音の快楽的日常

音、音楽と徒然の日々
植え替えの季節
予定より一週から二週遅れの植え替え作業。
去年の春先に随分さぼってしまい、周回遅れになっているものも合わせ、
20鉢近くが植え替えを今か今かと待っている。

鉢の大きさを同じままで土の入れ替えをするもの、鉢増しをするもの。
用土の作り方は検索すればかなり詳しく出てくるので、あとは材料を用意するだけ。
ここ二週、週末はいい天気で作業日和、
先週どうやっても鉢から抜けなかった難物のストレリチアを1時間!という「難産」の末、
ようやく鉢増しすることができた。

2年弱の間に立派な(見慣れていない方にはかなりグロい)根っこは、
プラスチックの鉢の水が流れる隙間から這い出し、突き出ていた。
仕方ないので根っこの一部は切り落とし、
「植え替え名人」というナイフのような道具まで動員してやっと植え替えが出来た。

うちにやってきた頃のストレリチアは胸に抱えてすっぽり収まる大きさだったのが、
あれよあれよと大きくなり、一度は枯れ果てる寸前までに至ったものの、
園芸店の方の助言で素人なりの仕立て直しが成功して現在に至っている。

去年夏の引っ越しで以前よりは10cmほど天井の高い部屋に越したものの、
一番伸びた葉っぱがあと少しで到達しそう。
この部屋の環境が気に入ったのか、数ヶ月で葉っぱが3枚も出てしまい、
これ以上大きくならないでくれよというわたしの心配などつゆ知らず。

ストレリチアは大きくなる植物だ、ということを知らないで、
ありがたく迎えたわたしがいけないのだと反省しても今更遅い。
激闘植え替えの筋肉痛で午後はどうにもならず、
小さな鉢の植え替えを申し訳程度に進めてわたしの日曜は終わった。

ストレリチアをこれから育てようという勇気のある方に。
鉢はできれば素焼き等のもので、抜けない時に叩き割ってしまえるものがいい。
うちは動かすのに力のいらないプラ鉢なので植え替えは相当の重労働。
小さくても根っこが強烈に張って、作業の際は格闘することになる。

ああ、そうだった、筋肉痛でうんうん唸る間BGMに流していたものを。
George Benson & Al Jarreauの共演作、"Givin it Up"。





小さな音でふわーと部屋の中に充満させると、
汗だくで大騒ぎのひと時もどこへやら。
やれやれ、もう少し体力つけないと、たくさんの植物と暮らしてはいけないな。
反省すれども、解決策がこれと見つからない、日曜の夜だよ。
pop & rock | - | - | author : miss key
月夜の晩に



今夜はいい月が出ていて、まだまだ寒いのにベランダから夜空を眺めている。
満月かと思ったら、ほんの少しだけ欠けた月ということだ。


本当に寒くて冷たい季節はどうにか過ぎたようで、
花屋の店先も少しずつ華やかになってきている。
この部屋でもスミレが花を付け、もうすぐ春だと言っているよう。


ここ数年は春と呼べる季節は本当に短くて。
四季なんていうことばもいずれはどこかへ行ってしまうのだろうか。

少々メランコリックな夜だから、John Williamsのギターの調べを聞きながら眠ろう。
アルバム"El Diablo Suelto"、2003年の作品だ。





邦題「解き放たれた悪魔」なら、このジャケットの図柄も腑に落ちる。
何とも美しい音色で編まれたベネズエラの楽曲集だ。
ギターほどワールドワイドな楽器も少ないと以前教わったが、
同じ弦でも放たれるメロディの随分違うことといったら。

余談だが、もうBOX買いは止めようと思っている端から、
今度JohnのBoxセットが出るのだという。
UKのAmazonならそこそこ安く買えるようだと分かったところで、
とりあえず一呼吸置いてみる。
数日待ってやっぱり!なら、ポチしてみようか。どうしようか。
悩める頭にも優しい1枚だ。
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春の一番に
夜中の強風に驚いて思わず目を覚ましてから、
いつになく冴えざえとしてそのまま朝に。
2月とは思えない強くて生温かな風に鉢植えがいくつも横だおしになり、
溢れた土を拾いながらとりあえずの養生を済ませたらもう昼近く。

