Red Heat | 2012.08.27 Monday |
ちょっとしたきっかけで、ふとある映画のことを思い出した。
A.シュワルツェネッガー主演の"Red Heat"(邦題「レッドブル」)。
米国映画作品として初めて赤の広場での撮影を許可された、というエピソードはもちろん、
この作品のオープニングテーマが何とも印象的で、すっかり頭に焼き付いてしまった。
当初はサントラを担当したJames Hornerのオリジナルだと思っていたのだが、
かなり後になって、
原曲はプロコフィエフの「十月革命20周年記念のカンタータ」第2楽章であることを知った。
レッドブルのOSTレコードも手元にあるはずだが、探しても出てこない。
最初のテーマばっかり聴いて、その部分だけ溝が痛んでいるようなレコードだが、
どうやら以前のオーナーさんもそうだったのか、最初っからそういう状態で(笑)、
でも気持ちはわかるような気がする。
プロコフィエフ、手元の音源をあれこれ聴いてみると、
愛国心を鼓舞するようなメロディのものが結構あったり、
スキタイ組曲のようなド迫力の大編成ものもあったり、ピアノ曲がずらり揃っていたりと、
思っていた以上に意外性のある作曲家だと改めて思う。
来日時のインタビューなどから、性格悪いみたいな評もあったようではあるけれど、
この曲を聴いていると、まあそんなことはどうでもよくなってしまう。
演奏のテンポやコーラスに女声が入るか入らないかなどで、
聞こえ方も随分と違うし、表現の幅もあるこの第2楽章「哲学者たち」。
領土問題であれこれ話題にことかかない時節柄、
こういう曲を聴いていて隣近所の方はどう思うのかと思わないでもないが、
背筋がしゃきっとしてお腹に力の入る曲は、たまにはいいものだと思ったりする(笑)。
ちなみに、CDでは、Neeme Jarvi指揮、フィルハーモニア・オーケストラ演奏のものが、
Chandosから出ている。
下の音源の背景にあるのは、プロコフィエフを記念した切手なのだそう。
想像していた顔とも全然違う、これでわたしにとっての「意外性」がまた積み重なった。
さて、もう1回、この曲を聴いて寝ることにしよう。
cinema & Soundtrack | - | - | author : miss key