音の快楽的日常

音、音楽と徒然の日々
雨音

台風の影響か、雨の日が続く。

ずっと以前は、窓を閉めてしまえばしんと静まり返る部屋に住んでいて、

雨など降ろうものならぴしゃりと窓を閉め、なんとしても静謐を保とうとしていた。

 

大通りを行き交う車の音や風の音が聞こえる今の場所に来て1年ほど、

変わったと言えば、あれだけ遮音に拘っていたのが嘘のように、

今ではよほどのことがない限り窓を開け、この場所でいう自然の音を楽しむようになった。

音がしないと寂しいというか。

 

夜遅く、なかなか眠れない夜も、この、サーという音の連続と重なりが、

思いの外疲れを癒してくれることもある。

 

 

今日はすっかり朝から雨。

そういえばいつからか雨の日もそう嫌ではなくなった。

歳をとるといろんなことが変わってくるよとは友人の弁。

それを日々実感し、であるならばその変化を楽しんでいこうとも。

窓から外を眺めているだけで1日が過ぎていきそうな休日だ。

 

 

 

 

よもやま | - | - | author : miss key
47という名の

元はゲームソフトの物語で、後から映画になるものはそんなに珍しくはないのだろうが、

ヒットマンというゲームのことは何も知らず、

あのHOMELANDのクインを演じているルパート・フレンドが主演だというので、

とにかく観てみなくてはの一心だった映画、「ヒットマン:エージェント47」。

 

 

 

 

映像も精彩でダイナミック。

アップテンポのアクションシーンが目白押しで最初は目がついていかない程だったが、

後から見たシリーズの1作目と比べて主役(キャストは別)のキレが素晴らしい!

衣装の黒いスーツにしても、ラインが美しくキマっていて、それだけでも楽しめてしまう(笑)。

 

独特のシーンの積み重ねは、

ひょっとしたら元のゲームのものを再現しているのかもしれないが、

ゲームの詳しいことは全くわからないので何とも。

細部へのこだわりには自信ありと窺える作りで、

効果音と演技、そして音楽の独特のリズム感もバッチリで見ていてほんとに爽快。

 

否、正直、暗殺者の物語だから登場人物が次々と死んでいったりするから、

そこもまたゲームチックなのかもしれないが、

もちろんストーリーもしっかりと描かれていて、映像の美しさに負けてはいない。

 

どこかで聞いたかもしれない、と調べてみたら、音楽はマルコ・ベルトラミが担当。

バイオハザードも確かそうだったはず、道理で。

バイオハザードもそうだけど、この手の映画は、とことん主役がかっこよくないとつまらない。

もう観てるこちらが恥ずかしくなるくらい、あるいは感情移入ですっかり主役になりきるくらいに。

 

それにしても、あのクインがそうであったように、

隠しても隠しきれないあの陰はどうも俳優自身が持っているキャラクターのよう。

強敵のエージェント役にスタートレック新作品シリーズのザカリー・クイント、

主役が霞みそうな濃い設定ながら、それがなかなかどうして。

 

土曜の夜から都合3回見たけれど、できたらもう1回観たい!

今回はレンタルのブルーレイだけど、これはもう手元にソフトを買うしかないかな。

月曜から寝不足もどうかと思うから。

 

深夜に一人こっそりと見るのも良さげだけど、音的にもレンジが広いつくりなので、

ちょっと気を遣ってしまうかも。

ゲームを先に知っている人なら何と言うか興味津々の1本。

cinema & Soundtrack | - | - | author : miss key
Telling the Trees

こまめに音源のリリースチェックをしていたのは一体いつのことだろう。

音楽を聴くこと自体は別にまめでなくてもいいんだろうけれども、

これというミュージシャンの音源リリースをチェックすることも、

最近は随分いい加減になっていて、

何かの拍子に気づいて慌てて買うことが少なくない。

 

RM Hubbertの最近の2作品(!)もそんなアルバムだ。

彼が特別寡作というわけでもなく、単に見逃していただけなのだけれど、

とりあえず、レコードで買えてめでたしめでたし。

 

 

 

 

グラスゴーのギタリスト、ということでLINN Recordsのサイトで聴いたのが最初で、

音の良いデータで購入できたのに、私はわざわざレコードを探して買った。

彼の出すレコードには、一応mp3ダウンロードチケットも付いているが、

何の迷いもない、澄み切った響きを聴くのには、やっぱりレコードが良いと信じている。

比べたわけではなくて、もうこの辺りは宗教か何かと同じなんじゃないかと思っている。

 

一時は同じアルバムを聴くのに、何で聴くのが一番いい音がするのか、

などといろいろ気になって仕方がなかったが、今はそうでもない。

ストリーミングで適当に流れているものを聴いていて疲れるということもなければ、

何が何でもレコードでなければとも思わない。

そんな中で、これはレコードで聴きたいと思うものがあったりする、

それが例えば今日のHubbertのギターだった。

 

ストリーミング音源はどんどん広がりを見せ、今や死ぬまでどんだけ聞けるんだというくらい、

様々な音源が手軽に入手できたり、聞けたりする。

以前は自分の気に入るものをどうやって探すか、それこそショップの発売予告なんか、

目を皿のようにして見ていたような時期もあったけれど、

ここ数年は随分と肩の力も抜けて、いいもの、自分に合ったものとはいずれ出会える、

そんな楽な気持ちでいる。

それがいいのかどうかはわからないけれど、

ある種の熱が解けて、以前よりうんと楽になっているのは間違いない。

 

さて、Hubbertのギター。

昔のウインダムヒルのアルバムを思い出すけれど、もっと力強く、そしてシニカル。

音と音の響きの隙間からいろんな世界を見せてくれる。

ギターって小さくて軽くて、世界を股にかけていろんな演奏がなされてる楽器なんだと、

以前、福田進一さんのコンサートで伺ったが、なるほど合点なのだった。

寝る時間まではまだまだある、せっかくだから、彼のアルバムを遡って全部聞いてみよう。

もう9月というのに、真夏のような入道雲がずんぐりと浮かぶ日曜の午後。

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