音の快楽的日常

音、音楽と徒然の日々
とっちらかった

特にこれと意識せず押した更新ボタン。

LINN DSのKonfigで、ファームの更新お知らせが出ていて、

頻繁だなと思いながら、いつもポチッとやって悪いことは何もなかったから。

それが。

突然音が出なくなり、シーンとする部屋の静かなこと。

 

装置を壊したのではないだろうとは思いつつ、

あまりの静けさにわたしの頭はどんどんとっちらかる。

初期化の作業などいろいろ試みるも、多分何かが違ってうまくいかない。

功を奏さない。

 

悪あがきは早めに止めて、いつもお世話になっているお店のスタッフにヘルプ要請、

早々にトラブルシューティングのご教示をいただいて無事復旧した。

手順を教わってからたったの20分。

わたしの「悪あがき」は2時間ほどだったけれど、

悪夢の2時間だったのでなかなかその夜は寝付けなかった(笑)。

 

 

 

 

うちのaudioは半分、いやそれ以上、コンピューターのような気がする。

厳密な意味ではなくて、ソフトでコントロールされているという点で。

昔の装置は、部品がたくさん繋がっていて、それのどこかがおかしくなると、

妙な音がしたり、熱を持ったり、予兆というものがあったような気もする。

しかしうちの今の装置は痛い、かゆいの文句一つ言わず、唐突に静かになる。

あなたの使い方が悪いと言われているような気がするのはきっと気のせいだ。

おそらく彼らにはそっと叩くとか、そういう対処も効かないだろう。

何にでも感情移入するかのごとく付き合おうとするわたしには、

ほんの少し、「彼ら」との距離を感じる瞬間だ。

 

それはさておき。

 

とっちらかっていたのはわたしの頭だけではない。

NASに収められていた大量のデータも、そういえば2台のHDDから移行した後は、

ライブラリの表示にも随分おかしな、いかにもとっちらかった表示がいくつも出ていた。

なので、かつてはボタン一つで出来たデータベースの再構築を何とかやって、

そのとっちらかり具合もすっきりと収めることができた。

 

作業の後のお茶は美味い。

 

BGMに久々のSilvestrovを。

 

 

ECMから出ているアルバムは、眺めて楽しみ、聴いてさらに楽しめる、

1枚で2度美味しい楽曲集だからすごく好きだ。

いつかこんな写真が撮りたいと思いつつなかなかそれは無理なことなのだけど、

こうして美しいピアノの響きを聴いていると、

細かいことはもうどうでもよくなっている。

 

 

ファームウェアの入れ替えを何度となくされたわたしのaudioは、

復旧後は少し不機嫌なようだった。

サリサリとしたほんの少しだけどささくれ立ちのようなものを感じたけれど、

こうしてきれいな響きのアルバムを流しているうちに、

違和感も綺麗に何処かに消え去って、いまはいつもの響き、いつもの部屋だ。

 

最近の、とは言わないけれど、自分で選んだaudioだけど、

実はよくわかっていないことが今回のことでよくわかった。

これからもずっとお世話になるのだから、もっと相手のことをよく知ろう。

ちょっとした勉強とか、ついおろそかになっている。

歳のせいにはすまい。

ちょっと口元に力の入った夜だ。

 

 

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requiem

しばらく入院していた同僚が亡くなった。

その報せを聞いた時には胃の辺りに重々しいものを感じたのは、

単に歳が近いせいではないだろう。

 

働き方を変えよう

そんな標語が標語でなくなるときがいつか来るだろうか。

 

 

わたしにできることと言えば、こうしてrequiemに浸ることぐらいだ。

それでも美しい響きに部屋が満たされると、

乾いた心の中にも少しばかり潤いが戻ってくるような気がして。

 

 

 

 

ライブラリを覗いたら、requiemというタイトルのアルバムが随分ある。

Clemencic ConcortによるJohann Joseph Fuxのアルバムは、

別のFuxのアルバムがあまりに良かったのでついでに買い求めた。

 

メランコリックに溺れず、淡々と音の連なりが宙に放たれていく。

目で追える訳でもないのに、こうしてぼんやりと眺めてしまうのはなぜだろう。

こうして無に帰ることが悲しく虚しいわけでもなく。

 

自分はあと何度こうして人を見送るということをしなければならないのだろうと思うと、

音がしそうなほどにカラカラな胸の中にもふと過るものがある。

春はあと少しでやってくるというのに。

 

 

