秋の終わりは冬の入り口 | 2012.11.25 Sunday |
久々に府中は東京競馬場へ。
例年にも増して豪華を極めたジャパンカップを自分の眼で確かめたくて出かけたが、
公式発表では昨年より入場者数、馬券の売れ行きともに上回ったのだとか。
三冠馬、という響きは、
10年くらい前までは、今よりずっと重かったような気がする。
三冠馬になるのが容易くなった、という意味ではなく、
血の争いに加えて、調教や環境の調整技術が向上し、
海外の一流どころと互角に張り合える馬が1頭や2頭ではなくなった今、
持てる力を発揮して「突き抜けてしまえる」馬が出てくるようになった。
そして今日。
牡牝の三冠馬が相見えるとはいっても、直線の尽きるまで互いに譲らないレースになるとは、
いったい誰が想像できたろう。
勝った馬のコース取りが強引だということでペナルティが下されたが、
結果は入着順通り、おそらく初めて三歳牝馬がジャパンカップ優勝馬となった。
若馬でしかも牝馬が戴冠というすばらしさは言うに尽くせないが、
やはり血は争えない、いつだったかの彼女の父が豪脚を披露したJCを思い出した。
話題になりながらも、倍率はそれほどでもなかった凱旋門賞馬ソレミアは、
たいした見せ場もなく着外に沈んだが、それだけアウェーでのレースは厳しいということか。
審議が長引いて会場を後にするタイミングが難しかったが、
馬同士がぶつかったからといって微妙ながらも着が変わるような気はしなかったので、
いかにも冬の入り口らしい清々しい空気に包まれた競馬場を後にした。
同様のお客で混み合う車中、その清々しさを失いたくなくて聞いた音楽は、
アルメニアの歌手、HAYKOの"Norits"という、少し前のアルバムだ。
アルメニアの歌手の中では、最も洋楽ポピュラー寄りの一人で、
コクのある声音ながら、ラブソングを美しいメロディに乗せて淡々と歌い上げる。
最近は新譜の発表もないようで、少々残念だが、
旧譜は4枚ほどで、アルメニアの音楽CDを売っているネットショップでまだ入手できる。
mp3で良ければiTunesでも買えてしまう。
このアルバムは2004年の作品で、今から8年も前のものだけど、
スローでメロディアスな、それでいて甘過ぎないラブソングはそう古びた感じはしない。
アルメニアの歌謡曲は、ドゥドゥークが騒がしく、アップテンポで濃すぎる!印象が強いが、
Haykoの歌は初めて聞いた方にも、違和感なく受け止めてもらえるのでは。
センチすぎないバラードは、今日のレースの余韻にぴったり。
最後の直線を反芻しつつ、思わず天を仰げば、空の色はまさに冬そのもの。
JCも来週のダートでお終い、さあ、気持ちを切り替えていこう。
pop & rock | - | - | author : miss key