音の快楽的日常

音、音楽と徒然の日々
寒くて夏が恋しい訳ではなくて
最近買ったロシアのポピュラーで、これはと思ったのがЧи-ли(チリ)の3rdアルバム。
年末に出てたのに何故かタイトルが"Время лето!"(サマータイム!)。
ここ数日余りに寒くて、その反動で聴いているというわけではないが、
中性的なヴォーカルを聴いていると、それだけでもう迷えるたましい(笑)は別世界、
年始のドタバタした慌ただしさを忘れさせてくれるのがいい。


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チリはカリーニングラードのダンスポップグループ。
デビューは4、5年前のことだったと思うけれど、
デビュー曲がそれはもう異様に流行って、
(否、たまたまメガヒットした曲をメジャーデビューとしたのだったか記憶が不確か)
ロシア中のストリーミングラジオ局でかかってたんじゃないのかと想像するほど。

わたしも最初は男性が歌っているのかと思い込んでいたが、
カナルワン(ロシアのTV局)の歌謡番組でチリを見たときはびっくりした。
歌っているのは女性で、それもモデルのように美しい女性だったから!
彼女の名前はイリーナ、一度聴いたらなかなか忘れられない独特の声音。

デビューの勢いそのままの1stアルバムから2ndで少し立ち止まった感があって、
今回のアルバムでは充電されたエネルギーが一気に弾けて乗れるサウンドに。
もちろんグループ全体のお洒落度もかなりのものなので、
Worldというよりは、ごくごく普通の洋楽ファンに楽しんでもらえそう。
モノは試しに、ぜひ彼らの公式サイトで試聴してみてください。


◆ Чи-ли  Official Site http://www.chi-li.ru

◆ 試聴はコチラ♪ → http://www.chi-li.ru/newweb/music/
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Песня года 2010-2011& Золотой Граммофон
これを見なければ新年が明けない、とまでは言わないけれど、
毎年楽しみにしているロシア版紅白?のピェースニャ・ゴーダ。
男女に分かれての歌合戦ではないが、人気の歌手、グループがずらりと揃うのは、
この番組ならではのこと。

一時期、経費節減なのか、貧弱な舞台でどうなることかと思ったけれど、
昨年あたりからまた豪華なつくりが復活、同じならこうじゃなくちゃね。

友人宅でいち早くさわりを見せてもらっていたけれど、
年末に予約していたDVDがようやく我が家にも届いた。
裏表で5時間超という詰め込みのため、さらにはPALから変換していることもあって、
画質は正直、それほどお薦めはできないが、なぜか後半の画像は安定して見易かった。


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歌や演奏はもちろん、興味深いのは歌う順番と曲数。
その年のヒット曲というだけではなくて、
歌い手としてのキャリアや格付けなんかも見え隠れする。

ロシアのポピュラー音楽は、
CDの売れ行きとコンサートの入りが必ずしも比例しないということで、
こういう場面でフィリップ・キルコロフが何度も出てきて納得。

このDVDの特典、ザラトイ・グラモフォン(有線大賞とレコ大がくっついたようなもの)では、
ゴーダに出てなくてもグラモフォンはゲット、のような歌手もいる。
後者はひょっとしたら売る側の意図がより強く働いているかも、そんな気がした。

復活の?ヒットで話題になったユーリィ・アントーノフ。
実はわたしがまだソ連のラジオ番組で彼の地の歌謡曲を聴き始めたころ、
ユーリィは既に歌っていたのだけれど(当時は暗めのフォークソング系)、
TV画面で見た彼はまるまる太ってすっかりロシアのおじさんになっていた。
ステキだったんですけれどねって、30年以上も経っていればムリもないか。

わたしとしては、ゴーダにデューナとかリュベーのようなグループが出てきて欲しいけれど、
今回はツヴェトゥイやベラルーシのシブルィが出ていて、演奏も凄くよかったし、
歌手ではガズマノフが髪をぐっと短くし、細身でシンプルなスーツがよく似合っていて感動。
よくも悪しくも、この番組はロシアの歌謡曲がものすごく好きな人間にとって、
新旧のミュージシャンの近況を確認するための無くてはならないもの。
逆に、新人や注目株の歌手をかいつまんでチェックするなら、
コンピレーションのDVDが手っ取り早い。