***

今日は自室でLINN Exaktシステム体験の機会に恵まれた。
3時間超の試聴時間はあっという間に過ぎ去り、
私の部屋はその間貸切のコンサートホールになった。

断捨離、ミニマル、シンプルライフ。
そんな言葉を見ない日がないほどの今時にあって、
auidoのシステムも随分とシンプル化が進んでいるよう。
思えば、「ステレオ」を持ち始めてから今日目の前にあった装置まで、
まるで映画でも見せられてるような変化。
もちろんシンプルだからいいというのではなくて、
結果としてシンプルなシステムになったということなのだろうけれど。





貴重な時間の中で一番印象に残ったのがゲルギエフ指揮のシェエラザード。
もちろん全編通しては聴けていないのだけれど、
音の出だしで体ごと彼の国のホールに持って行かれたような衝撃。
妖しいほどに美しいバイオリン、ニュアンスや抑揚に思わず息を飲む。
ここまでくると「これはCDなんだから」と言い聞かせる必要もない。

ゲルギエフの指揮演奏に賛否両論あれど、
彼の音楽ほど旅したロシアのあの独特の空気を思い出させてくれるものもない。
部屋の中にはまださっきの余韻が残っている。
今夜もなかなか寝付けそうにないから、
小さめの音でゆっくりシェエラザードを聴くとしよう。
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依存症
ある日のこと。
元プロ野球選手が覚醒剤使用で逮捕されたニュース。
確かに驚いたが、朝から晩までこればかりというのはどうだろう。
一斉に報道されるのはある程度わかるとしても、
なぜこうも猫も杓子も一様に報道騒ぎを起こすのか不思議でならない。
世の中はどんどんと動いているからニュースの題材はもっと他にもあるだろうに。
何かの不都合を隠すために…なんていうのはドラマの見過ぎだろうか。


特定の薬物への依存症について、珍しくもなければ、
かなり身近にもあることを思い知ったのは数日前。
なんとわたしは頭痛薬の依存症であることが判明した。

かかりつけの医師から、
あまりの頭痛やめまいの多さに一度専門医の診断を受けるよう指示された。
CTスキャンは少なくとも MRIよりずっと楽だ。
問診を経ての検査だったが、わたしの頭痛の原因は神経や筋肉の緊張であって、
他のややこしい病気ではないことがはっきりした。
ついでに脳の年齢も10歳くらい若くて、
物忘れを歳のせいにしてはいけないということも分かった(笑)。

ややこしい病気ではないが、頭痛やめまいはやっかいだ。
そこで思わずめまいがした医師の説明はこうだった。
「明らかに頭痛薬の飲み過ぎで頭痛を引き起こしてもいます」と。
確かに薬局で頭痛薬の御徳用サイズを買うのはもう何年も当たり前のことだったし、
常に頭痛薬を携帯しているのも間違いない(電話は不携帯状態だというのに!)。
医師の説明では、一般の頭痛薬使用は月にせいぜい10日までとのこと。
わたしは頭痛薬使用のループから抜け出すために別の投薬を受けることになった。
医師は今ニュースになっている○○さんと同じですねというわたしに、
薬物依存といってもそういうものとは違う点を説明してくれたが、
それでもぞっとする話ではある。
帰宅後、手持ちの頭痛薬は整理し、頭痛がしても飲まないことにした。
やれやれ。

全然違うけれど、一度聞いたらクセになる音楽で週末を締めくくろう。
ベオグラードのロッキン!ロマバンド、KALの2006年アルバム、KALだ。





バルカンブラスをApple Musicでハシゴしていたらたまたま見つけた1枚。
この音楽をどう説明すればいいのか!
こういうとき、語彙や表現が拙いことを嫌という程思い知るのだけれど、
ノリの良い演奏に少々演歌風味のボーカルが乗っかってなんと気持ちのいいことか。
何気にだけれども、こぶしの回し具合につい惹かれてしまう。

さて新しく処方された薬の眠気に負けそうな気配なのでこの辺で。
この寒さの中、健気にも咲き誇る宿根カスミソウから元気をもらって、
明日からまた一週間がんばろう。


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