音の快楽的日常

音、音楽と徒然の日々
An Ancient Observer

更新をすっかりサボってしまった。

前回の更新後、何度かパスワードを間違えてしまい、

自分のサイトに入れなくなったのはセキュリティ上致し方ないとして、

しっかりとロックされてしまった後の再ログインにもたつき、

ようやく元の編集画面にたどり着いた。

放置してしまおうかとも思ったがあまりに無責任だから、

いずれにしても入り直してなんとか整理しよう、

そういう根気がわずかでも残っていて良かったとは独り言だけど。

 

少し前にTigranの新譜"An Ancient Observer"をレコードでいただいていて、

レコード店の壁に飾られていたのを手持ちが足りなくて見送ったのが、

何となく贈り主に透けて見えているようでどっきりしたが、

出会えるレコードとはいつか出会える、手元にやってくると信じているので(苦笑)、

今回はそういうことにしておこう。

 

 

 

 

作品毎に、ミュージシャンへの印象ががらりと変わってしまう。

Tigranという人の、引き出しの多さ、多彩(多才)さ。

音楽を紡ぐ能力の素晴らしさといってしまってはそれで終わってしまうが、

その一言では言い尽くせない広がりや深さ。

そして、彼の弾くピアノの音色の細やかなグラデーション。

曲に込められたイメージとはおそらくかけ離れているだろうが、

1曲目"Markos and Markos"を聞いていると、

幾重にも静かに雪が降り積もる、薄暗い雪原を思い浮かべる。

曲の終わり、名残を惜しむかのように消えゆく最後の一音が何とも印象的だ。

 

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自分のサイトに入れなくなったことをきっかけに、

ここ数年聞いたり、新しく手元に加わった音源の整理をした。

かつてのように月に何枚ものCDやレコードを買い求めたりというのが嘘のようだが、

ストリーミングサービスで聞いてみて、ものすごく気に入った盤以外は、

わざわざ買わなくなってしまった。

 

そのようなことが結果的にいいのかどうかということはあるが、

世の中に日々何百、あるいはそれ以上生み出されているかもしれないアルバムを

全て聞き尽くすことは到底できないから、

何かの縁で知る事になり、更には何度も聞いてみたいと惹かれる盤を手に入れ、

周囲が寝静まり、しんとした夜の時間にそっと聴いてみる、

それが何よりも愉しみな時間となった。

 

ここに来てようやく日が短くなり、いい季節になりつつある。

庭のバラは大半が蕾をたくさんつけて秋のシーズンに準備万端。

そんな中で気の早い1輪が、いつもに増して薫り高く美しかった。

今夜のレコードタイムは充実しそうな予感。

あれやこれやの作業も進んでいい1日だった。

 

 

 

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