それにしても5時間を一気見するとさすがに目が疲れる(笑)。
眼精疲労で医者からも注意されているというのに、
せっかくの休みだからと、部屋で飲み食いしながらゴーダ鑑賞ですっかり寛いだ(笑)。
字幕はでないけど、構成はシンプルな番組なので、
歌謡曲が好きなら、とりあえずロシア語がわからなくても楽しく見たり聴いたりできる1枚だ。
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気持ちが優しくなれるよう
twitterでRon Sexsmithの新譜がもうすぐ出るよと紹介されていた。
リンク先の公式サイトで試聴した歌は、
どこか懐かしくて干し草の香りがするような気がした。
印象がとても良かったのでそのCDを予約したが、
さらに、ぜひ1stも聴いてみて!とお薦めをいただいたので、
早速探してきたのがこのCD。




95年リリースだからもう16年も前の作品だけど、
古くささは全くなくて、いつ聴いても変わらぬ良さというか、歌声の浸透感がすごい。
もう随分会っていないのに、
前触れもなく気さくに訪ねてくるような古い友人のような距離感でもって。

これから年度末まで慌ただしく、殺伐とした時間を過ごすことになるけれど、
心の中がささくれ立ってしまわないよう、
iPodに入れてときどき思い出したように聴くことにしよう。 
中川五郎さん、素敵なアルバムを紹介してくださってありがとう!
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Name of Love
久しぶりに「日本語の歌っていいなあ」としみじみした1曲、
ROLLYが寺西一雄名義で歌った"Name of Love"。
何の気無しに買ったCDに収められていた歌だ。


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先日、ネットニュースで見た、バンドメンバーのお見舞いのためのライブ記事。
そういえばScanchって聴いたことがなかったなあと思い、
それでふらっと気が向いて買ったのが上のCD、ROLLYのベスト盤。

バンドの名前は知っていても、
音楽じゃなくて出で立ちというかビジュアルを雑誌記事を見た程度で、
外見からの印象が強すぎたのがこれまで手が伸びなかった理由かも。

"Name of Love"は槙原敬之の作詞作曲でROLLYのオリジナルではないけれど、
あまりにしっくりしているから彼の歌だと思ったほど。
確かに、他のオリジナル曲と比べると「違う」ってわかるのだけれど、
ひとこと一言を大事にして歌っているのはどの曲も同じ。

キラキラしたサウンドの中で、
切なさや甘酸っぱさが弾けて広がるような不思議な世界。
もっと意外だったのは、CDを聴き終わったとき、とても優しい気持ちになれたこと。

新年開けてからというもの、夜遅い日が続いてグロッキー、って感じだったので、
はじめはビタミン大量接種のノリで買ったCDだけれど、
いい意味で期待が裏切られた(笑)。
もちろん、テンションがググッと上がる曲もあって思わず体がうごいたりもして。
一日のおしまいにいい曲を聴いたから、今夜もぐっすり眠れそう。
明日もまたがんばろう。
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探し難いレコード
CD店が撤退して残念だと言いつつ、
新譜CDはほとんど通販で調達している。
欲しいCDがどこの棚にあるのか探すのが面倒だったり、
お店で尋ねてみても、結局有る無しくらいしかわからなかったりして、
それなら短時間で安く欲しいものが探せる通販につい走ってしまう。

その一方で、
お店で探すのに時間をかけているものというと、本とレコードになる。
本はやはりさわりぱらぱらっと眺めて読みたいかどうか確かめたいし、
中古レコードは状態次第だし、ジャケットだけで買うという楽しみもあるし。

でも、探すのが大変なレコードというのも結構あって、
それはお店によって分類の基準がいろいろだったり、
そのレコードをどういうジャンルと捉えるかによって置くところも変わってくるし、
そもそもどういうお店に行ったらいいのかピンと来ないものもあったりする。

以前紹介してよく尋ねられるのは、Dino Saluzzi。
ECMからたくさんアルバムが出ているので、
ECMに強いお店ならちょろっと並んでいることもあるが、
ジャンルでいうと、JAZZのお店にありそうで意外になかったりする。