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NAS入れ替えとバックアップ等々

音楽データがじわじわと積もり積もってこれまでのHDD、NASでは心許なくなった。

それでまずは4TBのHDDを積んだNASに入れ替えた。

あまりデータ量を大きくすると、ソフトで読み込むのにも一苦労するようなので、

これが限界に近いんだろうなあと思いながら。

 

新しいNASもすっかり落ち着き、以前のファン無NASよりむしろ静かかもと思いながら、

今度はようやく1つのHDDにバックアップを取り終えた。

ほぼ3日掛かり。

同期できるソフトお任せとはいえ、途中で止まったりしないかと落ち着かなかったのも確か。

少し前なら考えられないような容量だけど、HDDもずいぶん安価に入手できる。

TVの録画取り溜めとか、一般にも需要が結構あるのだろう。

 

そして、ここのところ調子の悪かった外付け光学ドライブ(重さのある5インチケースに

セットしたもの)。

重くて振動対策がしっかりしてあって、などと当時は何かに書いてあったけれど、

CDデータを取り込むときに正確かどうかの目安が画面にも出てくるのだから、

それで問題なければいいだろうということで、今度はコンパクトなものを選んだ。

おそらく価格も以前使っていたものの何分の1かだろう。

 

 

ロジテックというメーカーのドライブ。

薄くてiMacの近くにつなぎっぱなしでもデザイン的にもおかしくない。

CDデータの取り込み作業には十分な性能があることはもちろんのこと、

想像していたよりずっと静かで動作が安定している。

もっとギーッみたいな音がするかなと思っていたのだけれど。

気になることを無理やり探すとしたら、付属のケーブルがラップトップを意識しているのか、

やや短め。なので設置の仕方によってはケーブルは買い増しが必要。

今のところ、USB3.0端子への接続だけで電源も十分取れている。

 

なにより、以前の数キロもあるドライブセットをよいしょと持ってきてセットするより、

気楽につなげるし、つなげっぱなしでも何ら問題無し。

最近はCDを買ってもついそのままにして取り込みを先延ばしにしていたけれど、

これならCDがタワー化!する前に整理できるから気持ちも楽に。

 

取り込みやデータ整理、あれやこれやがようやくiMac1台で作業できるようになったので、

しばらく頑張ってくれたwindows7のラップトップもこれで引退。

各々、まだ使ってくださる方のところに旅立っていった。やれやれ。

 

 

ほんとうは年内にこれらのことを全部済ませ、2017年は聴いて観て聴いての1年にするはずが、

どうも1月から調子を崩してしまって2月ももう後半に。

溜息ばかりの夜、久々に聞くChet BakerのChetがやけに沁みる。

ちょっと肩が冷えそうな夜にぴったりの1枚だ。

 

 

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time after time

あっという間に1月が過ぎてしまった。

年をとる毎に時間の過ぎるのがどんどんと早くなっていくような気がするのは、

気のせいでもなんでもないと思う。

 

冬の、この一番寒い季節に、今年はビオラなど植えてみて、

ベランダが殺風景になるのをできるだけ避けようとしてみたが、

冷たい空気にさらされてじっと黙って耐えているようにも見え、

少しかわいそうなことをしているんじゃないかと思えたりする。

 

 

 

 

時々思い出したように聴くEva Cassidyの歌声。

彼女のアルバムを紹介してくれた方は、

奇しくも彼女と同じ病で既に亡くなられていて、

そういうあれやこれやと一緒に思い出されることが多くて時に気が滅入るけれど、

でもこの時期にこそ聴きたい1枚ではある。

 

奥行きが感じられる音源を余すところなく楽しみたいからと、

まるで修行のごとく部屋は寒いまま。

余計な音(例えばエアコンの)を排除したくなるけど、

いくらなんでもと暖房を入れた。

 

彼女は夭逝の歌手だった故、出ている音源も限られているが、

久しぶりにチェックしてみたら、新たに編まれたベスト盤が2015年に出ていて、

しかもアナログレコードでも出ているというので注文してみた。

3枚組なんてレコードをそう頻繁には聞かないだろうけれど、

レコードの方が彼女の声や雰囲気を出すのに合っているだろうと思って。

(多分に思い込みのところあり)

 

それにしても。

暑くも寒くもなくという季節がすっかり短くなってしまったというのは、

やっぱり気のせいだったりするんだろうか。

子供の頃の覚えがあるままの四季がいつの間にかなくなってしまったと、

残念に思っているのはわたしだけだろうか。

以前ならこんな寒さに元気に咲く花の種類もそうはなかったと思うけど、

品種改良という業にも時の経過を痛感させられる。

いずれにしても。今日のこの1枚を聞き終えたら頑張って庭いじりをしよう。

 

 

pop & rock | - | - | author : miss key