音の快楽的日常

音、音楽と徒然の日々
何かの錯覚かもしれないが

ネットフリマで中古レンズを買った。

カメラ本体とセットで売られることの多いズームレンズで、

これを単体でとなると少し割高で、なかなか手が伸びないでいた。

 

おそらくは、セットで買ったけど結局使わず終いでもったいないからと、

思い切って処分といったところの出品で、

届いてみてわかったことだが、どうもほとんど使われていなかったよう。

お盆休みということでフリマ自体のバーゲンもあり、かなり手頃な価格で買えて、

それだけで思わず口元緩む話だが、思った通りカッチリと仕上がるレンズのようで、

こういう描写のものは手元になかったから、さらに緩むこととなった。

 

 

 

 

ここ数日、ひょっとしたらもうすぐ秋か!というくらい涼しい風が心地よい。

隣接では古い木賃アパートが取り壊され、あと少しで更地というところまで来た。

解体の様子をこうして眺めていると、少々物悲しさあれど、

区切りというのは、なんであれ、どこか清清しいものだと思う。

 

こんな気分にあう1枚は・・・・・と選んだのは久々に聞くEnrico Ravaのアルバム、

"Rava plays Rava"、Stefano Bollaniとのデュオだ。

 

 

 

 

イタリアのレーベルPhilologyから1999年にリリースされたアルバム。

さらりと淀みのないトランペットの響き。

彼には沈思黙考的なあまりに重たいと感じるアルバムもあるけれど、

これはそれとは対極的なもの。

日暮れ時、こうして聞いていても、メランコリックに過ぎないのがうれしい。

日曜の夕方、どっぷりと何かに浸って、月曜の朝普通に起きて仕事に行けるほど、

気力十分ではないのだから(笑)。

 

昼間の蝉の絶叫に変わって、キリギリスの鳴き声が聞こえる。

ここは本当に都心なんだろうか。

もう少し涼しくなったら新しいレンズをつけて歩き回ってやろう。

なんてことはないのに、何でも撮れる自由を手にいれたような錯覚がある。

どうせなら錯覚が錯覚とバレないうちに、できるだけたくさんの時間が過ごせますよう。

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備忘録

またしてもヘッドホン難民になりつつある。

今使っているものも結構やれてしまっているのに、

このメーカーはaudio製品から撤退してしまう。

 

思い切って、今は暑いことだし、今後は毎年猛暑に見舞われるのであろうからと、

イヤホンを店頭であれこれ試して回ったが、

カナル式、というのがどうにも合わない。

今時は単純なインイヤー式のものは少なくて、

しかもヘッドホン含め大半がワイヤレスの製品になりつつあるようで、

売り場をざっと眺めるだけで眩暈がした。

 

使っているプレーヤーの関係で有線でなくてはならないので、

手頃なブランドの旧製品を探すことに。

こうなったら焦らずいこう。いつか気に入る物が見つかるだろうから。

 

***

 

サマータイム、の記事が出てからどうも心穏やかでいられない。

不器用で子供の頃から起きる時間が決まっている、

というかその時間にしか起きられないので、

それを2時間繰り上げろ、と言われても体は簡単にはついていけないだろう。

こういう話題が安易に出る世の中から早くリタイアしたいものだが、

そうもいかないので、もしそうなった場合の工夫を少し考えておかなければと思う。

それにしても一体誰の、何のためのサマータイムなのか。

あの有名なスタンダード曲を思い浮かべる度に恨めしさが胸に充満する。

 

明日から珍しくかなり遠出の仕事がつづくから、リセットしよう。しなければ。

アイルランドはダブリン出身のSSW、James Vincent MaMorrowの少し前のアルバムを。

 

 

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Early in the morning、なんて、サマータイムのことが気になるからこのアルバムなのか。

リセットしたいのに。

まあ、つべこべ言わず、アルバムを聴こう。

神様の贈り物、というべきか、彼の声。

現代のブルーアイド・ソウル、という形容詞に頷く。

 

残念なのはわたしの頭が暑さに茹だってしまい、丁寧に紡がれた一言ひとことが、

すっと頭に入ってこないことだ。

嗚呼漸く眠気が。明日の天気が気になるが、まあ起きてからのことにしよう。

目が覚めたら面倒なことはすべて忘れていますよう。

よもやま | - | - | author : miss key
夏の色を探しているうちに

ものすごい照り付けと暑さ。

確かに頭の中の8月の、真夏のイメージはじりじりと照りつける太陽と、

それに負けない濃い緑、そして蝉の鳴き声。

 

少しだけ近所を歩いてみた。

せっかく手元にカメラもあるし、と。

 

 

 

 

シャッターを押して取り出しただけの写真だけど、ああなんていい緑色なんだろう。

体の中の水分がすべて抜けて蒸発するような暑さの中で、

力強く生きてなお、この色艶よ。

 

最近、道端の隙間から力強く生え出している草花に強く惹かれる。

休憩時間に眺めるのは、そうした植物の、

わたしにとって強さの見本のような生き物たちの図鑑や解説書だ。

 

歩道の脇をじっと眺めているうちに本当に力が抜けそうになってきたので帰宅。

窓を全開、風を入れよう。

 

こんなとき聴きたいのはやっぱりリヒテルのバッハだ。

中でも最近はこればかりという4枚組のバッハ集。

 

 

 

 

4枚あると、その日その時の気分にあった1枚が選べる、というわけでもないが、

なぜかこれという1枚がある、便利な薬のような録音だ。

鄙びた田舎を行く音楽家の背中を眺めながら、

いつか自分も弾けたらいいなと思うようなソナタが次々と流れる。

 

曲順。

このアルバムの曲順は演奏家が決めたんだろうか。

それともアルバムを制作した側で決めたものだろうか。

ああ、なんて絶妙な。

 

 

そうこうしているうちにまた台風がやって来る。

今は月曜の夜。台風は水曜の夜から影響が大きくなるらしいのに、

ベランダの風当たりはすでに台風近し。

なので、これ以上傷ませたくないバラ2鉢を室内へ。

わたしより背の高いバラだ。

部屋の中だと蒸れてしまうだろうが、枝が折れ葉が飛んでしまう

ダメージは小さくない。

隙間から伸びゆく力強い植物たちと違って、

どうしたって自生するはずのない環境でわたしの我儘でいてもらっている。

だから手助けが必要だ。

 

バラはバッハを聞かないかもしれないが。

台風が去ってしまうだろう3日先まで時間はまだまだたくさんある。

ごうごうと風の音の合間にもピアノの響きを楽しんでいよう。

それにしても今年の夏は台風が多い。

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