少々場違いな、それでもノスタルジー | 2013.05.26 Sunday |
今日は誰が何と言おうと東京優駿、第80回の記念すべき日。
それが不幸なことに仕事の用向きとぶつかってしまい、
午後の良い時間、都内のある大学キャンパスにくすぶっていた。
新しく増築されたと思しき建物が古い建物の合間に見え隠れ。
OA対応のためか、床が上げてあって、普通に歩いてもちょっと撓む違和感。
都心であってもこれだけの緑、風が通れば十分な教室では、
なぜかエアコンフル回転、24度設定くらいだっただろうか、
おかげで3時間ほどの滞在ですっかり体が冷えきってしまった。
椅子が随分小さく感じたのは、きっと自分が横方向に「育って」いるからだ。
それにしても椅子も机もミニマムで、郊外の学校に通った自分の記憶とつい比べてしまう。
随分と長く感じられた拘束が解けて、外に出たらダービー発走直前5分前。
慌てて電話のワンセグを付けてみたけれど、音をどうやって出す? チャンネル合わせは??
日頃いかに携帯を触っていないかが身にしみる、それでも何とかなったからまあいいか。
キズナという名に思いを馳せたファンもたくさんいただろう。
わたしはちょっと古いレース、ファレノプシスのレースを思い出していた。
或は父馬であるディープインパクトのダービーを。
お父さんほどまとめてごぼう抜き、という訳ではなかったが、
観ていて胸熱くなるレースをするのはキズナも同じ。そして鞍上も。
家に戻ってクールダウンできる音楽が欲しかった。
なので、先日出たばかりの細野さんの新譜を。
必要最低限にしたのかと思うような、厳選された音数の伴奏に、
ゆらゆらっとゆったり歌っている細野さん。
Heavenly Musicというタイトルそのままに、
メロディの美しさ、歌詞の美しさを大事にしたアルバム。
細野さんのこれまでのアルバムと比べると、随分あっさりとしていて、
妙に張り切ってしまうこちらの力みを見透かされてるみたいな。
2ndアルバムにあった独特の軽みから脂もなにも抜けてしまって、このあっさり味、みたいな。
気がついたらうとうと、そういえば今日のような午後は、
気持ちのよい風に吹かれてうたた寝なんて最高だったはず。
兵どもが夢の跡、じゃないけれど。
何度振り返っても、今日のレースは進路をこじ開けた強さが気持ちの強さをも物語っていた。
自分の道はそうやって開いていくものだよ
優勝馬にそう教わったような気がした、都心の午後。
もうすぐ夏、の緑が眩しかった。
pop & rock | - | - | author : miss key