Amazing! Nikolay Khozyainov Live in Hamarikyu-hall | 2014.08.25 Monday |
そんなに生演奏慣れしている訳ではない。
だから、比較するものの数も知れているのだけれど、
今夜のピアノ・リサイタルは驚きのひと言に尽きた。
昨年に続き来日の若きロシア・ピアニズムの担い手による一夜、
築地は浜離宮朝日ホールでのNikolay Khozyainovのリサイタル。
使用する楽器がYAMAHAのピアノということで、
耳あたりも少しばかり違ったのかも知れないが、
調律のびしっと決まった楽器の響きであったとしても、
正確な打鍵から放たれる響きの何と伸びやかで美しいことか。
さて、演目はシューマンのアラベスクに始まり、2曲目にいきなりダヴィッド同盟舞曲集が。
あっけにとられている端から、リストのメフィスト・ワルツ第1番へ。
これが前半のプログラムというのも溜息ものであったが、
想像を遥かに超えて迫り来る音楽の波に溺れてしまう。
確かに、難曲をいとも軽々と弾きこなすピアニストは彼一人ではないだろうが、
弱冠22歳にして提示してみせる世界はこれまでに体験したことのない音空間。
前半と知りながら思わず立ち上がりそうになったのはどうやらわたしだけではなかったよう。
ショパン・コンクールで優勝を逃したことが話題になったほどだから、
日本でもファンの多いショパンの楽曲を後半に備えているのはわかるとしても、
子守唄変ニ長調からピアノソナタ3番になだれ込んでいく様は、
前半あれだけ弾いてまだ、と呆れるほど。
小柄で細身で、手もそれほど大きくなさそうな。
でもピンと伸びた背筋と肩から指先までがとてもしなやかにつながっている様に、
あれだけの音量で奏でながら何ら無理も感じさせず、
楽器とあんな風にコンタクトしているというのがもう何とも羨ましくて。
難曲を交えてのプログラムが終わると気持ちが晴れたのか、
メドレーを入れて5曲ものアンコールが演奏され、
しかもウイットに富んだアレンジが目白押し。
要するに彼は、ピアノが大好きで、ピアノの演奏が大好きで、音楽が大好きなんだと。
しかもお客さんを楽しませようという気持ちがたっぷり伝わる濃密な時間。
あくまでタラレバだけれども、
プログラムが前後入れ替わっていれば、
今夜のスタンディングオベーションはもっと人数が増えたはず。
もうじっとしていられないほど、お尻がむずむずするほどだったのだから。
リリカルで瑞々しくて、そして何と外連味のなさよ。
時に悪魔にでも魅入られたかのような激しさと、そして破綻すれすれを行く大胆さと。
理屈抜きに、ありがとう!を全身で表現したくなった夜もそうは無い。
また追いかけたくなった演奏家と出会えた夜に感謝しつつ、
確かにその場に居合わせたことの幸運を噛みしめつつ、
次回、彼の演奏を聴く機会を心待ちにすることにしよう。
だから、比較するものの数も知れているのだけれど、
今夜のピアノ・リサイタルは驚きのひと言に尽きた。
昨年に続き来日の若きロシア・ピアニズムの担い手による一夜、
築地は浜離宮朝日ホールでのNikolay Khozyainovのリサイタル。
使用する楽器がYAMAHAのピアノということで、
耳あたりも少しばかり違ったのかも知れないが、
調律のびしっと決まった楽器の響きであったとしても、
正確な打鍵から放たれる響きの何と伸びやかで美しいことか。
さて、演目はシューマンのアラベスクに始まり、2曲目にいきなりダヴィッド同盟舞曲集が。
あっけにとられている端から、リストのメフィスト・ワルツ第1番へ。
これが前半のプログラムというのも溜息ものであったが、
想像を遥かに超えて迫り来る音楽の波に溺れてしまう。
確かに、難曲をいとも軽々と弾きこなすピアニストは彼一人ではないだろうが、
弱冠22歳にして提示してみせる世界はこれまでに体験したことのない音空間。
前半と知りながら思わず立ち上がりそうになったのはどうやらわたしだけではなかったよう。
ショパン・コンクールで優勝を逃したことが話題になったほどだから、
日本でもファンの多いショパンの楽曲を後半に備えているのはわかるとしても、
子守唄変ニ長調からピアノソナタ3番になだれ込んでいく様は、
前半あれだけ弾いてまだ、と呆れるほど。
小柄で細身で、手もそれほど大きくなさそうな。
でもピンと伸びた背筋と肩から指先までがとてもしなやかにつながっている様に、
あれだけの音量で奏でながら何ら無理も感じさせず、
楽器とあんな風にコンタクトしているというのがもう何とも羨ましくて。
難曲を交えてのプログラムが終わると気持ちが晴れたのか、
メドレーを入れて5曲ものアンコールが演奏され、
しかもウイットに富んだアレンジが目白押し。
要するに彼は、ピアノが大好きで、ピアノの演奏が大好きで、音楽が大好きなんだと。
しかもお客さんを楽しませようという気持ちがたっぷり伝わる濃密な時間。
あくまでタラレバだけれども、
プログラムが前後入れ替わっていれば、
今夜のスタンディングオベーションはもっと人数が増えたはず。
もうじっとしていられないほど、お尻がむずむずするほどだったのだから。
リリカルで瑞々しくて、そして何と外連味のなさよ。
時に悪魔にでも魅入られたかのような激しさと、そして破綻すれすれを行く大胆さと。
理屈抜きに、ありがとう!を全身で表現したくなった夜もそうは無い。
また追いかけたくなった演奏家と出会えた夜に感謝しつつ、
確かにその場に居合わせたことの幸運を噛みしめつつ、
次回、彼の演奏を聴く機会を心待ちにすることにしよう。
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