏やかで心地よい香りでリラックス。
ちょっとしたことだけれども、良い買物だった。


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その香りに負けないくらい、優しくて穏やかなひとときが流れる1枚を選んだ。
ミリー・ヴァーノンの「イントロデューシング」。
何かがきっかけで数年前にブームになり、わたしも人に勧められて買ったのが、
日頃女性ヴォーカルをあまり聴かないわたしも、
せっかくのゆったり感を損ないたくないときには自然と手が伸びる。

そう、この作品で惜しむらくは、大好きな紅茶よりコーヒーが合いそうな音楽であること。
わたしはコーヒーは苦手なので、そんな想像をするのもおかしな話だが、
このアルバムを聴いていると、
いい具合に鄙びた喫茶店で文庫本でも読みながらコーヒーを飲む姿を思い浮かべる。 

そのお店の、テーブルや椅子、リクエストブックの表紙の柄は思い出せるのに、
なぜか店の名前は思い出せない。
夢の中の想像と実際の記憶の区別がつかなくなっているのだろうか、
それとも、もう20年以上も前に行ったことのあるようなお店のことが、
頭の片隅にでもひっかかっているのだろうか。

なんだか疲れているようだ。
身も心も温かなうちに早く眠ってしまおう。
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浸透力のある歌声を
この時期、残業で遅い帰宅のサラリーマンも少なくないはず。
家に戻って音楽を聴くといっても体が受け付けないくらい疲労困憊のときだってある。
こんなとき、わたしは真っ先にお湯を張って長風呂している。
ないようで積もった疲れを程よい温度のお湯が中からじんわり押し出すようにしてくれる。

それでも寝付きが悪いときには、シンプルな伴奏の歌声が耳にもやさしい。
例えば、Livingston TaylorのInkはどうだろう。


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リヴィングストン・テイラーの歌うカバーアルバム。
中でも特に気に入っているのは1曲目、スティービー・ワンダーの名曲"Isn't She Lovely" 。
先日紹介したMangerのCDにも入っていた曲だが、
録音も素晴らしくて、いい歌、良い演奏というだけでなくaudio的快楽度も高い。
システムのチェックとかそういうのではなくて、歌の浸透力がとにかく凄くて、
聴いてるこちらが思わず、おー、と声が出てしまう(笑)。

全12曲、トータル約46分の構成で、ほどよい長さもいい。
聴き始めるとあっという間に終わってしまうから、あれ、と思う時もある。
布団の中に入ってから流しているときは、余計にリラックスできるせいか、
自然な眠気でに誘われて、3曲目の掛かったのを覚えていないほどぐっすり(笑)。
年末に向かってお世話になる機会が増えそうなお薬代わりの1枚だ。
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寒い季節によく合う音楽は
寒くなったと思ったら突然暖かな日があったりしてなかなか落ち着かないが、
何と言っても、もう12月。
1年過ぎるのは本当に早いもので、残すところ1ヶ月を切ってしまっている。

音楽好きなら空気の冷たくなるこの季節、
音の響きも良くなってちょっと嬉しかったりするが、
そんな中でも特に弦楽器の音は、本当に心を震わせるような繊細な響きでもって、
そうでなくとも出不精なのに、部屋での時間を一層楽しくさせる。 

中でも最近よく引っぱり出しているのは、
Ferenc Snetberger(フェレンツ・シュネートベルガー)という
ハンガリー出身のギタリストの演奏。
Dusko Goykovichのアルバム"Samba Do Mar"で彼の存在を知ったが、
このアルバムではあくまでも伴奏に徹しているので、
本当に驚いたのは彼のオリジナルアルバムを耳にしてからのこと。


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上のジャケットは惜しくも廃盤になってしまっている日本限定盤のベストアルバム。
94年から01年にかけての、スタジオ録音及びライブ録音からの12曲だ。

彼のオリジナル曲を中心に、
出自を思わせる熱い曲もあれば、思わず涙こぼれる繊細な響きのバラードもある。
編成も大小さまざまで、ストリングスと合わせたものなど、まさに美味しいところ取り。

彼の音色を、なかなかうまく言葉にすることができない。
すみずみまで緊張感に満ちているのに生血の温かさを持ち、それでいて美しく切ない。
超絶技巧という表現を持ち出してしまうと、きっと別なものを思い浮かべてしまう。

試聴はamazonのmp3コーナーでもできるが、ネット上の動画の方が雰囲気もよくわかる。
ディスコグラフィーは彼の公式サイトでチェックできる。
一般に購入しやすいのはメジャーデビューしてからのenja盤だ。

最近ちょっと聴きたいものが無くて、と食傷気味の方がいたら、
目をつぶって買ってください、と言いたい(笑)お薦めのミュージシャン。
盤はどれでも。眠れない夜のヒーリングの1枚なら"Balance"というアルバムが一押し。
冬の長い夜のお供にどうぞ。

◆ Ferenc Snetberger公式サイト http://www.snetberger.com/





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