音の快楽的日常

音、音楽と徒然の日々
Inferno

 

 

読んでから観るか、観てから読むか。

このシリーズが映画化されるときに必ず迷うのだが、

今回は映画化の話が先に聞こえていたので読むのを我慢して観た。

 

わずか1時間半ほどでは掘り下げきれない部分があるのも確か。

それでも数々のシーンと音楽が幾重にも折り重なり、

壮大な絵巻になっていくところは第1作からのお約束だ。

 

エンドロールの後ろで流れたメロディ。

この作品を通してのメインテーマが朗々と流れる様に、

一つの区切り、着地点の在り処を痛感させられた。

 

細かなシーンを想起させる各々のメロディや効果音もさることながら、

個別の作品の音楽として成り立ちながらもこうして織りなされる世界に、

映画音楽ならではの楽しみを見つけてしまう。

 

気がつけば10月ももう終わり。

関西では木枯らし1号とか。

ああ観てしまった、という寂しさもあってか、冷たさを一層感じる。

しっかりと気持ちを切り替えていこう。

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空気が冷たくなると歌が聴きたくなる

もうそろそろ苗を買いに行かないと秋冬ものが手に入らなくなる。

重い腰を上げてバスを乗り継ぎ、売り場がまるで農園のようにも見える園芸店へ出かけた。

途中のターミナル駅は催事の人だかりで大混雑。

昼時だったからか、バスもかなりの混雑で店に着いた時は本当にほっとした。

文字通り、蝶や蜂が飛び交う都会のオアシスだから。

 

売り場を大きく占めるのはガーデンシクラメンと呼ばれる小ぶりのシクラメン。

色や花びらの形など様々に手に取られるのをそっと待っている。

わたしはというと、うまくいくかどうか、原種シクラメンを1つ、

それから他にはこの春夏で2年目、3年目を上手く越させることができなかった花を、

リベンジの如くカゴに入れた。

 

同じ花でも1年草と宿根草との違いがよくわからないものもあるが、

雨の多かった時期に水のコントロールが上手くいかなかったこと、

高層のベランダでの温度管理がまだまだ掴めていないことが主な原因で枯死させた。

例えばそれは、共に暮らした犬が死ぬのとは全く違う感覚だけれども、

死なせたということに違いはなく、こぼれ種から芽吹く様子などを見ると、

嬉しい気持ちとは別の、少し複雑なものが心の隅に残ることも確かだ。

 

土曜の午後、苗を持ち帰り、一晩休ませたところで、翌日曜に植え付け作業。

「先輩」が使っていた鉢をそのまま使うも、土は新しくした。

手袋のままだとまだまだ細かな作業が上手くいかず、ついつい素手で。

終わった頃には爪が汚れてしまう。それで爪を切るとしっかり深爪に(苦笑)。

 

この秋、殊の外嬉しかったのは、もうだめかと思ったバラが秋の花を見送って、

少しずつ新芽を出し始めたこと。

根の癌腫にかかってしまい、今年の植え替えの際に思い切って罹患部を切り取った。

春はそれでも1輪咲いたが、夏を越すもどんどん調子が衰え、葉もわずか。

次々と枝が枯れて茶色になり、さすがにもうダメかと。

次の剪定はせず、力をできるだけ温存させていこう。

なんとかこのまま持ちこたえてくれるよう祈るばかりだ。

 

さて、ひと作業終えた後の1枚に、George Ezraのアルバム"Wanted on Voyage"を。

 

 

 

一度聞いたら忘れられない声。

一体どんなベテランが歌っているのかと思ったら、

彼は93年生まれの英国のシンガーソングライター。

目を閉じると広がるは果てしない田園風景。

力強くて、それでいてブルースしている声、気持ちいいほど鳴ってるギターの音色。

英国というとJamie Cullumが出た時も随分衝撃を受けたけれど、

声の力って本当にすごい。

音楽を一層熱く深くする。

 

今日もいい1日、いい週末だった。

記念にうちのバラを載せておこう。

 

 

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pop & rock | - | - | author : miss key
映画漬け

この秋は稀に見る私的映画鑑賞ラッシュ。

偶然だけれども、この人が出てれば必ず見ると決めている作品が次々と上映され、

週末はほぼ毎週のように映画館に出かけている。

老眼な視力を少々恨みつつ、大音量に耳が負けそうになりつつ。

 

この連休は「ジェイソン・ボーン」を観に出かけた。

ネタバレは良くないから話の筋は置いておくとして、

或いは話題になっている街を封鎖しての200台!カーチェイスもすごかったが、

何というかいい感じで歳をとっている俳優さん揃いで、

それがまた何とも言えないいいスパイスになっている。

 

 

 

 

主演のマット・デイモン演じるボーンの落ち着き方もぐっとくる感じで、

ああシリーズ作品の良さだなあとしみじみするけれど、

何と言っても今回は敵役の「作業員」を演じるヴァンサン・カッセルの渋さよ!

ここ数年で観た中では「トランス」という作品の中で、

「この役は他の人じゃだめだよね」と思わせる何かがある人だと思ったけれど、

今回もまさにそれそのもので。

 

アクション大作は好き嫌いがでるけれど、こういう作品作りを支える何かが彼の国にはある。

単純に予算をかけましたということではないんだろうなあと感じるけれど、

してはいけないことだらけのどこかの国では到底望めないことなんだろうなあと。

或いは俳優という職業への考え方、捉え方が根本的に違うのかもと。

そんなことをつらつら考えながら大音量でぼんやりした頭で夜の街に出た。

風はもうすっかり秋、冷たさが心地よい時期は短いから楽しまないと・・・。

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TIAS 2016

毎年恒例のTIAS2016。

今年は講演スケジュールが事前にアップされなくて日程がうまく組み立てられず、

土曜の明るい時間のごく数時間、駆け足で見て聞いただけになってしまった。

 

それでもナン億円分の装置の音を聴いたかもしれないが、

なぜか新しい感動というのはなくて、大して聞いてもいないのにお腹いっぱいで。

新しいものとか、そういうのをもういいやと体が言ってるのかもなんて思ったりして。

 

 

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このなんとも言えない気分を遠くに追いやってくれる1曲があるブースで流れた。

The WeekendのEarned it、映画"Fifty shades of gray"のサウンドトラックからの1曲。

 

 

 

 

 

  ...

  I'm so used to being used
  So I love when you call unexpected
  Cause I hate when the moment's expected
  So I'ma care for you, you, you
  I'ma care for you, you, you, you, yeah

  ...

 

 

 

 

映画自体は確かすごく話題になったと記憶するが残念ながら見ていない。

こんな曲が合うとしたらどんなシーンだろう、少し覗いてみたくなる。

(だとしたら、やはりサントラとしては成功だ)

 

 

The  WeekendによるPVがあまりに際どいので、

歌詞だけで絵が構成されたものを。

それにしてもなんてaudio的快楽に満ち満ちた声なんだろう。

歌詞も受け取り方がいくらかあるだろうが、そんな感覚があるんだろうか、

なんてついつい想像してもしまう。

 

 

 

 

こんなに近くにいても、本当の存在はあまりに遠い。

刹那に身をやつしても、その手に残るものは一つかみの砂より儚いかも知れない。

それでも。それでもの世界がどこかにあったりするんだろうか。

 

 

 

 

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