音の快楽的日常

音、音楽と徒然の日々
Gold
京浜東北線沿線のとある古い街を歩いてみた。
夕方、まだ少し日が高いうちからぶらぶらとして、
駅前の、そこだけが少し古い佇まいの居酒屋で、
各々の流儀で淡々と呑み進む酔客に圧倒されつつ、
​冷たいビールと串カツをいただき、
涼しくなった風にあたりながら、また少し歩きだしてみた。

懐かしさと、新しさの入り交じる夜の街はなんだか新鮮だった。
都心にほど近いその街は、とっぷりと暮れるほどに人が溢れ、
行き交う人々の表情も明るい気がしたのは、私が酔っていたからではないと思う。





そう、懐かしさと人の温もりとを感じさせてくれる歌が聴きたかった。
サーチライト、玉置浩二の歌うその歌が頭の中で自然と鳴り出した。
ポータブルプレイヤーを取り出すこともできたけれど、
聴きながら歩くなんてその街の風情にはまるで合わない気がして。





ジャケット見るとちょっと引いてしまうけれど、
まあ聴いてみてくださいな、という感じの1枚。
どちらかというと、秋とか、夜の風がいい感じのときにしみじみ聴きたいけれど。

それにしても、一気に真夏のような気候になって、
体がついていけないのか、いろんな意味で息切れしてしまってるようだから。
これという音楽を探して補給していかないと、
なんて夜の街で思い浮かべることではないけれど。
今年も長くて暑い夏が始まった。
ビールの飲み過ぎに気をつけなければ・・・ね。
 
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フェアリーテイルズ
敵機来襲!ではないが。
ベランダにある鉢植えが、ハダニに襲われてしまった。
彼らは小さいから朝方の暗いうちや夕暮れ時には目につきにくいとはいえ、
気がついたらミニバラのいくつかは相当な被害に、
大きな鉢のバラも2種類がハダニまみれになってしまった。

手で払って追いつく代物ではないので、仕方なく薬をつかった。
できるだけケミカルなものを避けたいので、最近出たばかりの植物由来のものを用意したが、
2000倍にも希釈して噴霧するあたり、ほんとうに穏やかな成分なのかどうかは疑問が残る。
それでも、つい先日まで花を咲かせていたバラやその他の花々を枯らせてしまうよりは。


作業が終わり、悪夢を振り払うようにして座り込む。
薬が効いて、花や木が持ち直すかどうかは数日待ってみないことには分からない。
込み入った枝や葉を整理し、被害の酷い部分は取り除いて天命を待とう。

静かにしていたいから、否静かにしていたいのなら音楽は要らないのだろうけれど、
ほんとうにシーンとした部屋でいるのは気詰まりだったので。
透明感に溢れたヴォーカルで心落ち着く音楽を選ぼう。
Radoka Toneffの"Fairytales"。





どういう由来の盤なのかは知らない中で、
部屋で静かに過ごしたいときのBGMとして、どこかでお勧めされていたのを、
ジャケットが素敵なので買った1枚だ。
陽射しの強く、狭苦しいベランダでの苦行が嘘のようだ。
窓の外とこちらがわ、グラスに冷たいソーダを注いだら、あとはひたすらぼんやりするだけ。

そろそろ熱中症にも気をつけないといけない季節だが、
草花の世話は待った無し。
毎日、毎日、来る日も来る日も作業を続けるから、花が咲くとうれしいし、
咲き切った花の後始末はまるで心の整理作業そのものだ。
水やりは毎日だから、遠出もままならないが、
それも今では苦にならないでいる。
いっしょに暮らしている感覚、無機質なベランダではあるけれど、
窓を開ければ土と緑の匂いがする今の部屋がとても好きだ。
明日からまたがんばって働こう。


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月に濡れたふたり
最近は、ブームにあやかってなのか、
新譜がLPレコードで出ることはそう珍しくないのがありがたい。
人によってはもうCDで買うこともあまりない音源だったりするのだろうが、
単なる耳馴染みや懐古趣味以上のものがどうやらレコード盤にはあるようで、
若い頃聴いていた歌や曲をもう一度、と思うとついつい盤を探してしまう。





安全地帯の6枚目のアルバム、「月に濡れたふたり」。
彼らの音楽はちょうどこの6枚目までの楽曲が好きだ。
ただ、お金に余裕がない時期に出たアルバムなので、
友人に録音してもらったカセットテープを、
それこそ伸びてしまいそうなくらい聴いていたのだけれど、
このアルバムは後にCDで購入し、
ちょうどレコードとCDが入れ替わるその時期に出されたレコードは手にする機会もなかった。