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先日、西新宿のHAL's JAZZ Recordsさんでサルーシとエンリコ・ラバの共演盤をゲットし、
とてもうれしかったのだが(上のジャケットがそれ)、
ハルズさんはECMの箱もあるし、エンリコのアルバムも結構見かけるので、
お店の品揃えにたまたま合っていたのかもしれない。

でも、サルーシのLP、Worldという棚があるようなお店では見たことがないし、
以前、どこだったかスピリチュアルと書いてある箱から1枚救い出した以外は、
LPどころかCDも、インターネットで検索して購入した。

繰り返しになるが、
聴きたい音源のジャンルが掴めていれば、或はこれと明確なら店頭でも探しやすいけれど、
人によって受け取り方の幅があったり、あるいはどれにもぴったり当てはまり難い場合は、
(多分、サルーシはそんな感じがする)
限られた時間の中で、お店の棚を上手に探すというのはなかなかに難しい。

わたしの探しているレコードは、そういうのが多くて、
そのせいで、若い男性のDJさんのようなお客が多いお洒落系レコ店にも、
わたしは臆せず足を踏み入れ、顰蹙を買っていないとはおもうけれども、
まるで宇宙人が乱入したかのように、お店の空気を緊張させてしまうこともある。

そんな時には、お店の方もお客さんも、どうか許して欲しい。
決して悪気は無くて、空気が読めていないわけでもなくて、
ただ探しているレコードがあるのではないかという好奇心だけで棚を覗いているだけだから。

ジャンルとジャンルの境界って多分ものすごく曖昧ではっきりした線は引けないから、
どっちにもひっかかりそうで、そうでもなくて、というレコードは、
確固たる居場所があまりなさそうで、いいレコードも多いのにと少し気の毒に思う。
いや、どこか気の毒がられているのは、実はわたしなのかも、知れない。
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『海辺の画廊』
ここのところ突然の訃報にたじろぐことが増えた。
もちろん、訃報なんて突然のものであって当たり前だけれども、
こういう声の魅力を持った方と巡りあうことはないかもしれないな、と思いつつ、
1枚のレコードに針を落とした。
『海辺の画廊』、細川俊之さんの1stアルバム。


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細川俊之という人は、わたしにとって演劇やテレビではなくて、圧倒的にラジオの人だ。
お洒落な空気をいつもまとっていて、それでいて堅苦しくなくて、
甘いけれど甘ったるくはなくて。

歌は、さすが舞台出身だけあって、聴いていて安心感のあるもの。
思わず耳そばだつというようなものではないが、
歌詞の一言ひとことを大事にしているのがじーんと伝わってくる。

イントロでナレーションを入れているような曲もあって、
やはり美声に注目した作り方になってるけれど、
一人部屋で聴いていてもちょっとばかり恥ずかしくなったりする。 
声自体は、どちらかというと晩年の落ち着いた声音の方が好みだけれど。

わたしの手元にはこの1枚しかないけれど、
調べたところではプレスリーを歌ったものやシャンソンっぽい作品集など、
あと数枚はLPがリリースされていたよう。

あんまり突然で亡くなられたという実感が湧かず、
追悼という気分にもなかなかなれなくて、
今夜も普通にいつものように、好きなレコードを聴いているだけのような気がしている。

10代、20代の頃に親しんだ音楽家や俳優の方の訃報に触れることが増えたのは、
それだけ自分が年を重ねたということなのかもしれない。

『海辺の画廊』、中古レコード店でときどき見かけます。
気持ちが温かくなる1枚、見かけたらぜひ手に取ってみてください。
レコードの話 | - | - | author : miss key
心の襞に沿うようにして響く
低いテンションを無理矢理上げるとか、
ヒリヒリするような心の痛みを癒してくれるとか、
ときにアルコールの代わりを音楽に求めることはあるけれど、
心の有り様のまま、まるでその襞に沿うようにして響く楽器の音色は何と魅惑的なことか。

わたしにとって、古楽器はまさにそのような楽器であって、
なかでもヴィオールの響きは、
例えば泣きたいときにはそのままに、まるで背中を摩るようにして体を包んでくれる。

