何かの錯覚かもしれないが | 2018.08.19 Sunday |
ネットフリマで中古レンズを買った。
カメラ本体とセットで売られることの多いズームレンズで、
これを単体でとなると少し割高で、なかなか手が伸びないでいた。
おそらくは、セットで買ったけど結局使わず終いでもったいないからと、
思い切って処分といったところの出品で、
届いてみてわかったことだが、どうもほとんど使われていなかったよう。
お盆休みということでフリマ自体のバーゲンもあり、かなり手頃な価格で買えて、
それだけで思わず口元緩む話だが、思った通りカッチリと仕上がるレンズのようで、
こういう描写のものは手元になかったから、さらに緩むこととなった。
ここ数日、ひょっとしたらもうすぐ秋か!というくらい涼しい風が心地よい。
隣接では古い木賃アパートが取り壊され、あと少しで更地というところまで来た。
解体の様子をこうして眺めていると、少々物悲しさあれど、
区切りというのは、なんであれ、どこか清清しいものだと思う。
こんな気分にあう1枚は・・・・・と選んだのは久々に聞くEnrico Ravaのアルバム、
"Rava plays Rava"、Stefano Bollaniとのデュオだ。
イタリアのレーベルPhilologyから1999年にリリースされたアルバム。
さらりと淀みのないトランペットの響き。
彼には沈思黙考的なあまりに重たいと感じるアルバムもあるけれど、
これはそれとは対極的なもの。
日暮れ時、こうして聞いていても、メランコリックに過ぎないのがうれしい。
日曜の夕方、どっぷりと何かに浸って、月曜の朝普通に起きて仕事に行けるほど、
気力十分ではないのだから(笑)。
昼間の蝉の絶叫に変わって、キリギリスの鳴き声が聞こえる。
ここは本当に都心なんだろうか。
もう少し涼しくなったら新しいレンズをつけて歩き回ってやろう。
なんてことはないのに、何でも撮れる自由を手にいれたような錯覚がある。
どうせなら錯覚が錯覚とバレないうちに、できるだけたくさんの時間が過ごせますよう。