音の快楽的日常

音、音楽と徒然の日々
2017年を振り返って

とにかく映画をたくさん見た1年だった。

映画館に出かける回数は然程でもないが、

とにかくディスクで見た本数が過去最高ではなかったかと。

人は忙しくなればなるほど、何か別のことをしたくなる生き物だということが、

何はともあれ痛感された1年だった。

 

次の年は。

やっぱり同じなんだろうか。

スピーカーを新調したせいだろうか、登場人物のセリフが、

いかにも「肉声」らしく真っ直ぐに届くのが面白くて、

どんだけ寝不足になったか、それでもって年末は大風邪ひいてしまったが(反省)。

 

この秋から特定の俳優が出ている作品を遡ってまとめて見る、

というのをやっていて、

ここ2週ほどは韓国映画を続けさまに見ているものだから、

ハングルも少しわかるようになったりして驚きの日々。

惜しむらくは現地の盤はリージョン3かBであること。

ブルーレイ版もBの方が簡単に手に入る。

リージョンの心配をせず鑑賞できる時代が来ることを祈りつつ、

今夜もまた気になる映画を眠くなるまで見続けよう。

 

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よもやま | - | - | author : miss key
大団円

クリスマスイブの日に有馬記念が重なったのはいつ以来だろう。

今年は体調も今ひとつでろくに競馬場に出かけることができなかったが、

今日という日は行かねばなるまい、

そんな思いもあってか随分早く目が覚めて真っ暗な時間に部屋を出た。

 

時間を追う毎にどんとんと増える人の波。

どこから一体こんなに集まってくるのかと思えるほどに。

本当にこれが最後の競走なのかと思うとそれだけでもこみ上げてくるものがある。

特別な競走馬が持つ、人の心を熱くする何か。

 

思い返してみれば、

大きなレースを年に6つも、それを王道をまっしぐらに、というのは、

なかなかに難しい、長いこと競馬を見ていても思い出せる馬は数えるほど。

勝ち戻る際のあの愛らしい瞳の表情を見るのも、本当に最後の日になる。

膝を高く上げてひょいと足を延ばす独特の歩様も。

 

 

馬群がコーナーを曲がる度、地響きのような低い音が場内いっぱいに広がる。

馬券を買った人もそうでない人も、大勢の人が固唾を飲んで見守る空気。

外の冷たさも忘れるほどにじわじわとやってくる見えない波に、

もうこれ以上前に行けない場所にじっと立っているわたしをさらに前へと押しやる。

残り600mの時点で、抑えきれない興奮が渦を巻く。

そして彼は、自らの影を踏ませることなく、

何ら乱れることのないフォームで、先頭を鮮やかに駆け抜けた。

 

どうして誰も競りかけていかないのか、というのは結果論で、

誰もいけない、そういうレースをするのが彼なのだ。

大勢の悲喜こもごもあれど、逃げも隠れもしない、一番強い馬が強い競馬をした。

ほんとうに忘れ得ぬ瞬間になった。

 

 

どこもかしこも満員の中、部屋に帰ってきたら身体中が痛んだ。

あれだけの長い間、押し競饅頭だったのだからまあ当然か。

シャワーを使う前にちょっとだけ、気持ちを緩めようと聴いたのが、

レコードで再発されたミリー・ヴァーノンの「イントロデューシング」。

 

 

 

 

気分だけは、おしゃれなバーの片隅で素晴らしいレースの数々を思い浮かべるような。

濃厚で、ほっこりとあったかな歌声がクールダウンにちょうどいい。

馬のオーナーが歌った祭りも素晴らしかったが、

この年には興奮が続き過ぎて胸が苦しいから。

それにしても、しみじみとしたクリスマスイヴ。

ケーキもチキンも用意していないけれど。

期待に応えるという、できそうでなかなかできないことをあの大舞台でやってのけた、

馬と騎手に心から感謝を。数え切れないほどの感動を、ほんとうにありがとう。

others (music) | - | - | author : miss key
時の過ぎるのは

年を取ると時の過ぎるのを早く感じるようになるとはほんとうのことだと思う。

気がついたら2017年も12月、今週は強い寒波も来るという。

鍋が美味しい季節になったと喜んでいていいものか、どうか。

 

音楽の再生装置を入れ替えることにした。

長らく使っていたスピーカー。

新しい恋人に走ってしまうような罪悪感。

ものでも何でも名前をつけて生き物のように接したりする癖もあって、

否、単なる執着心かもしれないが。

 

思えば、これまで使ってきた装置のどれよりもストイックな鳴り方だった。

もうこういうものと出会えないかもしれないが。

そう思ったら、今のうちにあれこれと気になる音楽を聴いておきたくなった。

今夜は北欧出身の3人で組んだバンド"Junip"の2ndアルバムを。

 

 

 

 

うちのスピーカーはこのジャケットのように真っ黒で一部に銀色の部品がついている。

なので、よく知らなかったけど、これは私のためのCDだと思って買ってみたら、

1曲目に大好きな米TVドラマで流れた歌が入っていた。

 

お風呂の中とまではいかないが、リバーブのような響きを持たせた録音で、

彼らのことを書いているWebにはシカゴ音響派に似たサウンドとある。

決してhi-fiでもないからaudio小僧向きではないのだけれど、

エアコンを切ってしんとした部屋に小音量で流してみると、

これがなかなかにメロウでいい具合。

街中の雑踏や人間関係のあれこれや、ごちゃっとうまくいかないことをひっくるめて、

嗚呼、今週もやっと終わったよ、明日からは切り替えていこう、何て時にもいい具合で。

 

この時期に、あまりにもこう、思わず遠くを見つめたくなる歌を聴くのはどうか・・・も知れないが。

明日の準備をして早めに寝るとしよう、空気の冷たさがなんだかいい感じなうちに。

pop & rock | - | - | author : miss key