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"Fantasias for the Viols"という古楽の作品。
Jordi Savall率いるヴィオールの合奏で、パーセルの曲集を聴く贅沢。
しんと静まりかえった部屋では、冬の寒さも却って豊かな響きを引き立てる。


実はこのCD、2ヶ月も前にAmazon.co.ukに注文していたもの。
Savallの豪華CDシリーズが廉価で買えるのがこのサイトだったので、
ついでにまとめ買いしたのだったが、
まさか船便になったでもあるまいし、いつもなら2週間ほどで届くのが、
どう間違ってかとても長くかかってしまった。
もう届かないのかもと思っていたからなおさら嬉しくて、
残業疲れもどこへやら、食事もそこそこにじっと聴き入ってしまう。

本作はSACDハイブリッド盤でaudioファンにも十分お薦めの音質。
美麗なジャケットにAltaVox盤に共通の詳細なブックレットも付いている。
美味しいお茶でも入れながら、身を任せるようにして聴きたい1枚だ。
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目の疲れが最近の悩みです
悩みらしい悩みがないわたしにとって、
最近の悩みといえば、ひとえに目の疲れが酷いこと。

本を読む時間が少なくなっているのは、
単に忙しくて時間がないとか、或は読みたい本が無いということではなくて、
多分に目が疲れていて字を追いかけるのが辛くなっているからだということに気がついた。

思えば、いつの頃からか職場でも自宅でも目薬は手放せなくなっている。
或はひょっとして、老眼が進んでいるのか?と思い、病院に行ってみたが、
老眼ではなくて、もともとの遠視が加齢でもって手元のピントが合い難いがために、
老眼のように思えるのではとのことであった。

特に辛いのはPCの画面を凝視するような作業の直後。
目の奥というか、酷い頭痛のような鈍痛で気が重くなる。
それで、今年になってPCの画面からなるべく離れるよう意識している。
何でもネットに頼りがちな生活だけに、どの程度実行できるか疑問はあるものの、
ここ数日はぼやけたり、目が腫れぼったい感じはかなり薄れている様子。
がんばって続けてみることにする。


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目薬もいろいろ試してみたが、
わたしにとって一番効果の出たのがロートV11という製品。
1つ1300円と、
今どき200円くらいで疲れ目用の目薬が安売りしていることからすれば高価だけれど、
目に刺激が少なくて、注したあとの落ち着き具合もよい。
リピートして2本目を使っているところであるが、
近接の視力も改善し、それなりの効果を感じるので、しばらく続けてみようと思う。

眼精疲労向けのタブレットもいろいろ出ているが、
サプリメントはその功罪について諸説あるので抵抗感がある方もいるはず。
わたしはメーカーの回し者ではないが、これは試してみる価値があるお薦めの1本。
画面での仕事が避けられない同様の悩みをお持ちの方に、ぜひ。

よもやま | - | - | author : miss key
ガーリーな雑誌にロシア雑貨が
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twitterで面白いのは、普段ならゼッタイに目を留めないような情報に引っかかってしまうこと。
例えば、お薦め本情報をダダ流れさせている呟きから拾った1冊の雑誌。
「ガーリー」 な雑誌というのが、ファッションや料理だけじゃなくて、
写真やカメラなんてジャンルにまで広がって久しいけれど、
眺めて終わりになってしまうものが多いようで、買って読むようなことまではなかった。
なので、今回の雑誌も書店では見つけられなかったと思う。

ロシア、ということばについ釣られて買ったのだが、
30ページばかりロシア雑貨が特集記事になっていて、
ファブリックやピンバッジ、切手に教会グッズなどはまあ普通としても、
マッチや食材なんかのパッケージデザインに焦点を当てているのがツボにはまっている。
もちろん人気のチェブラーシカもしっかり取り上げられている。
(ヴィンテージ・チェブのぬいぐるみは初めて見ました!)