自分自身がレコードで音楽を聴くのを再開し、盤を中古であれこれ集めるようになってから、
彼らのアルバムも1枚目から4枚目まではすぐに手に入ったが、
5と6がなかなか無くてそのままになっていた。
5は3枚組で少々値が張って、当時のリスナー世代に簡単に買えるものではなかったから、
中古で出回る数もそんなになかったのだろう。

レコードはやっぱり出会いだ、と思う。
ちょっとしたきっかけで5を見つけたと思ったら、6も偶然手に入れることができた。
5から数日遅れのことで驚くほどだったが、とにかくありがたい。
盤運というものも、やっぱりあるな、と納得の出来事。

さて、月に濡れたふたり。
シングルカットされてヒットした表題曲の他にもラジオなどでよく流れていたあの曲、この曲・・・。
CD音源の再生と比べてみると、CDの方は、やや圧縮感のようなものが耳障りだ。
もっとも比べてみての感じではあるけれど、
せっかくだからこれからはレコードで聴くことにしよう。

10代の頃はカートリッジもそう買えるものでもないし、
盤で直に聴くことは贅沢な気がしていた。
それに何と言ってもカセットテープに編集するのが楽しみで、
そういう時代に聴いていた方の手放した盤というのは同様にして痛みが少ない。
もちろんその後の保存状態にもよるけれど、
傷のほとんどない綺麗な盤を眺めていると、当時の自分が目の前に現れるようで、
少々気恥ずかしかったりもする。
思わず遠い目になる初夏の夜。


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私以外私じゃないの
GWの連休中、持病のヘルニアが悪さして折角の好天続きの中、インドア静養。
長年付き合って来て、いまだに相手の性格がよく掴めない。
とにかく相手に合わせるしかないなんて。何とかの○○みたいで嫌だ(笑)。

出かける予定は全て流れてしまったので、日々ベランダを眺めてすごした。
今年は育てているバラの花数が多くて、
眺めていてもいなくても枯れるのなら、できるだけ眺めていようと思った。


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たくさんの蕾が枝先について、やがて膨らみ、開花する。
その繰り返しなのだけれども、何度眺めていても飽きることが無い。


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桜のような潔さまでは感じないまでも、
単純明快に、難しいことを考えず、一生懸命生きる。
それが人間だとなかなか難しいのはなぜだろう。

ここに住み始めたときには随分殺風景だった猫の額のベランダが、
緑と色とりどりの花でいっぱいになり、花目当てに虫や鳥がやってくる。
やわらかな陽射しの入る午前中、そんなに大きくない音で音楽を聞いていると、
ああやっとこうしたいと思っていたことが見つかったような気がしたりもする。
来る日も来る日も、またその次の日も同じように過ごしてみて。


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何のきっかけで彼らを知ったのかは忘れてしまった。
ゲスの極み乙女。の「私以外私じゃないの」。





日本語で歌われた歌を聞いている時間は意外に少ないので、
今時のメジャーなバンドをいくつもあげることはできないが、
動画で初めて彼らの演奏を眺めたときに、ああ、これは癖になるなと思ったら、
やっぱりそうだった。

メジャーデビューしてフルアルバムが1枚、マキシが数枚という彼ら、
どの曲を聞いてもすごくポップでキャッチーで、生き急いでる感たっぷりで。
いま私が欲しいのはのんびりであって、焦る気持ちではないんだけれども。



 


医者からぜひ続けるよういわれているストレッチ運動のBGMとしてもかなり無理があって、
今聞くべき音楽じゃないんだけど、どういうわけだかリピートしたくなる(笑)。
もう困ってしまうくらい。

彼らの音楽を聴いていて、気になることが1つ。
キーボードがわずかに遅れて飛んでくるのが、どうも座りが悪くて。
エネルギーがはち切れそうな彼らの音楽からして大したことではないけれど、
ここがびしっと決まったらもうこれしかないというくらい中毒になるかも。


今週末でようやく連休の気分が抜けたと思った頃に、
ヘルニア痛も少し和らいできて、
あと数日早かったら、あちこち行きたかったなどとつい口に出るが、
晴れの日も風の日も、ごく当たり前のように咲き誇る花を眺めていると、
そういうあれもこれもただ深呼吸をしてすべておしまいにできる。
毎日を「普通」に過ごすことがすごくむずかしいと感じた2週間だった。


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