こんなときこそラジオがいい | 2011.03.28 Monday |
震災以来、電気屋さんからラジオの在庫が消えた。
特にポケットに入るような、通勤電車の中でサラリーマンの方が使っているようなもの。
あの、家に帰るにも難儀した夜のことは忘れられない。
職場で見たTV、何度も同じような津波の映像をガンガン流していたし、
テロップと映像が食い違ったような火災の様子も。
急なことなので、大勢に知らせるために同じような内容でも繰り返し流したのだろうが、
絵がすっかり頭にこびりついてしまい、情報過多が却って頭の中を混乱させた。
情報がいち早く必要な時に限って、必要な情報を選びとることは意外に難しい。
それに比べラジオは、
あのぎゅうぎゅう詰めのバスの中で、
どなたか親切な方がラジオを付けて周囲の者にも聞かせてくださったが、
情報もシンプルで分かりやすく、何しろ音声だけだというのが思いのほか有り難かった。
それで、わたしもポータブルラジオを買おうと思い、後日、量販店に出かけたが、
同様のことを考えられる方が多いのか、すっかり売り切れて次回入荷も未定とのこと。
新聞記事によれば、各メーカーが要請を受けて被災地に製品出荷を集中させているとのこと。
とはいえ、耐久性に難がありそうな海外製の廉価な製品には手を伸ばし難い。
ならば、と、
20年近く前に使っていたポータブルカセットプレーヤーにラジオが付いていたのを思い出し、
今夜、部屋に戻ってから早速家捜しをした。
わたしの初代ポータブルカセットプレーヤーはアイワのカセットボーイだったが、
高校に入ってから使い倒して壊してしまって今はもうない。
確かその機種にもチューナーパックというのが附属していてラジオが聞けたのだが。
それで押し入れから発掘されたのは下の写真のもの。
パナソニックの製品で、なんと電池ホルダーも一緒に出てきた。
これがないと、ガムのような電池でなければ動かないのでまた難儀したところだった。
使わないで随分長い間放置してあったので故障しているかも、と思ったが、
充電した電池を入れて試してみると、ラジオの感度も良好、これならばっちり。
明日から、通勤の鞄に入れたまま持ち歩くことにした。
もちろん、非常の際の出番なんてないに越したことはないが。
じつは、ポケットには入らないまでも、
SONYのICF-4900というポータブルラジオが手元にあるが、
ボリュームがばかになってしまっているし、ガリも酷すぎてとてもイヤホンで聴けない。
見た目も使い勝手も抜群に気に入っているのだけれど、
修理に手間がかかりそうなので、故障したままにしていた。
もう一台あるポータブルラジオは単2電池が要るが、
近所ではまだ電池が売り切れなのでこれも出番なし。
うちはラジオだらけなのに、
テーブルに置く大きなタイプのものばかりであることに気が付いた(笑)。
話は逸れるが、こんなきっかけではあるけれど、
大勢の人がラジオやラジオ番組の楽しさに改めて気付き、見直されて、
ラジオ放送がもっと盛り上がっていけばいいなと思う。
ラジオ小僧の独り言が床に積もり積もった静かな夜。