音の快楽的日常

音、音楽と徒然の日々
夕暮れ時の
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梅雨の最中だというのに、夕暮れ時の空があんまりきれいなので、
折角早く帰ってきたのに、廊下に出たままずっと外を眺めていた。
雲がこんなにも棚引いて、たった1つしかない模様を描いているかと思うと、
ほんとうは、ただ眺めて記憶に留めるのが贅沢だと思いながらも、
つい写真を撮りたくなる。
デジタルの便利さがいいのか、悪いのか。


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暗くなるまで眺めていたら、随分と冷たい風が吹いてきて、
あの蒸し暑かった昼時は一体何だったんだろうと思いながら、
頭の中には、先日教えてもらったEvgeni KoroliovのGoldberg Variationsが流れてた。
ゆったりとしたアリアが繰り返し、繰り返し、飽きることも無く。

***

昨日と言えば、朝早くにクリニックに出かけ、ここ数週間酷くなった腰痛を診てもらった。
椎間板の間隔が更に詰まって具合が悪いのかと思い込んでいたからつい気後れしていたが、
診断の結果は筋肉の疲れによる痛みで、いわゆる腰痛だった。
自己診断せず、次回は早めにクリニックへ行こう、
そういう反省も、時が過ぎれば忘れてしまうのだけれども、
昨日の夕暮れは、やっぱり忘れ難い色あいだった。
今夜は脳内再生ではなく、Koroliovのバッハを聴きながら寝ることにしよう。
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雨の1日
梅雨の雨というのは、なんというか、しとしとと降り続くものだという印象があったが、
最近はどうも違うらしい。
ざあっと一頻り降ったかと思えば、からりと上がってしまっていたり。
もちろん、雨上がりの涼しさは何ともいえない有り難さで、
窓から吹き込む風の心地良さについうたた寝しそうになる。

最近は新譜を買うのに、買おうかなどうしようかなと数日迷ったあげくに、
ようやく購入するという状態で、
1枚1枚を拾うのに随分と時間がかかってしまう。
以前は買って一度ざっと聴いて、それっきりの作品であればそれまでよと、
なんと形容して良いものか、或る種の割り切りもあってそういうスタンスであったが、
残されている時間を使って聴く、とやや大袈裟に考えてしまうようになってからは、
やたらに音源を足下に積み上げるような聴き方自体も辞めてしまった。

結果、それで良かったと思う。
思わぬ出会いに驚くような、開けてびっくりみたいな体験は激減したが、
その分、1つ1つの作品とじっくり向き合う時間ができたのだから。

you tubeでのメイキングPVですっかり気に入って買ったのは、
Brian Wilsonの"No Pier Pressure"。





彼のソロアルバムはイマジネーションという作品が好きで、
特に夏の午後なんかは聴きながらつい居眠りをしてしまうのだけれど、
質的にはそれとは違うんだけれども、聴いていてすごく幸せな気分になれるのは、
今回のアルバムにも共通して言えることだ。

16曲にボーナス2曲を加えた全18曲の中で、ついリピートしてしまうのは、
"The Right Time"。
歌詞の意味を追いかけながら、思わず遠い目になる。
今年の梅雨はそう悪いものでもなくなったような気にさせる1枚。
 
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life in the bubble
梅雨らしいのからしくないのか、わからないようなややこしい天気。
大きな地震が来るかもという予想も出回って、
備えというのは日頃からしないと意味がないのを分かっていても、
ついとりあえずの準備をしてみたりして、ちょっとした時間潰しをする。
誰かが録画してこの様子を見ていたら、一体なんと思うだろう。

もやもやを一掃する音楽。
音が、響きが風になって、ビュッと耳元を吹き抜けたら・・・。
Goodwin Big Phat Bandの最新作、"Life in the Bubble"。





嗚呼、これがIt's the America!みたいな単純なわたしなら、
冒頭曲を気持ち大きめの音で聴くだけで気分上々(笑)。
ベースラインのしっかりした、タメの利いたスローテンポの1曲目。
さあ、お楽しみはこれからですよ、的な。

数年前の彼らの演奏は、メロディラインをくっきり出しながらも、
これでもか!みたいに音をぎっしり詰め込んだ迫力たっぷりのもの。
それがこのアルバムでは、音と音のあいだをものすごく意識していて、
単に数の論理で押してない(押したら楽なのに!?)ところが粋な気がして。
ソロへの絡み方も、何というか、このぴったり息の合った演奏に目が覚めるよう。
もちろん以前もそうなんだけど、合い方の質が全然違って来てる。
グラミーというのも納得至極で。

嗚呼、強めのお酒でも飲みたくなってしまったよ。
大して飲めない人間をそんな気持ちにさせる罪な1枚だ。
 
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休日の夕暮れ時に美しいコーラスを聴く
サザエさん症候群ではないのだけれども。
環境の変化があまりに急すぎるのは精神的にも堪えるようで、
何がしんどいんだかよくわからないうちに、
ああ怠い怠いと口に出るように。
そういう気分になることは誰でもあるんだろうが、
区切りがつかないでただ時間が過ぎるのはもっと堪える。

最近聴いている音楽とは全く違う毛色のものを聴いて・・・
例えば、厳かで美しい合唱に管弦楽の調べとか・・・
手持ちにそういう音源がそうあるわけでもないが、
ジャケットの幻想的なデザインに惹かれてつい買ってしまう、
ヘレヴェッへのブラームス作品集を選んだ。





確かに明日の弁当のおかずを煮込みながら聴く音楽ではないのだけれども。

風に揺れる葉っぱを眺めながら、日が暮れていくのをぼんやりと追いかけている。
近所の子どもが、これでもう遊ぶのが最後なのかと思うほど奇声を上げていて、
いかにも住宅街の夕暮れ時なのだけれども。

これほど怠くても甲高い声にいらだつこともないのだから、
心がほんとうに折れてしまっているわけでも、疲れているわけでもないのだろう、
そう思うと、ほっとして溜息が漏れた。
梅雨が来そうでなかなか来ない、涼しさに救われたひととき。
 
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