雨の桜は寒々として | 2013.03.31 Sunday |
もう1週、桜を愉しめるかと楽しみにしていたが、週末が近づくにつれ天気は下降気味。
気温の上下動も激しくて、桜を観るどころか体調がおぼつかず。
光の少なさと咳き込みで、今年の桜写真は手振れを大量増産。
フィルムの時代だったらとてもできたものじゃないと、デジタルの有り難みが身にしみた。
さて、寒の戻りと薄暗い雨混じりの曇天の週末、
じっくり聴き込んでみたのは、Lisa Batiashviliの最新録音。
ブラームスは日頃、交響曲ばかり聴いていて、そうでなければグールドのピアノぐらい。
それに女性の演奏家の録音はあまり手元になくて、馴染みもないのだけれど、
Lisaの作品は、あの印象的なジャケットの、ショスタコーヴィチを弾いたのが凄く好きで、
彼女の、時折、仄暗さを感じさせる弦の響きに魅了され、
それ以来、新作が出るのを楽しみにしていた。
雨に湿った桜の花にもにて、
しっとりと、そして艶やかに響くLisaのバイオリン。
花粉症のこの時期、指の先まで乾燥しきってしまうような毎日だったが、
これで潤いたっぷり補給して、明日はなんとか新年度を爽やかに迎えることができそうだ。
***
桜を追いかけて北上も考えていたのだけれど、
あまりに体調が伴わず、それでいて年度の切れ目も関係なく仕事が追いかけてくるので、
GWが過ぎるあたりまではおとなしくしていることにした。
今年は新年早々インフルエンザで出端を挫かれ、
以来、かかりつけの専門医にお世話になりっぱなし。
こんな年も珍しいのだが、しっかりと足下を見直せとのメッセージと受け止めている。
ぱっと咲いてぱっと散る桜という花の、まさにその潔さに特別なものを感じるけれど、
ここ数年特に思う、春という季節のあまりの短さにも似て、
どこか落ち着かぬ心許なさは、
やっぱりこの季節特有のものだと空を見上げては溜息が漏れる。
今年の桜写真はどうやらこの辺で撮り納め。
少しずつデジタルカメラにも慣れてきたので、
次はもっと表情の豊かな様子を収められるよう精進しよう。
(嗚呼、少しやる気が出て来てよかった、で安堵の溜息、部屋の床には溜息の山)
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