これまで何度となくロシアを旅しているのに、
今思えば、なぜ彼の地の食器を集めておかなかったのかと大後悔。
どことなく昭和の香りにも似た、懐かしくてやさしいデザインは、
飽きがこなくて、ちょっとばかりレトロで眺めるだけでも癒される。
スーパーやちょっとしたお店で気軽に買えるのだけれど、
壊さずに持ち帰るのが億劫で、また今度、また今度と言っているうちに、
海外旅行からすっかり脚が遠のいてしまった。

こうして記事をパラパラと眺めているだけでも、
ステイ先でごちそうになった魚のスープの味がじんわりと思い出され、
思わずごくりと唾を呑み込んでしまう。
近々材料を買い込んで、ボルシチでもつくろうか。
寒い時期には寒い国へなんて簡単に飛行機を予約していた頃が噓のような、
腰が重くて仕方のない今日この頃、せめて食感と味覚で痩せた心を満たしてあげよう。

ロシアなものが好きな方におすすめの1冊。
でもかえって禁断症状がでてもあしからず(笑)。
よもやま | - | - | author : miss key
新幹線を乗り間違えそうになった正月
引きこもりから社会復帰すべく重い腰を上げて田舎から戻ったが、
今回は帰りの航空券がどうしても取れなくて、10年以上ぶりに新幹線を利用した。
それも禁煙で指定を取ろうとしたらグリーン車しか取れず、
仕方ないとはいえ正月そうそう随分な贅沢をした。

ターミナル駅も覚えていたものと全く様子が変わっていて、
買物や乗り継ぎにまごついてしまったが、
乗るべき列車を間違えそうになったのは生まれて初めてのこと。

◯時40分台としか頭に入れずに、これだと思い込んでいそいそと乗り込み、
「9号車12A席」にしっかり陣取って荷物を片付けたは良かったが、何となく落ち着かない。
 それで切符を確かめたら、わたしが乗らなければいけないのは隣のホームに停まっている、
この列車(◯時47分発)の4分後(◯時43分発)に発車するのぞみだった!
この時点で時計を見たら既に40分を回っている!!

わずか数分間隔でのぞみが連発するなんて想像もしていなかったとはいえ、
こんなにいい加減でうっかりしたことはなかったので、
とにかく荷物を持って慌てて乗り換えた。
さっき乗った車両と同じグリーンでも様子が違うので、どぎまぎしてしまったが、
今度は大丈夫だった(滝汗)。

とにかく落ち着かなかった。
せっかく買った蓬莱の焼売も食べる気がせず、とりあえずイヤホンを耳に突っ込んだ。
こういうときは、iPodがありがたい(笑)。


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取りあえず、Syd Barrettの編集盤を聴いた。
年末に発売されていたこのCD、Gilmourがエグゼプティヴ・プロデューサーだというので、
あまりこういうCDを買わないのだけれど、つい聴きたくなって買った。

とはいえ、Sydのレコードは昆虫ジャケットのを持ってる位で、
Floydファンなのに全然力が入ってない。
なので、18曲中4曲は2010年リミックス、とあるけれど、どの辺りがそうなのかは不知。
音も決してHi-Fiではなくて、公園の日だまりでうたた寝でもしたくなるような感じだ。

以前、虫ジャケのレコードを勧めてくださった方が、
彼の音楽を聴いていると英国の田園を思い浮かべる、そんな表現をされていたのを思い出す。
わたしの田舎は、英国の田園ではないが、
家もまだまばらな田圃と畑となだらかな山に囲まれ、
夜には2時間に3本しかないローカル線の音が、がたごとと響いて和ませてくれる。
2つは全然違うのだろうけれど、
つい数時間前までのんべんだらりと過ごしていた田舎のことを思い浮かべたりする。

田舎というものは、遠きに在りて思うもの
そんなことをぼんやり考えていたら、このアルバムも最後まで聞き終わってしまった。
気分はようやく落ち着いたけれど、やっぱり焼売は開けずじまい。
よく考えたら、否考えなくてもこの時期は満員で、
この手のものを車内でというのはまずかった。

降りるのは終点だから寝過ごす危険はないけれど、
読み止しの福田和也氏の新著(といっても対談もの)を開いた。
この対談集、都内一円の有名「とんかつ店」でのもの。
おかげで焼売は食べ逃したが、2時間も読めば脂の匂いでお腹がいっぱい(笑)。

新年早々、何だか余裕がなくて嫌になるが、
まあ自分らしくていいかな、とは誰も言ってくれないから自分にかける言葉であって。
新しい1年、いつもどおりマイペースでいこう。
今年もまたたくさんの音楽と出会えますように。
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