音の快楽的日常

音、音楽と徒然の日々
Soul Food, Soul Music
先週末は久しぶりに関西は大阪へ。
随分前に貰っていた旅行券がそろそろ失効しそうになっているのに気付き、
出かける先をあれこれ考えてみて、
普段逆にあまりやらないことをしてみようと思い立った。

観光というと大袈裟だけども、
再開発の進んだ繁華街の様子を少し見て歩きたかったし、
ことばの感覚がごく自然な地元の延長でゆっくり買い物もしたかった。
飲む食べるといわなくなったのは歳のせいだろうか。


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毎日放送の本社が千里中央を離れて何年になるのだろう。
収録を見学に行った10代の頃をつい懐かしく思い出すも、
昔はこんなあか抜けた感じでは無かったな、でもあれも良かったなと。


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早朝に出かけたのに、あっという間に日暮れ時に。
地下街をうろつきながら懐かしいお店、新しいお店を冷やかしつつ、
夕飯をゆっくり楽しんだ。
何より、お客とお店のやり取りがとてもいい具合で。
関西のことばの抑揚が、疲れたからだに食欲を呼び戻してくれる。

ソウルフードという表現はこれまでしっくりこなかったけれども、
ソースの味一つとってみても、ぴたっとハマるものがある。
おふくろさんの味というのとはまた違う意味合いの食べ物への郷愁、懐かしさ。
宿に戻って聴いたのは他でもない、映画"Chef"のサントラ盤だ。





邦題「シェフー三ツ星フードトラック始めました」という映画をご覧になった方なら、
曲が流れる毎に、あの料理、この料理と思い浮かんで困ることだろう。
ラテンのリズムに乗ったあの曲、この歌。
単なるオムニバスではなくて、映像に登場したミュージシャンによる演奏も。

ストーリーは少々上手く出来過ぎかも知れないが、
テンポよく進む物語に、旨い料理は手際が良いなんてことも思い浮かべるぐらい、
気がついたらハッピーエンドのラストまでうまく乗せられてしまう(笑)。


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番組のもう一つの主役、キューバサンド。
映画の中でも実に美味しそうなのだけれど、
これを何とか作れないかというファンのためにレシピがネットのそこここに。
ぎゅーっと押さえてこんがり焼くのがコツのようだが、
うちの台所でもうまく作れるだろうか。

それにしても、豪華キャスト、各人がどんな役回りかは観るまでのお楽しみ。
聴いてるだけで体が動いてしまう、そんな楽しい音楽てんこ盛りの1枚だから、
映画と全く切り離してしまっても楽しめるけれども、
やっぱり、これはぜひ映画の方も。
観てから聴くか、聴いてから観るか。わたしは観てから聴いた。
個人的には2015年聴いたなかでの5本の指に入確!の1枚だ。
cinema & Soundtrack | - | - | author : miss key
Kingsman
封切り直後の反響に居ても立ってもいられず、
混むと知ってて出かけた日曜の映画館。
ゴジラで有名になったビルはまだ真新しいけれど、
近くに行きすぎると、ゴジラの爪しか見えない。
なぜかって、ゴジラはビルの随分高いところに鎮座しているから。
ところで、観たのは他でもないスパイアクションの"Kingsman: The Secret Service"。





何者にも属さない組織のエージェント、
キングスマンの一人を演じるコリン・ファース、
正直、エージェントというイメージは全然なかったけれども、
その意外性もあってか、
大画面に登場後の数分で先入観ほど映画に不要なものはないなと痛感。

ネタバレはよくないから内容はかけないけれど、
組織の領袖にマイケル・ケイン、これだけでスパイもの好きには堪らない。
クレイジーと言うのは簡単だけど、極端に濃いキャラの悪役にサミュエル・L・ジャクソン。

何を軸に観るかにもよるのだろうし、評価も割れるであろうけど、
いやもう何というテンポの良さとここまでやるかという過激さは、
或る種のオマージュも織り交ぜられて痛快というほかない。


 


最後に思ったことが一つ。
続編がありあり、というありがちな最近の映画のラストに辟易していたが、
この作品にはそういう中途半端さが全くない。
映像の強弱、最近観た中ではちょっとないなという独特のざらつきが無性に焼き付き、
夢の中に出て来そうだ。

会場でエンドロールが終わりに辿り着き、
灯りがともった時に思わず拍手をしていたお客さんがいるのもうなづける。
ひっさびさに掛け値なく面白かった映画をほんとうにありがとう。
cinema & Soundtrack | - | - | author : miss key
引っ越す勇気
今回の引っ越しは、心の底から引っ越そうと思ってから引っ越し先が決まるまで、
実際にはわずか1日のことだった。
以前の住居は持主から直接賃借していて、
先方の事情あって売却処分したいが故のプレッシャーがここ数ヶ月あったとはいえ、
10年以上も落ち着いて住んでいる場所をそう簡単には変えられないだろう、
そう思っていた自分をあっさり裏切る自分自身がいるとは思いもよらなかった。


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条件のある程度あった部屋だな
検索画面を眺めてふと思ったので、昼休みに仲介先に連絡を取り、
仕事帰りに内見をしてみたら、窓を開けたときの何ともいえない開放感が、
どうしようもなく気に入った。だからこの部屋にした。

細かな条件はいろいろと折り合いづらいものもあったけれども。
しようしようと思っていたがやっぱり10年以上も動けなかったものが、
あっさりとわずか数時間で決まってしまう、
そのこと自体に何ともいえないおかしみを感じた。
物事が決まるときなんて、きっとそんなものだとも。


風がよく通り、日中とても明るい部屋だという他に、
少々風が強過ぎて乾きすぎるものの、
あれほどうどん粉やハダニらの病害虫に悩んでいたバラ達はすっかり健康を取り戻し、
夏の剪定を躊躇するほどの勢いで生長している。
僅か数週間でこれほどとは、生物の不思議さを痛感せずにいられない。

正直、引っ越すと決めてから、実際の引っ越しまでの約2週間、
帰宅してからの荷詰めの何と気の遠くなる作業であったことか。
引っ越しを依頼した先の担当者が見積もった段ボール箱数がピッタリだったことには、
本当に驚いたけれども、
プロの力をお借りすれば、これだけの荷物もたった半日で移動させてしまえ、
翌日にはほぼ片付き、
これまで何度も引っ越してきた中では効率ナンバーワンだったことにも、
やっぱり驚いたのだった。

もちろん、ほぼ3分の2のサイズの部屋に転居するにあたっては、
持ち物をそれなりに整理した。
不要物や壊れたものは処分、ストックは適正量に。
入れるものがなくなった家具は地元のNPOに引き取ってもらい、
新たな使い手を探してもらうことになった。
ひと通りのことが思うようにほぼ終わったときには、本当にほっとした。


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夏の疲れと引っ越し疲れが一度にやってきて、先週はひたすらじっとしていたが、
今週末はようやく再起動がかなったようだ。
秋の長い雨もようやく終わったのか、久しぶりに差し込む陽の光にどの花も活き活きとして、
引っ越して来て良かったと思った。

ところで。
引っ越しなんて、しかも10年以上住んだところを移るなんて、
余程の理由が無ければ無理だと思っていたけれど、
無理なんてことは全然なかった。
それにいろんな意味でのダウンサイジングは肩の荷が下りたようで、
心の中の風通しも随分よくなったような気がする。
「荷物」が重いということを恥ずかしいと思わず、
重い時には重いと言って、下ろす勇気も必要だということが今回の教訓。
いつかまた思い出したい時が来るだろうから改めてメモしておこう。
 
よもやま | - | - | author : miss key